Goodfind講師ブログ

次代を創るビジネスリーダーのためのキャリアサイトGoodfind

2025年今後どうなる?(新年の雑感)

新年あけましておめでとうございます。今年も昨年一年の振り返りをしながら、2025年以降の見通しなどについて書きくだそうと思います。

毎年のことながら、特に網羅性とか客観性など細かいことは気にせず、自分の周りに関連する情報を整理する程度のものです。

 

*長文注意!(今年は抑えようとして始めたけど、結局20000字オーバー(笑))

*事実誤認、誤字脱字、不適切な表現など見かけましたら、そっとDMでお知らせいただけると大変ありがたいです。


(参考、昨年(2024年)の記事はこちらへ)

goodfind.hatenablog.com



=目次=

 

(1)2024年から2025年へ

◆パリ五輪と大谷さんの世界一

◆グローバリゼーションの逆流

◆結局トランプとなったアメリカや周辺国

◆日本はどうなってる?

◆なんとシリアのアサド大統領が失脚!

◆中国は元気なのか?

◆どうなる”グローバルサウス”?

 

(2)産業の進化

◆AIの進化と国際協力

◆EVの未来

◆世界的にエネルギー政策の見直しへ

 

(3)日本も未来へ

◆労働力不足は深刻

◆外国人との付き合いが多くなる

◆情報化社会を生きる!

◆事業創造への挑戦

◆人材の活用についての私見


最初に宣伝と報告をかねてですが、昨年2024年4月に昔から書こうと思っていたロジカルシンキングの理論の解説本を出版しました。フレームワークの解説のみの世の中のロジカルシンキングに違和感を覚えて約30年。もう一度論理学を学びなおし、自分の中で咀嚼したものを一般向けに解説しました。数学オタクが書いた本なので、お世辞にも分かりやすいとは言えませんが(笑)、ロジカルシンキングについて学びたい方には、アリストテレス以来の論理学の学術体系を踏まえたうえで応用まで書かれているので、よかったらご覧ください。

 

前半が「形式論理学」という大学の講義のように眠くなるコンテンツから始まりますが、ここを通過しないと「論理」という物自体を理解し使えるようにならないので気長に根気強く読んでいただけると嬉しいです。

 

「コンサルの武器」 織田一彰著 Goodfind監修


(1)2024年から2025年へ

 

ここではいくつかのテーマについてそれぞれ述べてみたいと思います。

 

◆パリ五輪と大谷さんの世界一

 

2024年はスポーツで盛り上がりました。パリでオリンピックが開催され今回も多くのドラマがあり日本選手もがんばりました。

アメリカのMLB(野球の大リーグ)では大谷選手が今年も大活躍し、54本のホームランを打ちながら59個も盗塁しています。今シーズンから所属するチームのLAドジャースは山本由伸投手の活躍もありワールドシリーズで勝ってチャンピオンになる偉業も達成し、個人でもMVPになり、ほとんど世界が大谷選手を中心に回ってるような感じです。

野球をやったことある人は分かると思いますが、54本ホームラン打って、盗塁を59個するって異次元過ぎません?

日本人の選手が本場の大リーグに行きプレーすること自体は最近は多くなってきましたが(特に投手が多い)、まさか2年連続でホームラン王になってワールドシリーズでも勝ってMVPも取ってとか、ほとんど漫画の世界です!

 

またバスケットボールの世界では、日本チームはオリンピックで銀メダルを取ったフランスチームを最後の最後まで苦しめました。その立役者で中心選手の河村選手は身長170cmくらいですが今期NBAアメリプロバスケット)にデビューし、コートに出る度に大歓声を受ける人気選手となっています。

河村選手はNBAの日本人選手として、一番最初の田伏選手、渡辺選手、八村選手に次ぐ4番目ですが、4名のうち田伏選手と河村選手は170cmくらいとNBAでは極めて小さいサイズでありながらも、俊敏性やスマートさなど日本人選手の特徴がうまくいかされていると思います。

 

ビジネスの世界でもグローバル化やワールドタレントの獲得戦争は激化していますが、こうして日本人が実際に活躍する姿は次の世代にとっては大きな勇気になります。

もう野球やサッカーでは海外に出ることは日常的になっていますが、このような交流が増えることで日本全体のレベルアップにつながり、これらの活動が国際的に盛り上がることはとても良いことだと思います。

 

彼らの活躍から学ぶことはビジネスにおいても沢山あると思います。グローバル人材の育成が日本の課題になって久しいですが、スポーツの例を見れば、それは育成のシステムや運営があってはじめて可能になってきます。

海外で活躍する選手たちは多くは小さい時からそこを目指して、周囲よりも高い目標をもって日々の訓練をしています。時には海外のレベルに打ちのめされて帰国することもあるかもしれませんが、また再挑戦したり、国内に戻ってきたとしてもその経験をシェアすることで次の人たちに刺激を与える。そういうエコシステムができている世界は将来も有望だと思います。

 

◆グローバリゼーションの逆流

 

トランプ氏の第一次政権ぐらいから自由貿易を原則に経済成長を全体で享受しようというグローバリゼーションが止まり始めました。

 

それまでの15年くらい(2000年-2015年)は、背景として中国の経済成長がありました。中国は2001年にWTOに加盟し、文字通り世界経済成長の中心として生産、物流、消費に貢献しました。10億以上の勤勉で組織に従順な教育を受けた国民は短い期間に急に裕福となり、海外企業も工場を移設したりサービスやプロダクトを売ったり、日本を含む多くの国や企業がこの経済成長の恩恵を受けました。

経済的な恩恵を受けたのは先進国だけでなく、資源の価格が上がったことで工業化がすすんでいない一部のアフリカの国々も天然資源の輸出により外貨を稼ぐことができましたし、また彼らの資源を確保する目的で中国からの投資を受けたりなど、世界の経済は好循環を実現しました。

この良いサイクルは、やがてアメリカの住宅バブルにつながり2008年には金融界でリーマンショック(英語では”The Financial Crisis”といいリーマンの名前は出ない)につながりましたが、この時のアメリカの危機を救ったのは資源で儲けた中東の産油国と貿易黒字国の中国と日本でした。

 

やがて中国の経済成長もスローダウンして2014年くらいから時々国内で株式や不動産の価格が安定しない時期が来るようになり、このあたりからアメリカが中国に対して関税をかけるようになり、2017年に第一次トランプ政権が発足しました。

 

グローバリゼーションがうまく機能する大前提は経済が成長していることです。経済が成長している間は、国際紛争が少なく人々が平和に暮らしているので、物流と人々の交流が活発になります。

 

