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起業家になるにはコンサルが近道か?

世の中でよく聞く話。。。


起業家になるにはコンサルに行くのが必須
起業家になるにはベンチャーに行くのがよい
起業家になるには営業力が絶対必要
起業家になるためには大手企業に行って修行する
・・・


本当のところはどうなんでしょうかね?

私は、自身で統計的にちゃんと調べたことがないので断言できませんが、ある時期のある企業出身者に起業経験者が一定数いるのは周囲を見ればわかります。
例えば私が在籍した90年代のアクセンチュア出身者や同時代のリクルートの出身者で起業した人は多いです。ですが、それは辞めている母数が圧倒的に多いという事実を考慮する必要があり、そのキャリアが起業の成功に役立っているかはもう少し慎重な判断が必要です。

日本の起業家について多数と会っているキープレーヤーズの高野さんは以下のような興味深い調査をしています。(N=310)


あの上場社長が新卒入社した会社を徹底調査(過去5年)
https://keyplayers.jp/archives/29111/
(キープレイヤーズ高野さんのサイトより)


上場時社長のファーストキャリア(N=310)

(1)職歴なし 13名
(2)アクセンチュア 8名
(3)リクルート 7名
(4)NEC 4名
(5)以下各社3名
ゴールドマンサックス
コスモスイニシアティブ
ジャフコグループ 
三菱UFJ銀行
住友商事
博報堂
日本IBM
日本オラクル
NTT


なんと起業することの最もスタンダードな道は就職しないことなんですね!


これを見ると1-3位は他より少し多いですが、それ以下は大した差がないことが分かります。

コンサル会社については、毎年数百人やめていれば、起業する人も絶対数で一定いるのは当然です。それと90年代に在籍した経験からわかるのですが、当時のアクセンチュアはとても人気企業とは言えず、どちらかというと周囲と異なる道を選んだ変人たちが来る会社でした(笑)。

アクセンチュア93年入社の同期約130名のうち起業して、上場したり事業売却した人は知っている範囲で自分を入れて6名ほどいますが、みんなサラリーマンというよりは個性的なツワモノ達ばかりです。


リクルート社も人材の出入りの多い会社で、リクルート事件という逆境を経験したベテランたちは、それはそれでこちらもツワモノぞろいです。
特に営業の突破力は当時最強で、私も起業した後は彼らの営業手法を学んで実践していました。


このように見てみると実は特定の企業に行くと起業家として特に有利になるということは、少なくともこの結果からは強い傾向が見えません。

あともう一点強調しておきたいのはアクセンチュアなりリクルートなりの出身者が起業家になっている事実は上記の通りですが、どの時代にその企業に属していたかという情報も大切です。
90年代のアクセンチュアは私のように型にはまらない人間が多かったため、離職後起業という選択肢を選ぶ人が多かったです。最近では大量採用も定着し、もっとバランスが良い優等生が多くなってきたように見えますので、以前と同じように起業する人が出てくるか言うとそれも違うかなと思います。

一方で最近はサイバーエージェント楽天などの2000年以降のベンチャーに早期からジョインした方たちの起業も目立ちます。このように時代によって企業の姿も出身者の特徴も変わってくるので時系列でみた起業家出身リストなども見てみるともう少し特徴が分かるように思えます。


統計的な調査はしておりませんが、私の周囲のサンプル(N=200-300)を見ると起業について以下の特徴があると認識しております。

・急成長するフェーズにその組織に所属していた人は起業して成功しやすい
・所属する会社というより、どの部署(場所)にいたかということが起業に影響がある
・社長相手に営業していた人は起業しやすい
・親や家が自営業の子供は起業しやすい
・外部環境が変化する環境にいた人は、新しい事業に適応しやすい
・出張が多い人は起業しやすい
・強烈な起業家のそばにいた人は起業しやすい
・VC(投資側)にいた人はほぼベンチャーの世界にいる
・40歳くらいまでにベンチャーに行かないと、怖くてそのあと行けないようになる
・学歴や経歴がきれいすぎる人は発足時のプレスリリースだけで終わることが多い
・ネットワークを持っている人は起業して成功する確率が高い
・ある時代の特定の集団からたくさん起業家が生まれる傾向がある
(ペイパルマフィアみたいな集団)
・起業する時期によって成功する確率が変わる
・尖った人のほうが起業では成功確率が高い
・起業については起業してから学ぶことが多く、準備することは難しい
・銀行やコンサル出身者はバブル時にスタートアップに来るが崩壊時に退出する
・スタートアップといえど創業者以外はサラリーマンの要素が強い


さて、いかがでしたか?

