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「売り手市場で起こっていること」

「売り手市場」では何が起こっているか?

アメリカや欧州では不景気だ、リストラだという話がよく出ていますが、日本の採用市場はいまのところずっと売り手市場です。それは日本の労働人口が産業の規模に比べて足りないということで、この状況は人口ピラミッドを見れば当面続くことがわかります。

 

この影響で新卒や若い労働力の争奪戦が続き、労働条件はどんどんよくなります。例えば配属が選べることが多くなり、そうしないと社員が辞めてしまいます。ちょっと優秀な若手であれば外資系のコンサルティング会社に行って給与が20-30%アップすることも珍しくありません。昇給、昇格は全般的にどんどん早くなり、労働時間も減り、ノルマもどんどん緩くなっていきます。日本はもともと労働時間が長いという悪評が世界でありましたが、今は全く異なっています。(情報は常にアップデートしましょう)


OECD(2022)の統計によれば日本はOCED全体の中でも平均値以下で、年間1600時間くらいです。
https://data.oecd.org/emp/hours-worked.htm

全体を見れば、今は残業が多く家に帰れないような心配はほとんどありません。むしろ反対に労働時間だけが短くなり、するべき仕事や経験ができているか?ということを心配すべきです。

 

実際包み隠さずお話するなら日本国内で凄く働いている人と、そうでない人の格差はどんどん大きくなっています。外資系は日系企業よりも給与水準が高いですが、その半面業績が悪くなった場合に離職することが多くあります。そういう状況であるから実績を出した時にしっかりインセンティブを受け取る報酬体系が存在し、彼らは非常に大きなプレッシャーの中がんばっています。

 

コンサルティング会社は今も他業種と比べて労働時間は長めです。自分が働いていた時とは時代も常識も変わっているため、徹夜続きということは激減しましたが、それでも厳しい締め切りに追われる生活は相変わらずで、当然労働時間は長くなります。

 

スタートアップはどうでしょう。メガベンチャーと呼ばれる会社は比較的ホワイトです。ですが本当のスタートアップは頑張らないと売上自体があがらないため、がんばらないといけないところもあると思います。

 

働き方は個人の自由で良いと思います。都会で働くか、田舎でゆっくりするか。在宅でプライベート重視にするか、自宅でもハードに働くか。また場所だけでなく副業とか、独立して働くとか、複数のプロジェクトで働くとか、コロナをきっかけに働き方は急に様々な選択ができるようになってきました。

 

一方で、このように働き方が選択できるのは、しっかりと自分の専門性がありちゃんと仕事の依頼がくる場合です。そこに行くまでに、まず何をすべきか?自由が多い時だからこそ、そういうところをしっかり考え、キャリアを作るべきだと思います。

 

世界の動向やキャリアについて考えるときには、以下のセミナーでお話するのでお越しください。(重複参加OK)



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(新春の雑感)2024年の世界はどうなる?

新年あけましておめでとうございます。昨年1年の振り返りをかねて、今年もざっくばらんに本年の見通しなどについて書いてみます。
特に網羅性とか客観性など細かいことは気にせず、特別な目的や関心をもなく、日ごろの周囲の情報を整理する程度のものです。

毎年のことですが、何かを調べて書いているわけではなく、記憶だけ頼りにしているので正確性や客観性はないものとして、話題提供くらいに軽く読んでもらえると嬉しいです。


*長文注意!(約17000字 汗)
*事実誤認、誤字脱字、不適切な表現など見かけましたら、そっとDMでお知らせいただけると大変ありがたいです。

(参考、昨年(2023年)の記事はこちらへ)
goodfind.hatenablog.com



=目次=

(1)2023年の振り返り
(2)2024年の予定を見てみると
(3)ウクライナ、ガザ、台湾?各地の紛争はどうなる?
(4)経済はどうなるか?(景気、インフレ、雇用、成長など)
(5)日本の経済や産業の今後は?
(6)スタートアップや技術動向について
(7)2024年はここに注目してます


(1)2023年の振り返り

2023年もいろいろな事件が起こりました。前年の2022年2月に勃発したウクライナ紛争は2023年末においても、いまだ出口が見えず硬直状態なのに加え、2023年10月にはイスラム教過激派ハマスによるイスラエルの襲撃と、それに対するイスラエルの反撃は双方の多くの民間人が犠牲になっており、こちらも収束の気配はありません。

この記事を書いている2024年現在も元旦に能登半島で大地震が起き、さらに翌日の1月2日には羽田空港で航空機の事故もありました。新型コロナから様々な活動が元に戻り、経済も回復する中、なかなかすべてはうまくいかないものですね。

昨年の世界経済はインフレに悩まされました。止まらぬインフレに対して各国の中央銀行(日本では日銀にあたるところ)は金利を上げて対抗しようとしましたがなかなか鎮静化せず、一方で金利の上昇は景気への悪影響が懸念されました。結果的には年末になんとかインフレも落ち着き、思ったほどは景気への悪影響もなく年を越した感じです。

そのような中、日本だけがデフレ脱却を完全に果たすためにゼロ金利に近い状態を維持し、その結果他国との金利差から何年ぶりかと言われるレベルの円安となりました。円安は海外から原材料や食料を輸入するため、コストプッシュ型のインフレを引き起こし、日本国内の物価が高くなる現象が前年に続いて起こりましたが、それ以上に購買を控えるデフレの影響からか、他国ほど深刻なインフレとはならず、結局金利を上げるスタンスを見せるだけで大きな金融政策の変更はありませんでした。このあたりは新しく日銀総裁になった植田和男氏が今年に春あたりにどのような金融、財政政策をとるかが見ものですが、比較的バランスを見ながら意思決定しそうな植田氏のことですので、ドラスティックに金利を上げたりとか金融緩和を急ぐということはないのではないかと個人的には見ています。

他の社会面での出来事としては、WBCワールド・ベースボール・クラシック)という野球の世界大会で日本は優勝しました。多くの人は大谷選手の投打にわたる活躍に声援を送っていたのではないでしょうか?(私もその一人)
最後の優勝シーンでは大谷”投手”が9回最後の打者として迎えたチームメイトのトラウト選手にフルカウントから、外に逃げるスライダーでみごとに空振りの三振をとりました。
またその前のメキシコ相手の準決勝では1点ビハインドの9回裏に、それまで不振だったヤクルトの村上選手が左中間をやぶり、一塁からは代走の周東選手が快足を飛ばしてホームインしました。
二試合とも私はTVの前で家族とライブで見ておりましたが、本当に素晴らしい試合で、その前年のサッカーワールドカップにつづき、世界で活躍する日本人にたいして大変誇らしい気持ちを持ちました。スポーツの世界もグローバルに活躍する人が沢山出てきて大変よいことだと思います。

 


個人的な活動としては、2023年は8月にシンガポールと台湾、9月はインドネシアとインドに行きました。活動内容はいつものように大学での講義と現地でのイベントなどへの参加です。シンガポールとインドは昨年も長期滞在をしたので特に変化は感じませんでしたが、インドネシアはコロナ前の2018年以来になるので5年ぶりです。また台湾は9年ぶりの訪問になりました。
インドネシアは鉄道などのインフラが整ってきて、また日本のコンビニが多くなり和食のレストランが多くなってました。台湾は都市の中心である台北駅の周りについてはそれほど変わっていませんでしたが、円安もあり物価が日本よりかなり高くなってたのが印象的です。

このあたりの様子についてはブログの以下にまとめてありますので、関心があればご覧ください。

久々のインドネシアの生活と現状(滞在メモ)
https://goodfind.hatenablog.com/entry/2023/10/02/003337

9年ぶりの台湾訪問メモー次回の旅行のため備忘ー
https://goodfind.hatenablog.com/entry/2023/08/30/003238

 

(2)2024年の予定を見てみると

まず政治的には国のトップを決める大きな選挙がいくつかあります。まず最も世界に影響が大きいアメリカ大統領選挙が11月にあり、トランプ氏の返り咲き?現職のバイデン氏再選?または他の候補者か?などが争点になってきます。前回、前々回の大統領選挙同様、今回の選挙も予測は大変難しく、それぞれの政党が誰を候補者に挙げてくるかについても意見が分かれています。

もう一つの大きな選挙は1月に台湾総統選挙があり、現在のところ民進党の頼清徳氏がわずかにリードしており、このままいけば現状のシステムが維持されると考えられていますが、これだと北京の共産党のコントロールが難しくなるので、なんらかの策を施してくる可能性もあります。中国共産党はこれまで台湾を「一体化」という表現で自国の一部と主張しており、半導体の世界的な生産地であるこの地をどのように扱っていくかについては世界中が心配しているところでもあります。

あと一つトップを選ぶ選挙という意味では3月にロシアの3月にロシア大統領選挙がありますが、これは現職のプーチン氏以外の結果はないでしょう。現状のロシアは対外的に孤立しており、その影響もあり国内はかなり厳しくなっていますが、それゆえ強いリーダーが求められそれはプーチン氏以外は考えにくいです。

これら3つの選挙の結果は今後の政治、経済、社会への影響が非常に大きいため、それぞれの分野の専門家が、それぞれの場合についてシナリオを作り予想しているところです。


もうひとつ大きな国際的なイベントとしては、夏にパリでオリンピックがあります。前回の東京オリンピックはコロナの影響で予定より1年遅れた関係で、すごく間隔が短い印象があります。今回も日本の選手団の活躍が期待できるのではないかと勝手に期待しております。理由としては前回の東京オリンピック、サッカーのワールドカップ、野球のWBCなどを見ていると日本の選手たちが世界で戦うという機会が多くなり、そこに適応し活躍しており、彼らを見て他の選手たちも彼らを見て夢を持ち、確固たる自信も持って取り組んでいるからです。これはビジネスパーソンたちも見習うべきで、この世界からも世界で活躍する人がどんどんでてきて、それを若い人たちが見て、憧れて、真似ていくことがスポーツのように出来てくると良いなと思います。

 

(3)ウクライナ、ガザ、台湾?各地の紛争はどうなる?