歴史的に経済をマクロ視点で見てみると、民間需要が一通り満たされ経済成長が緩やかになったところから、つまり需要が不足しはじめたころから金利が下がりデフレとなり、これがブロック経済につながり、ここから地域紛争が来るというパターンがあります。

 

(参考文献)

超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書)水野 和夫 (著), 萱野 稔人 (著)

https://amzn.asia/d/hodrmQc

今はまさにその真っただ中にあり、歴史的には世界大戦などにつながったという史実がありますが、そうならないように我々は方法を模索するステージに来ています。

◆結局トランプとなったアメリカや周辺国

 

アメリカでは大方の予想通りトランプ氏が大統領に再選されました。就任前にもしもトランプ氏が大統領になったら?という意味の「もしトラ」という言葉もネット上では登場し、前回就任時のような混乱が見られるかと懸念されています。

 

一般的にトランプ第二次政権で起こるといわれるテーマは以下になります。

 

(1)移民対策の強化

(2)関税の引き上げ

(3)経済活性化(減税、インフレ退治)

(4)世界紛争の鎮静化(ウクライナガザ地区朝鮮半島

(5)化石燃料エネルギーへの復帰

(6)軍事的に無干渉主義へ(軍隊を海外に派遣しない)

(7)ドル安円高

 

トランプ氏の当選を受け、欧州や他の国々も今後米国に依存せず様々な外的脅威に対峙しなければなりません。しかしウクライナ情勢から見てとれる通り、関連する国々は支援疲れのムードになり、これに経済停滞などが加わった結果ポピュリズムが台頭しやすい状況にあり、この様子はドイツやフランス等でも見られるようになりました。

 

欧州では昔から存在する移民問題という非常にセンシティブなテーマがあり、これに国内の宗教間、人種間の格差というタブーの要素も加わり、どこの国でも程度の差はあれ、分断が進んでいます。日本ではあまりニュースになっていませんがフランスなどでも各地で頻繁にデモ、ストライキや暴動が起こっています。

 

世界の経済を見てみると、2024年はほぼ全域でインフレが蔓延し、多くの産業を苦しめました。アメリカも例外でなく前半はインフレ退治にあらゆる方法を試した結果、金利が5%程度の高い水準に落ち着くことになり、この金利差は一層の円キャリーを加速させ、じゃぶじゃぶにあふれている低金利の日本円がドルに向かい、ドル高円安が固定化し、相場は1ドル150円程度が日常的な水準となっています。


トランプ政権になり起こりうる変化の一つとしてドル安円高誘導がありますが、それに対して日本の財務省はどこに均衡点を見つけるかを日々模索してます。

一般論として金利を決める主な要因としてインフレ率、景気(経済成長率、雇用率)、為替レートなどを総合的に考えますが、先日日銀の植田総裁から国内金利を0.25%から0.5%に上げるとの発表があり、彼らのメッセージとしては「円安はこの辺までで終わりだよ!」ということではないかと思います。

 

円安自体はグローバルで日系企業が活躍するという点ではプラスの面が多く、実際、海外で稼ぐグローバル企業にとっては外貨を日本円に換算すれば金額は大きくなりプラスです。

一方で海外から原材料を輸入する産業にとってはコストプッシュとなり痛手であり、日系企業でも原材料を海外から輸入して大手企業に売って、大手企業はそれを安く買って高く売るため、このような大企業は円安の恩恵を大きく受けることができ、結果として決算の彼らの数字は非常に良いものになります。

 


参考までに、2024年の各国のGDPの予測値をIMFが10月に発表しているので、こちらに貼っておきます。

これを見ると日本の名目GDP成長率がマイナスになっていますね!でもこれは円安ドル高が進んだ影響であり、これをみて「日本だけがダメだ!」ということは言えないのでご注意ください。

ちなみにインドが約8%と高い伸び率をしめしています!あと数年で確実に日本も抜かれますが、それは人口が14億と10倍以上あるので、まあ既定路線です。

中国はIMFの予測では2.9%となっています。一応中国側は先日5%という発表をしていましたが、そもそもここは誤差も恣意もある世界なので、なんとなくこのあたり、という解釈で良いと思います。

 

(参考、IMF2024年10月の速報値)

順位 国名 2024年名目GDP(予測) *億ドル 名目GDP成長率

 

1 アメリカ 29兆1677億 5.20%

2 中国  18兆2733億  2.90%

3 ドイツ  4兆7100億  4.00%

4 日本  4兆0700億  -3.50%

5 インド  3兆8891億  9.00%

6 イギリス 3兆5875億  6.10%

7 フランス 3兆1740億  4.00%

8 イタリア 2兆3765億  3.30%

9 カナダ  2兆2147億 3.40%

10 ブラジル 2兆1884億  0.70%

11 ロシア  2兆1843億 8.70%

12 韓国  1兆8699億 1.70%

13 メキシコ 1兆8481億 3.30%

14 オーストラリア 1兆8020億 3.50%

15 スペイン 1兆7314億  6.80%

16 インドネシア 1兆4025億 2.30%

17 トルコ 1兆3443億 19.00%

18 オランダ 1兆2184億 5.50%

19 サウジアラビア 1兆1007億 3.10%

20 スイス 9422億 5.30%

 

https://www.imf.org/external/datamapper/LP@WEO/WEOWORLD

 

日本の状況としては日本経済新聞社の経済・金融データサービス「NEEDS」モデルの試算では、24年度の実質成長率は0.4%、25年度は1.2%の見通しだそうです。

この数字を良いと思うかどうかは解釈によりますが、最近の数字と比べるとこんなものかなという感想です。特に良くも悪くもなく、これまでの低成長のままである印象に加えて、最近少し物価が高くなったな、という体感値の方がいるのではないかと推測します。

 

日本でもインフレは数年前からずっと続いており、ファーストフードをはじめ食料品やガソリンの値上げが消費者には痛手となっています。インフレの原因は長引くウクライナ紛争を起点とした原油や資源高に起因し、皮肉にもこの資源高が天然資源が豊富なロシアの外貨獲得につながり戦費の財源となっています。

 

*上の表によると、ロシアのGDPの成長率は8.70%とかなり高い

 

これらの影響もありアメリカ以外の欧米を含む経済全体は低調で、また不調の別の原因の一つは中国の経済の低迷にあります。世界最大の生産国で人口も多く消費が大きな国の経済停滞はドイツをはじめ、中国と交易関係にある全ての国に影響をもたらしています。

 

中国国内での過剰投資による過剰生産は世界に安価なものを輸出し、アメリカだけでなくEUやカナダでも中国製品に対して関税をかけて対抗する動きが強くなってきました。

 

また、中国国内の消費低迷は日本の自動車メーカーなども中国国内での売り上げが前年比を大きく下回る結果となり、トヨタ自動車はまだ良いほうですがホンダは前年比約30%減となりその影響は大きかったです。

この生産、消費とも規模で世界一の中国の経済低調が続けば、世界の経済の復活の道のりは長くなるので非常に注意してみていく必要があります。



◆日本はどうなってる?