今回、日本国内における出身企業と起業との関係を考察しましたが、そもそも起業家の数があまり多くないので統計的に判断しにくいですね。


今回の結論としては、


「起業したいのであれば会社に行く必要はない!」


という極めて普通の結論でした。

 

 

 

 

久々のシンガポール生活(備忘メモ)

Merlion


2022/10/10-10/19の間、仕事でシンガポールにいました。最近はコロナで海外にいけなかったため、この国についても前回の訪問からは3年ぶりです。
私にとってシンガポールは15年前くらいから何度も来ているので、勝手がわかっている地元みたいなところです。今回も入国後から出国まで全くストレスのない生活を送ることができました。

ちなみにシンガポールは入国時(2022/10/10)は日本からの渡航だと陰性証明は不要です。
代わりにTraceTogetherとMyICAというアプリを入国前にインストールしていくつかの情報を入力すると、コロナ前と同じように非常にスムーズに入国審査がおわります。

日本に帰るときにはMySOSという同様のアプリがあり、こちらも事前に少し余裕をもってワクチン接種情報などを入力しておくと大変スムーズに帰国手続きが終わります。逆にこれがないとイミグレで長蛇の列に並ぶことになり数時間余計にかかりますのでご注意ください!



さて久々のシンガポールでしたが本当に快適でした。
全く緊張感がなく、普通に都内にいるときのように訪問して人に会って、オンラインでもミーティングや講義やセミナーの配信をしたりと全くいつもの同じ生活です。
訪問時は雨期なのか少し雨が多めで、そのせいもあり基本は高くても31度程度でした。ここは赤道直下のため一年中夏ですが、東京の夏ほどは暑くないので快適です。

 

普段の食事は一人でするときには地元のホーカーセンター(HawkerCentre)と呼ばれるフードコートに行きます。こちらは大変コスパが良く種類も豊富だし、営業時間は長い、どこにでもある、ということで大変重宝しております。
中華系の食事が多いですが、マレー系や、インドネシアベトナムなど場所によって種類も多く、だいたいどこのホーカーセンターに何があるかを知っている人には最高の食堂です。
お世辞にも施設はキレイとかは言えないのですが(笑)、個人的にはこんなに食事にストレスがないのはシンガポールの過ごしやすい要因の一つだと思います。

Hawker Centre



さて、今回の訪問と前回(2019年)と比べた差分をまとめてみました。


<変わったところ>
オフィス街の人の数はコロナ前の7-8割程度 *たぶん在宅勤務のため
物価が上がった(特にホテル)
ローカルなチキンライスが1ドル程度あがった *マレーシアの輸出制限のため
タクシーがつかまりにくく、また高額になっている
Grabも高騰
Go-Jekが参入していた!*元々はインドネシアのサービス
日本のドン・キホーテとDAISOの店が増えている
Changi空港に”JEWEL”というアトラクションができていた

JEWEL


<変わらないところ>
平和で安全。圧倒的な安心感がある街(慣れているせいもある)
中心部にあるオフィスやレストランはそのまま
ホーカーセンター(ローカルなフードコート)では相変わらず現金決済が多い
安定営業のホーカーセンターは夜遅くても空いているお店がたくさんあり極めて便利
日系の飲食店は相変わらず多い(サイゼリア一風堂、、)
地下鉄はキレイで正確

 

Japanese stores




さて、あまりにストレスフリーなので、その要因について考えてみました。


<海外生活でストレス度合を決める要因> *個人的に大切な順番
治安
ネット環境 ★講義やセミナーの配信があるため必須
万一の時の医療体制 ★コロナの中ではこれは大事
言語(英語通じるか?)
移動交通手段(地下鉄やMRT、タクシーやuber
食事
ホテル
知人の数
清潔さ
気候
物価
フィットネスジムの有無

 



こうして要素を挙げてみるとシンガポールはほぼすべて満たしていますね!
物価が高いのが難点で、ちょっとしたレストランに行くと日本だと一人4ー5千円くらいのものが倍くらいします。ちなみにスタバのトールラテは700円くらいです。

シンガポールでイマイチなところも参考までに挙げておきます。*一般論です

 

