Goodfind講師ブログ

次代を創るビジネスリーダーのためのキャリアサイトGoodfind

久々のインドネシアの生活と現状(滞在メモ)

2018年4月以来、5年半ぶりのインドネシア訪問となりました。
生活の備忘録としてまとめますが、これからインドネシアジャカルタとバンドンに行く人の参考になれば幸いです。
 
<事前申請アライバルビザ>
オンラインで申請すると即発行されます。手数料は約5000円でカードで決済できます。それをプリントアウトして持っておけば入国は非常にスムーズです。現地で取得するアライバルビザは現在もあるようです。

molina.imigrasi.go.id

 
 
<空港からの移動>
Bluebirdというインドネシアの独占タクシー会社のe-Bluebirdという電気自動車が空港にあるという情報を得ていたので、それを利用しました。
それ以外では市内と結ぶ成田エクスプレスのような電車もあります。こちらは渋滞に強いので時間帯によっては大変重宝します。
今回は土曜夜で渋滞も少なかったので、電気自動車タクシーを使いましたが本当に快適できれいな車でした。
 
ちなみに空港では外国人相手にぼったくりのタクシーが沢山いるので注意!
普通の料金だと市内まで150,000ルピア(約1500円)のところを650Kとかふっかけてきます。
e-Bluebirdの運転手も外国人とみると400,000ルピア(約4000円)とか言ってきますがこちらは相場を知っているので一応200,000ルピア(約2000円)と主張し、最終的に250,000ルピア(約2500円)の正規価格に落ち着きました(笑)。
Bluebirdは最大手で信用もある会社ですが、こういうことは起こるということを覚えておくとよいと思います。

(写真はe-bluebirdの電気自動車、中国のBYD製)
ただし電気自動車をインドネシアで見たのは空港のみ。

 
SIMカードwifiなどネット事情>
空港で2000円くらいの15GBのプランを購入。ちなみにデータは途中で使い切ったのでアプリからtop-upしてプラス100,000ルピア(約1000円)で50GBを追加購入。これはさすがに使いきれませんでした。
今回は日本のドコモにあたる最大手のTelkomsel社のSIMを使いましたが通信は安定しており、日本との会議やオンラインセミナーも全部このSIMを使ったテザリングで配信しました。時々音声が途切れることはありましたが、落ちることはなく、まあまあ無難に使えました。
 
街中やホテルにも無料wifiはありますが、ホテルはバンドンとジャカルタで共に4星クラスを使いましたがホテルのwifiだとネットmtgでは音声も画像も安定せず、結局は購入したSIMを使ってのテザリングで乗り切りました。
購入したSIMでテザリングを使う時の注意は、ホテルはなるべく低い階に部屋にいないと高層階だと電波が弱くなる可能性があります。

あとインドネシアで最近規制強化されたことの一つがスマホの海外からの持ち込みです。30日以内滞在では申告義務はありませんが、それ以上の場合にはすべてのスマホに対して申告が必要でその値段によって税金を払うことになります。iPhoneなど高額の場合数万になることもあるそうです。
 
またすべてのスマホは登録が必要で、登録されたものだけがSIMを指して使えます。
空港でSIMを買う場合はそこで設定から登録までしてくれるので、その端末については使えますが別の端末に同じSIMを指しても使えません。
このあたりはハードウエアの規制というよりは、国内の情報統制の意味合いもありそうな気がします。
国外サイトで見れないものも多いため、この国ではVPNを使うユーザー数も多いです。
 
ちなみに国内のiPhoneの比率は低く5%程度と思われます。端末シェアでは中国製が強くXiaomi、OPPOvivoなどを使っている人が目立ちます。
田舎や人気の少ないところでiPhoneを外で使っていると「iPhone狩り」に会うこともあるので注意は必要かもしれません。

(写真はTelkomselのSIM)
 