政治面では10月に衆議院議員総選挙が実施され、その結果、自民・公明与党の議席過半数を下回ることとなりました。与党にとって、2009年に民主党に政権を明け渡して以来の敗北です。
与党の政治基盤の弱さは当然国内の政策運営に不安定性をもたらし、加えて年々GDPの世界内での比率が低下しているので、日本の経済と外交上のプレゼンス低下が避けられない中、石破さんは難しいかじ取りになりそうです。(トランプ氏からの声掛けも遅かった。。)

近隣においてQUAD(日米豪印戦略対話)の連携強化などインド太平洋地域に国際秩序の形成は確保しつつ、孤立主義に向かうアメリカが不在になる流れの中、台湾の有事や、国内で尹政権の弾劾裁判でもめる韓国や、大量の不動産の不良債権から立ち直りたい中国などとどのようにうまくバランスを取りながらすすめていくかとか、まあ難題が多いですね。

◆なんとシリアのアサド大統領が失脚!

 

ロシアが長い間支援してきたアサド政権の失脚には正直びっくりしました。もう当たり前ともいえるくらい長い政権でしたが、あまり注目してなかったこともあり、突然すぎるニュースに一瞬混乱して、すぐに中東に詳しい専門家の知人にも話をすぐに聞きましたが、やはりびっくりしたと言っていたので、世界的にもサプライズだったのではないでしょうか。

 

中東の細かな地政学的な事情の説明は長くなるので割愛しますが、欧米と政治的駆け引きのため10年ほど前からロシアはアサド政権を支援してきており、それが強くなったり弱くなったりしながらも安定した状態となり、加えてシリア以外のイランやイラクがニュースになることのほうが多い状況の中、このような事件があったことは本当にびっくりです。

(勉強不足???)

素人的な想像としては、ロシアが経済的にも軍事的にも弱ってきており、影響力低下により支えられなくなったのかな?などとも思いました。

 

ロシアの西側のラインは、ソビエト連邦復活とは言わないまでも、一定領域は確保したいはずなので、この事件が起こったということは、ロシアがあまり元気でないということかもしれません。これでさらにウクライナ周辺を失うことになれば、緩衝地帯がどんどんなくなっていき、やがては西側に関しては”丸裸”の状態になるので、そこは絶対に避けたいはずです。

 

幸いにしてアメリカファースト(無干渉主義)のトランプ氏が大統領になったことで、ウクライナ支援は以前よりは弱くなるとも予想され、この点はロシアにとって少しだけ安心材料です。



◆中国は元気なのか?

 

2024年は10月と12月に2度上海を訪れました。一回目はシンガポールの大学に講義に行くときのトランジットで一泊だけ寄ったのですが、10年ぶりの上海はやはり大都会で、街の中の短期滞在だけでしたが全体的にきれいになり、活気があるところは以前のままでした。

二回目の12月の訪問は4日ほど滞在して、少し現地での生活を楽しみましたが、10月の印象とほぼ同じで上海という都市に関していえば、東京とあまり変わらず観光客も日本人以外はたくさんおり、何よりも中国のパワーを感じることができます。

 

昨年は日本人の殺傷事件などもあったことから中国は危ないぞ!という世間の意見はありますが、過去にも何度も行った上海は、自分には多少の土地勘となじみがあります。以前も反日デモの最中に訪問しましたがメディアが過剰に書きあげて、それを全く知らない人が印象だけでニュースを増幅していただけでした。

今回も結果的には、以前と変わらず大変平和な大都市で、日本からの飛行機の便は人気がないためか非常にチケットが安くお手頃価格で行くことができました。(名古屋ー上海の往復をナショナルブランドの航空会社で約32000円)

 

予約するときに航空チケットやホテルの料金を他の国々と比較してみていましたが、年末でクリスマスの時期であるにも関わらず、かなり値段が安くなっており、ここからは国内の消費はあまり強くはなく、デフレ傾向にあることが垣間見ることができます。

 

現地での物価はローカルな食事などをすると以前とあまり変わらないところもあり、一品の量が多いため、日本と比べても少し安いくらいだと思います。

(注、自分はいつも、かなり庶民的なローカル店に行く)

 

きれいな建物が並ぶ上海の街中を見てみれば、自動車はEVがざっと3割強あり、加えて欧米の高級車が東京よりもたくさん走っているように思えます。

 

ショッピングセンターに行ってもEVの展示場が華やかに飾られており、これは日本ではあまり見ない光景ですが、オフシーズンなのか?お客さんは少ないようにも見えました。

中国の経済自体は日系企業の中国国内の売り上げ減少などから判断するに、あまりよくない状態のはずで、しかも消費不足からくるデフレが蔓延しているので、経済はしばらくは大変になるでしょう。

 

不動産価格については知人の中国人の複数人と直接話をしましたが、今でも不動産神話みたいなものがあり、よい物件があれば投資案件として購入する習慣があるようなので、これは30年前の日本と同じ状態だと思いました。

ただ日本は90年代に不良資産を大量出血しながらなんとか解消しましたが、中国のそれは規模も大きく関係者も複雑なため、実行しようにも実行できないというエコノミストの意見が多く、そんなに簡単ではないようです。

 

この中国経済の不調を受け、2024年はドイツをはじめ欧州の経済は軒並み不調でした。中国は中国で不良在庫を海外で安く売ろうとしていますが、そこを関税引き上げという手段で欧州市場は対抗し、また欧州から中国への輸出が消費低迷で伸び悩んでいるため、双方ともに経済はあまり良くない状態が続いています。

 

ドイツも2年連続でGDPがほぼゼロ成長に近い状態が続いており、他のEUの国々はいわずもがなということが、しばらくは続くかもしれません。ドイツの不調はある意味先進国がこれまで取ってきた政策なり方向性の見直しの転機となるかもしれません。

どういう意味かというと再生エネルギー政策と中国の成長に頼りがちな経済成長の2点がこれまでの想定(期待?)と異なってきています。

ドイツは2011年の東北大震災から脱原発を推進しており、太陽光や風力発電を強化してきました。それと同時に国内の発電だけでは需要を賄うことができないため、周辺の国々が”原発で”発電した電力を購入しており、そういう意味では全体として再生エネルギーに転換したとは言えません。実際ドイツへ電力を最も沢山売っているフランスは原発中心の国ですし、ポーランドチェコはドイツから外貨を稼ぐために原発を作って電力を提供しています。