シンガポールのイマイチなところ>
住宅費が高い *最近特に香港や中国のお金持ちが移住したため
ホテルが高い 
物価高い *円安が仮になくとも
スマホの電波は場所により弱い(特に階上や地下)
GPS不正確で場所が探しにくい
教育費高い
病院高い
ウオシュレットない
タクシー高くてかつ捕まらない(grabでも高い)



シンガポールが国として抱える問題もいくつかあります。例えば少子高齢化は日本と同じか、もしかするともっと進んでおり実際に街中でも老人が大変多いです。少子化による労働力を外国人で補っており周辺のフィリピンやインドネシアからメイドさんや労働者が来ていますが、コロナの時には彼らが入国できなかったので工事の遅れも出ています。また彼らの生活水準は決して高いとは言えず、外国人労働者を取り巻く環境については問題点も多くあるように思えます。


一方不動産価格の上場は5年で円ベースでは倍くらいになっているところもあり、このせいで2年に一度の家賃の更新の時に別のところに引っ越しせざるを得ない人たちも多数出ています。そのため日本に帰国する人もこれから増えるのではないかと想像されます。
この背景としては香港や中国大陸のお金持ちの人たちが多数きて需要が上がっていることに対し、コロナで工事が進まず住宅の供給が間に合っていないことなどが関係しています。

不動産価格については元々非常に高く、例えば家族で住んでいるマンションはだいたい60-80万円くらいが相場です。日本の一般的なサラリーマンではこれくらいだと厳しいですが、シンガポールで働いている人たちは日本の平均値よりも高めなので、まあまあ暮らせます。
この点では東京は非常に安く、安全で平和であることを考えれば悪くない場所です。




今回の訪問では多くいる知人にお声がけをさせていただき、非常に多くの人とお会いすることができました。
おかげさまで彼らは良いレストランにたくさん招待していただき交友を温めつつも現地の食事も楽しめる大変満足度の高い出張となりました。

改めて思いますが対面での交流はよいなと思いました。


久々にもかかわらずお時間とって会っていただいた方、ありがとうござました!
まだ仕事もあるのでまた近々訪問したいと思います。

 

 

 

面接ってどこを見ているの?(ケース面接を含む)

面接ってどこを見ているの?(ケース面接を含む)

たいへんよく聞かれる質問です。でも本当に気になりますよね!
結論から言うと可能な限り全部を見ています。


例えば

表情、挨拶、服装、ふるまい、言葉遣い、話す速度、聞く態度、・・・


多くの場合、話す内容だけを気にして「**を言ったから通った(または落ちた)」と判断しがちですが、そういうこともありますが、必ずしも発言内容だけで決めているわけではありません。

例えば


「学校の勉強は一生懸命しましたか?」


という質問があったときに、


「はい、一生懸命予習復習しました」
「いいえ、あまりまじめな学生とは言えません」


だとどちらも通過するかもしれないし、落ちるかもしれません。
普通に考えれば、一生懸命勉強したほうがよいのですが、フレンドリーで柔軟な人が望まれる場合は、まじめでなくてもよいかもしれません。つまりここでの質問の回答によってのみ合否が決まるのではなく、言っているときの表情やその人の体から出る雰囲気や個性によって総合的に判断します。


この要素は「対人スキル」と言われるもので、面接などでは意外とこの要素が大きな割合を占めます。面接官自体もあまり意識していないことも多いのですが、人として良さそうかどうかという本能的な判断は、結構意思決定に大きな影響を与えます。


特にオンラインの面接だとカメラを通した情報が少ないため、表情からくる対人印象は非常に重要であり、表情の作り方など普段から少し意識しておくと本番の時に固くなりすぎず良いかなと思います。


ちなみにですが対人印象は急にはよくなりませんが(涙)、良い印象を持ってもらうためにはwebカメラに映る明るさは重要で、そのために”リングライト”を使うことは結構効果があると思います。amazonなどで数千円で買えるので、ずっと使えますしその投資は悪くないと思います。


さて話を戻すと、面接では人として総合的に判断するという点で、大きく以下の点が評価の対象になります。


1)人柄や性格が社員としてあっているか
2)質問などに対する受け答えで、コミュニケーションスキルがあるかみる
3)その人の価値観や目標とするゴールなどを明らかにする
4)業務に必要となる思考能力は十分か
5)心身ともに健康か


上記の条件を満たすかどうか見るために、何か質問してその時の回答や態度などによって総合的に判断するので、質問やその回答の内容はそれを引き出すために題材に過ぎないことが多いです。


