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知識がコモディティー化(陳腐化)する世界で生きる方法?

コロナウイルスが世界で問題になっており、外出や海外渡航が制限されています。しかしこのように人と直接出会う機会が制限された今こそ、ネットの利用や新しい働き方や学び方を考える良い機会であると思います。
 
近年のインターネット普及により、世界中のどこからでも等しく情報にアクセスできるようになりました。実際にIT社会が普及する中国ではコロナの発祥地でもあり患者が多いことから会社や学校に行くことが早期に禁止されネットでの生活をいち早く取り入れられています。例えば学校の授業は完全にネットに移行しましたし、コロナ情報のアップデートも速く、ネットでのオンライン診療や必要な医療施設へのアクセス方法などをすべてスマホから指示を受けるように対応しました。
 

このように現代はインターネットで情報を利用することでどんどん便利になり、検索すると相当量の情報にアクセスできます。そうなると誰でもどこからも同じ知識を得ることができるようになる中、個人はどのように差別化して生きていけばよいでしょうか?

受験の学習塾でも、これまでなら都会にいないと良い先生の授業を受けれなかったものが地方に住んでいてもオンラインで同様の講座を取ることができます。もちろんオンランとオフラインでは場の雰囲気とか先生のカリスマ性とか得られる情報には一定の差はありますが、それでも授業の内容という点では少なくとも同じ情報にアクセスできます。

情報アクセスコストがゼロであるということが、これまで学校や書籍といった物理的制約から人類を解放したとともに、誰でもが知識を得られる世の中であたらしい種類の競争が始まったと、見ることができます。

 
<現状について> 
・”知識”へのアクセスコストがゼロになる(”ネット”にアクセスするコストは実際には発生する)
 
・意欲があればどの地域にいても同じ情報にアクセスでき、場所がネックではなくなる
=>コストの低いところで仕事をしてもOK(価格低下圧力が強くなる)
=>企業は市場や競合などの情報をいち早く入手して、すぐにでも対抗策を練ることができる(競争の激化)
=>受験などのライバルの増加(塾などの都市部が圧倒的に有利だった状況からの変化)
 
・記憶することとは別に、情報検索する能力が大切になる(もちろんそこには語学力も含まれる)
 
・アクセスした情報に対してそれの内容を理解し判断する能力が必要になる(「情報リテラシー」が必要)
 
・知識差は情報アクセスへの容易さにより以前より簡単に埋まるようになり、情報自身は独占できないので発信したとたん価値は急激に下がり始める
 
・教育には特にインパクトがある。住んでいる場所が全く関係がなくなり、独学で多くのことを学ぶことができるようになるし、動画はテキストのみよりも簡単に理解できる(マニュアル系やノウハウ系のコンテンツはyoutubeに非常に多い)
 
・教師が提供する価値も変わってくる。同じ講義は録画しておいて生徒が自由にアクセスできるようになるため、極端な話一人の講師で十分であり他の教師が不要になる
=>学校や教師の役割の変化 
 
・教師の価値は情報をその場で発信することから以下のように変わってくる
ー相手に合わせてわかりやすく説明する。分からない人には分かりやすい言葉と例で説明し、できる人にはより高い次元の話をしたり不要な説明を省略しどんどん進む(個別化)
ーワークで内容を確認したり的確なフィードバックをする
ー参加者のコーディネートの役割が必要になる
・動画は教育だけでなく、料理やイベントのライブ配信など多岐に影響がおよぶ
 
 
良いことが多いですが、一方で限界や問題点も出ています。
 
 
<問題点>
・多くの国や地域ではインターネットへのアクセスやデバイスの普及に問題があり、その有無によりより格差が大きくなる(例、アフリカの国々ではインターネットのアクセス自体が高級品である地域もある)
 
・個人の意欲がないことに対してはあまり効果はない。人が直接会わないと実現しにくいことがある
ー動機付け(先生やライバル、同級生からの)
ーペースメーク(結局行く場所と時間が決まっているほうが持続しやすい)
ー権威や実証例がない場合は、情報の価値が分からないため無視されやすい
ー情報が均質化し判断しない人の間ではステレオタイプとなりやすい
ー意欲のある人とそうでない人の差がどんどん大きくなる
 
・既存の仕組みから適応できない組織やシステムまたは人々が淘汰される
 
・情報の価値を判断できない場合には、どれが適切なサービスか分からず結局マーケティングのコストをかけて宣伝したものを選んでしまう 
 
 
教育に関しては本当にインパクトが大きく学生のみならず社会人やビジネスパーソンにとっても非常に強力なツールです。

NPOのカーンアカデミーのような巨大な教育プラットフォームはほぼ全科目を無料でコンテンツを公開しています。こういうものを活用すれば自宅からでも最高レベルの教育をうけることができます。 
<カーン・アカデミー>
*私も個人的によく受講しています
 
 
また既存の大学もどんどんオンラインコースを増やしており、オンラインだけで卒業できる名門校も増えてきました。

ie Bisiness School MBA
https://www.ie.edu/business-school/programs/mba/international-mba/
*ヨーロッパの名門MBA。基本オンラインですが現地(マドリッド)の実習は必須参加

大学ではありませんがビジネスで必要なスキルを学ぶオンラインサイトもたくさんあります。

<Skillshare>
 
 
もちろん忘れてならないのはyoutubeの存在です。youtubeは動画の種類は問いませんので多くの情報が玉石混交のまま存在していますが、よいチャンネルをしっかり選ぶと大変良いものを見ることができます。(注、最近は広告が結構入ります)

そういうたくさんの情報からよいものを見つけて選んで活用できるようになると、本当に学校や習い事に行かなくても自己成長を実現することができるようになるので、大変重要なテーマだと思います。

このような世界で我々はどのように生きていけばよいでしょうか?

生き方は人それぞれの価値観によりますので、ここはビジネスパーソンとしてどうすると上手に適応するヒントを上げておきます。

1)ITツールを活用しよう!
リモートワークではGoogle ChatやSlackなどオンラインで活躍するツールの使い方になれましょう。

2)検索エンジンの上手な使い方を覚えましょう!
AND検索/OR検索などを使うと、必用な情報に早くたどり着けるようになるし、まずキーワードを探してそれをもとに検索すると信頼性の高い情報にたどりつけます。サイト内検索も有効で特定の機関が発行する信頼できる情報だけを入手することができます。

3)英語を使いましょう!
ネットの情報は当たり前ですが英語のほうが質、量ともに多いので英語で検索する習慣をつけましょう。

4)情報の価値を判断する力をつけましょう!
情報の発信者は誰か?その人のバックグランドや立場や利害はどういうものか?を考えて情報を判断しましょう。

5)オフラインで話を聞けるネットワークを持とう!
曖昧な情報を検索する場合は信頼できる人間に聞いたほうが早いことが良くあります。そこばかりに頼ることは非効率ですし相手にも迷惑ですが、そういう人を持っておくことは刺激を受けたりする面でも大変有意義です。

6)もっと、もっとGoogle検索をたくさん使いましょう!
よく「ぐぐれっ!」と会社で怒られることがありますが、検索して出てくる情報は大変多いので、多くのことはそこで解決するはずです。


以上、情報化社会で知識がすぐに陳腐化する世界で生きる方法を自分なりにまとめましたが、是非今から上手に適応していただけると幸いです。