加えてウクライナ情勢の長期化は原油価格の高騰を高止まりさせており、おりしも電力価格の自由化を進めた後では供給不足はそのまま価格の高騰を引落し、これはEUの他国へもエネルギー価格の上昇という形で飛び火しています。

 

ドイツのもう一つの期待はずれの要因としてあるので、中国の経済成長がスローダウンして、それまで中国向けの輸出が不調になってきていることです。中国の経済のスローダウンはずいぶん前から起こっていることと想像しますが、最近はそれが顕著になり過剰生産された中国製品を中国国内のみならず他国に輸出しているため結果として中国国内のデフレによる価格競争がEUにも輸出される形になっています。

これに対抗するためにEUでは、EVなど中国からの輸出品に対して関税をかける対策をとり、また中国国内でも中国製品の購買がすすむようになるため、それぞれが抜け出せないループに陥っているように見えます。

これは日系企業の中国売上が落ちていることと全く同じ現象です。


上海を訪問したメモについてはこちらにも記載してあります。

goodfind.hatenablog.com



◆どうなる”グローバルサウス”?

 

この言葉は一般的に大国を除く第三勢力として使われていますが、範囲は必ずしも明確ではなく欧米と日本は除かれますが、ロシアが入ったりインドが入ったり、中国やロシアがそこの中心を狙っているなど、新しい人口が多くこれから経済が大きくなりそうだという期待も込めて使われている言葉です。

 

2000年代に”BRICKS”(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)という用語が出てきて、人口が多く経済成長幅が大きく有望と思われるグループでしたが、その後国際団体として数か国が加わり現在10か国の集団を含んでいます。

ここには発展途上中であるアフリカ諸国や中南米まで含まれるため、それを一つで束ねてということは難しいですが、特定の資源が出る国をブロック経済で囲っておき、その中で欧米や米中といった政治臭い動きとは別の利害から、協力したいという意図もあります。

 

(参考)BRICS加盟国*カッコは加盟日

ブラジル 2009年6月16日

ロシア 2009年6月16日

インド 2009年6月16日

中国 2009年6月16日

南アフリカ共和国 2010年12月24日

イラン 2024年1月1日

エジプト 2024年1月1日

アラブ首長国連邦 2024年1月1日

エチオピア 2024年1月1日

インドネシア 2025年1月6日

 

しかしながら中南米はアフリカよりは経済的に豊かなものの政局不安や社会問題もあり、アフリカは特にサブサハラと呼ばれる地域は特に貧しく、インフラ整備や政情不安、教育や格差の問題など山積みになっており、とても一枚岩でまとまる物ではありません。

 

グローバルサウスという文脈でリーダーシップを取りたい国の一つが中国です。元々”一帯一路”のグローバル戦略のもと、これまでもアジアやアフリカのインフラに多額の投資をしており、それと引き換えに資源を確保し、インフラや工場建設などを進めて来ました。各国との連携を強めることで経済的にも軍事的にも欧米に対して強い勢力となることをもくろんでいます。

 

例えば2023年10月に完成したインドネシアの新幹線は中国製で、人口世界第四位のインドネシアと中国との経済的連携は前政権であるジョコ大統領からずっと続いており、日本にとって強力なライバル関係を築いています。


中国の対抗馬として挙げられるのがインドですが、昨年の大統領選挙では現政権のモディ氏がかろうじて再選されましたが、これまでのようなリーダーシップを発揮するには基盤が十分とは言えず、国内での足並みがそろわないことからなかなか外に出て何かを積極的にすることは難しいのではないかと想像します。

インドは第二次世界大戦の前まではイギリス領であり、また公用語として英語を使う人も多いため、軍事的にも思想的にも欧米よりと考える人が多いためか、世界中から投資資金が流れ、また優秀な理系な人材を欧米に多く提供しています。

中国を超える14億の人口は潜在的な市場や労働力として期待される一方で、地域差や古い習慣や制度などから現代社会に合わない部分が残ったり、国内や地域内での教育や経済格差も大きいため、なかなか一筋縄ではいきません。

 

第三勢力を自分のグループにしたい筆頭の一つはロシアで、現在のウクライナ情勢から本当な直ぐにでも脱して、世界の中の政治や経済の中心に戻りたいと思っているでしょうが、残念ながら最近の状況を見るとどうにも復活のめども見えないように思えます。

国内の苦しい状況の中プーチン大統領がかろうじて国としてのかじ取りをしていますが、正直言って資源と軍事以外のロシアのプレゼンスはどんどん低下しています。

インドは原油を必要とするためウクライナの紛争中もずっとロシアから原油の輸入を続けていますが、これは資源だけのつながりであり政治的にも思想的にもロシアの陣営につくことは考えにくいと思います。

 

日本のグローバルサウスに対するスタンスとしては、中国のやり方と似ています。資源や労働量の確保と、未来の需要などを目的として投資は、最近10年見ても非常に活発であり、インドネシアやタイなど東南アジアの様々な地域の囲いこむ合戦は今後も続く見込みです。

人口減少と高齢化が進む日本の産業の伸びしろは、まさにここにあり、官民一体となった外交的な努力は今後も必要になります。

 

近年の変化としては、最近のウクライナやガザで見られる軍事的紛争を避けるために、経済合理性だけでなく政治的な安定性も含む地政学的(地理学+政治学)な視点から国同士も関係を考える時期に来ています。そういう意味ではアジアで欧米側でありながら、宗教的に仏教という中立に近い立場を持ち、地理的にアジアの国と近い日本は大変よいポジションにいると言うことができます。

この文脈では「グローバルサウス」というのは日本にとって、非常に大きなテーマであると言えると思います。



グローバルサウスを見るうえで、重要な数字である人口を確認しておきましょう。

人口は需要の大きさと関わり、経済の議論をするときには避けることはできない重要な指標です。現時点の人口分布を見れば、2025年初頭で全人口の約60%が中国とインドを含むアジア圏に住んでいることがわかります。

 

<人口ランキング>*United Nations(2024)

 

順位 国名 人口(人) 前年比 

 