そういう点では内容の難しさなどが話題になる「ケース面接」も実は同様です。ただこの面接をする会社がコンサルティング会社が主なので、(4)の思考能力というところで論理的思考力や推論の能力の要素だけが際立って高くなるだけです。


実際にはケース面接でも、回答内容で合否が決まるわけではなく、多くの場合回答者の思考プロセスを見ながら、どれくらい観察や洞察があるか、論理的にまとめる力があるかというところが重要で、回答内容や回答のためのプロセス自体に面接官は興味を持ちません。

そういう意味では面接全体でいうと、日ごろからどのように考えたり振舞ったりするかということが大切であり、そこに書いてあるものしか判断対象とならないエントリーシートや文章の自己PRとは別物であると考えたほうが良いと思います。



私は面接官はやっていませんが、人と会う時には顔をよく見ます。表情を見ると実は理解力が露骨に出ることがよくあり、特定の話題に対してどのように感じ、どれくらい興味を持ち、さらにどれくらい理解しているか、というのがある程度わかります。

話題に興味があるかどうかは目の真剣さを見ればわかりますし、理解力はその話題に対して納得しているかどうかというのが、やはり目に現れます。目は様々な情報を提供し、尊敬、羨望のようなポジティブなものから、中傷、軽蔑などネガティブなものまで結構正直に出てしまいます。

 

なんか最後は怖い話になっちゃいましたが、お気軽にセミナーにお越しいただければと思います。

直近は以下のセミナーでお話しするので、ぜひリングライト買ってカメラオンでお越しください(笑)。

◆コンサル&連続起業家&大学教授による2時間で世界を理解する講座
https://www.goodfind.jp/2024/seminar/1531
9/08(木) 18:30–20:30 オンライン(Zoom)

◆【全出題傾向を網羅】MBBケース過去問演習会〜外コン選考前に固めきる〜
https://www.goodfind.jp/2024/seminar/7347
10/03(月) 18:30–20:30 オンライン(Zoom)

◆ビジネスの全体像を掴む。「人気の8業界」まとめて企業分析講座
https://www.goodfind.jp/2024/seminar/5050
9/16(金) 18:30–20:30 オンライン(Zoom)

◆ケース面接対策~McK、BCG等の外資系戦略コンサル志望者向け
https://www.goodfind.jp/2024/seminar/7002
9/12(月) 18:30–21:00 オンライン(Zoom)

 

事業創造力は学べない!?

「事業創造力は学べない!?」

以前にこんな記事を書いたことがあります。

『事業創造力』をどうやって身につけるか? (Goodfindセミナー講師ブログより)
https://goodfind.hatenablog.com/entry/2022/03/08/202534


この記事に対して、そもそも『事業創造力』ということが実感できない、という意見も何人かからいただきましたので、今回はそのお話をしたいと思います。

 

まず多くある誤解からお話すると

 

「分析」=>「事業創造」

 

という式を思い浮かべている人が多いように思えます。これは大きな誤解だと個人的に思うのですが、ちょっと前までビジネススクールでも、上記のトーンでまるで教室の中で分析して戦略が生まれるみたいな話をする方もたくさんいました。

ところがここ20年くらいスタートアップが多くなり、実際に事業を作る機会が増えたことで、こんなに簡単に事業なんて実現できないということがわかり始めて、いわゆる頭でっかちの「なんちゃって起業家」や「なんちゃってコンサル/アドバイザー」がどんどん淘汰されるようになりました。

 

同時に様々な人種が様々な分野で成功したり失敗したりする中で、どうやら事業創造とはそんなに簡単ではなく、また成功確率も学んだところであまり変わらないのではないか?みたいな話も出てきました。

連続起業家として何社も立ち上げて大きくした、と同時にたくさん失敗した経験からお話すると、新規事業を立ち上げる時に教室で学べることもあれば、学べないこともたくさんあります。

実際に世界のビジネススクールでスタートアップ戦略論を話をするときには、「私の講義ではプロダクト開発は学べない!」と最初に宣言します。(マジです)

難しい選考をパスし高い学費を払って有名ビジネススクールに来ている人に対して、これは大きく失望させますよね(汗)。
でも実際に私は今でもそのように思っています。しかしそれは何もできないことかというとそうではなく、「プロダクト開発」は難しいけど、市場規模の予測やうまくいったときの会社の規模、組織の作り方や管理方法、資金調達とIPOなど具体的なものはかなり実務的に解説することができます。

