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深圳(Shenzhen)訪問レポート(2017/11/08)

中国には上海と北京などの大都市だけですが何度か行ったことがあり、生活面での中国の急速な成長を感じ取っていましたが、今回は「経済特区」でありITやメーカーが組織的にまとまっている深圳に行ってきました。

なお今回は現地で働く川ノ上 和文さんに、短時間ながら重要ポイントをたくさん案内していただき、大変にお世話になりました。

<深圳に関する基礎情報>
中国広東省の都市で、北京市上海市広州市と共に、中国本土の4大都市と称される「北上広深」の一つであり、「一線都市」に分類されています。
人口は現在約1400万人ですが数年後には3000万人にする計画があるらしいです。面積は約1953㎢で東京都よりちょっと狭いサイズ。平均年齢は32歳で若い人が多いです。
1980年より経済特区に指定されており、政府主導で新興事業発展のためのインフラが整えられていることから、スタートアップ企業や製造工場が数多く存在し、「中国のシリコンバレー」とも呼ばれています。
 
<入国のルート>
香港からMTR(地下鉄)で羅湖駅(LoWu)から”羅湖口岸”という入国審査みたいなところを通り、ここからは完全に中国。深圳側の羅湖駅(=罗湖(Luohu)*簡体字)から深圳MTR一号線にのって市内中心部に向かいました。
香港の中心地からもほぼ1時間で到着するので(*香港も現在は中国の一部であるが、深圳に入るときに入国審査みたいなものがある)隣の県に行くぐらいの手軽さで行けます。実際に午前中に香港を出てもお昼ごろには着くので、香港からのアクセスはたいへん便利です。

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<インフラ面>
地下鉄が東西を中心に走っており、ある程度網羅しているので移動には便利です。ただし注意点はチケットの自動販売機では1元硬貨と5元紙幣しか使えませんので、ある程度滞在するのであれば日本のsuicaみたいなものをを買ってチャージすれば即解決します。
 
wifiは街中にあるようで、地下鉄の駅構内でも車中でも電波は通じます。ただし携帯の電話番号がないとアクセスpwdをSMSで受け取れないので使えません。
cslというキャリアのSIMを香港で購入して、そのローミングを使おうとしましたが全然安定せずほぼ使えませんでした。香港でcslのショップに行ってデポジットの確認などをしたのですが実際に深圳では使えず。。。
スマホがないと必要な情報の取得と連絡手段がなくなるのでかなり不便です、というより中国語が苦手な人にとってはライフラインがなくなるかもしれません。
なぜかBaiduのmapだけはいつも機能しており???どこにいるかは把握できたのはよかったです。自分はスマホが使えなことを想定し、必要な情報は香港にいる時に用意したので(地下鉄マップとか)なんとかなりました。
 
トイレはきれいで沢山あります。ここは日本とほぼ同じレベルで問題なし。ショッピングセンターなどは特にきれいでした。(ウォシュレットがあったかは確認し忘れました)
 
シェアサイクル(=乗り捨て自転車)が充実しており、いたるところに黄色もしくはオレンジの乗り捨て自転車がいっぱいありました。これは便利だと思いましたが、支払いがアリペイとwechatペイに限定されているので、これを持たない外国人は使えません 涙。

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またシェアサイクルと同様にシェア傘?もあり、こちらもシェアサイクルと同様にアリペイなどで決済して使えます。

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クレジットカードが使えないところがあります!大きなショッピングモールで食事をしたときにVISAのクレジットカードで支払いをしようとしたら使えませんでした。中国はアリペイなどが普及して便利ですが、外国人は銀行口座を持てないのでこれらを使えず、その点では不便かもしれません。電気屋街のスタバではVISA使えました。
 
英語はあまり通じなかったです。地下鉄の駅で「Where is a bathroom?」は通じませんでしたが(汗)、片言の中国語で通じました。
(*厕所在哪里(cèsuǒ zàinǎlǐ、セーソーザイナーリー)=トイレはどこですか?)
 