決済手段
ここは以前とあまり変わらず現金が多く流通しています。銀行発行のデジタルマネーも普及していますが、まだまだ現金取引が多いです。
MRTはSUICAのようなカードがあるので外国人でも無記名で使えるので便利ですが、SUICAと異なり交通にしか使えません。
クレジットカードはモールだとだいたい使えますが、1000円以上とか制限があるので少額の場合は現金を使うことになりました。


<移動手段>
今回はバンドンとジャカルタにそれぞれ1週間ほどいましたが、車移動はすべてBlubirdというタクシーを”MyBluebird”というアプリで呼ぶか街中で拾って使いました。
Go-jekもGrabもアプリを持っていて昔はよく使っていましたが、MyBluebirdが使い勝手が良く、また運転手も少しプロっぽいこと、車体が青く同じものなので見つけやすいことなどからこれ一択となりました。
 
またジャカルタではMRTを活用。日本の技術で作られたらしいのですが新しいせいもあり非常に清潔で運用も遅れずスムーズです。料金も乗った距離によりきまって日本円の初乗り40円から10円ずつあがっていく程度なので安いです。



切符はSUICAのようなチャージして使うものを購入すると便利です。一つ難点はチャージするときに紙幣の読み込みが悪く、ぜんぜん使えないので人のいる窓口に行って現金を手渡ししたことが多々ありました。



ジャカルタの”SUICA”とチャージするマシン)

 
基本的にバンドンもジャカルタも渋滞がひどいのですが、今回はMRTなどを活用したのと時間がないためなるべく中心部だけの移動に限定したのであまり不便は感じませんでした。
一度だけバンドンの郊外の知人の家から中心部に戻るときにはインドネシア特有の本当にひどい渋滞に会いました。

ジャカルタとバンドンの移動は鉄道を使いました。チケットはKai Mobile Appというアプリを使うとネット予約出来て便利です。



非常にレトロなローカル列車で150kmの2都市間が3時間、約2500円(グリーン車)ほどです。


ちなみに2023年10月からジャカルタとバンドンの間で中国製の新幹線が開通するそうで、それに乗れば移動時間は30分になるそうなので便利になりますね!
ただし現地の情報では新幹線のジャカルタ駅とバンドン駅ともに郊外のため大変アクセスが悪いとのことです。

 
<食事>
ナシゴレンはチャーハン(焼きめし)、ミーゴレン(焼きそば)が現地で良く食べられますが日本の味に近いので違和感はありません。
正直食事の名前を覚えるのがおっくうなので、ここはあまり書けませんが、基本個人的には外れはない味だと思います。

(ホテルのバイキング形式の朝食)

スパイシーなものもあるため胃腸の調子が悪くなる人もいるようですが、自分はあえて体調管理のため、海外ではあまり食事のチャレンジしないので大丈夫です。
ジャカルタにもバンドンにもコンビニがたくさんあり、特にファミマが多いのでおにぎりとか日本のヤマザキパンが簡単に手に入ります。ファミチキやおでんも人気のようです。その影響か地元のコンビニであるIndomartにもおにぎりはたくさん売っており、日本の食事が身近に手に入ります。




ショッピングモールでは日本食のお店も多く、胃腸の調子が悪い時には重宝します。吉野家丸亀製麺はところどころにあり、こちらはよくお世話になっています(笑)。

もし体調が悪くなった時にはコンビニに薬があり買うことができます。

<ホテル>
シーズンにもよると思いますが2023年9月では4星ホテルで一泊6000円くらい。外資系は高めで他国と変わらないくらいですが、総じて安めかと思います。
 
 
<気候>
熱帯なので一年中夏です。ただし気温は9月で34度くらいが最高で湿度は東京ほどではないので、外で直射日光にあたらないかぎりは、むしろ東京よりも過ごしやすいです。
バンドンは高地で避暑地でもあるためジャカルタよりも1-2度低めで湿度も低いためかなり快適です。日本の軽井沢みたいな位置づけかと思います。
 