本当、これからどうなるんでしょうか?ウクライナについては、そろそろ停戦したいと双方とも思っているでしょうが、両者とも傷跡は大きく、その割には得るものは多くないかもしれません。ロシアとしては一定の領土を確保したという点では成果と言えるでしょうが、国際社会において孤立が強まったことや、国内が戦争の間に経済も社会も相当傷んでおり、天然ガスや資源を独占するオリガルヒ(日本でいう財閥というか経済マフィアみたいな存在)のみが資源高の恩恵にあずかり、他の一般の国民はどんどん貧しくなり疲弊していることが予想されます。しかし、そういう状況だからこそ強いリーダーシップが求められており、そういう点ではプーチン氏に変わる指導者はしばらく出てきそうもありません。ここはロシアの抱える大きな矛盾で、本当は90年代に民主化して自由や競争のルールのもとに先進国の仲間入りするシナリオでしたが30年たった現在を見ると、旧ソビエト連邦の非効率でブルジョワ中心の既得権益社会から全く変わっていないようにも見えます。
このままでいくとロシアは国としては資源国としてそこそこ外貨を稼げるとは思いますが、国内にいる人々を幸福にしないシステムはサステイナブルになることはないと思います。


次にあげたいのは、2023年10月にハマスと思われるパレスチナ地区の過激派がイスラエルを突然襲い多くの人質を取るという事件がありました。それに対してイスラエルは相手方の民間人を巻き込みながら反撃しましたが、その過激さに対して世界中から非難の声も上がっています。これは親イスラエル国であるアメリカ国内においても批判の声は大きく、経済界で強いユダヤ資本は情報統制をしたいものの、ネット上では多数の反イスラエルの動画や情報がながれ、この点でもアメリカは新たな分断となっています。

ハマスの襲撃はプーチン大統領の誕生日である10月7日であったことから、これは裏でロシアが手を引いていて、それをイランが取りまとめた、などの説も流れていますが本当のところは全く確認できるはずもなく、少なくとも結果的には多くの関係のない犠牲者がたくさんでて、中東地区の不安定は常に原油高につながるところだけは毎回同じです。
イスラエルの現首相のネタニヤフ氏は強硬右派「リクード」に所属しているため予想された結果ではありますが、同国は常に周囲に対して紛争を抱えている歴史的な状況は、過去を引きずりすぎて誰も平和にならないので、どちらがよいとかいうことでなく、双方とも「足るを知る」という現実的な妥協をすべきだというのは火の粉の飛んでこない日本にいるから思えることかもしれません。

ガザの火の粉は日本へは飛んできませんが、残念ながら火種となる要因は日本周辺にもいくつかあり、いわゆる新旧の社会主義体制のロシア、中国、北朝鮮は飛行機で数時間の距離にあり、実際に北朝鮮は定期的に日本海や日本国土に向けてミサイル実験を続けており昨年は何度か警報も出たくらいです。
北朝鮮の経済や社会の困窮度合いにいは、いまさら知らない人は多くはないですが、それでも情報統制をしていて、人々の入出国をかなり制限している同国は、内部の人々も外の世界に触れることができずにいるのは悲しいことかもしれません。(先進国的な見方でしょうが)
北朝鮮に対しては以前トランプ氏が大統領の時に一瞬対話するかに見えましたが、彼が大統領でなくなった瞬間からそれもなくなり、元の孤立の状態に戻っています。中国は仲介役としては最も近い候補なのですが、彼らは彼らで国内外に多くの問題を抱えており北朝鮮に注意を向ける余裕はないように見えます。現在はウクライナとガザの紛争で欧米もいっぱいいっぱいであり、極東の事には構っているヒマはない状態です。
残念ながら我々日本政府もこの北朝鮮の行動に対して効果的に対応できているとは言い難く、政党同士のあら探しと揚げ足取りばかりしているのは大変遺憾に思います。

経済力が大きくない北朝鮮とは対極的な隣国が台湾で、ここは国際的にも大きな火種になる可能性が高いところです。今年9年ぶりに訪問した台湾は表向きは以前と変わらず日本の都市のように少し狭くてゴミゴミしているとこもありますが、少なくとも表向きは人々が日本と同じように平和に暮らしており、国境封鎖とか経済封鎖などの気配はみじんも感じられませんでした。売っているものや食べているものも以前と変わらず充実しており、夜市(よるいち)と呼ばれる屋台は日本人からすると風情のある光景であり、日本のお祭りの出店が毎日でているかんじで、とてもレトロな感傷に浸ることもできます。
その一方で9年前と明らかに異なっているのはむしろ外部の状況で、ITの急速な普及は世界的に半導体の需要を大きくし、またこのチップの有無により経済全体の強弱も左右するところまで来ています。

実はこの台湾をめぐる情勢は、米中二極化の構図の中でも大変重要なものとなっています。これは軍事という点でもちろん大きなウエイトをしめておりますが、半導体の技術は経済の源泉であるだけでなく、そこで得られる情報が軍事や世論、経済など国際社会を管理する不可欠のツールとしても大変重要な要素です。

その中国ですが経済的には非常に苦しい状況が続いています。昨年は若年の失業率が20%を超え、それでも過小すぎるであろうという世論があったためか、その数字自体の公表をやめてしまいました。経済の不調は対コロナでの行動統制の結果などのという単純なものではなく、不動産の不良資産が多いとか、ずっと続いた経済成長が止まったとか、経済政策が悪いとか様々な見方がありますが、現在の一人当たりのGDPが1万ドルくらいの水準は開発経済学では「中所得国の罠(*)」と呼ばれる水準で、多くの国々がこのあたりの経済レベルで成長がとまる例が多いという丁度そのあたりに来ています。

(*)中所得国の罠 *wikipediaより
中所得国の罠は、開発途上国が一定規模にまで経済発展した後、成長が鈍化し、高所得国と呼ばれる水準には届かなくなる状態ないし傾向を指す通称。2007年に世界銀行が『東アジアのルネッサンス』にて、同現象を形容する言葉として用いたのが初出である。

中国にとってひとつ残念だったのは、昨年共産党ナンバー2の指導者で経済担当の李克強氏が68歳でなくなったことでした。現在の中国の経済状況は誰かの失敗というよりは、高度成長が終わった後にでている典型的な「中所得国の罠」なのであれば、経済博士である李克強氏がその手腕を生かせる場面は多かったはずです。そういう意味では彼の突然の死は、国にとっても残念としか言いようがありません。

この中国の状況は日本の90年代と対比されて検討されることも多く、欧米の識者による中国経済の見通しを語る文脈では、非常に多く日本の事例との比較で話されることが多いです。実際に不動産バブルとその後の不良資産の問題という点では日本の90年代と似ているという意見が多く、このあたりは野村総合研究所の主席エコノミストであるリチャード・クー氏が唱える「バランスシート不況」と同じように見えます。(彼自身もそう主張している)

仮にそれが正しかったとすると、不良資産の見積もりをして、順番に処理していくことが常套手段なのですが、その過程においては膿を出すための痛みをともなうことになるため、なかなか着手に踏み切れないのは日本の失敗から学んでいると思います。
実際に死んでいるゾンビ企業の多くが国営企業だったとすると、身内を切ることは大変ですし、また融資の元となっている機関が銀行の融資だけでなく、シャドーバンキングという得体のしれないものであった場合には、影響の範囲が予測しにくく社会の混乱度合いも図れないことから、実施に躊躇するのはわからないでもないです。しかしながら教科書的なきれいごとを言うのも無粋ではありますが、不良資産をそのままにしておくと今度は信用不安につながりお金の流れは悪くなるに加え、人々の心理的な不安もつづくことから日本よりももっと悪くなる可能性もないとは言えません。実際、そのような主張をするエコノミストは非常に多いです。

このような状況の中、経済的、軍事的に何か外で解決を求めようとすると、その対象となるのが台湾です。もしアメリカの次期大統領がトランプ氏になった場合、彼は基本的にモンロー主義アメリカは他国の干渉をしない主義)を主張しているので台湾有事でも何もしない可能性があります。そのケースでは日本は独自に日本の立場をはっきりさせ、しかるべき行動をとれるように準備する必要があります。はたして今の日本の政治は本当に大丈夫でしょうか?私にとっては政治の話は考えれば考えるほど気が滅入るのでこの辺で辞めます。