 

前段の話が長くなりましたが「事業創造力」は以下の3つに分解できると思います。

 

事業創造=分析する力+想像する力+実行する力

 

この2番目の「想像する力」の部分が教えにくいところで、前後の2つについては先人たちから学べるところです。

教えにくいのですが、ヒントも存在します。そのヒントというのはだいたい以下のようなものがあります。

 

・アイディアは「遊び心」から出てくる(ドラえもんのポケットのもの)
・未来にあったら無茶苦茶便利なもの(昭和初期の洗濯機)
・絶対に避けたい苦痛を回避する(麻酔)
・たくさんの人が必要なもの(眼鏡)
・なくてはならないもの(上下水道スマホ

 

要は学校で行う勉強とは少し異なるアプローチが必要ということで、このあたりは最近の脳科学(ニューロサイエンス)でもたくさん論文がでています。

またビジネススクール側も変化があり、分析型の戦略つくりから、プロダクトデザインなど想像力を重視する「デザインスクール」の講座も増えてきました。

どちらかというと「アート」の要素が強い思考とはなると思いますが、様々な例に触れたりしながらパターン認識によりある程度感覚はつかめるのではないかと最近は考えています。

このあたりはまた機会があったら、お話しようと思います。

 

24卒の学生には、8/27(土)の1Dayインターンでも少し触れようと思います。

選考なしだけど本番以上!
【一日限り】連続起業家・織田と学ぶ、新規事業創造1Dayインターン
https://goodfind.jp/2024/seminar/7886
8/27(土)1300-1700(Zoom)*先着締切

「優秀さ」とは何か?

**さんは優秀だ!

ぜひ周囲からそのような評価をいただきたいものですが、そもそも「優秀さ」とは何でしょうか?

私はこの「優秀さ」というものがはっきりしないと、決して優秀にはなれないと考えています。目標がわからないところには、行きつくことが難しいのは原理的に明らかです。

このテーマを無視して、勝手におのおのが自分の思う「優秀さ」を解釈して、違う方向に進んでいき思ってる結果にいたらないというのは、傍目で見ていてよくわかることがあります。

例えば、現在この文章を読んでいる立場の一つとして就活生にとっての「優秀な人」とは、率直に言って自分が行きたいと思っている会社の内定を持っている先輩でしょう。

 

ところが、その人が世の中全般で優秀かというと必ずしもそうでなく、あくまで学生同士の評価による、しかもかなり偏った判断であることも多々あります。しかもこの傾向は偏差値の高いといわれる高校出身の、さらに偏差値の高い大学生ほど顕著で、だいたい多くの方々の志望先は「外コン、外銀、商社」の3つに集約されるようです。

例えばコンサル会社の内定者は優秀でしょうか?またはコンサル会社に勤めている人は優秀でしょうか?
これは「コンサル会社に通ることが優秀である」という物差しでは優秀ですが、これは物差しの一つであって、それ以上でも以下でもありません。

たとえばコンサル会社の選考で落ちても、事業家として優秀な人はたくさんいます。彼らは自ら商品を開発し売っています。コンサル会社の人にはないスキルがあり、事業家としては彼らのほうが優秀です。

 

または就活なんか全くしないで、学生時代から起業して卒業前にしっかりとした会社の経営者になっている人も優秀ですし、NPOなどの課外活動で活躍し多くの人に慕われている人も優秀です。

 

実は「優秀さ」には様々な物差しがあり、自分にあっている物差しを見つけてその分野で「優秀さ」を目指すことが成功のための秘訣です。

しかしながら、織田の周りの人は学生も社会人も良くも悪しくも似たような物差しを持っている人が集まる傾向があり(苦笑)、限定的な物差しでは上述のような特定の業界なり会社にいることを優秀と判断することが多いと思います。

 

そもそもその動機はどこから来るのか?これはフランクに話すなら、多くの人は「あの人は優秀だ!」と思われたいような会社や組織に所属したいのです。それにより自分の努力なり地位なりを認めてもらい、将来もそれで保証されたいという本能が働いています。
この”認めてもらいたい本能”が、周囲の現在の物差しに適合するように判断しているだけです。

それ自体は生物として自然なことで全部を否定する気はありませんが、本当の問題は仮にそれを実現できたとして本当に優秀で今後も求めるキャリアなり人生が待っていますか?ということです。