電気屋街のスタバでは店員がきれいな英語と笑顔で対応してくれました。店内の無料wifiを使おうとしましたが携帯の電話番号がないと使えない状況で、店員個人の電話を使ってpwdを取得してくれたのには心から感謝です!この街の人たちはとても親切な印象がありますが、実際に財布を落としても戻ってくることもあるそうです。
HiTechPartでも基本的に外国人は少なく、ほぼ中国人なのであまり英語は通じないかもしれません。特にローカルなショッピングセンターは外国人があまりいないので英語は厳しいかもしれません。話されている言葉は100%北京語でした。これは実は香港のように広東語と混在するよりははるかに便利です。中国語はローカルなアクセントが非常に幅広いのですが、深圳の中国語は比較的標準的なものではないかと想像されます。(香港よりは全然聞き取れる)
 
 
<华强路=Huaqiang Rd(電機屋街)>

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日本の秋葉原のようなエリアで、実際に量販店もあれば玄人好みの電子パーツのみを売っているビルもあったりと同じような様相でした。ただし規模は日本の秋葉原とは桁違いに大きかったです。また街全体は非常に奇麗で整っており、古い歴史や街並みがある上海や北京とは異なった趣で、近代的に整備されていました。

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<高新园(HiTechPark)>

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テンセント(WeChat)、DJI(ドローン)、ZTEやファーウェイ(スマホ)などの大きな企業がここにはたくさん集まっております。駅を出たところから世界でシェアを持つ名だたる企業のオフィスがひしめき合っていました。

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この周辺には大学の研究施設もたくさんあり、中国のトップである北京大学、精華大学の研究所のみならず、香港のトップ校の名前もありました。

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その後タクシーで20分ほど移動して、もう少し南部の新しい業界や分野の会社がたくさんいるエリアに来ました。ここは街全体がインキュベーション施設でビル一つにスタートアップが同居しているというレベルではなく、ブロック4つ分ぐらいの区画にいくつもの施設があり、そこに大小の企業が集まっていました。(写真は街の模型)

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この街の中心にはベンチャーキャピタル
投資家がたくさん集まっており、以下の写真のように集まっています。大手企業もスタートアップの支援に積極的であり、新旧が出会う場としての機会がたくさんあります。

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ここには大きなコンベンションセンターがあり、メーカーズフェスティバルもこの週末に行われる予定で日本からも経済産業省をはじめ多くの企業の方々が来るようです。
ここは政府としても最も力を入れているところであり、国全体をあげて新規産業にとりくんでいることがよくわかります。

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<番外(食事)>
ご案内していただいた川ノ上さんと近くのショッピングモールで雲南料理を食べました。雲南料理は野菜やきのこが多くとてもヘルシーで味も二重丸でした!

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21時過ぎにこちらを出ましたが、来たルートを逆に戻り23時ごろには香港にもどっていました。
日程的には日帰りの限られた時間でしたが川ノ上さんの効率的なガイドもあり、たくさんの場所と施設を見ることが出来ました。
また機会を改めて来てみたいと思うと同時に、これだけ行政と大学や研究機関、および企業と投資家が一か所に集まり、失敗を許容する自由な気風で取り組んでいると、他国の企業がここに太刀打ちできるのか?という素朴な疑問を持ちました。

習近平さんの以下の言葉に、その思想と意気込みが見て取れます。

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英語の勉強の方法(日本の大学生向け)

英語の勉強の方法(日本の大学生向け)についてまとめました。

<背景>
日本人の英語力のなさが問題になっている。とくにいわゆるトップ層でも読み書きはできるものの国際社会でのディスカッションという場ではどの国よりも見劣りする。

<現状>
入試のシステムが読解力中心のため、会話のための語彙と経験が絶対的に足りない。
特に国公立系の大学生は留学する学生の数も比率も低いように思われる。


◆対策1◆
アプリを使う
ー相互学習 HelloTalk、Tandem、、、
ー作文など HiNative
ー単語 mikan

 