中国について暗い話ばかりを取り上げましたが、なぜ彼らがアメリカにこれだけ痛み付けられるかという理由を考えてみれば、それは経済的、技術的に手ごわいからという視点も見えてきます。実際にIT、AI、ドローンやEVなど新しい分野では世界をけん引しています。その理由は日本から見ると良くわかるのですが、とにかく勤勉に学習します。人口が多いため生存競争は厳しく、また試験で社会的、経済的な地位が決まるシステムは、必然的に学業に秀でた人々を大量に作り出します。またこのシステムは集団として同じ規範に従う勤勉なマインドセットも同時に醸成するため、製造業にはむいており、それゆえ現在の電子機器の多くは同じようなシステムを持つ中国、韓国、台湾、日本のこの周りで多くのものが作られています。実際にiPhoneやPC、電子デバイスも欧米ブランドでも中国製のものが多く、韓国、台湾、日本で作ったパーツを中国で組み立てるという流れができています。

競争過多の社会なので中国人の幸福度ランキングは残念ながらあまり高くりません。そして、それが少子化などにもつながっていますが、その学力の量と質を考慮すると世界のトップレベルであることは疑いようもなく、アカデミアの世界でも論文数や特許数などでトップレベルを維持しています。

14億の人口を統治することは大変なことだと思います。今は大変な局面に来ていますが、歴史から学び合理的な判断ができれば、この教育水準の高さで解決できることも多いのではないかと期待したいです。

 


(4)経済はどうなるか?(景気、インフレ、雇用、成長など)

これまでも述べてきましたが2024年にはアメリカ大統領選挙があり、その結果が世界に大きな影響を与えます。今のところ民主党からは現職のバイデン氏、共和党からはトランプ氏が候補として上がっていますが、実際に誰が出るかもまだ明らかではありません。

どちらの政党が大統領になったとしても変わらないことも多く、その一つは経済政策が最優先であるということです。軍事ついては実は多くのアメリカ国民は国外のことについてはそれほど関心を持っておらず、また自国が戦争などで攻められた経験もないため自分のところが良ければ他はあまり気にしないというスタンスが「モンロー主義」です。バイデン氏の民主党は比較的アメリカでも教育水準が高い人が多く国際情勢にも関心があるため、ある程度アメリカの国際社会での警察機能の必要性などを理解していますが、対する共和党はその逆で前述の「モンロー主義」の立場で、俺たちは俺たちのことすればいいんだから他はみんなで上手にやって、という立場をとります。本当はそうすると世界の警察がいなくなることで地域紛争が増え、これが経済を停滞させて結局アメリカ経済にも悪影響として戻ってくるので困るはずですが、トランプ氏は長期的な視点とか国際社会での役割などには相対的には関心が低いように有権者には見せています。(実際はどうなのかは分かりません)

この国際社会でのアメリカの特に軍事的なスタンスを除けば、個人的にはどちらの政党が勝っても実は大差がないのではないかと予想しています。大差があるかどうかは程度の話なのですが、少なくとも最近20数年間のアメリカの政局運営や経済政策を見ていると大統領の権限は確かに強いのですが、上院・下院の勢力拮抗もあり、思ったほど特色を出せないまま変われないアメリカになってきているという印象を持っています。
例えばオバマ大統領が就任した時には人々はオバマケアなど大きな期待をして、実際に彼はリーダーシップを発揮しましたが、ではそれでアメリカがオバマ氏でなかった場合と比較して大きく変わったかといえば、教育とか医療とかに関してみてみれば、そんなに変わっていないな!というのが個人的な感想です。(かなりアバウトですが)

このアメリカの取る政策で直接ではないけど間接的に経済に関連してくるものが軍事戦略で、これは台湾有事からガザ地区ウクライナ対応を含みます。ウクライナ支援についてはそろそろ予算がつかなくなってきました。これはプーチン氏の粘り勝ちに近い状態で、このままずるずるいき結局ウクライナの領土の一部を事実上併合することに成功して終わりというエンディグが濃厚になりつつあります。


景気や経済について、2023年はインフレと高金利が大きな争点となり、特に欧米の経済は止まらないインフレに対し何度も金利引き上げで対抗しようとしたがなかなか思うようにいきませんでした。その欧米の金利高に対して日本は脱デフレのための低金利政策を維持しており、その金利差からドル高円安が一層進み、一ドル150円を超える水準まで進みました。現在はこれらの状況も落ち着きを見せているためアメリカは金利を下げ、同時に日本も春以降金利上昇が期待されることから2024年は今よりはドル安円高がすすむと考えられています。

ドル高円安はゆるやかであればマクロ経済の教科書によればGDP成長にはプラス材料になり、日本経済全体はすごく良いとも言えないが、トヨタ自動車や総合商社などのグローバル企業は海外で稼いだ分を円換算した時に金額が大きくなるため企業収益は”数字上”好転しています。ちなみにこれは円換算した数字だけの話なので、現場の人達はそれほど喜んではいないと思います。


赤字国債が多すぎるといわれている日本の国庫については、昨年2023年の税収ははじめて70兆円を超え、ここ数年間明らかに増加傾向にあります。一方で国債発行でふくれあがった歳出も100兆円を大きく超えており、赤字を減らして債務を増やそうとする財政再建派の財務省を中心としたグループと、景気対策のために大量の国債により景気対策をしたいリフレ派の間の論争はしばらく続きそうです。


参考までに、世界全体の経済予測はIMFの昨年10月のレポートでは以下のようにでています。

World Economic Outlook Projections from IMF “World Economic Outlook”, Oct 2023
(Real GDP growth, annual percent change)

2022 3.5%
2023 3.0%
2024 2.9%
https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2023/10/10/world-economic-outlook-october-2023

実質GDPの成長率は2023年の予測値で3.0%なのでほぼ例年並みの水準です。インフレがひどく金利上昇から景気後退も予測されましたが数字だけ見るとかなり普通の水準です。

同レポートでは日本について

2022 1.0%
2023 2.0%
2024 1.0%

と非常にキリの良い数字になっていますが、近年の日本の数字と同じような水準となってます。2.0%は最近の数字と比較すると少し良くなっていますね。
世界も日本も2023年と比較すると若干低い値の予想が出ているようです。

全般的にまとめると地域紛争や天変地異が起こらなければ、もしくは起こったとしても小規模であれば経済全体としてみれば大きな変化はないような予測が出ています。個人的な解釈としては、現状の日本の生活については、よくも悪しくも相対的には安定しており変化は緩やかで、それゆえに新しい潮流には気づきにくい環境であるとも考えることができます。


(5)日本の経済や産業の今後は?

円高金利高、原油高が前半に予想されることで、春あたりに日銀による利上げがあると予想するアナリストが多くいます。その上昇金利幅とタイミングにより円高が進行すると一部のグローバル企業の決算は悪化します。ただし円高といっても現在の水準との比較での表現であり、1ドル100円など急激な進行を予想する人はあまり多くはありません(ただ為替の予想は結構外れる)。

日本の身近なところで気になるのは、慢性的な人材不足です。特に自分の場合新卒を中心とした人材紹介を行っていますが、人材の供給不足はずっと続いており売り手市場が恒常化しています。これは日本の人口動態を見てみればすぐに理解できることなのですが、生産年齢人口(15-64歳)は毎年減少している一方で、日本の経済規模自体は微増ながら大きくなっていることを考えれば必然的な帰結であり、今後10年ほどで50歳代の団塊の世代が第一線から離れていくことを考えればずっと続くことは容易に分かります。
このため多くの企業が特に若年労働力を取り合うことにつながり、会社もアルバイトもほとんど全ての業態で人手不足は深刻になっていきます。

数の不足は①オペレーション簡素化、②ロボットなど自動化(セルフ化)、③サービスの一部停止、④外国人を受け入れ、⑤子供をたくさんつくる、などの方法で解決するしかありません。現時点では①と②と③が徐々にすすんでいるところです。

雇用という意味では人材不足は失業率を下げるのでプラスです。世界規模でみれば失業率について日本ほど心配不要な国はシンガポールや香港などの高齢化が進む先進国で、いずれドイツやロシアなども同様になることが人口動態より予想されます。ドイツやシンガポールは海外からの労働力を積極的に受け入れており、彼らのやり方を学ぶことは意味がありますが、日本は島国で閉鎖的であり、また日本語という大変難しい言語があるため、英語が公用語の同じく島国のシンガポールの事例をそのまま真似ることは非現実的でしょう。(シンガポールは加えて人口が500万程度の非常にコンパクトな国でもある)

この”数”の不足は”質”にも影響があり、需要に対して少ない労働力を確保するために企業は労働条件を良くしないと人材が確保できません。それは賃金や労働環境の改善という良い面が多いのですが、一方で人材の競争が少なく、ある意味ゆるい環境で甘やかされるため、個人のスキルアップやレベルアップという点ではマイナスです。

インドや中国など人材が余るほどいて競争がある社会では、人々は切磋琢磨され適者生存の原理により強いものだけが残ります。それは進学時の入試に始まり就職活動や、社内での昇進競争までずっと続くので、人々は疲弊してストレスの多い社会ではありますが、一方で進化は速く、また勝ったものには十分な報酬も用意されています。
彼らの一部は自国から離れ欧米に行く人もおり、自国の呪縛から離れてきらびやかな生活を送っている人も存在します。

