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未来の就活「就活2.0」の在り方

日本における就職活動の変遷を基に、未来の就活がどういったものかになるかについて書いていきたいと思います。
これは、GOOD FINDが提供している事業の根底にある考えの基になっていますので、長くなりますが最後までお読みいただければ幸いです。



◎就活ナビサイトが生まれる前の就職活動

インターネットが生まれる前の就職活動は、企業に直接手紙や履歴書を送って面接・採用してもらったり、大学のゼミや研究室の教授の紹介だったり、部活やサークルの先輩の紹介など非常に選択肢の限られた就職機会しかありませんでした。

ただ、良く知る身近な人が就職機会を提供してくれるため、選択肢は少ないもののある程度は納得感のある就職だったのではないかと思います。当時は日本経済が右肩上がりの時代であり、ある程度名の知られた会社に入りさえすれば、その会社が今後成長する可能性が高く、給料も右肩上がりで伸びていくという社会情勢も影響していたと思います。



◎就活ナビサイトが生まれた後の就職活動

その後、インターネットの普及に伴い、リクナビに代表されるような就職ナビサイトが出来ました。
これによって、今まで限定的だった就職活動の選択肢が一気に広がりました。多くの会社を1つのサイトに集約してカテゴリ別に分類し、学生が効率的に会社探しが出来るという仕組みは当時は非常に画期的で、大変価値のあるものでした。

しかし必ずしも良いことだけが起こったわけではありません。

企業による優秀な学生の争奪競争により、就活の時期がどんどん早期化・長期化したこと、就職活動がある種のゲームと化し、多くのマニュアル本が出回って没個性化してしまったこと、就活産業の活性化に伴い、就職活動という行為自体が産業側によって偏った情報による「作られたもの」となってしまったことなど、多くの問題点が挙げられ、これらは未だ解決していません。

これらの問題の本質は、増え過ぎた選択肢によって若者が自ら選択出来なくなったことではないでしょうか?

増え過ぎた選択肢は必ずしも人々を幸福にしない、と心理学社のBarry Schwartz.はその著書「The paradox of choice」で述べています。明確な判断軸を持たないまま、選択肢が莫大に増えたこと思考停止に陥り、人気企業ランキングや就職偏差値等の産業側による外部からの安易な判断軸、没個性かなどがもたらされてしまったと考えることが出来ます。

(近年の就活の問題点に関して、就職ジャーナリスト常見陽平氏のこちらの記事によくまとまっていますので、興味のある方はご一読下さい。)


◎未来の就職活動「就活2.0」

それでは今後の就職活動はどうなるでしょうか?今後の就活をを考える上でのポイントは下記の2点にあると思っています。

・学生と企業が本音でマッチング出来るような仕組み作り
・新たな雇用を創出することによる、雇用環境の改善

前者に関しては、学生に対してよりフラットな情報を提供すると同時に、世の中の溢れる情報から本質を見極めて自分自身で物事が判断出来るようになる教育と、社会の要請に見合ったスキル/マインドの醸成が必要不可欠だと考えています。

後者に関しては、現在日本で広く叫ばれている雇用難/就職難に対する対策として、新しい産業や事業を創出・拡大していくことで新たな雇用機会を生み出すことが有効だと考えています。

従来の就職活動では、決まったレールの上で、一方的に与えられた情報を頼りにして目的の企業に合う自分像を作り上げることが目的となっていました。そのために自己分析があり、企業研究があり、OB訪問があり、説明会がありました。そしてその裏には、企業が求める像をうまく作り上げられない人は、そのギャップに苦しむという歪んだ構造が生まれていました。

しかしこれまで就活産業のサービスの需要者であった学生自らが、主体的に考え・情報を見極め・能動的に意見を発信することで、個々人に合った生き方をデザイン(=企業との本音でのマッチング)するための活動こそが、新しい時代の就活であると思います。

それは従来通りの型にハマった活動・説明会に出てESを出して面接をして・・・ということではなく、それぞれがそれぞれのやり方で職を探す時代が来るのではないでしょうか。Twitterなどのソーシャルメディアを使った方法、学生時代からベンチャー企業でインターンを経てそのまま入社してしまったり、大学時代に出来た人脈を基に就活してしまう方法など、いくらでもやり方はあるでしょう。

(参考:「就活を継続する2011生に送る「ジョブハンティングのすすめ」


以上のような未来の就職活動の在り方を見据えて、GOOD FINDでは大きく分けて下記2つの事業を行っています。

1つ目は、学生の皆さんに大学教育では現状で提供出来ていない部分の教育をセミナーとして無料で提供するというものです。(一部有料セミナーもあります)

ロジカルシンキング/コミュニケーション・プレゼンテーションスキル/ITの知識とプログラミング/実践的な英会話/財務会計等の経営の最低限知識/社会観や歴史観など社会人としてのリベラルアーツ/リーダーシップなどの教育機会を提供しています。まだ全てのコンテンツが揃っているわけではありませんが、今後更に充実させていきます。

2つ目は新産業・新事業・ソーシャルイノベーションに挑戦する優良企業に対して、学生の方々に就職の機会を提供しています。新しいものに挑戦するベンチャースピリットを持った人材に対して、個人の志向性に合わせて、自らの価値を最大化出来るようなマッチング重視の会社選びのサポートをしております。


以上長くなりましたが、現在の就活を変える為には社会の仕組みを変えると同時に、サービス享受者である学生の皆さんが自らが能動的な表現者となり、学生側からイノベーションが起こるような仕組みづくりを行い、更に教育に変革をもたらすことが必要と考えています。