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「論理(ロジック)」について学びなおす~その1「命題」について~

論理的、ロジカルとは?について外資コンサル時代から長年講義をしていますが、改めて基礎から学びたいという方も周囲にいらっしゃるので、少しシリーズでお話したいと思います。(続くかは???)
範囲は高校数学で習う部分が中心で、時々大学の教養程度の数理論理が入ってくるかもしれません。(今回は入りません)
 
今回は「命題」についての基礎編です。
 
最初にちょっと例をやってみましょう。
 
◆命題として考えた場合、以下の記述の(真)と(偽)を判定せよ。
 
(1)彼は右利きではないから左利きだ 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
命題としては正しくない。(=偽)
 
前提が何であるかを明確にしていないので一概には言えませんが、「両利きの人」や「両方利き腕でない人」がいるという反例(*)があるため偽となる。
 
*「反例」=その事実に反する例。論理的には反例一つで命題を否定できる。
 
論理的にこれが真であるためには「人間は右利きか左利きのいずれかである」という仮定が必要。
この性質を「排中律」と言います。実はこれが成り立たない論理体系の「直観論理」というものも存在します。(<=この文は無視してもらって問題ないです)
 
 
 
もうひとつやりましょう。
 
◆命題として考えた場合、以下の記述の(真)と(偽)を判定せよ。
 
(2)大人ならばこれは分かる。しかし彼は子供だから分からない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
命題としては正しくない。(=偽)
 
なぜならば子供である場合について、ここでは述べられていないから。
 
元の真である命題から何が導けるかを考えることは重要です。この基礎のところで間違えると推論で多くの間違った結論を導き出すからです。
 
 
ここから「命題」についての簡単な解説をします。今回の内容は高校数学の教科書にのっています。
==========================
(命題の裏、逆、対偶についての説明)*知っている人は読み飛ばして問題ないです。
 
命題の定義は「真偽を決められる文」。より正確には”真”か”偽”のどちらか片方だけが
客観的に決まる文。
命題は「かつ」、「または」、「ならば」を使って組み合わせて使うこともできます。
 
*「ならば」は「かつ」と「または」で表現されるため最初に定義しなくともよいが、それは細かなことなのでここでは無視してよい。(<=この文章は無視してもらって問題ないです)
 
今回は命題のひとつの形である「ならば」についてここで解説します。「ならば」は推論でよく使うのでそれについて理解することは推論の誤りを防ぎます。
 
 
「pならばqである」(p->qと書く)
 
という命題があったとします。(pを「仮定」、qを「結論」と呼びます)
 
命題には「裏」、「逆」、「対偶」というものがあります。
 
裏:「pでないならばqでない」(¬p->¬qと書く)
逆:「qならばpである」(q->pと書く)
対偶:「qでないならばpでない」(¬q->¬pと書く)
 
*「pでない」は”¬p”と書く
 
例で解説しましょう。
 
青森県は東北地方である」は真の命題です。
 
裏:「青森県でないならば東北地方でない」×(反例)(青森県ではない)岩手県は東北地方である
逆:「東北地方なら青森県である」×(反例)宮城県も東北地方
対偶:「東北地方でないなら青森県でない」〇
 
元の命題が真(つまり正しい)の場合、その命題の「裏」と「逆」はいつも真にはなりません。しかし「対偶」は常に真になります。
 
 
 
(命題の裏、逆、対偶についての説明 終わり)
==========================
 
 
例文の2番目を上記の言葉を使って解説します。
 
「大人ならばこれは分かる。しかし彼は子供だから分からない。」
 
最初の文章を丁寧に書くと
 
「(誰かが)大人であれば、(その人は)これは分かる。」
 
p=大人である
q=これは分かる
 
「彼は子供であるならば、分からない」
 
元の命題で置き換えると
 
pでないならば(¬pと書く)「大人でないならば」=「子供ならば」
qでない(¬qと書く)=「これは分からない」
 
¬p->¬q(命題の裏)
 