そういう中で日本という狭い社会で井の中の蛙状態になっている日本の人々は、いったん海外に出たときにはこの優秀な中国人やインド人がライバルになりますが、普段ぬるま湯のような社会にいると、なかなか対抗するのは難しいと思います。

企業の競争自体はグローバルの時代なので国籍には関係なく、良い製品やサービスを提供しているところが適者生存で残ります。その状況のもと日本国内で緩くしている会社が今後生き延びれるかということを考えた場合、先は暗いと言わざるを得ません。

その解決策は国策としても考えていかなければならないのですが、先進国になった現在の状態からインドや中国のような競争社会に戻ることは事実上不可能ですし、歴史を見てみればそういう循環があり国家の栄枯盛衰が繰り返される流れの中で、覇権は国や地域へと移っていきます。

個人としてのキャリアを考えるのであれば、もしグローバルで活躍したいのであれば早いうちのグローバルのビジネスの競争なり進歩の速さなりを体感しておくことが良いと思います。働き方や分野をどのように選ぶかは全くの個人の自由で良いと、個人的には思いますが、一方で身の回りがどのような法則で動いているかという実体を把握することはどこかで必要になってくると思います。

企業側の見方としては、よい人材を採用し維持するためには雇用条件や制度を変える必要に迫られています。具体的には基本給の増額、志望する配属部門にポジションを与える、昇進と昇給ペースを上げる、インセンティブの設計、海外赴任などの機会を提供する、というところが軒並み行う施策となりそうです。しかしながらどの企業も採用後の維持という点では必ずしもうまくいっていないと思う会社が多く、実際自分のところに個別に相談の連絡がたくさん来るのですが、それはどちらかというと期待値が高すぎることも原因かと思います。

そもそも日本の企業全体的に、会社にはずっといるものである、という昔の感覚から抜け切れていない人が多いのではないでしょうか。そして同じ部門の社員が退職した場合、その部署の上司なりメンバーの評価が下がってしまい、今度はそれを恐れるあまり、活動量が少なく辞めなさそうな人だけを採用するという悪循環に陥っているところも多いように見えます。本当に必要な人を採用せず、活発でないしがみつく人たちだけの組織が勝てる見込みは残念ですがありません。
また制度面では在籍期間が定年までを前提に昇給や昇進が設計されているため、若い人たちにとっては成長実感が感じにくい中で特別不満もないけどステップアップのために転職する例が大変多くなっています。

このような状態はそれほど簡単には変わりにくいと思いますので、今後も優秀な人材は外資系やインセンティブのあるスタートアップ、もしくは海外などへ流れていくでしょう。グローバル時代には国境を越えて才能を奪い合うゲームがすすんでいますが、それは日本も例外ではありません。


(6)スタートアップや技術動向について

2023年の技術の重要テーマの一つとして”ChatGPT”を挙げることができると思います。ChatGPTは”生成系AI”のツールの一つでオープンAI社というマイクロソフトに買収された企業が開発したものです。生成系AI(Generative AI)とは日常会話のように質問すると、あたかもエージェントのようにそれに答えてくれるものです。

生成系AIはChatGPTだけでなく、Google社のBardなど複数存在し、どれもある程度は無料で使えるようになっています。

例としてGoogle社の生成系AIである”Bard”無料版を使って以下の質問をしてみました。


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Question:ChatGPTとは何ですか?初心者向けに100文字以内に分かりやすく説明してください。

Answer:ChatGPTは、膨大な量のテキストデータでトレーニングされた人工知能(AI)チャットボットです。テキストを生成し、翻訳し、さまざまな種類のクリエイティブなコンテンツを作成し、有益な方法で質問に答えることができます。

100文字以内で説明すると、次のようになります。

膨大な量のテキストデータでトレーニングされたAIチャットボット。テキストを生成し、翻訳し、クリエイティブなコンテンツを作成し、質問に答えられる。

この説明では、ChatGPTの基本的な特徴を簡潔にまとめています。

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だいたい日常生活で知りたいようなことは、こちらでほぼ回答が出てきます。この質問だけだとこれまでのGoogle検索とほぼ変わらないのですが、プログラミングのコードについて質問したり、画像を生成してもらったり、より具体的に相談したりすることもでき、例えば以下のようなことも聞くことができます。


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Question:家族4人で春休みに海外旅行を検討中です。5日程度で治安が良く安全で、観光施設が沢山あるきれいな国の候補先を3か国教えてください。総額予算100万円で行きたいと思います。

*質問は具体的な回答が出るまで複数回聞いています。

 


Answer:

シンガポール

治安が良く、安全な国です。
シンガポールの観光名所の画像新しいウィンドウで開く
travel.rakuten.co.jp
シンガポールの観光名所
多民族国家で、さまざまな文化や食を楽しむことができます。
マリーナベイ・サンズ、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ、シンガポール動物園など、観光スポットが充実しています。
5日間の旅行で、これらの観光スポットを効率よく回ることができます。
予算総額100万円で、家族4人で快適な旅行を楽しむことができます。

台湾

治安が良く、安全な国です。
台湾の観光名所の画像新しいウィンドウで開く
tabichannel.com
台湾の観光名所
自然豊かな景色と、活気あふれる都市の両方を楽しむことができます。
九份日月潭台北101など、観光スポットが充実しています。
5日間の旅行で、これらの観光スポットをじっくりと楽しむことができます。
予算総額100万円で、家族4人でリーズナブルな旅行を楽しむことができます。

タイ

治安が良く、安全な国です。
タイの観光名所の画像新しいウィンドウで開く
www.tabikobo.com
タイの観光名所
美しいビーチと、豊かな自然を楽しむことができます。
バンコクプーケットチェンマイなど、観光スポットが充実しています。
5日間の旅行で、これらの観光スポットをバランスよく楽しむことができます。
予算総額100万円で、家族4人でお手頃な旅行を楽しむことができます。
これらの国は、いずれも治安が良く、安全で、観光施設が沢山あるきれいな国です。ご家族の興味や予算に合わせて、最適な旅行先をお選びください。


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こんなかんじです。

生成系AIはChatGPTが有名ですが、私はGoogle社のBardを使っています。特に理由はないのですがChatGPTは使用回数が制限されていたり、新しい情報が出てこなかったりするのでBardを使用していますが、検索結果は日常生活の質問についてはどちらも変わらないレベルなので好きなほうを使えばよいと思います。

この生成系AIについては、ネット上にもいろいろな記事や動画があるので、是非一度気合いを入れて学んでみてください。一般的には私の周りを見ても技術や情報について詳しい人ほどこれらのツールの凄さを認識しており、ChatGPTの有料版(月20ドル)を払って使っている人は沢山います。

私の使い方は情報の収集、資料の作成(特にグラフの作成など)、日本語の英訳、自分が作成した文章のチェック、あいさつ文など定型文章の作成と日常で出てきた細々として質問などに使っていますが、ほぼ使わない日はない状況です。有料版は基本的に一般のネットユーザーの使い方を知りたいので使っておらず(これは他のツールも同様)、それでも特に不便は感じていません。

この生成系AIを使いこなすことは日常生活の向上に役に立つと思いますが、使うほうのリテラシーには大きな差があり、ちゃんとした言葉で求める回答がでるような聞き方をする必要があります。ここはロジカルに正しい聞き方が必要になってきますので、ちゃんと意味を理解して話す習慣を学習することが求められます。

 

少しここから離れて世界の技術全般やスタートアップに話を移すと、2023年はスタートアップの投資は低調なままでした。数年前にはスタートアップ投資バブルがあり、どんどん投資して会社もどんどん使って大きくなればOK!という風潮は現在は全くありません。
ただし低調と言いつつも個人的な感想としては、それ以前のバブル状態から正常に戻ったという解釈をしており、むしろバブルが長く続いて壊れたときのショックが経済全体に大きくなるよりは現在のように少し冷静さを取り戻しながら全体として成長していくことは悪くないことだと考えています。

ちなみにCBInsightのランキングではユニコーンについては以下のランキングになっています。

https://www.cbinsights.com/research-unicorn-companies

*as of 2024/1/10


Company    Valuation ($B)    Date Joined    Country

(1)ByteDance    $225.00     2017/4/7    China
(2)SpaceX    $150.00     2012/12/1    United States
(3)SHEIN    $66.00     2018/7/3    Singapore
(4)Stripe    $50.00     2014/1/23    United States
(5)Databricks    $43.00     2019/2/5    United States
(6)Revolut    $33.00     2018/4/26    United Kingdom
(7)Epic Games    $31.50     2018/10/26    United States
(8)Fanatics    $31.00     2012/6/6    United States
(9)OpenAI    $29.00     2019/7/22    United States
(10)Canva    $25.40     2018/1/8    Australia
(11)Chime    $25.00     2019/3/5    United States
(12)Xiaohongshu    $20.00     2016/3/31    China
(13)J&T Express    $20.00     2021/4/7    Indonesia
(14)Miro    $17.50     2022/1/5    United States
(15)Yuanfudao    $15.50     2017/5/31    China
(16)DJI    $15.00     2015/1/23    China
(17)Discord    $15.00     2018/4/20    United States
(18)Gopuff    $15.00     2020/10/8    United States
(19)Yuanqi Forest    $15.00     2020/3/1    China
(20)Ripple    $15.00     2019/12/20    United States
(21)Blockchain.com    $14.00     2021/2/17    United Kingdom
(22)Plaid    $13.50     2018/12/11    United States
(23)OpenSea    $13.30     2021/7/20    United States
(24)Celonis    $13.00     2018/6/26    Germany
(25)Grammarly    $13.00     2019/10/10    United States
(26)Devoted Health    $12.60     2018/10/16    United States
(27)Faire    $12.59     2019/10/30    United States
(28)Brex    $12.30     2018/10/5    United States
(29)JUUL Labs    $12.00     2017/12/20    United States
(30)BITMAIN    $12.00     2018/7/6    China


