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2021年 世界はどうなる?(新春の雑感)

2021年 世界はどうなる?(新春の雑感)
 
毎年この時期に、これから迎える1年について雑感を書いています。主要なテーマに対して、いくつかのポイントでまとめてみました。
 
***”超”長文注意***(約10,000字)*ヒマなときにどうぞ!
*本文は信頼できる情報をもとに書いていますが、ほぼ記憶のみから作成しているので正確性や内容の判断はご自身でお願いいたします。
 
(参考、昨年の記事はこちらへ)

 
 
=目次=
(1)コロナに世界中が翻弄された2020年
(2)2020年の経済状況を俯瞰すると
(3)選挙でもめたアメリカと対峙する中国
(4)今後の世界は?
 
 
(1)コロナに世界中が翻弄された2020年
 
2020年を一言で振り返るなら、コロナとアメリカ大統領選挙に翻弄された一年でした。そのせいで米中戦争や地域紛争などはニュースとしては影が薄く、中東におけるUAEイスラエルの国交正常化のような話は気がつかないか忘れている人も多いのではないでしょうか。
また我々も少し忘れがちですが、東京オリンピックが本来なら開催されるはずでした。それが1年延期となり現在でも20201年に本当に開催できるのか疑問を持つ人も多いはずです。
 
そして今年2021年、コロナが終息し新しい回復期に入るかと思われた1月に東京をはじめ首都圏といくつかの地域で緊急事態宣言が再発令されました。
今後については、短期的にはコロナによる自粛活動がどれくらい続くかにより経済や社会の様子は変わります。現時点での予測としてはコロナウイルスRNA型の非常に変異しやすい性質を持っていることを考えれば、メディアがその不安なニュースをたくさん流すため人々も不安なままで状況は変わらないでしょう。
 
このような状況ですので我々は賢く行動することが求められます。ですから、ここではまずこの状況を冷静に科学的根拠を確認しながら考察する必要があります。
 
まずウイルスの蔓延をインフルエンザを例に考えてみるなら、我々はコロナを早急に撲滅することは難しく、今後もおそらく共存する状況が続きます。人類の歴史には天然痘のように種痘の接種で事実上危険から解放された事例はありますが、これはたった一つのよい例で、その他の全てのウイルスは現在も人類と共存しています。カゼやインフルエンザは毎年冬になると多くの人がかかります。特にインフルエンザは日本では毎年多くの人が予防接種をうっており、厚生労働省のHPによれば平成29年度で対象者の48.2%が受けていますが、この年度で約1458万人が罹っています。(数字は厚生労働省の資料より)
 
定期の予防接種実施者数(厚生労働省
インフルエンザ患者数など
 
この国では約1.2億強の人口の約1割にあたる1458万人がインフルエンザにかかっているのがファクト(事実)です。
一方でコロナの累計感染者数は264,733 人(1/9、13時時点)ですのでインフルエンザと比べるとけた違いに数字は小さくなっています。コロナがインフルエンザと同等の感染力があるとすると、現時点の累計約26万人はインフルエンザの1458万人と比べるとけた違いに小さな数字ですので、これは自粛により効果があったことが類推されます。それはこれだけ我々が外にも出ず人とも会わなければ当然と言えば当然です。実際2021年のインフルエンザの患者数も前年度期比で激減しています。これは外出制限、消毒、手洗いやうがいの徹底しているからで当たり前と言えば当たり前です。
このように2020年はコロナに始まりコロナで終わった状況でした。経済面での影響などについては次の章でお話したいと思います。
 
 
 
 
 
(2)2020年の経済状況を俯瞰すると
 
IMF国際通貨基金)の2020年のGDP予測は10月時点での速報値で-4.4%となっており、これはコロナの影響をもろに受けていて、特に航空産業、旅行、飲食などに大きな落ち込みが見られます。
 


 
人の動きがこれだけ制限されると消費行動にも影響が出るのはある意味当たり前のことで、我々も在宅勤務では交通機関を使うことも少なくなりますし、外で買い物をしたり食事をとったりする機会は激減します。
 
最近のあるニュースの記事で今年売れていないものに女性の口紅があると書いてありました。これは男性視点では全く気が付かなかったのですが、確かにマスクをしている時には不要になりますし、外で人と会う機会が減れば消費が激減するのは納得です。
 
産業ごとの経済インパクトのレポートはシンクタンクコンサルティング会社が分析しているものが沢山出ているので業界ごとの詳細な数字はそれらを参照してみると勉強になります。
 
(参考、三菱UFJリサーチ社の特設ページ)