1インド 1,428,627,663 0.80%

2中国 1,425,671,352 0.00%

3アメリカ 339,996,563 0.50%

4インドネシア 277,534,122 0.70%

5パキスタン 240,485,658 2.00%

6ブラジル 215,573,406 0.80%

7ナイジェリア 211,401,321 2.60%

8バングラデシュ 177,365,372 1.30%

9ロシア 146,238,014 -0.40%

10メキシコ 133,904,945 1.20%

11フィリピン 112,328,563 1.60%

12日本 123,300,000 -0.20%

13エチオピア 120,923,000 2.40%

14エジプト 104,982,800 1.80%

15ベトナム 98,170,345 1.00%

16コンゴ民主共和国 93,441,000 1.90%

17イラン 86,429,986 1.20%

18トルコ 84,660,267 1.50%

19タイ 70,098,292 0.70%

20タンザニア 64,502,149 2.30%



これは2024年の人口データですが、将来の経済状況などを考える場合には、出生率を考慮する必要があります。その場合出生率(または合計特殊出生率)が現時点で5-6人のアフリカの国は今後人口増加が著しいと考えられ、この傾向が変わらないのであれば将来の子供は半数以上がアフリカで生まれることとなりますね。

 

出生率の変化について言えば、いったん下がって国が大きく上昇する例はこれまで全く見られないため、将来も大きな変化はあまり期待できません。

アジアでは途上国に分類されるインドネシアやインドでも出生率の急激な低下が見られ、”人口置換水準(人口を維持できる水準で約2.1)”を近年中に下回りそうなところまで来ています。

 

先進国の出生率はずっと低下傾向がありましたが、コロナ後にはそれが加速し、日本は1.0を切る水準に来ており、韓国や中国、台湾、シンガポールなど元々低かった国々がさらに低くなる傾向があり、毎年出生数の最低値を更新している状態です。

日本の2024年の出生数はまだ出ていませんがおそらく70万人を切る見込みで、この少子化現象は歯止めがかからない状態となっています。

ちなみにお隣の中国の出生数も日本と同じように急激に少なくなっており、2023年は1000万人を割り込みましたが、この低下傾向はさらに続く見込みです。



<日本の出生数と合計特殊出生率厚生労働省

 

出生数 合計特殊出生率

2023年 727,277 1.2

2022年  770,759 1.26

2021年  811,622 1.3

2020年  840,835 1.33

2019年  865,239 1.36

2018年  918,400 1.42

2017年  946,146 1.43

2016年  977,242 1.44

2015年  1,005,721 1.45

2014年  1,003,609 1.42




(2)産業の進化

 

◆AIの進化と国際協力

 

ChatGPTをはじめとする生成AIが世の中でどんどん活用されています。現時点では、この分野を単独で開発し使用できるのは米国と中国の二国のみであり、日本を含む他国はそのどちらかのシステムを使用することになります。他国の物を使用するということはすなわち自国データをこの二国のどちらかに提供することを意味するので、彼らの優位性をさらに強化されることになります。

 

この性質ゆえに、米中ではそれぞれが開発したアプリをお互いに排除する動機があり、中国国内ではGoogleのツールやyoutube、WhatAppをはじめとるる欧米のSNSは使えず、その反対に米国をはじめいくつかの国は若者に人気のあるTikTokなど中国アプリの使用を制限しはじめています。


日本企業も当然ながらITのコア領域にAIを活用するため、多くを米国のシステムインフラに依存しており、どこまでを共有するかは問題になるところではあるが、そもそもGoogleAppleのシステムにどっぷりつかってる日本人は、もはや選択肢すら持たないともいえるでしょう。

 

米中が今後けん制しあうことを考えると、中国の基盤モデルを日本企業が利用することは考えにくく、利用する基盤モデルを事業展開先の国で分ける必要があるのではないかという問題も顕在化するでしょう。 

こうした問題への対処として、外国への依存を避けるべく国産の基盤モデルをつくるというシナリオも指摘されているますが実際はハードルは高く、より現実的なシナリオは、西側諸国や同志国間で基盤モデルを共有することや、それを共通の価値観を持つASEAN等インド太平洋各国に広げていくことと思われます。

グローバルサウスとのバランスや、国防の利害(米国より)と経済の利害(中国より)のはざまで日本や韓国は自国のスタンスを模索することになると思います。

 

ところで先日中国産の生成AIがいくつかデビューし、日本を含む欧米で話題になっていますが、中国のAIは元々データの一元管理がしやすいこともあり、非常に優秀です。

中国は特にITにはハードもソフトも力を入れており、AI系の技術はデータを国で一元管理できるという利点があることを考えると非常に強いものがあります。

そしてこのことは、軍事的な戦争とは別のところで争っていく領域であり、もしかするとこのあたりが真の”冷戦”となる可能性は大きいと思います。

 

◆EVの未来

電気だけで走るEVではなく、ハイブリッドがしばらくは主流になりそうなので、トヨタ自動車の繁栄は今後も10年くらいは続くと思います。

EVにシフトしようとした欧米や中国ですが、どうやらその不便さに気づき始めてハイブリッドを選択することが多くなってきました。もともとコスト的にガソリン自動車よりも安いわけでなく、これまでは国策で補助金や税金の免除といった支援があったので購入が進みました。

特にノルウェーなど北欧でのEV普及率は高く、多くがEVにシフトしましたが、いろいろ使ってみた結果、コストの問題だけでなく充電インフラやメンテナンス、それにバッテリーの交換や、寒冷地に弱いなどの問題も出てきており世界的にEVシフトは変更を余儀なくされています。

 

(参考)EVの種類
①BEV:(バッテリ式)電気自動車

②HEV:ハイブリッド自動車

③PHEV:プラグインハイブリッド自動車

④FCEV:燃料電池自動車

 

中国国内はEVが3割程度に普及しており、上記のBEVが多いのですが、充電の問題などもあり最近はEV最大手のBYDもHEVやPHEVのハイブリッドに少しシフトしているように思えます。

BYDの販売数の伸びは順調です。日本でも数年前から営業を開始していますが、私の周りではまだ乗っている人は見たことがないです。

トヨタのおひざ元の愛知県にすんでいるせいかも?)