◆対策2◆
留学する(大学によってたくさんプログラムがある)


◆対策3◆
大学にいる留学生の集団との接触を多くする


◆対策4◆
大学内の授業を活用する(全学向けの授業がある)


◆対策5◆
セブ島に行き数週間徹底的に特訓する(韓国系が厳しくておすすめ)

 

◆対策6◆
スカイプ英会話で学ぶ

 

◆対策7◆
TEDを字幕付きで見て覚える

 

◆対策8◆

外国人の教官につく、もしくは外国人ばかりのゼミに入る

 

◆対策9◆

留学生のチューターをする

 

◆対策10◆

外国料理の店でバイトする

 

◆対策11◆

海外インターンに行く

 

 

。。。(2017/07/07)

今後の世界はどうなるのですか?(雑感) ~2017年新年にあたり~

「今後の世界はどうなるのですか?」

非常に大きなテーマについて、”軽く”聞かれます。

本当は世界中の有識者のレポートを読んでいただくのが参考となると思うのですが、
誰が有識者であり、誰が正しいかを誰もわからないというところが問題であります。
そうなると、自らある程度の情報を集めた後に自分で判断するしかないんですよね。

その情報のヒントとなればと思い、”軽く”聞かれた質問に対して、簡単に”雑感”としてお話しようと思います。

 

いくつかの大きなテーマがありますが、今後はこれまでのシステムやスキームが大きく変わる不確実な時代が来ると思います。たいそうな言葉で表現すると、「パラダイム・シフト」などという表現にでもなるのでしょうか。
パラダイム」って何だよ、とか思いますが、人間は理解のためには抽象概念をつかった表現、特に単純化された概念だと理解が進むので好まれるようです。

過去においては以下のようなワードがありました。
「東西冷戦」、

「南北問題」、

イスラム教圏対キリスト教圏」、

「先進国と途上国」、

、、、



これらは現象の一面を表しているので、おおよその理解の助けになりますが、あまりにも単純視しすぎているので、それで全部を理解しようとすると大枠以外ではミスリードする部分も出てくると思いますし、そもそも上記の仕組みも西側、欧米側からの視点によるものです。


さて本題に戻ると、一言でいうとこれからの時代はこれまで存在した上記のような「二軸の存在」で考えにくくなると思います。「二軸」というのは実は比較的バランスの良い構造で、二つしかないためお互い相手が一つしかなく、相手とのバランスをとれば全体がバランスが保たれます。

ですので、例えば冷戦の時代であればアメリカはソ連ソ連はアメリカを気にしていれば、局所的に紛争があった時にでも全体としてこの2つが大きな喧嘩をしなければなんとか落ち着くという状況になります。

現在はスーパーパワーとして、アメリカ、中国、ロシア、EUなどがあり、多極化していて分かりにくいです。仮に二軸で単純化するなら経済では「アメリカ対中国」で、軍事では今でも「アメリカ対ロシア」です。
中国も日に日に軍事的な存在が大きくなってきており、これは背景となる経済的影響力からも今後加速するでしょう。


さて、それぞれの大国の状況を少しずつ見ていくと、EUは政治・経済・社会的にとても不安定な状態になっています。EUというユートピアを目指してこれまで構想から約20年がんばってきておりましたが、社会と経済の不安定化、および中東における紛争を発端とする大量移民の問題が重なり今後の見通しもあまり見えない状態です。

この背景としては過去の歴史の領土問題という不良資産があり、南欧、中東、東ヨーロッパなどは、二つの大戦と冷戦後の処理が清算し切れていないことが原因です。実際に欧米側の事情で勝手に再編成したつもりが、その地域にのちのち禍根となる政治的・経済的問題を中東やアフリカ北部などに埋め込んでしまい、それが現代になっていろいろな形で噴出している状況です。

現状はEUの中のリーダーであるがドイツとフランスがどこまで周辺国を上手に切り離すか、もしくは規制がんじがらめで他の国を強引に引き込むか、みたいになっていますが、後者はうまくいくはずもなく、着地点が見えない状況です。