命題の裏は一般に真ではないことの例となっている。
 
命題の裏が常に真でないことは日常生活では違和感があることもある。
 
「20歳以上が入れます」
「20歳未満は入れません」
 
上記二つは互いに命題の裏となっているが同じ意味ではない。上の文章では20歳未満については述べられていないので入ってもよいかもしれない。しかし下の文章では20歳未満はNGである。
実生活では意味を人間が勝手に解釈することもあるため、事実上命題の裏を正しいと考える習慣は存在する。
 
しかし厳密には異なることを示す次の例を挙げる。
 
沈みそうな船に20kgの荷物を載せてみたが沈まなかった。この時言えるのは、
 
「20kg以下は船に載せられる」
 
しかしこの命題の裏を考えてみると
 
「20kgより重いと船に載せられない」
 
かというとそうとは限らない。実はこの船は意外に頑丈で30kgでも載せられる可能性もあり得る。
 
自然科学や自然現象はこの例のように論理に忠実に従うため、言葉の意味や論理を正確に理解し使うことで正しい推論ができるようになると思います。
 
*正確には自然科学は現象の説明を論理的に矛盾がないように作っている。なので論理的に正しく記述する時には自然現象の説明に矛盾が生じない。(実はいろいろ厳密に探すと矛盾はたくさん見つかってきているが、一般には問題ない。)
 

起業することは”数学的に”リスキーだろうか?~生涯年収を確率論で試算~

起業することは”数学的に”リスキーだろうか?~生涯年収を確率論で試算~

 

実際にどうなんだろう?と思ったので、起業する場合と会社員になる場合でそれぞれ数字を置いて生涯年収をシミュレーションしてみました。

*断じて結果から逆算して自分の都合のよくなるようには計算していません。

*シミュレーションの数字はいろいろ置き換えるとよいかもしれません。(あくまでシナリオと仮置きの数字)

 

◆シミュレーション1(起業する世の中のイメージで計算)

*たぶん世の中ではこう思っているんだろうな、というシナリオです。


ー成功するケース(3%)リターンは50億円
ー成功しないケース(97%)リターンはー1億円 *つまり負債(=借金)をかかえる

この場合の平均(期待値)は

50億×0.03+(-1億)×0.97=1.5-0.97=0.53億円 

起業することは凄くリスキー!というイメージはこのように表されるのではないかと推測して計算してみました。97%がマイナス1億円になるのに平均はプラスになるんですね。(個人的に意外だった)

では実際に細かく精緻化して試算したものが以下のシミュレーションです。

 

◆シミュレーション2(起業する)*少し詳細に場合分け
(ケース1)起業して成功する場合(3%)50億
(ケース2)起業してそこそこ稼げる場合(27%)3億
(ケース3)起業して失敗して会社員に戻るケース(失敗による大きな負債はなし)(65%)1.5億
(ケース4)起業して失敗して会社員に戻るが負債1億円を最終的に持つ(5%)-1億

*会社員に戻るケースでは会社員のそこそこの収入が勤労年数に応じてあり、それと起業による差分の数字で考える

この場合の平均(期待値)は

50億円×0.03+3億×0.27+1.5億×0.65+(-1億)×0.05=1.5+0.81+0.975+(-0.05)=3.235億

この結果は会社員の生涯年収がだいたい2.5億くらいとするとそれよりはだいぶ多いですね。


更に上手にリスクをマネージして負債をなくしたケースが以下の通り。

◆シミュレーション3(起業する)*リスクをマネージして負債を残さない
(ケース1)起業して成功する場合(3%)50億
(ケース2)起業してそこそこ稼げる場合(27%)3億
(ケース3)起業して失敗して会社員に戻るケース(失敗による大きな負債はなし)(70%)1.5億

*シミュレーション2との違いは(ケース4)をなくしてその分を(ケース3)に統合

この場合の平均(期待値)は

50億円×0.03+3億×0.27+1.5億×0.7=1.5+0.81+1.05=3.36億

 

多分心理的にはこちらのほうが負債がないので安心できるのでは?
期待値としてはシミュレーション3と4ではそれほど変わらない。(3.385億と3.51億)
ファイナンスをしっかり行いリスクを管理することで負債は避けることができるので最悪でも会社員にもどれるようにすれば実際は怖くないのでは。
(ご相談ください!)