 
現在ワクチンの生産を各メーカーは急ピッチで整えており、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ社などが世界に供給を始めました。最も予防接種が進むアメリカでは1月9日時点で既に300万人が接種済みで、他では中国やイスラエルが数百万単位で接種を既に完了しています。
全体で見るとまだまだですがイスラエルのような人口800万の国で国民の多くが予防接種を完了した後に、実際にその効果がどれくらいあるのか各国は注目しています。
 
 
世界的な需要不足は資源相場にも大きな影響を与えています。2020年3月あたりの原油価格は1バレル15ドル程度まで落ち込み、先物市場ではなんと大きなマイナスの価格も一時期ついていたくらいです。先物市場は原資産の需要予測からつく値段なので実際に原油がマイナスで買えるわけではありませんが、需要と共有のギャップがこれだけ大きくなったという点で一つの象徴的なトピックとなりました。
 
この状況では資源輸出に経済が依存する中東やアフリカの国々とロシアなどには大きなマイナスインパクトとなります。これら資源の輸出国は、世界の景気の良い時には資源価格高騰により黙っていても恩恵が大きくなります。反対に今回のコロナで世界の消費が落ち込み資源価格が下落する場合には打つ手もなく、良い時にコストカットや効率性を改善しなかった場合には、生産すればするほど赤字が増えますが、外貨を稼ぐために生産し続けるため、それが一層の価格下落を招いていくという負のスパイラルにはまりがちです。
 
この経済の負の面は、皮肉にも中東にこれまでには実現しなかった和平を一部にもたらしました。UAEイスラエルの国交正常化など、お互いのエゴや利害の不一致などからこれまでなかなかまとまらなかったものが、コロナによって連携が必要となり前に進んだという出来事もありました。(もちろん、これだけが理由ではありません)
 
世界全体で見れば自営業やローカルな産業など相対的に小規模で弱いセクターが打撃を受けています。日本やアメリカでは現金が全国民に配られ、ビジネスサイドにも十分とはいけませんが助成金補助金があります。しかし途上国にはそのようなことをする余力はなく、仮に施行した場合通貨の信用が落ちてたちまち病的なインフレになる懸念が出てきます。
かくしてコロナは弱い者にはより厳しい試練を与え、これがIT企業などより強くなるところとのコントラストを大きくしている地獄絵巻のような様相があります。
 
株や債券などの市況は元気でした。リーマンショックでの対処療法に覚えのある中央銀行が市場の不安を消すことには慣れていたので、行動も迅速でパニックは3月の最小限のもので済みました。
しかし本来ジャンクボンドのような低格付債権が政府や中央銀行に買い支えられるとか、GAFAが数年前の倍以上の株価になっているとか、相場自体は完全にバブル状態になっています。もしもネーミングをするなら「コロナバブル?」とでもいいましょうか。

企業の側も自社株買いをして株価を支えたり、デリバティブで運用したりとまるで1980年代に日本で起こった「財テクブーム」のようで、これは企業が本業そっちのけでマネーゲームで儲けることを表現した日本におけるバブル崩壊以前の様子を表した言葉です。
結局、1980年代の日本のバブルはその後崩壊して日本経済自体は長く暗いトンネルに入りました。今回はそのようにならないことを望みますが、金融経済と実体経済の大きな乖離はそれも許してもらえそうにはありません。
 
国政は相場の安定のみならず潰れそうな企業を援助するために様々な支援をしています。ANAJALなどはこのようのな状況下で、もはや企業努力という範囲を超えていますので、国からの支援はある意味当然ですが、それに乗じて本来はリストラしなければならない団体にも一部資金が流れていることが想像されます。このようなスキームでは、本来は淘汰されるゾンビ企業が政治側と癒着しながら残るのはどこの国でも見られることですが、その原資が限られた税金から使われていることを我々はもっと知っておくべきで、それには監視の目があることが健全です。
 
上記の施策から一旦は静観されている国際経済ですが、仮にコロナが終わった後に、これまで忘れかけていた別の問題がまた噴出することは間違いありません。
 

(3)選挙でもめたアメリカと対峙する中国
 
2020年の最も世界に影響があったイベントの一つが11/3に行われたアメリカ大統領選挙です。結果は民主党のバイデン氏が僅差で勝利しましたが、その結果を巡り現在でもトランプ陣営ならびに支持者たちは納得できないようで、先日も議事堂内に不法侵入して犠牲者が出ました。
 