国別でみると(全部で1220社)

(1)アメリカ 653社
(2)中国 172社
(3)インド 71社
(4)UK 52社
(5)ドイツ 30社
(6)フランス 25社
(7)イスラエル 23社
(8)カナダ 21社
(9)シンガポール 16社
(9)ブラジル 16社
(11)韓国 14社


企業数はアメリカインドが昨年より増えていますが、他の国はあまり変わらないですね。
*CBInsight社の昨年のランキング情報が手元にないため直接比較できません。

 


日本企業についてはユニコーンに入っているのは7社で、顔ぶれは昨年とあまり変わっていません。

(1)Preferred Networks    $2.00     2018/5/17    Japan
(2)SmartNews    $2.00     2019/8/5    Japan
(3)SmartHR    $1.60     2021/6/8    Japan
(4)Spiber    $1.22     2021/9/8    Japan
(5)Go    $1.00     2023/5/24    Japan
(6)Playco    $1.00     2020/9/21    Japan
(7)Opn    $1.00     2022/5/9    Japan

 

日系企業はここだけを見ると大した変化は見て取れませんが、国内のスタートアップの活動自体は毎年どんどん活発になっていると思います。ここは大学初ベンチャーとか大きなインキュベーション施設が沢山で来たりしているので、今後に期待しましょう。

 

(7)2024年はここに注目してます

たくさん、つらつらと書いてきたので最後に少しだけまとめようと思います。
個人的に注目しているテーマは以下のものです。

 

・ガザ紛争はどうなるか?最悪は世界的な「キリスト教徒vsイスラム教徒」の気運
・中国の経済と社会の今後 不動産バブルにどう対処するか?
・台湾の総選挙 現状政権が維持できるか?
アメリカの大統領選挙 再びトランプ氏?
・もしトランプ氏が大統領になった時の政策の内容は?
・スタートアップ投資はどのようになるのか?
・日本国内の人材不足に企業はどう対応するのか?
・日本の政局運営はこのまま混迷を続けるのか?


今回もまとまりなく長くなってしまいましたが、最後までお読みいただいた方には感謝したいと思います。感想などいただけると大変うれしいです!

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

転職をたくさんする世界でのキャリア観

以前にこんな記事も書いているのでご参考まで

「今後HR(人事)の世界で起こること予測(Goodfind講師ブログ)」

https://goodfind.hatenablog.com/entry/2019/07/20/025425



最初に今後の人事の世界についてまとめます。

 

(全体)

・優秀な人材を世界規模でとりあうことになる

・待遇や給与面での個人差が拡大する

・転職が非常に一般的になる

・IT人材や技術者と女性を企業間で取り合う

・外国人とシニア労働者が増える

・女性の管理者職がふえる

 

(個人)

・日本国内の人材不足は続く

・職能と経験が市場価値を決める

・普通の人も生涯で転職を5,6回は経験する

・通常の定年退職が70歳以上になる

・基礎的なスキル(読み書きなど)が大切になる

・知識のアップデートが必須になる

・知識にならないスキルが重宝される(リーダーシップ、事業創造、、)




直近の未来から20年くらいは人材不足が続きます。これは雇用面では失業問題が起こりにくいという点では悪くないことです。日本は失われた20年とか、日本経済だけがイマイチなことを意味する「Japanization」という経済用語もありますが、雇用される側としては世界で唯一といってもいいくらい恵まれている状況です。

 

国の雇用でみると悪くない状況ですが、マクロ経済としてみれば労働人口の不足は生産と消費の両面でボトルネックになるのは必定であり、これを解消するためには少子化対策、AI、ITなどによる自動化や無人化、高齢者の雇用、海外からの労働者派遣、などを急いで取り入れる必要があります。

 

キャリアについて織田が普段言っているアドバイスの一つとして、日本全体が終身雇用中心から転職を重ねるキャリア雇用への移行途中のため、人々が職能や専門性をあまり意識しないままで転職して収入が上がらなくなる危険を指摘しています。

 

そもそも総合職のジョブローテーションは、一つの会社で働く前提で、全社を広く浅く知ることで調整がしやすくなるとか、上級管理者になる時に機能しましたが、転職する際には中途半端なジェネラリストを作ってしまうため不利になることが多くなります。

 

若いうちは専門性が浅いためにそれほどマイナスには見えませんが、30代も半ばになると転職時に「あなたは何ができますか?何をしてきましたか?」の明確な回答がないとなかなか思うような条件に会えないというのが実情です。(当社は転職エージェントもやっています)

 

一般的にジェネラリストはスペシャリストよりも良いと思われている風潮も変える必要があります。広く浅く知っていることは、特定の分野に絞っていえば浅い理解しかないということです。これでは職能が求められる転職市場で評価が高くなることはありません。

 

時代と共に周囲の状況が変わる現状をアップデートしないまま昔の常識や知識で判断すると危険です。急にアメリカみたいな実力主義になるとは思いませんが、10年、20年とたてば少しずつ変化することは必然であり、現在も既に実力主義が新卒の初任給の差の拡大からも見てとれます。

 

それと、これも若い人には見えにくいのですが、実は遠い昔から40代以降の給与や待遇の差は大きく、たとえ同じ会社に在籍していてもキャリアの後半になればなるほど差は大きくなり、役員にもなれば給与が上がるだけでなく定年延長もあり、役員年金という退職後も続く厚い恩恵が受けられます。

意外とこのような日系のキャリア組の引退後の悠々自適な生活は一般には知らない方も多いのではないでしょうか。

 

ミドル以降の転職市場は若いころと比べて難しい状況になってきます。特にそれまで良い待遇だった人が、社外に出たら給与が半分になるとかは転職エージェントをやっていると大変よくある話で「こんなはずはない!」と言いながら次の仕事が見つからないまま中途半端になってしまう人を沢山見ています。



このような状況を踏まえたうえで、若者が考えることは改めてですが自分の専門性をどこにするか?だと思います。上記で述べたようになかなか専門性を意識しにくい日本の会社の中で、自分からそれを積極的に探して、そういう機会を社内で求めていく必要があります。それを入社から10年以内にしたほうがよいよ!というのが本日の私の結論です。

 

そのヒントの一つを長期インターンとかアルバイトで見つけてみるのも一つの方法ではないでしょうか。

 

よかったらこんな記事もご覧ください。

 

「キャリア」って結構長い!(Goodfind講師ブログ)

https://goodfind.hatenablog.com/entry/2022/12/15/101840

 

タワーズワトソン元会長 淡輪さんの若者へのアドバイス(Goodfind講師ブログ)

https://goodfind.hatenablog.com/entry/2023/10/06/Tannawa-advice



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

世界の情勢については以下のセミナーでもお話するので、よかったらお越しください。

 

◆コンサル&連続起業家&大学教授による2時間で世界を理解する講座

https://www.goodfind.jp/2025/seminar/1531 (25卒)

https://www.goodfind.jp/2025/seminar/5247 (26卒)

12/25(月) 18:30–20:30 オンライン(Zoom)

 

◆ビジネスの全体像を掴む。「人気の8業界」まとめて企業分析講座

https://www.goodfind.jp/2025/seminar/5050 (25卒)

https://www.goodfind.jp/2026/seminar/5050 (26卒)

1/06(土) 18:30–20:30 オンライン(Zoom)

1/31(水) 18:30–20:30 オンライン(Zoom)

 

◆理系学生が選ぶ企業の未来と、成功する理系キャリアの条件とは

https://www.goodfind.jp/2025/seminar/5247 (25卒)

https://www.goodfind.jp/2025/seminar/5247 (26卒)

1/7(日) 18:30–20:00 オンライン(Zoom)

 

◆Goodfindのよふかしラジオ~毎週水曜21時から就活/社会情勢をしゃべくり~

https://www.goodfind.jp/2025/seminar/8620

12/20(水) 21:00–22:00 オンライン(Zoom)

タワーズワトソン元会長 淡輪さんの若者へのアドバイス

外資の人事コンサルのタワーズワトソン社元日本代表で、人生の大先輩である淡輪(たんなわ)さんにお話を伺いました。織田は10年以上、多方面でずっとご指導いただいております。せっかくの機会ですので若い方のキャリアや人生についてアドバイスをうかがいました。

 

「若い方にキャリアについてアドバイスするなら?」
 
毎回お話し始めると2時間くらいになってしまうのですが、今回もご多忙の中時間いっぱいまでお話しいただける心の広さに本当に感謝です。

(2023/9/26 @六本木ヒルズクラブ
 
★淡輪 敬三(たんなわ けいぞう)さん
東京大学工学部大学院、スタンフォード大学修士出身。
日本鋼管エンジニアからMcKinsey & Companyのプリンシパルを経て、Towers Watsonの代表取締役社長/会長を歴任。現在も多くの会社の社外取締役などに就任。
 