◆世界的にエネルギー政策の見直しへ

 

世界にはいろいろ問題もありますが経済的にはコンスタントに進化しており、全世界のGDPは平和な状態であれば3%ほど成長しており、これはサイズとしてはイギリス(UK)と同じ規模で、イギリスで使われてるエネルギーを毎年増産しないとこれは維持できません。
イギリスは先進国なので日本と同様多くの発電所を持っていますが、これと同じ規模のものを毎年地球上で追加で作っています。

この増加するエネルギーを含めて化石燃料から作ると大量の二酸化炭素が発生し、これが地球温暖化を招いています。

これを少しでも防ぐために先進国では技術開発を進め太陽光発電を中心とした再生エネルギー利用を進めていますが、再生エネルギーがカバーできる発電シェアは決して多くなく、現在でも石油や石炭をつかった火力発電に大きく依存しています。

(参考)

今後の再生可能エネルギー政策について(経済産業省)2024年5月29日

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/062_01_00.pdf

 

再生可能エネルギーも年々進化しており風力発電太陽光発電の発電量は増えていますが、一方で使用されるエネルギー需要も増えているため、化石燃料を使った発電も全く減る見込みがありません。特に中国やインドなど人口が多く消費自体が大きな国では化石燃料を使う量も多く、現時点で二酸化炭素を一番多く輩出しているのは製造業の最大規模を持つ中国です。

経済成長がある地域では電力需要が大きくなり、二酸化炭素の排出量のみならず、工場からの排煙などにより大気汚染もすすみます。これらの問題を解決するには科学の進歩が必要になりますが、同時に直近の経済生活の向上スピードになかなかついていけないことが、個人的には少し歯がゆいです。

 

地球温暖化対策と経済政策は相対立するところがあり、先進国では人々の理解がありお金にも余裕があるので導入もすすみますが、経済成長優先の途上国では難しいですね。

既に生活が豊かになった先進国は多少のコストを支払ってでも将来の生活環境改善を考える余裕があって、そんなぜいたくな立場から途上国に同じようなものを求めていますが、途上国からすると「お前らがかつて成長した時のツケを払うために、自分たちが苦労するのは嫌だ!もし対応することを求めるならお金を出せ!」と言ったところでしょうか。
でも、そんなこといいつつ途上国の大気汚染はどんどん悪化しているので、すぐにでも対応しないと人々の健康があやうくなります。



(3)日本も未来へ

 

本業として世界経済をリサーチしているわけではないので、大した確信をもって言るわけではないのですが、日本はGDPなどは成熟国として低成長のまま今の状態を保つように思えます。(しかも文句を言いながらも平和で安全なまま)

 

そもそも日本の状態がよいかどうかという点では、その基準を自分たち自身で定めてもよいと思えます。円安になっているので海外に出ると物を高く感じるし、反対に外国人は日本は何でも安く感じます。中国やインドのGDP年間成長率が5%だ8%と言ってて、アメリカは一人当たりのGDPが日本の倍だ!など主要なマクロ経済指標で見れば円安の影響もあり決して良い数字には見えないでしょう。

 

しかしながら人口分布が高齢に偏っていること、円安、生活の質や安全度合い、医療や教育のコストなどを考慮すると本当に日本は遅れているとか劣っているとかは言えないと思います。

個人的な視点ですが、一部のメディアや経済学者を語る人々が、自身の注目を集める目的で大衆の恐怖をあおって日本がダメだと言っていることが多いように思えます。

今はyoutubeがメディアとして影響が大きく、そこでコンテンツを提供してチャンネル登録を稼くyoutuberという職業が確立していますが、youtuberは分かりやすく極論を展開することで、あまり知識や経験のない人々をファンにすることが一つの常套手段となっています。

 

そもそも日本と他国や外国を比べることは容易ではありません。果たしてどれくらいの人が”海外”や”外国”をしっかりと比較検討できるだけの経験をしているでしょうか?またいったいどこを指して”海外”とか”外国”と言っているのでしょうか?
そういう観点で見れば、自分を含む全ての人は自分が接した一部の情報だけをインプットとして、その前提で持論を展開しているにすぎません。

 

例えば自分は多くの国を訪問してはいますが、その国の中でも首都とか産業の中心地など、一番良い地域ばかりを見ています。そこで働く人は教育を受け英語を話し、常識をもって接していただけるので不快は思いはほとんどなく、良い部分だけを見ていると思います。そこだけを見て一国どうしを比較することはできませんが、少なくとも各国の最高レベルの都市の生活を見た範囲では、日本は平和で物価も安く安全です。

 

長く滞在した地域では悪い経験もあり、アメリカは特に治安と格差という問題は深刻です。中国やインドも選ばれた優秀な人は大変優秀ですが、一方で街で働くドライバーやお店の人は異なり常に警戒心を持つ必要があります。

 

それらを総合的に考えて今後の世界について語るのであれば、「**国は今後いいよ!」というyoutubeで見れるような単純な文章でなく、「**国の**は**だよ!」というより具体的な内容を言及することが適切であると思います。

 

ちょっとウンチクを沢山言って前置きが長くなりましたが、今後の日本については以下のことが起こりそうに思えます。

 

◆労働力不足は深刻

 

日本国内の人材不足が顕著になっています。新卒の紹介事業や中途の紹介をやっているので、直接日々の業務から体感値で感じるのですが、採用したくとも人材が足りません。

特に若い人たちは完全な売り手市場であり、失業率が低く多くの人が職業につけるという点ではよいですが、今はそれを超えて人材不足のためオペレーションが回らないところが増えています。採用する企業のほうは良い人材を確保するために給与だけでなく配属の自由や転勤の選択権などを労働条件に加えて、なんとかしようとしていますが、全ての企業がそのような対応をできるわけもなく、採用力の差がそのまま企業力の差になりつつあります。

 

*採用についての相談は、本業のスローガン社で行っているので直接ご連絡ください。

 

自社の専門領域なので少し詳しくお話をすると、採用したい企業は給与や待遇面でのアップ、配属の自由、自分のやりたいテーマを選べる、などの施策を工夫しています。

それでも多くの若者が入社して数年で退職し、スタートアップや外資系への転職が止まりません。

特に日系大手企業の方々から、このような相談が良くありますが、失礼を承知で本当の話をするなら、職場の雰囲気なりリーダーの質なりが現代の若者に全く魅力的でないことが理由です。

若者は企業側の人よりも短い時間で成長や成果を求めているのに対して、企業側は10-20年のスパンで人材育成などを考えています。この時間のギャップからより短い時間ですぐにチャレンジできる場所を求めて転職し、その結果スタートアップや外資系という選択となっています。

 

若者や個人の立場で見れば、それぞれ年代や価値観によって様子が変わります。新卒の若者も全体としての傾向はあるものの、価値観や働き方は十人十色で、ハードに働きたい人もいれば、ワークライフバランスを保ちながらと様々です。

 

同じ個人でも年齢や経験によって、働く環境に求める要因も変化します。例えば若いうちはバリバリ働き、将来は自分の好きなことを好きなペースでやりたいという人は多く、また子供が生まれてしばらくは家庭の時間を優先したいとか、今後出てくるのは介護する親などがいるので自宅の近くで働きたいとか、雇用者側の要因が多様に変化する中で、雇用側も雇用される側も選択をしていく社会になると思います。

