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「これまでの優秀さ」 と 「これからの優秀さ」

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「これまでの優秀さ」と「これからの優秀さ」は本質的に大きな違いがある。

 
端的に言えば、「これまでの優秀さ」とは記憶を中心としたマニュアルの再現性能力。与えられた教材を正しく理解して、反復できるようにし、決まった方法で求められている回答を短い時間で正確に導きだす能力である。
いわゆる学歴が高い人がスコアが高くなる分野である。
 
一方でこれまでとは全く異なる「これからの優秀さ」が今後必要とされる。それは解答のない問題に自ら取り組み解答を出し、その正しさを自分で証明する能力である。
 
分かりやすいものは事業創造やアートやデザインなどの分野である。どれが正しいかは誰にもわからず、多くに人に評価されることにより、初めて力量が認められる。
 
 
経済高度成長の間は、主に先進国にキャッチアップすることが目標とされ、そのためには先進国の学問を習得し同じことをできるようになることが最優先される。同じ製品やサービスを展開しても人件費や物価が安いために価格競争力がうまれ、それにより先進国から少しずつシェアを奪い、その稼いだ分をまた教育にまわしていくという好循環が期待できる。
現在のベトナムインドネシアなどの国々がそういう状況であり、1960年代から70年代ぐらいの日本もそうであった。
中国は最近このステージを脱しつつあり、国内の物価の上昇に加え、中国の貨幣である人民元が他の通貨に比べて高くなり全体としてコストアップしてきたので、外資系の工場などは他の途上国に移転することも少なくない。
 
 
一方先進国になった国々では、キャッチアップすべき対象はもはやなく、自分で新しい分野を作っていかなければならない。先人の例がないだけに自らの創造性がすべてであり、また当然ながらそのマニュアルは存在していないので学校の暗記中心の勉強だけをしてきた人々は何をしてよいかわからない状態に陥る。
模範解答のないアートのような世界では評価できる人もあまりいないため、正しさは自ら結果をもって証明することになるケースが多く、そういう意味では考える力だけでなく、実行して実現させるところまでがないと日の目を見ないこともある。
 
ビジネスでいうと新しい産業や製品、サービスを生み出すことが該当し、それは結果をもって評価される世界である。
評論家みたいな学者やコンサルタントもいるにはいるが、一番評価されるのは創った人々であり、ノウハウなどが蓄積される前に知恵と勇気で成し遂げることは、これまでの暗記中心の学習とは大きく異なるところである。
 
新しい時代における新しいニーズにこたえるには、上記のようなこれまでとは異なる優秀さが必要になってくる。
非常に残念なことに(?)これらはマニュアル化さえされおらず、これまでの勉強方法で学ぼうとしても原理上不可能で、自ら方法を見つけるところからはじめなければならないということが、難しさの一つでもある。

*写真のSteve Jobsさんと本文とは直接、関係はありません。
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。。。(2016/1/13)