理想的にはEUがうまく経済統合してアメリカと同等の市場規模で対等に戦いたかったという思惑もあったように思われますが、ユーロという通貨の統合を実施した一方で、国ごとの金融と財政政策を同時に放棄していました。
そうなると自由主義的経済学者の主張する”市場の自律調整”を失った巨大な機能しない経済連合になってしまい、ギリシャのようなうまくいかない国々がでてきてしましました。東ドイツ出身のメルケル首相はそのあたりの事情は身をもって経験しているとは思いますが、あまりにも重いドイツの経済的、政治的負担を道義的に開放する方法は決して簡単ではないと思います。

 

次は中国についてみてみると、さすがに消費市場の伸びの鈍化が見えてきました。これまで世界経済は中国の旺盛な成長力と借金漬けで金融バブルのアメリカの消費で牽引されていました。
その二つのうちの一つの中国が失速したことで、ただでさえ供給過剰である世界経済が全体としてデフレ化していきます。一部ではこれを「大氷河期の到来」と表現しておりますが、その言葉からは地球規模の範囲であることと、時間的に中長期にわたるというニュアンスを含んでいます。

また中国はこれまで経済成長に隠れていろいろなものを隠してきておりましたが、それが鈍化することで国内問題に対し効果的な対応を国民に求められてきています。具体的には国内に存在する明確な経済格差の問題、地方・都市の戸籍の社会制度の問題、中央から離れた距離にある地域での民族問題など本当に共産党は頭が痛いと思います。

加えて国の成長ステージが安定期に入ったことで、どこの国でも見られますが高度成長後の経済と社会体制の新しい仕組みづくり(これはどこの国もうまくいっていない)にどうソフトランディングするかというところが大きな問題です。豊かになったといっても一人当たりのGDPの水準はまだまだ先進国の半分以下です。つまり中心部だけが発達して周辺はまだまだ昔のままの状態が残っている国で、13億人全体のことを考えることは並大抵ではないと思います。

一方で海外における資源の発掘、物流、事業展開について中国は一貫した中長期の戦略を実行中です。欧米の民主主義と違い政権交代の心配がない中国では中長期での一貫した戦略を実行しやすいという環境があります。
例えば天然資源と将来の市場の確保のためにアフリカのインフラ施設などに投資し、少なくとも携帯電話とネットサービスなどについてはしっかりポジションを確保しています。

最後に中国についてまとめると、これからは国内外に抱える問題のかじ取りが大変難しくなるでしょう。特に経済の成長鈍化が見えて、いろいろな問題が表面化してくるところで地方の民族運動がなどが起こるとソ連のようになる可能性も否定できません。
そもそも現在の中華人民共和国になったのが1949年で、それまでは三国志に象徴されるような戦国時代がずっとあっただけに、この国が現在の形で安定していると考えるほうが不自然かもしれません。

 


次にアメリカですが、実はそれほど変わらないのではないかと思っています。トランプ氏が大統領になったことでいろいろ言われていますが、大統領の権限が強いとはいえアメリカの取りうる選択肢は常識的でそれほど沢山あるわけはないというのが私の考えです。議会制のため承認が必要なことや、現時点で取り巻きのブレーンたちや産業界の協力者にもそれほど恵まれなさそうなので実はこじんまりとしてしまうのでは?と思っています。

それよりも本質的な課題として、グローバリゼーションの負の部分の多くが世界最大の経済国であるアメリカにのしかかることです。世界の安定という逃げられない責任に対してどう対処するかトランプ氏には少し期待したいです。(したい、と言っているのでまだ期待できないでいます。。)

 

ロシアについても気になる部分は多く、最近は領土問題でニュースなどをにぎわすことが多いのですが、やはり根っこのところには経済問題があります。ロシアには地理的に寒い北方に位置し海へのアクセスが不便であるという非常に不利な点と、広大な国土に石油やガスなどの天然資源を豊富に持つという恵まれた点が共存しております。
石油や天然ガスの価格が高い水準で安定しているときには経済も安定し、あまり問題は出てこないのですが、ここ最近はこれらの資源価格の下落により貿易収支が悪化しており、この分野以外に特別の強みを持たない同国は必然的に政治や軍事に頼らざるを得なくなります。

