多くの学生や社会人からよく聞かれる質問ですので、今回はこのお話をしようと思います。
いつものように結論から言うと
インフラ、生活用品、食料品、医療、介護、教育、、、実は多くの分野!
世界という規模で見れば、実に多くの分野が将来も有望と考えられます。ほとんど全部と言っても言い過ぎではないと思います。というのも現在はグローバリゼーションのおかげで、先進国のお金や技術がどんどん途上国に流れ地上全体の生活水準を底上げしています。
これは先進国の善意から来るものではなく(残念ながら)、経済合理的な目的で先進国の余ったお金を上昇余地のある途上国に使って無理やり成長させ、それで先進国側が儲けたいという理由によります。
もちろん純粋に善意から途上国を支援するNGOやNPOも一定の存在価値を出していますが、経済全体から見ればまだまだ割合は小さく、多くは純粋に「投資目的」でお金が流れています。
そのような状況下で、毎年全世界の経済成長は戦争やパンデミック等がなかった場合、コンスタントにGDPが3%程度伸びることが経験的にわかります。世界経済の3%というとイメージが付きにくいかもしれませんが、この規模は毎年イギリスという国が一つ誕生するのと同じというと、かなり大きなものであると想像できるでしょう。
この3%も分解すると大きくアメリカ、日本、ドイツのような先進国と、インド、ナイジェリアのような発展途上国に分かれ、日本などの先進国はだいたい良くても2-3%のGDP成長で、インドなどは8-10%成長をしています。
日本を含む先進国は経済がある程度成長しきっていて、物質的には新しいニーズが少ないのでサービス業を中心に成長し、インドなどのまだ社会基盤を整え街を作るような国はインフラとなる鉄道、空港、工場など物理的な製造業の伸びが見込めます。
世界的には途上国の生活向上によりほぼすべての産業が伸びますが、その中で日本が存在を示せる分野はどこでしょうか?たぶんこの答えが、求められている情報で、それは以下の分野になります。
まず経済産業省が力を入れている分野を挙げておきます。
*経済産業省なので、正確には「伸びる業界」ではなく「伸ばしたい業界」
(1) 水(淡水化、上下水道)
(2) 石炭火力発電・石炭ガス化プラント
(3) 送配電
(4) 原子力発電
(5) 鉄道
(6) リサイクル
(7) 宇宙産業
(8) スマートグリッド・スマートコミュニティ
(9) 再生可能エネ ルギー
(10) 情報通信
(11) 都市開発・工業団地
こちらは少し古い目標でしたが、最近はこのように主張しています。
「産業技術ビジョン 2020」 (経済産業省)より
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200529010/20200529010-2.pdf
A) Society5.0 を実現する Intelligence of Things とそれらを支えるデジタル
D) エネルギー・環境 [参考:革新的環境イノベーション戦略]
一方で織田が個人的に日本が有望と考える業界は以下になります。
◆ 素材(炭素繊維、電子部品用など)
◆ 生活インフラ施設(上下水道、鉄道、道路)
◆ 精密機械
◆ 自動車、およびその部品 *電気自動車やバイクを含む
◆ 産業用ロボット、工作機械
◆ 発電、蓄電/送電システム(スマートシティ)
◆ 飲料、食料品
◆ 航空機、宇宙産業
◆ バイオ、医療(再生医療、医薬品、医療システム、介護)
◆ ゲーム、エンタメ(アニメなど)
◆ 技術や海外への投資(M&Aを含む)
もちろん無条件で有望というわけではなく、現在の強いポジションを必死で守る素材とか自動車みたいな業界も含まれます。それに勝てたとしても未来永劫そのままでいるわけでもありません。世界はどんどん狭くなり情報もネットを通し一瞬でシェアされる世界では、イノベーションはどんどん加速され、もしかすると人類はそれに疲れてしまう可能性もあります。
30年先にはもしかすると人間は働かなくても生きていける世界が来るかもしれません。そうなるとかつて栄華を誇ったローマ帝国の国内のように人は「パンとサーカス(*)」の生活になるかもしれません。
その時に人類は何を目的に生きているか?それはこれから解決しなければならない問題かもしれません。
(*)
「パンとサーカス」は、詩人ユウェナリスが古代ローマ社会の世相を批判して詩篇中で使用した表現。権力者から無償で与えられる「パン」と「サーカス」によって、ローマ市民が政治的盲目に置かれていることを指摘した。パンと見世物ともいう。 物質主義の例えとしてしばしば用いられる名言であり警句である。
(wikipediaより)
いずれにせよ未来はどんどん変わっていきます。少し先を見据えつつも全部を見通すことは不可能なので、広い視点を持ちつつ、明日の目標をしっかりみつめて生きていくことが大切かと思います。
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