「若い方にキャリアについてアドバイスするなら?」

◆淡輪さんの若い方へのメッセージ◆
 
『うまくいくには”運”が大切。その”運”を分解すると”情報”と”人”という要素になる』
 
”運”を”情報”と”人”に分解して考える。”運”の元は”情報”の形をしている。そして、その”情報”を運んでくるのは”人”しかない。そして、その”情報”の質を決めるのは運んでくる”人”の質である。
 
 
『良い人との良い関係性が”運”をもたらす』
 
良い人が質の高い情報を持ってきて運の確率が決まる。そのためには質の高い人との関係性が上質でないと質の高い情報も得られない。つまりは自分の人柄が良くないと運はやってこない。
 
 
『目の前の仕事を最高のレベルでやる!』
 
例えばコピー取りだって今の機種にはいろんな機能があるので、凄いのができるかもしれない。そうやって一つ一つの仕事を誰もやったことのないレベルで行うことで信頼を獲得し、それが次の機会や良いネットワークにひろがる。
 
 
『伸びる人は次々と課題が見えて、それにどんどん取り組んでいく』
 
伸びる人は目の前の当たり前のことでもそこから様々な情報を取り出してこなしていく。それに気づくかどうか、そういうマインドセットがあるかどうかの差は極めて大きい。
 
 
『ひょっとしたらうまくいく!と考える』
 
最初から悲観的になりすぎない。最初はハッタリでもよい。いろいろやっていくうちに可能性が広がっていくので、まずはやってみよう。
 
 
『理系や専門職でもキャッシュフローとかIRRとかのビジネスの言葉や概念を覚えると、事業サイドの理解が進む』
 
ビジネスについての一定の知識を持っておくことは、自分のやっていることを実現させるときに大切である。広い視点をもって物事を見て考えることは世界を理解することに役立つ。
 
 
『一人で出来ることには限界がある。自分が何かをするときに助けてくれる仲間はとても大切』
 
素直に人の話を聞けて可愛がられることは大切。また人と出会った時に自分に関心を持ってもらえるだけのコンテンツを持っていると、そのつながりが将来何かを生み出す元となる。
 
 
『環境を自分に合わせたものに造り変える』
 
人は自分に合うように環境を変えることができる。黙って従うばかりではなく積極的に環境や周囲にも働きかけることで自分自身も生かせるようになる。
 
 
『自分に合う会う池(場所)で働く』
 
人にはそれぞれ適性や特性がある。それを生かす場所を見つけることは大切だし、そういう場所で楽しく働けるのが人生としても楽しい。
 
 
『好きな人と働く』
 
クライアントでも同僚でも一緒に働く人が誰であるかは自分にとってとても大切。気の合った人を探し、そうでない人は距離を置き無理に付き合う必要はない。
 

いつもご機嫌でいたい!とニコニコしながらお話する姿に毎回元気づけられます。
 
淡輪さん、ありがとうございました!
 

久々のインドネシアの生活と現状(滞在メモ)

2018年4月以来、5年半ぶりのインドネシア訪問となりました。
生活の備忘録としてまとめますが、これからインドネシアジャカルタとバンドンに行く人の参考になれば幸いです。
 
<事前申請アライバルビザ>
オンラインで申請すると即発行されます。手数料は約5000円でカードで決済できます。それをプリントアウトして持っておけば入国は非常にスムーズです。現地で取得するアライバルビザは現在もあるようです。

molina.imigrasi.go.id

 
 
<空港からの移動>
Bluebirdというインドネシアの独占タクシー会社のe-Bluebirdという電気自動車が空港にあるという情報を得ていたので、それを利用しました。
それ以外では市内と結ぶ成田エクスプレスのような電車もあります。こちらは渋滞に強いので時間帯によっては大変重宝します。
今回は土曜夜で渋滞も少なかったので、電気自動車タクシーを使いましたが本当に快適できれいな車でした。
 
ちなみに空港では外国人相手にぼったくりのタクシーが沢山いるので注意!
普通の料金だと市内まで150,000ルピア(約1500円)のところを650Kとかふっかけてきます。
e-Bluebirdの運転手も外国人とみると400,000ルピア(約4000円)とか言ってきますがこちらは相場を知っているので一応200,000ルピア(約2000円)と主張し、最終的に250,000ルピア(約2500円)の正規価格に落ち着きました(笑)。
Bluebirdは最大手で信用もある会社ですが、こういうことは起こるということを覚えておくとよいと思います。

(写真はe-bluebirdの電気自動車、中国のBYD製)
ただし電気自動車をインドネシアで見たのは空港のみ。

 
SIMカードwifiなどネット事情>
空港で2000円くらいの15GBのプランを購入。ちなみにデータは途中で使い切ったのでアプリからtop-upしてプラス100,000ルピア(約1000円)で50GBを追加購入。これはさすがに使いきれませんでした。
今回は日本のドコモにあたる最大手のTelkomsel社のSIMを使いましたが通信は安定しており、日本との会議やオンラインセミナーも全部このSIMを使ったテザリングで配信しました。時々音声が途切れることはありましたが、落ちることはなく、まあまあ無難に使えました。
 
街中やホテルにも無料wifiはありますが、ホテルはバンドンとジャカルタで共に4星クラスを使いましたがホテルのwifiだとネットmtgでは音声も画像も安定せず、結局は購入したSIMを使ってのテザリングで乗り切りました。
購入したSIMでテザリングを使う時の注意は、ホテルはなるべく低い階に部屋にいないと高層階だと電波が弱くなる可能性があります。

あとインドネシアで最近規制強化されたことの一つがスマホの海外からの持ち込みです。30日以内滞在では申告義務はありませんが、それ以上の場合にはすべてのスマホに対して申告が必要でその値段によって税金を払うことになります。iPhoneなど高額の場合数万になることもあるそうです。
 
またすべてのスマホは登録が必要で、登録されたものだけがSIMを指して使えます。
空港でSIMを買う場合はそこで設定から登録までしてくれるので、その端末については使えますが別の端末に同じSIMを指しても使えません。
このあたりはハードウエアの規制というよりは、国内の情報統制の意味合いもありそうな気がします。
国外サイトで見れないものも多いため、この国ではVPNを使うユーザー数も多いです。
 
ちなみに国内のiPhoneの比率は低く5%程度と思われます。端末シェアでは中国製が強くXiaomi、OPPOvivoなどを使っている人が目立ちます。
田舎や人気の少ないところでiPhoneを外で使っていると「iPhone狩り」に会うこともあるので注意は必要かもしれません。

(写真はTelkomselのSIM)
 
決済手段
ここは以前とあまり変わらず現金が多く流通しています。銀行発行のデジタルマネーも普及していますが、まだまだ現金取引が多いです。
MRTはSUICAのようなカードがあるので外国人でも無記名で使えるので便利ですが、SUICAと異なり交通にしか使えません。
クレジットカードはモールだとだいたい使えますが、1000円以上とか制限があるので少額の場合は現金を使うことになりました。


<移動手段>
今回はバンドンとジャカルタにそれぞれ1週間ほどいましたが、車移動はすべてBlubirdというタクシーを”MyBluebird”というアプリで呼ぶか街中で拾って使いました。
Go-jekもGrabもアプリを持っていて昔はよく使っていましたが、MyBluebirdが使い勝手が良く、また運転手も少しプロっぽいこと、車体が青く同じものなので見つけやすいことなどからこれ一択となりました。
 
またジャカルタではMRTを活用。日本の技術で作られたらしいのですが新しいせいもあり非常に清潔で運用も遅れずスムーズです。料金も乗った距離によりきまって日本円の初乗り40円から10円ずつあがっていく程度なので安いです。



切符はSUICAのようなチャージして使うものを購入すると便利です。一つ難点はチャージするときに紙幣の読み込みが悪く、ぜんぜん使えないので人のいる窓口に行って現金を手渡ししたことが多々ありました。



ジャカルタの”SUICA”とチャージするマシン)

 
基本的にバンドンもジャカルタも渋滞がひどいのですが、今回はMRTなどを活用したのと時間がないためなるべく中心部だけの移動に限定したのであまり不便は感じませんでした。
一度だけバンドンの郊外の知人の家から中心部に戻るときにはインドネシア特有の本当にひどい渋滞に会いました。

ジャカルタとバンドンの移動は鉄道を使いました。チケットはKai Mobile Appというアプリを使うとネット予約出来て便利です。



非常にレトロなローカル列車で150kmの2都市間が3時間、約2500円(グリーン車)ほどです。


ちなみに2023年10月からジャカルタとバンドンの間で中国製の新幹線が開通するそうで、それに乗れば移動時間は30分になるそうなので便利になりますね!
ただし現地の情報では新幹線のジャカルタ駅とバンドン駅ともに郊外のため大変アクセスが悪いとのことです。

 
<食事>
ナシゴレンはチャーハン(焼きめし)、ミーゴレン(焼きそば)が現地で良く食べられますが日本の味に近いので違和感はありません。
正直食事の名前を覚えるのがおっくうなので、ここはあまり書けませんが、基本個人的には外れはない味だと思います。