今さらですが分断されて混乱しているアメリカ社会の姿が全世界に報道され、これは今後のアメリカのリーダーシップにも影響を与えるでしょう。
コロナの対策についても国内でいつくかの考えを持つ人々の間で争いがありました。これには選挙の思惑なども絡みマスクの有用性、個人の権利、そこに人種や宗派の違いなど、何が何だか分からないような、とにかくいろいろな矛盾が混在し、時には意味も分からずに対峙していたように見えました。
 
アメリカはもともと思想的に個人主義で、国は最小限のみ干渉するという立場です。ヨーロッパの階級社会から自由と平等の理想を求めてこの大陸に来たピルグリムファザーズらの思想が国全体として残っており、みんなに平等にチャンスを与え、成功したものを称賛するということが基本スタンスです。それがベンチャーなどの世界では機能しており、どんどん挑戦する、そして失敗してもまた挑戦するみたいなスピリットはアメリカの特徴と言えるかもしれません。
 
しかし最近ではこの実力主義の結果、社会的な地位や収入に大きな差が出るようになってきました。一部の成功者が大きな成功を収める一方で、圧倒的多数のそうでない人々があまり良くない生活を強いられるようになり、これが社会の分断となっています。
特にグローバル時代になると海外への市場のアクセスや、海外の人材の獲得、外国製品との価格や品質の過当競争など厳しい環境に置かれることが多くなり、一般的なアメリカ人は普通の生活を送ることも難しくなってきました。
 
それと現在のアメリカはものすごい学歴社会です。よい学校に行くためにはその前によい教育を受けないといけないのですが、経済格差によりこれの実現が難しくなっています。
資本主義が進みすぎたアメリカでは公立よりも私立の学校のほうが教育の質が高いとされています。一部の豊かな都市では公立教育でも水準は保てていますが、一般にはその差は大きく、地方に行くと公立高校のドロップアウト(中退)が社会問題となっています。このドロップアウトした人はその後もよい仕事につくことができず、アメリカンドリームは本当にただのドリームになりがちです。
 
トランプ前大統領の支持者は上記のような地方都市の中間層または下位層でした。彼の共和党は伝統的にこれらの工場などで働く白人層が多く、トランプ氏の少し極端なものの言い方は彼らに直接ささるように言葉や態度を選んで訴求していました。
 
一方で対立する民主党は私立の高校、有名大学を出た人に支持者をたくさん持っています。民主党は銀行やIT企業などの成功者たちから潤沢な資金でサポートされ、ビジネス重視の自由主義的グローバル経済をすすめる政策を強いられる立場にあります。
我々が利用しているインターネットサービスの多くの経営者がこの民主党を支持しており、ツィッター社がトランプ氏のコメントを削除したりアカウント自体を凍結したりすることも、このような政治的背景があると考えると少し合点がいきます。
多くのIT企業は、グローバリゼーションにより自社サービスが全世界に広がることで収益機会を広げる経済政策を望みます。つまりなるべく規制を緩和して他国にどんどんビジネスを展開し、そのシェアを背景にM&Aなども繰り返し巨大化して独占するシナリオです。これらを代表する企業群がGAFAGoogleAppleFacebookAmazon)で、最近は国家を超えた経済力や影響力を持つため独占禁止法などで糾弾され始めています。
 
巨大化する市場という点で無視できないのが中国という大国です。人口が14億人を超え、一人当たりのGDPが100万円を超えた水準を持つ同国の購買力はどの国にとっても貿易相手として魅力的です。特に日本をはじめとする先進国は少子高齢化による人口減少で需要の伸びが見込めない中、14憶人の消費力を持ちながら生活水準が先進国水準に満たない中国とどうやって貿易するかは本当に大きな経済問題です。
 
これらの背景があり欧米側は、防衛面では対立する中国と足並みそろって包囲網をつくりにくい状況でしたが、そこにストレートな対策を取ったのが共和党のトランプ前大統領でした。
 このような背景で始まった米中の貿易戦争ですが、2020年はコロナの話題のほうが大きく、双方とも国内対策や世論を気にするあまり、それほど大きな変化もなく話題もコロナに持っていかれた肩透かしの状態でした。この背景にはアメリカの大統領選挙があり外交上あまり時間をさけなかったという要素ももちろん含まれます。
 
 
一方の中国も2020年の一年間で世界における評価や立場が大きく変わりました。そもそもコロナが最初に見つかり拡散したところは中国の大都市のひとつである武漢というところでした。(と少なくとも言われています)
一応我々が耳にする情報では2019年の年末あたりから少しずつ感染が拡大し翌年1月に中国政府もその実態を分かりながら対応が遅れて中国全土に拡散した、などと言われていますが真実であるかどうかは分かりません。これらの情報は主に欧米や日本で聞かれる情報ですがもしかすると特定の一部のメディアが共産党政権のディブランディングのために作った情報かもしれません。