根本的にロシアは自分たちの負をどう解消するかをいつも考えているように思えます。他国との政治のカードの切り方が本当に将来の命運をわけるのでプーチン大統領の側近は本当に知恵を振り絞らないといけないですね。


最後に日本ですが、身近なだけに課題が現実的に感じられます。大きく3つほど何とかしないといけないと思っている問題がありまして、①国際化への対応②個性の教育③新産業の創生、です。

 

①国際化への対応
オリンピックはよい機会になると思います。国内の交通表示などを多言語にすること、通訳できる人の数を増やすこと、外国人と接することになれること。それらがすべて国内の身近なところでおこるのは多くの方が体験できるという意味でとてもよいと思います。これを機会に外国の旅行者が増え、また日本で働きたい人たちが多くなれば才能も国内にも集まり活性化すると思います。

大学や企業でも人的交流を深めるべきです。国民全員がグローバルになるというのは、本末転倒で目的と手段が入れ替わているので主張する気は毛頭ないのですが、ある程度やる気がある人が新しいチャンスを得られる仕組みはどんどんあってしかるべきです。

留学などで国外から出ていくばかりではなく、同様にもしくはそれ以上に海外のやる気と才能がある人が入ってこないと、海の外ではどんどん多国籍のチームが活躍しているので取り残される危険が非常に大きくなります。

 

②個性の教育
個性の教育は日本にとってこれまでの考え方の一部を変えることになると思います。画一的な行動規範が習慣として確立している日本の社会では「こうあるべし!」というのが強すぎて、それ以外のものを受け入れる寛容さがありません。

模範解答のない世界、または自分と異なった正解が存在する世界を経験して、様々なタイプのスタンダードや周囲と異なる個性を肯定できる教育が望まれる時代だと思っています。


③新産業の創生
こちらは様々な政権でよく議論の対象となる「成長戦略」を実現するテーマです。成熟した経済大国、消費大国である日本では、身のまわりに特に新しいものがなくとも
生活には不自由しません。それゆえ新しい製品やサービスが生まれにくく、また生活も安定しているので何か新しいことをやらなければいけないというインセンティブもありません。
そういう意味では「必要は発明の母」の言葉の中の「必要」がない社会なのです。これは先進国共通でもありますが、特に日本は外国人も相対的に少なく、また直接接触も少ないので海外でのニーズとか感じろと言われても無理です。

しかし今のままでは確実に日本の経済は収縮します。マクロ経済は中長期で見た経済状況を予見しますが、人口が減少していく閉ざされた社会では豊かさが感じにくいのは事実です。

少子化対策はもちろん必要ですが、それを実現するためには少子化の最大のネックとなっている社会の豊かさと経済的安定を実現しないと、どんなに保育所を増やしたり、経済援助をふやしてもそもそも子供を産もうという気にはなかなかならないのではないでしょうか。

ゆえに、新しい商品なり製品、サービスをつくるアップル創始者のステーブ・ジョブス氏のような人が現れて、iPhoneみたいな新しいプロダクトや、youtubeみたいなもう現在は使って当たり前の製品やサービスを作ることで、新たなる経済価値と未来を創っていくとが必要になってくると思います。

 


長くなりましたが、以上で今後の世界についての「雑感」おわります

。。。(2017/1/13)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

才能は遺伝か?環境か?

人間の才能は遺伝か環境か、どちらで決まるのでしょうか?