◆シミュレーション4 
会社員になるケースを考える

(ケース1)会社員になり無難に定年まで勤め上げる(40%)2.5億
(ケース2)会社員となるが途中から不安定になり収入が減る(40%)2億
(ケース3)会社員となりかなりステップアップして成功する(5%)5億
(ケース4)会社員となりそこそこのステップアップする(15%)4億


この場合の平均(期待値)は
2.5億×0.4+2億×0.4+5億×0.05+4億×0.15=1+0.8+0.25+0.6=2.65億 

*現在の会社員の生涯年収に近い
*ただし個人差は現在よりかなり大きい(現在、生涯年収が4億を超える人は20%もいない)

(ケース1)の無難に勤め上げる人が40%もいるかなぁ?とちょっと不安に思います。
また(ケース3)と(ケース4)で合わせて20%になっていますが、20%の人が生涯年収4億以上というのも少し楽観的かもしれません。

ここで想定したケース1~4は実際にこのような数字になるのでは?と現状から推測して書いています。これからの時代は一つの会社に勤めあげることや、ずっと会社勤めをすることが少なくなると想定すると、会社員になることは全く安定を意味しないことがこの数字からもわかります。



<本日のレッスン>
リスクやリターンについての過大評価、過小評価は心理的に起こりがちです。しかし実際に詳細に考えて数量をもとに表してみればそれは誤解であることもわかります。是非数字で事実を表現する方法を習慣化して、実態をありのまま一旦把握することが大事だと思います。

 

 

 

コロナの自宅待機による社会、会社、個人への影響

よく聞かれてよく答えているのでまとめました。
本当はそれほどちゃんとまとめていないので、まとめのためのまとめ、みたいな感じです(汗)

*個別にでもご意見いただけると大変ありがたいです。

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『コロナの自宅待機による社会、会社、個人への影響』

◆◆Index◆◆

(1)社会全体から見て
(2)会社経営の立場から
(3)働く個人の立場から


◆◆(1)社会全体から見て◆◆

・景気は全体として悪くなる。GDP-4.9%(2020、IMF予測)はリーマンショックのゼロ成長より約5%も悪い
・景気の悪さはしばらく継続する。理由は人の物理的活動が簡単に戻らないのと消費マインドの低下による
・景気の悪さはこれからじわじわでてくる。旅行、飲食では既になくなった店舗が多いが、今後全体の需要減少によりサービス業全般、製造業、金融という順番で不調が伝搬する
・一部のIT系サービスは過去最高の業績を達成する(例はzoom)
・オフラインからオンラインへの産業のシフトが加速する
・大きな会社が小さな会社を飲み込むM&Aが加速する。またグループ化や事業部単位のリストラも同時に行われる
・経済的に弱った国が破綻するソブリンリスクが高まる(アルゼンチン?イタリア?)
・株価と債券はじゃぶじゃぶに刷られた各国通貨と経済刺激策により当面買い支えられる。しかし実体経済との乖離が大きくなり既にバブル状態で逆に暴落のリスクは高まる
・株や債券は人的に操られた相場となっており一部の金融関係者(つまりお金持ち)のための作為的なルーレット状態である
・需要がなかなか戻らないため資源価格(原油など)はあがらない。よって資源に依存する国は外貨獲得に困る
・CO2の排出は削減され地球にやさしい環境にいったん戻る
・物理的な接触が少なくなるとより結婚する人が減る可能性があり少子化が進む
・教育への影響は大きく特に若年層の教育の新しい姿は早急に模索する必要がある
・知識を中心とした高等教育はオンラインにより格段に効率化する。一方で教える側の淘汰は限りなく進む
・地方の活性化には大変良い機会。一定の人が地方に移動し都会の不動産は一旦さがるが、その後は結局また戻ってきて上がるのではないかと思う
(人類は結局直接会うことを望み完全オンライン化になるにはもう少し時間がかかると想定)