中国のトップがコロナの情報を知っていたかどうか、もしくはそれを隠蔽しようとしたかは分かりませんんが、少なくとも春節で大都市から田舎のほうに移動するこの時期にコロナがあったことは拡散を大きくすることにつながったのは間違いないと想像します。
 
これは中国国内のみならず中国人が多数訪れるイタリアでも年初から多くの感染者が見つかり、そういう意味では感染ルートはこの土地から増えていったことは事実を見ると間違いないように思えます。
 
中国国内では、トップダウンによるITを使ったコロナ封じ込み策は徹底していました。元々個人情報を犠牲にした情報一極集中システムでは人々の行動を把握することが容易であり、そういう意味ではITが普及したこの国の巨大な人口を、このシステムを使って管理しました。
学校のオンライン授業へのシフトもスムーズでした。日本などでは公立の学校でいろいろ問題があると言ってなかなか進まなかった教育のオンライン化を、一瞬にして中国全土で展開したことは他の国も学ぶべきところが多いのではないかと思います。
もっともこれにはきちんとした準備があり、国家的にITに対する投資がされており、そのインフラがあることは偶然ではありません。
感染者やクラスタの発見と追跡もITインフラをフル活用しており、どこかで感染者がでたらその人の行動履歴を過去データから追跡して、すぐに濃厚接触者を特定し中央から検査の指示をだしたり隔離を強制したりすることを行っています。
 
そういう点では日本のように個人情報にこだわるあまり、追跡アプリのインストールも自主性に任せる国とは徹底という意味ではけた違いです。もう一つ付け加えたいことは国民のルールを守る態度も欧米とは異なっていました。アメリカや一部のヨーロッパの国々では個人の自由が重んじられますが、そのためにマスクの強要などに限度があります。法律で罰金規則などを定められる国でも反対する活動があったり、ルールが形骸化して人が見ているところだけでマスクをしているふりをする人たちもおり、アメリカに至っては「マスクをする自由」を主張して集団のことより個人を優先する態度をとる人も少なからずいましたが中国では強制力が強いこともあり施策はほぼ徹底して実践されました。
(もちろん監視システムと、個人の点数による管理制度があることが法律以上の効力を持っています)
 
この結果、中国のコロナからの回復は台湾などの小さな国を除けば最も早く、工場や商業施設の復活も迅速でGDPベースで見た回復基調が最初に明らかになった国の一つです。
 
そのような状況で国内の復活は早かったのですが、一方でコロナの情報の開示が遅れて世界中をパンデミックに陥れたなどの批判を受け、中国の立場もこのコロナ前後でずいぶん変わってきました。
それと経済面では中国はものすごく輸出入とも貿易量が大きいため、自国の経済活動の復活だけではこの大きな経済を十分に回せません。トランプ前大統領の米中貿易の制限もだんだんきいてきており部品の輸入も思うようにできず、また外国の経済がコロナで痛んでおり中国からの輸入も伸びないようでは正直きつい状況が続いています。中国共産党はそれに対して欧米と同じく景気刺激の財政支出を行っていますが、これも半分死にかけているゾンビとなっている国営企業に流れるだけでは根本的な解決にはなりません。
今後の中国の経済を考えるのであれば、1980年代あたりに日本が行ったような貿易依存の経済から国内の需要を底上げすべく刺激して、内需拡大による経済成長を目指すことが考えられます。一方で、国内の機能しない国営企業をリストラし、新しい成長分野に投資し企業や産業の新陳代謝をすべきですが、これをやることが一党独裁縁故主義の要素が強く残る政権でどれだけできるかが見どころになるでしょう。
 
 
 
 
(4)今後の世界は?
 
コロナとの戦いですがこれを根絶することはかなり難しいと考えられ、我々は今後もずっとコロナと共存していくことになると思います(「withコロナ」)。ウイルスに対する集団免疫を得るには一定数の人達が一度感染するかワクチンを接種する必要があります。効果的なワクチンができれば感染や重篤化防ぐことができますがワクチンには有効期間があり現時点では一回の接種でどれくらい効果があるかは不明です。インフルエンザのワクチンともし同期間の効果があるであれば、我々は今後インフルエンザと同じように毎年予防接種を受けるということになります。
 