(ホテルのバイキング形式の朝食)

スパイシーなものもあるため胃腸の調子が悪くなる人もいるようですが、自分はあえて体調管理のため、海外ではあまり食事のチャレンジしないので大丈夫です。
ジャカルタにもバンドンにもコンビニがたくさんあり、特にファミマが多いのでおにぎりとか日本のヤマザキパンが簡単に手に入ります。ファミチキやおでんも人気のようです。その影響か地元のコンビニであるIndomartにもおにぎりはたくさん売っており、日本の食事が身近に手に入ります。




ショッピングモールでは日本食のお店も多く、胃腸の調子が悪い時には重宝します。吉野家丸亀製麺はところどころにあり、こちらはよくお世話になっています(笑)。

もし体調が悪くなった時にはコンビニに薬があり買うことができます。

<ホテル>
シーズンにもよると思いますが2023年9月では4星ホテルで一泊6000円くらい。外資系は高めで他国と変わらないくらいですが、総じて安めかと思います。
 
 
<気候>
熱帯なので一年中夏です。ただし気温は9月で34度くらいが最高で湿度は東京ほどではないので、外で直射日光にあたらないかぎりは、むしろ東京よりも過ごしやすいです。
バンドンは高地で避暑地でもあるためジャカルタよりも1-2度低めで湿度も低いためかなり快適です。日本の軽井沢みたいな位置づけかと思います。
 
 
<言葉>
インドネシア語です。文法は簡単で最も覚えやすい言語のひとつとされていますが、単語がラテン系でも中華系でもないため関連性はほぼなく、ゼロから覚えないと全く意味が分かりません。
自分は自己紹介とか挨拶の最低限の会話だけ覚えていて、日常でも頻繁に使うので一見スラスラ話しますが、聞き取る力はほぼゼロです(笑)。
そのため現地の人とは簡単な英語とボディランゲージで会話します。このスキルはベトナムなどでも鍛えられたため全く言語ができなくても、今はあまり気にせず生きて行けます。
(だから進化しないのは分かっている。。。)
 
MRTの駅などでも街中では割と英語が通じます。たぶん業務で聞かれることは限られているため慣れているのだと想像します。
 
 
<物価>
都市部についてはインフレが一定あるため物価は上昇しています。特に都市の中心は高級レストランなども多く、日本と同じくらいか、もしくは高めのものもたくさんあります。
しかし少し田舎に行くと昔ながらのインドネシアがありジャカルタでも古い町並みは多く、あまり10年前とは変わらない姿も見受けられます。

参考までにスタバの値段ですが、Americano Grandeが約410円、VIA Red Veletが約330円なので日本よりも少し安いですね。
(日本でAmericano Grandeは490円)

 
 
<スタートアップ>
相変わらず熱量は高いです。ITB(バンドン工科大学)でワークショップ、講義、イベント登壇をしましたが若者の関心は高く、これは他の国と同様です。
しかし現在はIT企業がリストラなどをしている時期でもあり投資金額も減少傾向のため、資金調達の相談が非常に多くなりました。
これは日本も含む多くの国で見られる現象で、US、中国、台湾、シンガポール、インド、インドネシアベトナムなど自分が知っている国でベンチャーが資金調達をできないがために苦しんでいます。
 
私は講義やワークショップで「日本には投資機会を探している投資家がたくさんいるよ!」という話をよくしたのですが、これで日本の投資家と現地のスタートアップのよいコラボができると良いかなと思います。
 
インドネシアの投資が減っているのはアメリカだけでなく中国からの資金流入が激減している影響が大きいです。元々アリババやテンセントなどの巨大な投資でgo-jekやtravelokaは大きくなったのですが、今は1BUSDの大型調達がほぼなくなっており、そうなるとユーザーの囲い込みやプロモーションもなくなり、結果としてユニコーンは生まれにくくなっています。
 
実際のところ講義でも話しているのですが、ユニコーンが生まれるかどうかは資金の量で決まります。そしてその資金の量は周囲がバブルを許容するか否かで決まるので、これらの時勢をとらえた経営戦略というものが実は大切になってきます。(講義でよくするお話です)

 
<大学と大学生>
ITB(バンドン工科大)の学生は元気で素直です。インドネシア人の知人の話では、最近は若者もどんどん良くも悪くもカジュアルになり、昔ほど厳格さはなくなったと言っていました。
 
私の印象では最近10年を見て感じるのは、オープンになったなという印象は若干あり、昔は先生に話しかける人は限られていましたが、今回は質問もたくさん出るし、終わってからも会話しに来る人がたくさんいて、これは少し変化したなという印象を持ちました。
 
大学は日本の大学と同じくスタートアップを全面的に支援する活動はたくさんあります。スタートアップのイベントは頻繁に行われており、今回も名古屋大学とのコラボや、週末の講演イベントなど多くの学生が集まって暑い議論や活動を行っています。
 
一方で資金調達を海外投資家に依存しているという現状は、マクロ経済の盛衰が同国のベンチャー投資に影響があり、そういう点では不安定である環境は以前と全く変わっていません。
日本には投資家も多く多くの投資マネーが機会をうかがっているので、よいスタートアップは日本の投資家に会うといいよ!と常にアドバイスしています。
 

(ITBでの様々なイベント)
 
最後にまとめると久々のインドネシアでしたが過去に行ったことある場所で同じような講義とイベント登壇のため特別難しいこともなく快適な約2週間でした。
知人や友人も多くいざとなれば助けてくれる人もいる安心感で、大変充実した時間でした!

また次回はあまり間が空かないようにして訪問したいと思います!
 

9年ぶりの台湾訪問メモー次回の旅行のため備忘ー

備忘録としてまとめますが、これから台北に行く人の参考になれば幸いです。


前回訪問は2014年9月以来、ほぼ9年ぶり2回目の訪問になります。前回はビジネスの目的でしたが今回はトランジットついでで、全体把握と国際情勢の軽い視察と半分休暇です。

為替レートは1台湾ドル=4.6円で2014年に行ったときは1台湾ドル=3.4円くらいですので3割近くこれだけで上がっています。

◆入国前の準備
webで入国の登録を済ませておくと入国審査が早く終わります。日本人の場合、短期滞在ならビザは不要です。

https://niaspeedy.immigration.gov.tw/webacard/



◆台湾入国時
予めwebで入国手続きをしてからだと入国カードなどを記入しなくてよいので楽です。
パスポートをスキャンして指紋を取られてほぼ1分で入国審査終わり。これはシンガポールの入国時と同じです。

◆両替
桃園国際空港でできます。ネットの情報を検索したところでは空港でもレートは特に悪くないようです。町の中では銀行で替えてくれますが営業時間は日本と同じく短いです。それ以外には台北駅の郵便局でも両替ができますし、市内にもところどころに両替所があります。
週末でも空いているのは台北駅の南となりにある新光三越の地下2階にある両替所が便利でした。レートは調べてないのでどこがよいかは分かりません。


◆SIM
これも桃園国際空港で購入して、4Day4GBが300台湾元(約1500円)です。
これは9年前と価格は同じですが、おそらくネットスピードが格段に良くなっていると思います。


◆EasyCard(交通プリペイドカード)
日本でいうSuicaです。鉄道に乗るところで買えて、カードのデポジット分100元プラス200元の合計300元です。このカードはコンビニなどでも使えて、またコンビニでもチャージできます。
ただし台湾の飲食店は現金のみのところが多いため、ある程度現金を所持しておく必要があります。実際に夜市でも現金のみのところが多かったです。
有名なスムージー屋さんに行きましたが現金のみでした。

ちなみに帰国時にはカードのデポジット分100元は戻りますが手数料20元を引かれて80元になります。場所はEasyCardを買ったのと同じ場所で、残高がある場合も一緒に清算してくれます。


◆桃園国際空港から市内への移動
台北駅(市の中心部)までは鉄道が走っており、150元で、急行だと35分で快適です。前回の訪問時には鉄道はなくバスだったのではるかに楽になっています。


◆交通
MRT(地下鉄)は台北駅を中心に縦横に走っており移動に便利。初乗り20元(約100円)で、EasyCardを使うと日本のSuicaと同じように乗れます。




◆気候
亜熱帯気候なので沖縄と同じようなかんじです。8月下旬で基本は最高が35度くらいですが湿度も高いため、外を歩いているとかなり汗をかきます。熱中症には注意が必要そうで、ペットボトルの水は必携です。


◆物価
全て日本より少し高めです。前回9年前に来たときは日本より全体的に2割くらい安い印象でしたが、今回は日本より2割高いかんじです。2014年の為替レートから台湾元が1.3倍になっているので、それに多少のインフレがのった数字でしょうか。

日本の飲食チェーン店はほぼ全部そろっていますが、価格はだいたい1.5から2倍くらいです。(MOSバーガー、吉野家大戸屋やよい軒マクドナルド)


◆コンビニ
セブンイレブンファミリーマートが充実しています。売っているものは日本とほぼ同じですが品数は少ないと思います。
おにぎりやサンドイッチなどほぼ同じものがありますが、鰹節おにぎりを買って食べたら醤油味でなく甘い味でびっくりしました(笑)。