◆◆(2)会社経営の立場から◆◆

・当面の不景気を想定して計画を練る。ただし慎重になりすぎて機会損失とならないように社内のモチベーションには注意する(大変よくあるパターンで会社の元気までなくしているところが多い)
・新卒一年目や中途で入ってきた人への配慮は特別に必要
・カジュアルに話す会を積極的にもうけないと情報共有はすすまない
・部署内は問題ないが他部署との連携が希薄になるので注意
・自粛が解除された後在宅とオフィス勤務のバランスを早急に再考する
・現状の日本社会を見るに結局オフラインに戻ったほうが”短期の”業績が良くなると思われる(残念ながら)
・オフラインでの接触はやはり会社にとって必要であることがわかる
・社員の健康状態はいったんは通勤がなくなり自宅にいることで疲れ気味の人は良くなるが、その後はモチベーションが上がらず悪くなる
・全般に数字の達成率は悪くなる。これは経済活動による影響とコロナの言い訳が重なるため
離職率は一旦落ちる。しかしあまり働かない状態で在籍する人が増える
・オペレーショナルな決まった仕事は社員が真面目であれば以前より効率的になることがある。しかしクリエイティブな仕事は人のモチベーションに大いに依存して全体としては悪くなる
・今後に備えて現金は多めに確保しておく。政府の融資の制度などもあるのでしっかり調べて活用する
・才能がある人が辞めやすくなる。自宅で働いていれば他にいろいろな機会があることが自然に自覚できるため
・実際に人に会わない分リーダーシップというものの存在がより重要になる
・海外の才能を使う機会が多くなる。IT開発だけでなく様々な分野でのアウトソーシングや共同プロジェクトが増える


◆◆(3)働く個人の立場から◆◆

・経験とスキルのある人には働く会社、場所、雇用形態が選択できる世界になる
・オンラインで適応した人と適応できない人の差が大きくなる。働き方はIT業界を発端に確実に変わる
・住む場所が都会でなくとも問題がない会社がでてくる。ただしその数は全体から見ればあまり多くはならない
・国境を越えたプロジェクトが増えてくるので日本に居ながら海外の仕事をすることが圧倒的に多くなり楽になる
・ITスキルと語学スキル、コミュニケーションスキルがより重要になる
・副業がたいへんやりやすくなる(農業とか最高かも!)
・ネットで会議をすることが多くなるとヒューマンスキルの差が直接パフォーマンスの差になる
・子育てする人には在宅勤務はたいへんありがたい状況
・より履歴書と職務経歴書に書かれる内容が大切な”個の時代”の要素が強くなる
・オンラインでの教育がさかんになる。大学や大学院、ビジネス系スキル、留学など多くが自宅からできるようになるので活用する良い機会
・自社以外のコミュニティやメンターの必要性が増える
・強烈に運動不足になるのでしっかり習慣を作らないと身体的に退化し、それはメンタルに確実に及ぶ
(食事と運動の習慣がそのまま人生に反映するようになる)
・ネットでの社交性を意識しないと孤立する。実名のSNSはより重要になってくる(裏垢はあってもよいが)
・ネットの世界に移行すると、”できる人”はより機会が多くなり差が急拡大する
・オンラインで仕事をしながら勉強する機会は増える。またそのサービスも充実してくる


最後に、こちらに過去にオンラインで話をした動画があるのでよかったらご覧ください。

◆『米中戦争、人工知能、格差、世界はどうなる?』-起業家で世界で教える教授の話-(2020/3/17)*3月なので少し情報が古いかも
https://www.youtube.com/watch?v=RHN3fKXMUUE

