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起業することは”数学的に”リスキーだろうか?~生涯年収を確率論で試算~

起業することは”数学的に”リスキーだろうか?~生涯年収を確率論で試算~

 

実際にどうなんだろう?と思ったので、起業する場合と会社員になる場合でそれぞれ数字を置いて生涯年収をシミュレーションしてみました。

*断じて結果から逆算して自分の都合のよくなるようには計算していません。

*シミュレーションの数字はいろいろ置き換えるとよいかもしれません。(あくまでシナリオと仮置きの数字)

 

◆シミュレーション1(起業する世の中のイメージで計算)

*たぶん世の中ではこう思っているんだろうな、というシナリオです。


ー成功するケース(3%)リターンは50億円
ー成功しないケース(97%)リターンはー1億円 *つまり負債(=借金)をかかえる

この場合の平均(期待値)は

50億×0.03+(-1億)×0.97=1.5-0.97=0.53億円 

起業することは凄くリスキー!というイメージはこのように表されるのではないかと推測して計算してみました。97%がマイナス1億円になるのに平均はプラスになるんですね。(個人的に意外だった)

では実際に細かく精緻化して試算したものが以下のシミュレーションです。

 

◆シミュレーション2(起業する)*少し詳細に場合分け
(ケース1)起業して成功する場合(3%)50億
(ケース2)起業してそこそこ稼げる場合(27%)3億
(ケース3)起業して失敗して会社員に戻るケース(失敗による大きな負債はなし)(65%)1.5億
(ケース4)起業して失敗して会社員に戻るが負債1億円を最終的に持つ(5%)-1億

*会社員に戻るケースでは会社員のそこそこの収入が勤労年数に応じてあり、それと起業による差分の数字で考える

この場合の平均(期待値)は

50億円×0.03+3億×0.27+1.5億×0.65+(-1億)×0.05=1.5+0.81+0.975+(-0.05)=3.235億

この結果は会社員の生涯年収がだいたい2.5億くらいとするとそれよりはだいぶ多いですね。


更に上手にリスクをマネージして負債をなくしたケースが以下の通り。

◆シミュレーション3(起業する)*リスクをマネージして負債を残さない
(ケース1)起業して成功する場合(3%)50億
(ケース2)起業してそこそこ稼げる場合(27%)3億
(ケース3)起業して失敗して会社員に戻るケース(失敗による大きな負債はなし)(70%)1.5億

*シミュレーション2との違いは(ケース4)をなくしてその分を(ケース3)に統合

この場合の平均(期待値)は

50億円×0.03+3億×0.27+1.5億×0.7=1.5+0.81+1.05=3.36億

 

多分心理的にはこちらのほうが負債がないので安心できるのでは?
期待値としてはシミュレーション3と4ではそれほど変わらない。(3.385億と3.51億)
ファイナンスをしっかり行いリスクを管理することで負債は避けることができるので最悪でも会社員にもどれるようにすれば実際は怖くないのでは。
(ご相談ください!)


◆シミュレーション4 
会社員になるケースを考える

(ケース1)会社員になり無難に定年まで勤め上げる(40%)2.5億
(ケース2)会社員となるが途中から不安定になり収入が減る(40%)2億
(ケース3)会社員となりかなりステップアップして成功する(5%)5億
(ケース4)会社員となりそこそこのステップアップする(15%)4億


この場合の平均(期待値)は
2.5億×0.4+2億×0.4+5億×0.05+4億×0.15=1+0.8+0.25+0.6=2.65億 

*現在の会社員の生涯年収に近い
*ただし個人差は現在よりかなり大きい(現在、生涯年収が4億を超える人は20%もいない)

(ケース1)の無難に勤め上げる人が40%もいるかなぁ?とちょっと不安に思います。
また(ケース3)と(ケース4)で合わせて20%になっていますが、20%の人が生涯年収4億以上というのも少し楽観的かもしれません。

ここで想定したケース1~4は実際にこのような数字になるのでは?と現状から推測して書いています。これからの時代は一つの会社に勤めあげることや、ずっと会社勤めをすることが少なくなると想定すると、会社員になることは全く安定を意味しないことがこの数字からもわかります。



<本日のレッスン>
リスクやリターンについての過大評価、過小評価は心理的に起こりがちです。しかし実際に詳細に考えて数量をもとに表してみればそれは誤解であることもわかります。是非数字で事実を表現する方法を習慣化して、実態をありのまま一旦把握することが大事だと思います。