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牛丼と経済

吉野家が1週間限定で牛丼270円と業界最安値で勝負するらしい。
(日経サイトより)
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/food_service_industry/?1270031880


<牛丼並盛りの値段(参考、上サイトより引用)>

吉野家 270円(4月7日〜13日)
すき家 280円(昨年12月7日〜)
松屋 320円(昨年12月3日〜)

どんどんデフレが進んでいます。
消費者にとっては安いのは、財布にやさしくとても有難いことですが、経済全体としてはデフレにはまると抜け出るのに時間がかかる大病です。

デフレと実生活の関係を簡単に説明すると、

(牛丼が)安くなる(*)
=>業界全体で人件費を抑えないと利益が出ない
(利益が出ないと会社がやっていけない)
=>働く人の時給を抑える
=>賃金収入が減る
=>購買力が低下し、物を買わなくなる
=>需給バランスの関係からより価格が下がる
=>(*)に戻る

これを「デフレスパイラル」と言います。

日本政府の掲げたGDPの目標値を達成するためには、約30兆円の需要が不足しています。

工業社会で物の生産と流通が確保されている現在の日本などの先進国では、マクロのレベルで供給が足りない状況はあまり発生しません。

つまり需要が経済成長の大きな鍵になります。
アメリカが世界一GDPの大きな国であり続けられるのは、少子化対策として移民の受け入れをして消費者の絶対数を増やしていること、カードローンを利用するなど消費行動が旺盛なこと、防衛費や公共投資など国からの予算で需要を押し上げていること、などが主な要因です。

その結果さまざまな付随する問題(サブプライム財政赤字など)もありますが、GDP首位のアメリカは2位の日本の約3倍です。
この巨大な胃袋があるので、世界の生産物がここに流入してきて、また新しい商品や新しいマネーが一極集中でここに集まってきたというのが現在までの仕組みです。

身近なものでも、ひとつひとつを注意深く観察すると、より大きなシステム全体が見えてきます。
日ごろから、そういう意識で物事を見るようにすると、これまで見えなかったものが見えてくるはずです。