 
<言葉>
インドネシア語です。文法は簡単で最も覚えやすい言語のひとつとされていますが、単語がラテン系でも中華系でもないため関連性はほぼなく、ゼロから覚えないと全く意味が分かりません。
自分は自己紹介とか挨拶の最低限の会話だけ覚えていて、日常でも頻繁に使うので一見スラスラ話しますが、聞き取る力はほぼゼロです(笑)。
そのため現地の人とは簡単な英語とボディランゲージで会話します。このスキルはベトナムなどでも鍛えられたため全く言語ができなくても、今はあまり気にせず生きて行けます。
(だから進化しないのは分かっている。。。)
 
MRTの駅などでも街中では割と英語が通じます。たぶん業務で聞かれることは限られているため慣れているのだと想像します。
 
 
<物価>
都市部についてはインフレが一定あるため物価は上昇しています。特に都市の中心は高級レストランなども多く、日本と同じくらいか、もしくは高めのものもたくさんあります。
しかし少し田舎に行くと昔ながらのインドネシアがありジャカルタでも古い町並みは多く、あまり10年前とは変わらない姿も見受けられます。

参考までにスタバの値段ですが、Americano Grandeが約410円、VIA Red Veletが約330円なので日本よりも少し安いですね。
(日本でAmericano Grandeは490円)

 
 
<スタートアップ>
相変わらず熱量は高いです。ITB(バンドン工科大学)でワークショップ、講義、イベント登壇をしましたが若者の関心は高く、これは他の国と同様です。
しかし現在はIT企業がリストラなどをしている時期でもあり投資金額も減少傾向のため、資金調達の相談が非常に多くなりました。
これは日本も含む多くの国で見られる現象で、US、中国、台湾、シンガポール、インド、インドネシアベトナムなど自分が知っている国でベンチャーが資金調達をできないがために苦しんでいます。
 
私は講義やワークショップで「日本には投資機会を探している投資家がたくさんいるよ!」という話をよくしたのですが、これで日本の投資家と現地のスタートアップのよいコラボができると良いかなと思います。
 
インドネシアの投資が減っているのはアメリカだけでなく中国からの資金流入が激減している影響が大きいです。元々アリババやテンセントなどの巨大な投資でgo-jekやtravelokaは大きくなったのですが、今は1BUSDの大型調達がほぼなくなっており、そうなるとユーザーの囲い込みやプロモーションもなくなり、結果としてユニコーンは生まれにくくなっています。
 
実際のところ講義でも話しているのですが、ユニコーンが生まれるかどうかは資金の量で決まります。そしてその資金の量は周囲がバブルを許容するか否かで決まるので、これらの時勢をとらえた経営戦略というものが実は大切になってきます。(講義でよくするお話です)

 
<大学と大学生>
ITB(バンドン工科大)の学生は元気で素直です。インドネシア人の知人の話では、最近は若者もどんどん良くも悪くもカジュアルになり、昔ほど厳格さはなくなったと言っていました。
 
私の印象では最近10年を見て感じるのは、オープンになったなという印象は若干あり、昔は先生に話しかける人は限られていましたが、今回は質問もたくさん出るし、終わってからも会話しに来る人がたくさんいて、これは少し変化したなという印象を持ちました。
 
大学は日本の大学と同じくスタートアップを全面的に支援する活動はたくさんあります。スタートアップのイベントは頻繁に行われており、今回も名古屋大学とのコラボや、週末の講演イベントなど多くの学生が集まって暑い議論や活動を行っています。
 
一方で資金調達を海外投資家に依存しているという現状は、マクロ経済の盛衰が同国のベンチャー投資に影響があり、そういう点では不安定である環境は以前と全く変わっていません。
日本には投資家も多く多くの投資マネーが機会をうかがっているので、よいスタートアップは日本の投資家に会うといいよ!と常にアドバイスしています。
 

(ITBでの様々なイベント)
 
最後にまとめると久々のインドネシアでしたが過去に行ったことある場所で同じような講義とイベント登壇のため特別難しいこともなく快適な約2週間でした。
知人や友人も多くいざとなれば助けてくれる人もいる安心感で、大変充実した時間でした!

また次回はあまり間が空かないようにして訪問したいと思います!