 

労働力不足は機械化や外国人の雇用では追いつきません。そうなるとこれまでメインの対象でなかったシニア層や家にいた人たちを積極的に登用することが増えると思います。

 

健康寿命が延びた現在では60歳はまだまだ元気な人が沢山おり、彼らも社会との接点を求めていることからあらゆる職場で定年延長とかシニアの登用がすすみます。実はここの大きなビジネスの機会があると考えており、一般的にはシニアを積極的に採用するということは若い経営者や人事部の人はやりたがらない一方で、元気で経験やリーダーシップのあるシニアを積極的に採用できる会社は強くなると思います。

 

大手企業でも定年の延長をしたり、役職定年を廃止したりするなどして優秀な人は確保したがりますが、一方で全員が定年延長となるかといえば、いわゆる「窓際族」と言われる人たちにはその機会は回ってきません。

そういう意味ではキャリアの差が最も多くなるのが定年以降の年代で、元気だけと仕事がある人、もしくはよい条件で働ける人と、そうでない人の差が極めて大きくなります。

 

若い世代にはなかなか想像つかないかもしれませんが、キャリアの話で最も難しいのが人生の後半であり、20代の若者に対して言っているのは、

 

「みなさんのお父さんお母さんがだいたい50代前後として、そこから年金がもらえるまでの20年くらいをどのように働けるか意識して、自身の経験やノウハウを持てるようにしてください」

 

ということです。



◆外国人との付き合いが多くなる

 

2024年の訪日外国人数が過去最高を記録しました。まだ正確な数字は出ていませんが、2019年のコロナ前に記録した約3200万人を超えることが確実です。これには円安の影響がありますが、特徴的なのはコロナ前まで多数を占めていた中国人観光客がコロナ前ほど来ていないにもかかわらず、他国からこれだけ多くの外国人が日本を訪れており、東京や京都をはじめ日本の観光地はどこも大賑わいです。

 

ホテルやお土産、観光地の食事の価格も上がり、大阪でたい焼きが300円するとか、海鮮丼が10000円するとか日本人だと行かないような値段で販売する店も多く出てきました。

観光客が日本で買い物する額も8兆円を超え、これも過去最高だそうです。

 

外国人観光客の多い大阪の道頓堀に行って様子を見たのですが、ポーズをとって写真を撮っている人の9割くらいが外国人で、道端の屋台で声をかける言葉も、中国語、韓国語、英語が混ざって飛び交っており、日本語はあまり聞こえてきませんでした。

 

海外から日本に来るとすぐ分かりますが、日本はとにかく物が安く感じます。しかも選択肢も沢山あり品質もよいので、日本人の感覚では多少高くとも彼らの母国と比べると非常にコスパがよいと感じているはずです。

 

人口減少が進む日本の経済にとっては、これは国策の一部なので問題ないです。観光業だけでなく、百貨店やドラッグストアなど小売店でも彼らの消費は、日本の需要不足の一部を補っています。

 

この勢いは2025年になっても円安の間は続くと思いますが、トランプ政権は円高誘導すると言われているので、そうなると少し失速する可能性があります。アナリスト達の予想値では1ドル120円くらいに円高がすすむと予測する人が多く見受けられます。

 

今後の来日外国人については、中国人のビザ緩和の措置も発表されており、2024年にあまり来日しなかった中国人がコロナ前のように日本に来るようになれば、もともとの母数が多く、また距離も近いので2024年のトータルの来日観光客はさらに増える可能性もあります。今年は大阪で万博もあることですし、観光業については明るいと期待する人が多いと思います。

 

観光だけでなく労働市場として日本に来る人も増えると思います。特にお隣の中国からは優秀な人材が今後もどんどん来日して、日本の教育を受け日本で働く人が増えると思います。

実際現時点で日本のトップ校の10%程度が中国からの留学生で占めており、おそらく今後はもっと増えるでしょう。背景にあるのは中国国内の就職難で、良い学校を出たとしても人口が多すぎて良い条件で仕事が見つからないことが多々あるため、それであれば労働人口が足りず就職も就業条件も悪くない日本に来るのは自然の流れです。

実際に子供を持つ親で日本で働ける可能性がある人は、子供の教育と就職のために日本に来て、子供たちを中学校から日本の学校で学ばせて、早くに日本語と日本の環境に適応させ、大学入試、就職も楽な日本で行うことを計画する人はかなりの数に上ります。

 

そのような中国人が多くなった影響もあり、東京などでは中国人向けの「ガチ中華料理」が増えてきました。これらのお店は中国人を顧客として想定しており、日本人からすると辛すぎる四川料理とか地元の味がなつかしくなった中国人だけでも十分に採算が見込めるということかもしれません。

 

会社の中の国際化も進むと思います。そうなれば海外経験があるとか英語ができる人が重宝されます。英語は現在翻訳アプリがあれば旅行でもあまり困らなくなっていますが、社内では直接話せないと仕事になりません。今も昔もそうですが日本では英語ができるというだけで、まだまだ貴重な存在になります。どんなにアプリが進化したとしても若いうちに英語をマスターしたほうがチャンスが増えると思います。

 

(*)ちなみにですが先日上海に行ったときに役に立った同時翻訳アプリは、Felo翻訳とVoiceTraでした。



◆情報化社会を生きる!

 

なにかと炎上しやすい世の中になっています。しかしよく見てみれば世界が戦争や紛争で殺しあっている中で、芸能人のスキャンダルなど国際的にみるとささいなことに多くの人が関心を持っているというのは、決して嫌味な意味ではなく、実に平和な社会だと思います。

 

ネット上には本当に多くの情報が存在しており、便利である反面、情報が多すぎて処理が追い付かず疲れている人も多くいると思います。

もはや日常のツールとなったChatGPTなどの生成AIツールも、人々がそれぞれの使い方を始めており、いったん使い始めるとGoogleの検索ツールのように、なくてはならない存在になってくる人もでてきます(ちなみに私です(笑))。

 

このような中で快適に生きるためには、情報の種類についての理解や処理の仕方と、自分が使う分野を限定することかなと思います。

情報の有効性の判断は難しい課題ですが、基本的に情報提供者や出典元が分からない情報は無視したほうが精神衛生的によいと思います。youtuberなどでアクセスを集めている人たちは一定の信用はあるかと思いますが、多くの場合youtuberは極端に自分のスタンスを切って一つの立場を強調する傾向があります。

例えば「**国は悪だ!」、「**は絶対に良い!」みたいなほうが視聴者にとっては分かりやすく、それに賛同することで自分の立場を肯定される気がして心地よくて、どんどん自分の考えを強化していくというサイクルを歩みがちです。