多くの人が気になるテーマだと思います。分野によるので一概には言えないと思いますが、一般的には30%が遺伝で70%が環境と言われることが多いようです。
しかしこれはかなり大雑把な言い方であり、才能による成功との因果関係をこの2つの要素に紐づけることは容易ではありません。
 
遺伝が大切であることは心情的には認めたくないものの、多くの方の心の中ではある程度すでに受け入れるのではないでしょうか。オリンピックで表彰台に立つには相応の特別な遺伝子が必要です。そして同じぐらいそれを開花させるための特別な環境は必要で、競技会や競技場のない場所生まれた子供が表彰状台に上ることは確率的に低いと思います。
 
実際には遺伝と環境の2つの要素はかなり複合的に絡み合っています。シンプルなロジックで考えることが好きな人達は「遺伝=>成功」もしくは「環境=>成功」を二者択一で単純化して考えたいと思っていますが、例えば最も才能が必要な分野である陸上100m走を考えた場合でも、そこは特殊な遺伝子が必要であることと同様に才能を開花させるコーチやスタッフも必要です。どちらかが一方であることはありえず、それゆえに「才能は遺伝か環境か」というテーマの問題設定を変え本質的な部分について考え直す必要があるかもしれません。
 
陸上100mはかなり極端な例でしたが、同じスポーツからサッカーを考えてみましょう。この競技の特徴は分類上ではオープンなスキルに属しており(多様なスキルをいろいろな場面で使う競技)、プレイヤーは一定のルールの中様々な無限とも思われるパターンでボールを扱っています。この点ではクローズドスキルの 代表例である陸上100mとは対極的です。
 
このサッカーという競技における才能とは何でしょうか?足の速さ?これはたしかに重要な要素ですが、体の大きさや身体の強さも大切ですし、戦術を理解し瞬時に判断する能力も必要です。サッカーでは同じポジションでもかなり多様性があることが観察されます。クリスチアーノ・ロナウド選手は一目見てもほれぼれする身体のサイズと能力をもっていますが、メッシ選手や同じく欧州で活躍する香川選手や長友選手はかなり小柄です。特にメッシ選手は世界的なスタープレーヤーですが彼はその小ささを反対に利用して大型選手の間を巧みなドリブルですいすい抜いていき、その姿は見るものに感動を与えます。
 
ではメッシ選手や長友選手の他人にない遺伝的な特質は何でしょうか?ある程度の身体能力があることは明らかですが、彼らよりも大きく強く速い人間達が世界中にたくさんいることも明らかです。足技のテクニックの凄さは遺伝的なものでしょうか、それとも環境でしょうか?これらは小さなころから無限とも思えるような時間を使って体得したことは容易に想像できますが、学習能力、意欲の持続、目標設定、実行力などがないと体得不可能です。
 
では例として「学習能力」を取り上げるとすると、これは遺伝の要素が強いのか、もしくは環境的要因が強いのかどちらでしょうか?
関心の強さやそれに対する執着心、集中力の持続などはある程度持って生まれた気質による部分も大きいと思いますが、一方で周囲に動機づけされて強化される部分も多分に存在します。子供のころに何か小さなことでも関心を持ちそれによって何かを得られた体験を持つ子供は、次に別の対象に関心を持っても同じようにポジティブに取り組むことが多くなるからです。
 
このメッシ選手の例では目に見えるものから見えないものまで本当に多様な遺伝的な要素が存在する中、一定の環境のもとに最適適応できる形になり、適者生存で選ばれしものになったということです。
 
この例が示唆することはより多くの選択肢がある一般の職業(仕事)の適性や優秀さにもあてはまると思います。一般社会における職業には多様性があり、サッカー選手のポジションやプレースタイルの数よりはるかに多くの選択肢が存在し、かつそこに参加する人数はやはりサッカー選手よりもはるかに多く、その個性や才能の実現の仕方にはほとんど無限大と思われる組み合わせがあります。
 
それゆえ嬉しいニュースとしては、より多くの可能性があるため上手に強みや弱みを認識して最適の環境選択により優位性を発揮できる機会が多く存在するはずです。一方で、そのためには無限とも思える可能性と組み合わせからら選ぶ行為が必要であり、それはもしかするとかなり困難で創造性や洞察、経験、もしくは偶然が必要かもしれません。
 