またコロナウイルスがインフルエンザと同じくRNAという遺伝子を持つタイプで非常に変異しやすく、どんどん違う種類が生まれるという性質を持っています。
昨年末からイギリスで新種の変異が見つかったというニュースが流れ、それによりフランスやドイツなどがイギリスからの渡航制限をかけましたが、実は変異は2020年の4月の段階でいくつも見つかっており元々武漢で存在したもの以外のタイプが現在は主流となっています。
 
(ロイター社の記事より)*現在はやっているコロナウイルスのタイプが4月とは異なることが分かる

 

そうなるとワクチンができたとしても変異したタイプに効くかどうかの保証はありません。これがもしかするとワーストシナリオで一旦集団免疫なりワクチン接種の普及で人々が対応したとしても次から次へと変異したものがでてきて永遠にロックダウンとウイルス対策に奔走するということが可能性としては存在します。このあたりは2020年の4月の段階で台湾を中心に議論されています。


少なくとも現在2021年1月の段階では、日本でも東京をはじめ緊急事態宣言が再度出され飲食店や娯楽施設などに公的に制限がかかりました。少し回復の兆しが出ている中の再度の行動制限は、外食産業などにとってはようやく光明が見え始めたところでの後退なだけに、非常に厳しいものであると思います。

 
2021年はこのような状況ですので一番大きな要因は間違いなくコロナがどうなっていくかが焦点になると思います。そういう意味では国々が米中戦争などに奔走するようなことは相対的には少なくなり、アメリカも大統領選挙が終わりこれからコロナによる経済停滞とどのように浮上させていくかというところに本格的に取り組んでいくでしょう。
 
 
総合的に考えて今年は以下のようなことが起こり得ると考えます。
 
・人々はコロナのニュースに飽き始め良くも悪くも鈍感になり、また鈍感になればなるほど経済回復は早くなる
・行動制限のあるリモート中心の生活が最低あと数年続き社会がそれに適応していく
・経済指標は2021年は前年(2020年)の落ち込みが大きいため数字の上では回復する。ただしそれは前年比較の話で、2019年の状態と比べれば仕事や店を失った人が多く決してコロナ前の状態には戻らない
・産業構造と人の働き方が大きく変わる。地方の小売や飲食などは激減しECやネットサービスがそれらを補填する役割をになう
・経済全体としては人々の不安心理からくる需要不足で景気が停滞し、政府は経済刺激の財政支出をするものの消費マインドは冷えたままで世界的に不景気またはデフレの傾向が強くなる
・経済状況の悪化により各国リーダーはナショナリズムや対外強硬策をとりがちになる
・一部の人々はメディアの情報をあまり信じなり、フェイクニュースにも対応を覚え情報リテラシーが高くなるが、相変わらず大衆情報に流される層は残る
・地域経済が落ち込み中央が助ける構造が強くなり国や自治体の財政状況が急激に悪化する
・昨年ジャブジャブに発行した過剰流動マネーが株価や債券を押し上げたものの、冷静になり始めてかえって実体経済との乖離の大きさに気づき暴落の危険性が増大する
アメリカは分断された社会がより深く対立し政権のかじ取りも難しくなる
・中国は一旦孤立状態になるものの今後の世界経済の復興目的で再び立場を強くする
・貧しい国では経済刺激策などを打つ余裕もないため、デモや体制破壊の危険が増す
・行動制限による教育現場に影響が出始め、オンラインやリモート教育が行き届かないところで教育機会や格差の問題が出始める
・場所に依存しない働き方が出現しスキルや経験のある人々には良い選択肢がある一方、多くの人は新しいシステムへの適応に苦労して社会が不安定になる
・在宅生活の長期化で世界中で健康が問題になり、特にメンタル面での不安を抱える人が多くなる
・デジタル社会が加速して実現し始め前倒して未来の世界が実現し始める
・途上国から先進国への頭脳と労働力の流出がいったん止まる。労働力の移動はないまま先進国の一部で労働力が不足するが景気低迷により大きな問題とはならない。一方頭脳や才能はバーチャルの世界を通じて大きく移動し、一部の国や企業による才能の寡占化が強くなる
・コロナ対応の長期化に伴い地政学的なパワーバランスも穏やかな状態に変化し、国内で大きなトラブルがない限り多くの国は対外的な紛争を避けようとする
・社会のルールや人の行動や考え方がコロナを通じて一部大きく変わる。それは働き方、経済の仕組みばかりではなく人生観、価値観や宗教観など人生の意味そのものも再考するようになる
 
 
以上長くなりましたが2021年新春の1年に向けた雑感でした。
 
最後までお読みいただいた方へ
長文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました!
本年もよろしくお願いいたします。


。。。(2021/1/13)