例えば20-30年前なら銀行に入って真面目に働いていれば、多少残業は多いにしても世の中から立派な仕事と思われ、安定した高収入が保証されました。

その後銀行は1990年代より大手までも大統合と大合併が起こり、多くの店舗や銀行名も消滅しリストラもたくさんありました。さらにこれからはフィンテックやデジタル通貨などの挑戦を受けます。

昔であれば1円の違いも許されない銀行の支店で、マニュアル通り真面目にしっかり遂行することが「優秀さ」でしたが、これからは新しい時代に対応して、新規のサービスを作ってくことが「優秀さ」となります。

 

現在は大手もベンチャーも新規事業を作ることの大切さを説いており、それが求められる新しい「優秀さ」となっていますが、これは以前の「優秀さ」とはかなり異なったものとなっています。

それに適応できない大型で硬直的な組織はプライドは高いですが、どんどんダメになり、末路はかなり悲惨な状況になることは想像に難しくありません。

現在のコンサル会社の優秀さは、アウトソーシングされた仕事をしっかりドキュメントに落とすことで、事業を作ることではありません。
これは自分がコンサルタントであり事業家なので自身の経験上の話でもありますが、一般市場で商品を作り、自分の責任で売ったことのない人が実業家になることは難しいです。
ある程度決められたテーマについてヒアリングして、資料に作ることがコンサルタントの優秀さですが、このスキルでは例えば営業やアイディアを商品化するという点では全くの素人です。
なので例えば起業したり新規事業を始めても、まったく売り上げが立たないという痛い経験をして自らの限界を知るという結果になることが多いと思います。

 


このようにいくつかの例でお話ししましたが、結論は「優秀さ」には様々な種類があるので、これを世の中に一つだけある絶対的なものと考えないことが重要です。

Goodfindでは、様々な人の可能性を発見し実現する場所になりたいと考えています。
それぞれの人の持つ「優秀さ」を見つけるためには、多くの人や会社に出会ってそのなかでいろいろやってみることが一つの手がかりになると思いますので、ぜひイベントなどで様々な人の話を直接聞いたり会ったりして、自分の「優秀さ」を発揮できる場所を探してほしいと思っています。

 

 

世の中について少しでも自分の頭で考えてみたい方は、以下のセミナーでお話ししますので耳だけでよいので聞きに来ていただけると嬉しいです。


◆業界分析のコツを、掴む。「人気の8業界」まとめて分析講座
https://www.goodfind.jp/2024/seminar/5050
8/04(木) 18:30–20:30 *定期的に開催中

◆コンサル&連続起業家&大学教授による2時間で世界を理解する講座
https://www.goodfind.jp/2024/seminar/1531
8/09(火) 18:30–20:30 *定期的に開催中

典型的な論理的推論のバグ集

「A社出身者は起業で成功している。その会社に行けば起業のノウハウが身につく!」

 

これは論理的に正しい推論でしょうか?

我々は日常生活で多くの推論を行っていますが、それらは本当に正しい推論でしょうか?ひょっとすると真面目に考えているつもりでも、誤った結論を導いていませんか?
今回は推論の方法の論理的妥当性NG集をキャリアのシーンを例に説明します。

 


<バグ1ー前提(仮定)の誤り>

「コンサル出身者は起業で成功している。よって起業したいならコンサル会社に行くとよい!」

本当に「コンサル出身者が起業で成功してる」のでしょうか?私はその事実の真偽を知りませんが、仮にこの前提が成り立たない場合は、この会社に行っても起業にはプラスになりません。

もしこれを検証するなら「コンサル出身者」と「それ以外の人」で成功確率を比べる必要があります。
昔からコンサル退職者が毎年大量に出ることを考慮すると、成功確率が低くとも一定数の成功者がいるのは確率的にあたりまえのことです。

 

<バグ2ー不適切な帰納法合成の誤謬)>

「最近はスマホなど国産メーカーが弱いから、日本のメーカー(製造業)はダメだ!」

国産のスマホメーカーは確かにアップルなど海外の会社にシェアで押されているのは事実ですね。
しかしその事実から、それを日本の他のメーカーも弱いと一般化しても良いのでしょうか?
そもそもスマホメーカーは全メーカーのほんの一部で、それ以外にも食品メーカーとか医療機器メーカーやロボットなどのメーカーも含まれます。