最後にまとめると、数の少ない認識しやすい遺伝的特徴だけで自信の優劣を決めつけることは全くをもって非生産的で、可能性をあきらめているとも言えます。遺伝的特徴はもっと複雑で複合的な多変数であり、実現させるためには組み合わせの可能性を探しながら開花させるよい環境に身を置くことが大切です。
これらは言葉の表現できるほど簡単ではありませんが、持っているものを上手に使い、それを生かせる環境を見つける努力や姿勢は、メッシ選手に近づけるヒントとなるように思えます。
 
。。。2016/07/07
 
 
 
 

会社がつぶれることなんて気にしなくてよい

10年後とか20年後にどこの会社が繁栄しているかなんて誰もわからないでしょう?5-10年ぐらいであれば現在の状況からある程度推測することはできますが、それ以上先なんてタイムマシンがない限り無理です。

だったらそんなこと気にせず、もっと自分自身について考えたほうがはるかに現実的だし意味があるし、精神衛生上もよいでしょう?
 
仮に会社が残っていたとしても少なくとも現在とは違う形になっているはずです。例えば大手電機メーカーも会社の名前や場所はあまり変わっていないと思いますが、事業部とか収益源とか働いている人たちとか中身はずいぶん変わっていて、そこに入った人たちもずいぶん違う組織に所属していたり、違う仕事をしている方が多くいらっしゃります。具体的にはグループ会社への出向とか、事業分割とか、なんかよくわからない、意思とは関係のない移動などが実はたくさんあるんですね。
 
安定している金融機関だって、ずいぶん合併と統合がすすみ、いったい新卒で入った人たちのどれぐらいが残っているか、統計数字で見てみたらたぶんびっくりするでしょう。(私は実の数字はあまり見たくないです)
 
「会社」と「個人」は本来、一体ではないのです。たまたま高度成長という歴史上”例外的な”数十年だけ機能した制度で、もうそれがくずれはじめて20年たっています。
(例外ですけど羨ましいので研究されまくっています)
 
要は「個人」として存在価値があれば、会社や組織が仮になくなったとしても別のところに移動するだけです。そういう個人になることが最高の安定だと思います。
 
ではどうすればそうなれるのでしょうか?
 
難しい問題ですね。でもこっちの問題のほうが、「どこの会社がつぶれるか」を考えるよりは前向きですよね!?
解答は自分でみつけるしかありません。
 
マクロ分析は統計的に一定の確率でできるので、そちらの話を聞きたい方はこちらへどうぞ。

www.goodfind.jp



 
 
 
 
 

「これまでの優秀さ」 と 「これからの優秀さ」

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「これまでの優秀さ」と「これからの優秀さ」は本質的に大きな違いがある。

 
端的に言えば、「これまでの優秀さ」とは記憶を中心としたマニュアルの再現性能力。与えられた教材を正しく理解して、反復できるようにし、決まった方法で求められている回答を短い時間で正確に導きだす能力である。
いわゆる学歴が高い人がスコアが高くなる分野である。
 
一方でこれまでとは全く異なる「これからの優秀さ」が今後必要とされる。それは解答のない問題に自ら取り組み解答を出し、その正しさを自分で証明する能力である。
 
分かりやすいものは事業創造やアートやデザインなどの分野である。どれが正しいかは誰にもわからず、多くに人に評価されることにより、初めて力量が認められる。
 
 
経済高度成長の間は、主に先進国にキャッチアップすることが目標とされ、そのためには先進国の学問を習得し同じことをできるようになることが最優先される。同じ製品やサービスを展開しても人件費や物価が安いために価格競争力がうまれ、それにより先進国から少しずつシェアを奪い、その稼いだ分をまた教育にまわしていくという好循環が期待できる。
現在のベトナムインドネシアなどの国々がそういう状況であり、1960年代から70年代ぐらいの日本もそうであった。
中国は最近このステージを脱しつつあり、国内の物価の上昇に加え、中国の貨幣である人民元が他の通貨に比べて高くなり全体としてコストアップしてきたので、外資系の工場などは他の途上国に移転することも少なくない。
 
