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大学教育が良くない!

GOODFINDで学校のようにセミナーを毎日沢山やっている動機のひとつは、この問題意識である。

現在の国際化していく社会で、少なくとも社会人がある程度身につけておくべきスキルや知識は、たとえば以下のものがあるが、現在の大学のシステムでは、実務で使えるレベルの講座の内容とコマの絶対数が少ないのである。

・実際に使える英会話
ロジカルシンキング
・コミュニケーション/プレゼンテーションスキル
・ITの知識とプログラミング
財務会計などの経営の最低限知識
・スキルの磨き方とキャリアについて
・社会観や歴史観などの社会人としてのリベラルアーツ
・リーダーシップ


英会話については、一部の大学の学部では1年の海外留学を必須としたり、授業を全部英語で行っていたりなど、それは評価に値する。
外国人の講師の比率をもっと上げて、いろいろな考え方を取り入れ、よい意味で多様性を作れて受け入れるカルチャーができてくると良いと思う。

ロジカルシンキング、コミュニケーション/プレゼンテーションスキルなどについては、欧米の先進国の間では子供のときから家庭でも、コミュニティでもいろいろな機会をあたえられ、また国によっては学校の授業でも科目として取り上げられている。
異なる文化、異なる言語、異なる習慣の中で、しっかりと自分の言葉で自分の考えや思っていることを伝えることが、自立した大人として個を守るためには必要なのである。

その他の項目についても、少なくとも大人の一般教養として、またビジネスパーソンとしての最低限の知識として、広く開かれた講座がもっと沢山あってもよいと思う。

この大学教育の問題を一言でまとめると、

『現在の大学教育の問題は、時代錯誤によって実世界のニーズと離れた科目や学科の設定と知識偏重となっていることである!』

極少数の弁護士しか生まない法学部や、統計数字や財務諸表も読めない経済学部、理論もかじるだけで、コンピューターも教えない中途半端な理系学部などの現システムはいったんゼロベースで見直すべきである。
教育の時代錯誤は将来取り返しのつかない大きなツケになってかえってくるので、今すぐにでも手を打つべきである。

「大学は研究者を養成するための機関であり、ビジネスパーソンを育成する機関ではない」

という反論もあるかもしれない。しかし、博士課程に進み研究者になるのは数パーセントであり、その他大勢の学生は学部卒あるいは修士卒で社会に出ている。

また、研究者になるからといって、上述のスキルを身につけなくて良い、ということはない。むしろ、今後はますます国際化し、情報の共有も進む中で、大学の研究者たちの競争に勝っていくためにも、必要なスキルとなってくるはずである。


一個人の経験ではあるが、ドクターまで行って研究して、ビジネスパーソンになった実体験で言えば、ビジネスで学んだ働き方やスキルは、もっともっと以前に知っておけばよかったと思っている。

情報を整理するときにMECEを使えば、複雑なカオスのような状況でも情報の整理整頓と処理がうまくいっただろうし、問題の定義や原因の特定のときにロジックツリーを使って分析すると、よりシステマティックに事象の本質を捉えられたはずである。

また研究室においてはチームワークが必要であり、そのためのコミュニケーションやプレゼンテーションも当然あるし、チームを引っ張るためにはリーダーシップも必要である。

正直なところ、社会人になる前後でアウトプットの生産性がこれほど変わるとはそれまでは全く想像していなかった。
問題解決ばかりではなく、伝える技術、聞く技術は日常生活の中でもトラブルを減らし、物事をスムーズに運ぶことを手助けしてくれるし、そうなると人間関係も社会も円滑に運ぶようになる。

教育という非常に大切な分野だけに、慎重になる気持ちもわからなくはないが、少なくとも社会の様子や外部環境なども変わっている中、古きを重んじ尊重して守るべき部分と、変化に対応してイノベーションを起こす部分を混同すると、やがて社会全体が機能不全になっていくことは歴史上たくさん起こっているのではないだろうか。