いくつかの事例から一般法則を導くことを「帰納法」とよびます。実験やデータから一般的に成り立つ結論を導く方法として文系理系問わず様々な場面で使われています。

しかし実験データやサンプルが不足している場合は、その少ない情報から一般化することで成り立たない結論を出す可能性が高まります。これを経済学では「合成の誤謬(ごびゅう)」と呼ばれ、また理学系では「過度の一般化」などとも言われます。


<バグ3ー相関関係と因果関係の混同>

「コンサルの人はロジカルである。よってコンサル会社に行くとロジカルになる!」

前半の「コンサルの人はロジカルである」という事実があったとします。この時に「コンサルの人」と「ロジカルであること」には統計的に”相関関係がある”という言い方をします。

その場合でも「コンサルではロジカルになれる」という事実は一般には導き出せません。
反例は「コンサルに入る前からロジカルだった」ということが考えられるからです。

一般には「相関関係」がある時に「因果関係」は必ずしも成り立たないので注意が必要です。
(逆は成り立ちます!)

同様の例としては以下のようなものがあり、両方とも推論としては誤りです。

「バスケット選手は背が高い。よってバスケットをすると背が伸びる」
「ピアノを習う子は成績が良い。よってピアノを習うと成績が良くなる」

因果関係の推論を誤ると、期待した結果が出なくなるのでご注意ください。(!!超重要!!)

 

<バグ4ー誤った理由づけ>

「某社の内定を取った先輩は**を言ったから選考に通った!」

事実として2つの事象が成り立つ時に、無条件に関係があるとは限りません。この先輩が**を言って通ったことを証明するには、**を言わなかったときに通らなかったという例がないと検証はできません。
もしかしたらこの先輩は、その他の要因ですでに通ることが確定しているなら、多少何を言っても結果は同じになるはずで、その場合発言内容と通過したという事実は関係がなくなります。


<バグ5ー隠れた前提の見逃し>

「大きな会社は安定していてつぶれない。だから大きな会社に行くことが安定である」

大きな会社は統計的に小さな会社よりもつぶれる確率は低いと言えるでしょう。
しかし会社がつぶれないことと、自分の雇用が安定するということは「つぶれない間はずっと雇用が継続する(終身雇用)」という隠れた前提があってはじめて結びつきます。

実際に現在残っている大きな会社も過去20年くらいだいたいリストラしているところが多いです。
*調べてみたくなったら「(会社名)+希望退職/早期退職」でググってみてください。


いかがでしたか?
こんな感じで、我々は日常何気なく推論を行っていますが、そもそもその過程でバグがある場合に出した結論の正しさが保証されません。
少しでも論理的に強くなるということが、思っている未来に行くためには、この分野の勉強は実務的にも必要かと思います。


ロジカルシンキングに関するセミナーはこちらでどうぞ!(定期開催)

ロジカルシンキング講座-コンサル・金融・商社等の難関企業レベルへ-
https://www.goodfind.jp/2024/seminar/7003

◆ケース面接対策~McK、BCG等の外資系戦略コンサル志望者向け
https://www.goodfind.jp/2024/seminar/7002

 

 

 

将来有望な分野や業界は?ー「食」に関する産業ー

個人のキャリアを考える人から「将来はどこの業界が良いですか?」という質問をよく受けるのですが、その回答の一つである『「食」に関する産業』について今回はお話しします。

<Index>
◆人口動態から見た市場
◆日本の食産業は競争力がある
◆「垂直農場」という考え方
イノベーションとは?


◆人口動態から見た市場

将来の業界や産業については私自身、未来が見えるわけではありませんが、日常生活を普通に観察してみてわかることもあります。
例えば2022年現在、世界には約80億人が地球上に存在しますが、いろいろな国際機関の試算によると2050年には90億から100億人とかになると予測されています。

国際連合報告センターより)
「世界人口の増大が鈍化、2050年に97億人に達した後、 2100年頃に110億人で頭打ちか」
https://www.unic.or.jp/news_press/info/33789/ 


そうなると当然のことながら、人間が増えるわけですから原始時代の生活に戻らない限り、それ相応の「衣・食・住」が必要になります。このうち特に「食」については人間の生存にとって必要なものであるので、これから増えていく人口の分を、追加で生産する必要があります。つまりマクロ的な経済的視点では、食料品に関する業界規模は80億から90-100億に増えていくわけです。

 

◆日本の食産業は競争力がある
食料が必要になるので、食料品メーカーは全体として当然多くの売り上げを計上することになります。その中ので勝つ会社が日清食品であるか味の素であるかは中長期では予測できませんが、少なくともどこかの企業は(海外かもしれない)、大きく伸びることが予想されます。
日本の食については一般的に世界的にも味や品質という点で高評価を受けています。