 
一方先進国になった国々では、キャッチアップすべき対象はもはやなく、自分で新しい分野を作っていかなければならない。先人の例がないだけに自らの創造性がすべてであり、また当然ながらそのマニュアルは存在していないので学校の暗記中心の勉強だけをしてきた人々は何をしてよいかわからない状態に陥る。
模範解答のないアートのような世界では評価できる人もあまりいないため、正しさは自ら結果をもって証明することになるケースが多く、そういう意味では考える力だけでなく、実行して実現させるところまでがないと日の目を見ないこともある。
 
ビジネスでいうと新しい産業や製品、サービスを生み出すことが該当し、それは結果をもって評価される世界である。
評論家みたいな学者やコンサルタントもいるにはいるが、一番評価されるのは創った人々であり、ノウハウなどが蓄積される前に知恵と勇気で成し遂げることは、これまでの暗記中心の学習とは大きく異なるところである。
 
新しい時代における新しいニーズにこたえるには、上記のようなこれまでとは異なる優秀さが必要になってくる。
非常に残念なことに(?)これらはマニュアル化さえされおらず、これまでの勉強方法で学ぼうとしても原理上不可能で、自ら方法を見つけるところからはじめなければならないということが、難しさの一つでもある。

*写真のSteve Jobsさんと本文とは直接、関係はありません。
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。。。(2016/1/13)
 

「腸は第2の脳である」

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腸内細菌の専門家と先日お話する機会がありました。私は理系出身の運動オタクなので健康系の知識には関心があり、非常に役立つお話をいただきとても実生活に役立つと思いました。

 
 
「腸は第2の脳である」と言われているそうです。腸は脳からの指示がなくても独立して判断をすることができる臓器で、腐った物を食べた時にお腹をこわすのは独自の判断によるものです。また脳死に陥った際にも腸は活動を続けたりするそうです。
 
更に脳のパフォーマンスをよくするために、腸は非常に大切な役割を持っていることもわかってきました。腸の調子を整えることでメンタルのコンディショニングが良くなるらしいのです。
腸内の状態を保つ腸内細菌は、ハッピーホルモンと呼ばれやる気や幸福感につながる脳内の神経伝達物質セロトニン」の合成を行っており、これが不足するとうつ状態になったりすると言われています。このセロトニンは実は脳にはたったの1割しかなく、9割が腸にあることが明らかになりました。セロトニンは、食事からのトリプトファン必須アミノ酸)から、葉酸やビタミンB6などに助けられ、主に小腸内で合成されています。
 
 
このハッピーホルモンを増やすために、腸内の環境を整えておくことが大切ですが、現代生活が腸の健康を脅かす要因がたくさんあります。仕事などで忙しくストレスの多い環境や、外食中心の食生活などの現代社会では、自律神経の働きが乱れやすいものです。自律神経というのは、消化や吸収など体内で無意識に行われる働きを司っているシステムで「交感神経」と「副交感神経」がお互いにうまく調整して働くように機能していますが、このバランスが乱れることにより健康を損なっていきます。
 
 
このような理由から腸内細菌を適切な状態に保つことが大切になってきますが、そのためには腸内細菌を含む食物を食べる必要があります。また一度食べたらそれでずっとよいのではなく、基本的に腸内細菌は時間とともに体内で減る性質があるため、定期的に摂取する必要もあります。
 
具体的に何を食べればよいかと言えば、ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌などです。ヨーグルト元々外国の食べ物ですが、含まれる乳酸菌には多くの種類があり、機能も異なるのでできるなら毎回違う種類のものを食べたほうが腸内に多種な乳酸菌が保てます。また味噌汁は、日本には「一汁一菜」という言葉がありますが毎食含まれています。
 
 
バランスの良い食事が脳のコンディションを整える、この事実を改めて科学の説明で納得しました。