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ケーススタディでのNG集(サマーインターン対策編)

今回は新規事業の立案や、既存事業の改善策を作るなどの「ケーススタディ」と呼ばれる問題を解決する方法についてお話しします。
 
就活生用に書かれていますが、一般のビジネスパーソンでも事業の評価や改善で使えるのでよかったらご覧ください。(社会人向けのセミナーもやっております!)

就職活動ではケーススタディを使った選考には複数人数で行うグループワークと個人で行うケース面接ががあります。どちらも課題を与えられて、一定時間の考察の後に発表して質疑応答などが後に来ることもあります。
ちなみにケース面接では発表後の質疑応答がしっかりしないと通過しないので、発表がゴールではなく発表が終わったところから始まるくらいに考えるとよいと思います。
 
グループワークと個人ワークの違いは、グループワークが課題の検討をチームで取り組むためチームワークの様子を見て、個々が課題解決を通してどのような振る舞いをしているかを見ます。一方個人ワークはメンバーとのすり合わせがない分すべて個人で考えるためより深く考えられた矛盾のない説明が求められます。
 
純粋に論理的に考えて課題解決をしたいのであれば、まずインプットとして現状の詳しい情報が必要になります。例えば業界全体の成長率や現状のシェア、製品の特徴、顧客のニーズなど様々な情報があります。
それらが複雑に絡み合って現在の状態ができているのですが、そこから問題となっている点を特定して、さらにそうなっている原因を見つけることが大切です。
その原因が見つかれば、それに対して何らかのアクション(解決策)を施し、現在の状態から望ましい状態に変えていくことが問題解決の基本プロセスになります。
* 新卒23卒向けの「ケース面接対策セミナー」はこちらから
https://www.goodfind.jp/2023/seminar/6022

*社会人向けのビジネスケース/課題解決の理論と演習(資料)はこちら

 
この一連のプロセスで論理的な推論を行う部分が多いのですが、その論理的な推論ということについて、我々は実は特に教育を受けているわけではありません。
そもそも「論理的」とはどういうことかを、明確に定義されていないまま我々は経験則のみで、この用語を使い、経験則からある程度、何が論理的でないかを意識してそうならないようにしているというのが実情ではないでしょうか。
 
この場面でよくあるNG集は以下の通りで、論理的でないという例です。
 
◆推論の前提を自分勝手に解釈している(勝手に「定義する」)
*前提条件を緩和することで問題は簡単なものに書き換え
例。個人と法人のうち個人のほうが考えやすいので対象としました
 
◆問題解決なのに、問題の実情とは違う前提を置いて推論する
*前提が誤っている推論の結論は全く意味を持たない
例。80歳以上のシニアが全員スマホを使うとすると(そんなの無理!)
 
◆課題とはあまり関係のない一部分に焦点を合わせて推論する
*問題の原因となっていないものを変えても状況は変わらない
例。この商品が売れないのはブランド色が赤いからだと考えました。(色のせいですか?)
 
◆推論のプロセス自体が論理的に矛盾している
*循環論法や相関と因果の混同など
例。シェアが高いことが勝つための基本だ。よって今後の戦略はシェアを上げることだ
 
◆量や数字の情報がまるまる抜けていて実情と合わない
*個々の数字ではなく統計的に意味のある数字を使っているか
例。新しく予算を付ければ少子化は防げます(一人いくら必要?そんなお金どこにある?)
 
◆形容詞を主観的(もしくは恣意的に)判断して使う
*「良い/悪い」などは基準と比較があり成立するもので絶対基準はない
例。日本の起業環境は悪いため(「悪い」は何を基準に?どこと比較して?)
 
◆過度の一般化で具体性がなく現実性がない
*抽象的に考えたはよいが、結果が一般論として正しいが具体性がない
例。売り上げを伸ばすには、ブランディングが必要です(それは間違いはないけど)
 
◆結論が施策でなく問題点の指摘のみになっている
*「どうやって」が抜けているものは施策とは言わない
例。シニア層に売れていないため、そこを強化します。
 
 
基本的に日本の就職活動では、知識の有無で選考が通ったり落ちたりすることはありません。知らないならその場で最低限の質問をするか、創造で補えばよいことです。
採用の立場からすると、何かを知っているからその人は優秀だとか、そうでないかとは考えません。日本での新卒はポテンシャル採用であり、研究職などの一部を除いては学科による有利不利は存在しません。
 
しかしそうであるからこそ、考える力や、挑戦する態度など基礎的な素養が求められます。ところがやっかいなことに、この基礎力というものは一夜漬けでは体得できずしっかり時間をかけて反復しないと身につきませんし、態度という点についてはこれまでの環境からの影響が作用しています。
 
Goodfindでは仕事のみならず研究などにおいても必要とされる、基礎の基礎のセミナーを用意しております。
ロジカルシンキング、ケース面接対策(=問題解決力)、コミュニケーションなどどこでも必要とされるベーシックなものを基礎から学べますので、多少時間がかかってもしっかり将来のためにマスターしていただければと思います。