例えばJETROの調査による以下のレポートがあります。
日本食品に対する海外消費者アンケート調査-6都市比較編-モスクワ・ホーチミンジャカルタバンコクサンパウロ・ドバイ」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001590/compare_6cities_rev.pdf

(本文より抜粋)
・好きな外国料理
日本料理が1位で突出。2位にイタリア料理、3位に中国料理と続く。日本料理は特にバンコクジャカルタで人気。
・日本料理が好きな理由
 主な理由は「味の良さ」「健康に配慮」「洗練されている・高級感」。
・日本料理のイメージ
 「美味しい」「健康に良い」「おしゃれ」「安全」など総じてポジティブなイメージが強い一方、4割程度の回答者が「価格が高い」と回答。


日本の食品メーカーである、明治、味の素、日清食品キッコーマン、ヤクルトなどは世界でシェアもブランドも確立しており、今後も様々な新製品を開発していくことが望まれています。
メーカー以外でも吉野家松屋すき屋などの牛丼チェーン店も東南アジアを中心に店舗を増やしていますし、日系のコンビニが増えていくと、そこで日本のお菓子や飲料なども当然売り上げが増えるので市場の拡大が現実的に見えてきます。

日本企業にとって有利な点は、東南アジアに位置する日本食はいわゆる華僑がいて中華料理が普及しているエリアでは競争優位性があります。そして東南アジアには人口が集中しており、14億の中国はもちろんのこと、人口4位のインドネシアが2.7億、ベトナムやフィリピンが約1億、さらに南アジアまで足を延ばせばインドがあり、ここは若干味のベースが異なるものの13億の人口がいます。

アジア地域には世界の人口の約6割がいて、その食の嗜好性が日本と近いのであれば、それは大変有利な条件となりますので、欧米のシェアを仮に取れなかったとしても十分なマーケットのサイズは確保できます。

 

◆「垂直農場」という考え方

一方食料品が現在の方法や技術だけで90億分作られるためには、現在の農業のやり方では農地も足りなくなったり、また生産も追いつかない可能性があり、新しい農地開発や農業の方法が必要になります。つまり何らかのイノベーションを起こさないといけません。
イノベーションは何も科学的な品種改良や遺伝子組み換えなどばかりではなく、農業のやり方を変える、流通経路で効率化する、もしくは調理法で長期保存の方法を作るなどいろいろなやり方があり、必ずしも理系の技術者によるものはありません。
例えば現時点でも「垂直農場」というものがあり、都市のど真ん中で野菜や果物を吊り下げる形で栽培する方法では、面積当たりの収穫量も多く、また水を流したり浸したりするのではなく、シャワーのように噴射することで少量の水分で効率的に栽培することが実現します。

シンガポールの空中農園(国連大学ウェブマガジンより)
https://ourworld.unu.edu/jp/farming-in-the-sky-in-singapore


イノベーションとは?

このように新しいニーズがあるところには、イノベーションが生まれる機会がり、それは何も技術だけで解決するわけでもありません。
「本当に食料が足りなくなると困る!」という状況下で誰かが何か新しいことを発明しないといけない時に新しい知恵がうまれ実現する余地がたくさんあります。

そのように考えれば、将来不安だからそれを避けて生きるのではなく、それを積極的に解決しようと心がけるところに新しい挑戦とイノベーションが生まれ、それで人類は進歩していくのだと思います。

この垂直農場という考え方には、何も植物学や生物学の学位がなくてもできる発想です。イノベーションというと難しいと思いがちですが、身の回りにもたくさん”普通の人の知恵”があります。
例えば身近で使っている洗濯機の中にある「糸くず取りネット」は主婦の方の発明で、彼女はそれにより特許を取っています。

別の例では水道の排水管で使う「S字トラップ」は、洗面台の下の配管がS字になったものですが、これは排水をS字のところで少量ためて排水管からの物の侵入や臭いを防ぐ効果があります。

このような例を見れば、普段からちょっとしたニーズを見つけ解決しようと思うだけで、いろいろな可能性があることが分かると思います。




今回は「食」というテーマで業界を見てきましたが、様々な未来の可能性を見つけることであまり動いていない業界も突然違った世界に代わる可能性があるので、自由に想像してみることも大切かなと思います。