レジ袋は日本と同じく有料なので、予備がある方は持っていくと良いと思います。


◆言葉
基本中国語です。英語は台北の周りは通じるところが多いですがローカルな人はあまり話さないようです。観光地はほぼ日本語が通じます。


◆ホテル
台北駅周辺は日本と同じような価格帯でした。室内はクーラーが利きすぎている傾向があると思いますので、寝るときは長そでが無難かもしれません。


wifiやネット環境
市内のいたるところで無料サービスがあります。自分は現地で使えるSIMがあるので、wifiがなくともあまり困ることがありません。

ちなみに自分はAirSIMという会社のグローバルSIMを使っており、行く国によって3日とか1週間とかのサービスを購入して使っています(だいたい1000円以内)。
また普段使っている楽天モバイルは海外のローミングサービスが2.0GB無料でついており、これも着くと同時につながってくれるので大変重宝しています。

長期に滞在する場合はしっかりしたネット接続が欲しいので、上記の2枚以外に現地で5Gで大容量のSIMを購入しますがだいたい2000-3000円で購入できます。
シンガポール空港で買ったものは5日間でデータ無制限だが50ドル(約5000円)でこれだけ妙に高いですが、一般にはそこまで高くありません。


◆食事
基本的に中華系の味付けなので、塩分多めで日本人にはあうのではないかと思います。若干味が濃い目ですが暑い気候で汗もたくさんかくので、ちょうど体が欲する味になっています。あとは濃い味の後のスィーツは大変充実しておりタピオカ、フルーツ系、かき氷などお店の数や種類も多いです。

屋台やローカルの店もなんども訪問していますが、ネットの情報を見る限りおなかを壊すということはあまりないようです。私は台湾では屋台やローカルで何度も食べていますが全く問題ないです。ちなみに自分のおなかはそれほど強いほうでもなく、インドでは頻繁におなかが壊れる人です。

(夜市の様子)




◆その他
人は親日家が多く、大変親切で気持ちのよい街です。屋台の人もコンビニの店員もあまり不愛想ということは私が見たところではなかったです。(サンプル少な目)

それと大した話ではありませんが、エスカレーターは止まっている人が右側で歩く人が左側の大阪スタイルです。

それとユニクロは高級ブランドのように扱われており、価格も日本の約2倍ですので買うなら日本が良いと思います。
全体的に街はコンパクトでインフラも整っていますが、日本の東京駅に当たる台北駅周辺でも古い建物もたくさんあり、少しそこは違うと感じました。

(キレイな台北駅とその周辺の街並み)






◆(付録)いくつかの観光スポットなど

<101>
六本木ヒルズみたいな位置づけ?高級モールとビジネスのコンポジット


<かき氷>


<九分>



キャリアの最初に学んでおくべきこと

ビジネスを行っていくうえで基本的なマナーや常識がありますが、意外と知らないまま数年過ぎていくということもあるのではないかと思います。

特に最近はリモートワークが多くなり、そもそも人との接触時間も短いうえに、他部署の人と会わないとか、ネガティブなフィードバックがもらいにくいなどの状況があり、悪意はないですが先方からイマイチと思われることを知らずのうちに行っていることもあるのではないかと想像します。

 

このようなことを列挙していくと、おじさんの小言のようにもみえるので(笑)、読み飛ばしてもらって結構ですが、社会で早く活躍したいというのであれば、こういう考え方をしている年配の方もいるということを覚えておいても損はないでしょう。



まずキャリア全体を見たときにスタートの数年は以下のことをしっかり習得する必要があると思います。

 

(1)ハードワークへの耐性をつける

(2)社会人としての常識を身に着ける

(3)仕事の基礎をおぼえる

(4)自分の立ち位置(専門性)を確立する

(5)社内外でのネットワークをつくる

 

順番に具体的に見てみましょう。

 

(1)ハードワークへの耐性をつける

一番最初にこれを持ってきたのには理由があり、それは多くの人が最初の1年目から数年目に何らかの壁にぶち当たることが多いからです。

これは経験した人からすると当たり前のことなのですが、学生と異なり社会に出るとテストがある勉強のように準備が整っている状況があまりありません。

 

そのうえこれまでの同級生とすごす環境から、親子ほど年齢が異なる上司がいたり、経験の差も数年間ではなく数十年の差がある人たちと一緒に仕事するのはなかなかハードです。

 

研修は終わったものの職場に配属された後も全然知らないことのほうが多く、なんとなく劣等感や慣れない社会人生活で調子がつかめないことがあるかもしれませんが、通過点として考えれば気が楽になります。

 

対策は良い先輩を見つけて一緒にランチに行ったり、接触時間を多くすることが一つの解決方法です。現在はリモートワークだとなかなかランチやお茶の機会とかすくないかもしれませんが、自分から積極的に誘ってみることは悪くないと思います。

そのうちに仕事というものはあまり準備も何もないところでも、しっかり考えてやるものだ!というふうになればもう大丈夫です。要は場数をこなすと慣れていくんです。



(2)社会人としての常識を身に着ける



◆挨拶をする!

 

本当に基本的なことですが、ここで大きな差が付きます。特に営業など外で社外の人に会う時には挽回できないくらい差がつくところでもあります。(たぶんこの”差”が分かるようになると成績が良くなる)

 

若いうちにはとにかく、相手にいかに自分を覚えてもらえるかを考えます。そのためのネタは何でもよいが、例えばよく使うものとして同郷の場合に「私は**出身です」を使うとこれはかなり効くので覚えておくと良いでしょう(事前準備が必要)。

 

ネタだけでなく表情や姿勢なども大切です。対人印象は無意識でありますが相手の記憶に残るためには極めて重要で、特に第一印象は残るのでしっかり準備して臨みます。

 

終わって離席するときも挨拶のチャンスがあります。

 

「ありがとうございました。本日は**について大変勉強になりました。」

 

この一言でその人の印象はまるで変わるので、これも覚えておきたいです。



あと対面ではないケースでは、オンラインではなるべくカメラをオンにして印象を持ってもらいましょう。終了時には最後だけでも、音声またはチャットでもお礼を言うと好印象です。



◆遅刻しない!

できれば2,3分前に相手より先に場所に来て待っています。電車の遅れなどを想定し10分前くらいに到着し、そこで数分待ってから2分前に訪問するのがベストです。

特にお願いごとや謝罪で訪問するときには、遅刻は厳禁です!



(3)仕事の基礎をおぼえる

 

◆メールは早く簡潔に、確実に!

 

細かいことではありますがメールのヘッダ情報を整えます。ヘッダ情報とはメールが到着した時に相手が見る自分のメアドと名前のことです。

 

Gmail「設定」>「アカウントとインポート」>名前の「情報の編集」から変更できます。

”織田一彰(スローガン)”みたいに漢字名で所属先を入れると一目で相手が分かります。この注意点は、外国の方にメールを出すときには英語に変更しましょう。

 

メールはなるべくシンプルに書いて、読みやすいように適度に改行とスペースを入れましょう。長い文章をだらだらと書くよりも、箇条書きで列挙方式のほうが見やすいこともあるので使ってみましょう。(特にto-doなど)

 

◆報告は結論からシンプルに!

特に悪い情報を伝えるときは結論ファーストです。言い訳とか今後の対処とかは後でいいんです。

良い情報も報告して共有しましょう。情報の共有に対しての意識は大変重要で、どうせ知っているでしょう、ではなく知ってたとしても確認する、くらいの気持ちで大丈夫です。

 

◆会議メモは率先して取る!

若手のうちはなかなか仕事内容が分からず貢献できることも少ないでしょう。でもそういう時に率先して”できること”を手を挙げて行うことは、その態度だけでも評価に値します。

具体的にできることの一つが会議の議事録などのメモを取ることで、これは意外に難しいです。最初はメモ程度でも単語をしっかり記録し終わった後に少し文章にして共有するとチーム全体に喜ばれます。この時に注意すべきことはメモは完全でなくとも早く共有することです。足りないことがあれば他のメンバーに補足してもらうくらいで、スピードを重視しましょう。





(4)自分の立ち位置(専門性)を確立する

 

最初は目の前の仕事を覚えるのに手いっぱいかもしれませんが、少し落ち着いてきたら自分が将来武器とする専門分野について考えてみてください。

 

その背景にあるのは終身雇用がなくなった後の転職の話です。本人が望む望まないにかかわらず業界や企業には新陳代謝があり、古いものはつぶれ新しいものがでてきます。

人生100年時代で80歳くらいまで普通に働く時代になれば、ビジネスの現場にいるのも50年余りになり、そうなると1社だけでキャリアが完結するということは確率的にはかなり低いと言わざるを得ません。




(5)社内外と交流する

最初の数年は社内の仕事で手一杯かもしれませんが、少し慣れてきたら社外との交流も少しずつ始めてもよいと思います。

社内だけで慣れてくると刺激がなくなったり、今いる自分の位置が分からなくなったりするので、週末にでも他社や他業界の友人に会ってみるとかオフラインのイベントに参加するなど積極的に外の様子も取り入れるとよいです。

最近はオンラインで面白いwebinarなどもたくさんあるので、peatixなどで関心のあるテーマのイベントや勉強会をチェックするのも悪くないと思います。