 

もしくはTVなどで名前を知っている人を無条件で正しい、または正しくないとステレオタイプで判断して、その人の言うことが0(正しくない)か1(正しい)と二択で判断しがちです。

こういうことを避けるためには情報や論理などを客観的に使う必要がありますが、日常生活ではそんな面倒なことはあまりしないので、どうしてもイメージなどに洗脳されがちとなるので、時々見直してみるという時間も必要だと思います。

 

思い込みを避けるための論理的思考については拙著をご覧いただけると嬉しいです。


「コンサルの武器」 織田一彰著 Goodfind監修

https://amzn.asia/d/fK6bbc3

(『ステレオタイプ病』第3章 現実世界の論理 p122 )



あとは情報社会で精神的に疲れている人が増えてくる中、心身のコンディショニングは日常的な課題になってきています。

これは科学の立場から解決できる方法があり、太陽にあたること、良質の食事(特にタンパク質と脂質)、一定の有酸素運動と筋トレで多くは解決すると思います。

コロナの自粛の期間に多くの人が人との接触が減り、少なからずストレスを抱える人が増えましたが、外に出て歩いて人と会って話をして、ちゃんと食事すると多くは解決します。

これを内にこもって内省して解決しようとすると、もっと悪くなることもあるので、是非外に出て思いっきり動き回ってみてください!



◆事業創造への挑戦

 

成長し続ける世界経済の中の日本の競争力は今後どうなるのでしょうか?それはこれからの努力次第だと思いますが、現時点では可能性が多くあるものの、人材面で見ると不安なところも沢山あります。

 

可能性としては現時点までの国際社会における日本の技術や立地、地政学的な要素などを総合的に考えれば、この記事でも沢山解説していますが私の意見としては非常に良いポジションにいると思います。

 

しかしながら人材関係の仕事をしており、人々や組織を毎週のように見ていると、上記の良さに気づかずに、メディアの不安をあおるニュースに右往左往しながら勝手に自分の可能性を否定している国民全体の風潮も気になるところです。

 

新規のスタートアップを作って盛り上げる動きは年々活発になってきており、これは非常に明るいニュースです。大学発ベンチャーや企業内ベンチャーなども数として増えてきており、これまでの枠組みに捕らわれない事業モデルやキャリアなどもどんどん出てきている中、人生の選択肢も多くなっているので迷っている人たちがたくさんいるのも事実です。

 

会社にどの程度依存して生きていくかということが大きな変化だと思いますが、少なくとも現時点で転職は盛んになっており、起業した人が再び企業に戻ったり、全く企業に勤めることもなく自ら事業を立ち上げたり、本当に働き方は柔軟になっています。

 

この中でも事業家、とか起業家という人たちはそもそもサラリーマン大国の日本国内にあまりいないので貴重な存在であり、一般企業で働く場合も、そのような事業立ち上げ経験がある人の価値はどんどん高くなっています。

 

事業の立ち上げ方については私も各国でMBAの講義を持っていますが、全てがここで学べるわけでなく、多くの場合は試行錯誤の経験こそが実際に生かされると思っています。

ファイナンスマーケティング、組織設計などMBAで学びやすい分野もあります)

 

日本は経済学的には中間層が厚く購買力が安定している経済大国であり、お金もありインフラや制度も整っており、かつ言語の壁と四方の海に守られているユニークな国です。このような他国の競合も入ってきにくい好条件であるので、挑戦する場所としては大変恵まれていることを自覚し、多くの方がどんどん挑戦してほしいと思います。

もし起業してうまくいかない場合にはいくらでも企業紹介で決まますので、その際にはご連絡ください!(本業です!)

 

◆人材の活用についての私見

 

日本の企業から人事について様々なご相談を受けていますが、相当数の企業が悩んでらっしゃりますね。多くは採用と育成についてですが、離職が多いという相談も最近は多く、有名企業でも優秀な人がどんどんスタートアップや外資に流れており、これは当面止まりそうもありません。

 

これはある意味、構造的に避けられない状況で、年功序列のシステムで育ちそこで出世して残った人々が、新しい価値観で新しい挑戦を求める若者と同じ場所で働くには新しいプロトコルが必要になります。

 

ある意味現代は古いシステムと新しいシステムが混在する時期であり、シニアも若者も変化する環境に適応しないといけない時期に来ており、まだそのシステムが出来上がっていないカオスのような状態で、まだ誰もその解を持っていない状態です。(私もわからん。。)

 

そして古いシステム(組織)の中から新しい事業形態やサービスなどを産もうとしていますが、それがそもそもの前提やノウハウが違うために、非常に難しい問題となっています。

この点については、先日お亡くなりになった野中郁次郎先生は以下のようにおっしゃっており、非常に参考になると思います。

 

日本企業の閉塞感の原因

①過剰な計画崇拝

②過剰な分析主義

③過剰な法令順守



これはまさに的を得ており、今一定の規模の企業で残っている人々は、これらを重視して残っている人たちで、新しい物を作り出したという人は相対的に少ないと思います。

特に日本の「失われた20年」などと言われるデフレ時代、コンプラ時代で耐え抜いた人達と事業人材はどうにも相性が悪いです(汗)。

 

少なくとも新しいプロトコルを作るためには以下の要素を再定義することも必要です。

 

・雇用形態(社員、業務委託、期間社員、契約社員、、、)

・雇用/義務の範囲と期間(契約の終わりが定年では遠すぎる)

インセンティブと保証

・成果に対しての所有権(ライセンス、著作権

コンプライアンスの範囲

 

日系でも外資系でもパートナーシップ契約やプロフェッショナル契約みたいなものがあり、業務や責任の範囲や報酬について決め事しますが、一般の社員についても、一部の人はそのような契約を期間限定で結ぶことが多くなっており、これまで会社員となることが普通だったサラリーマン社会は、多様性を持つことになると思います。

 

新規事業はベンチャー系やオーナー系企業のほうがコンプラが柔軟だったりトップダウンで意思決定できたりするので確率が良いですね。

手続きが多い割には検討ばかりで話が進まないことは日系大手企業の大きなマイナス点です。海外で交渉しようとしても、嫌われて会ってもらえない最大の理由が、この意思決定しない体質から来ており、ここは韓国や中国の企業とは対称的です。

 

この分野は自分の専門分野でもあるので、具体的な方法などについてはご相談ください。(商業ベースでのみのご対応になります)

================

 

ということで、今年もつらつら思いつくままに書きなぐってみました。

よかったらご感想頂けると幸いです。