◆"COVID 19 and its effect on Economy” at PARADIGMS of Pravega(IISc) 20200822(English)
https://www.youtube.com/watch?v=ROYWgbVvsKw

教育のオンライン化への移行

コロナによる自粛活動によりオンラインでの授業や講義が増えました。自分は講義では話すほうの立場ですが、正直最初は結構たいへんで(笑)、顔が見えない生徒や参加者に対して自分のモチベーションを保つのがかなり難しかったです。
 
しかしツールを選び参加者に顔を見せてもらい、また運営面で双方向にやり取りをする機会を増やすことで、最近はストレスなく毎日配信しています。
この生活をしていると教育という面で極めて大きな変化があることが実感できます。今回はそのことについて私見をまとめてみたいと思います。

(インド理科大学院でのオンライン講座のスクリーンショット

画像に含まれている可能性があるもの:織田 一彰、画面

 
<Index>
1)教育のオンライン化について
2)教える側の工夫
3)教わる側の工夫
4)運営方法の工夫
5)その他
 
1)教育のオンライン化について
これは非常に大きなシステムの変化だと思います。ただし全ての教育がオンライン化するとも思えません。また、人間による温かみを感じる教育はオンラインでも実現可能で今回も直接は会っていなくても普通に1対1で会話したりすることはやはり大切です。
 
教育のオンライン化で大きく変わるのは以下の点です。
・優秀な講師が非常に多くの聴講者に語ることができる(講師が選別され少ない人数でよくなる)
・オンライン化することで場所の制約がなくなる
・さらにオンデマンド化することで時間の制約もなくなる
・生徒のモチベーションの差が習熟の差になる
・講師側も生徒側もオンラインでの新しいリテラシーが必要になる
 
受験予備校の世界では東進スクールなど、オンラインで名物講師を使い全国配信していましたが、これがもっと広範囲で行われるようになります。実際に私もオンラインでサンデル教授の講義を受けることができますし、日本の大学もオンラインのコンテンツを充実させて学校のブランディングと知識の共有に努めようとしています。
 
これが普及してくると学校の役割も変わってきます。そもそも教室という”箱”がいらなくなるので先生が学校ごとにいる必要はなくなります。受験予備校のように所属する学校と無関係に希望者が受講すればよいわけです。
これが意味することは必要な先生の数が減るということ、また良い先生しか残らないということです。受験予備校ではすでにこの現象は見られ人気のある林修先生は多くの人気を集めて予備校側も大金で彼を雇いますが、その他の先生の出番はその分少なくなります。
 
だからといって林先生が全てを教えられるわけではありません。知識を与えるところはオンラインで可能ですが、そもそも理解する速度やペースが人によって異なりますし、一方向では生徒とは関係なく授業が進みますのでフォローなどは当然必要です。
 
さらにオフラインの学校にもいろんな必要な機能はたくさんあり、一定の場所にちゃんと来て勉強する、というペースメイキングの機能や、仲間とモチベーションを上げあったり、分からないところを先生に聞いたり、もちろん社会生活について学ぶという大きな目的はオンラインだけでは到底カバーできません。
 
そのように考えてみると意外とオンラインの教育でカバーできる範囲は狭く、モチベーションが高く一人でも学習できる場合にはネットにさえつながっていれば原理上地球のどこからでも受講でき知識を高めたり新しいインスピレーションを受けたり直ぐことができますが、一般にはそのようなことは部分的になります。
 
 
2)教える側の工夫
こちらはまだ自分も試行錯誤中ですが、いくつかの点が分かってきました。まだ検証中ですので、ご意見がある方は是非ご遠慮なくいただけると大変ありがたいです。
 
・自分の顔はなるべく長い時間映しておいたほうが良い
・最初のアイスブレイクなどが大切でフレンドリーな雰囲気をつくると生徒や受講者との距離が近くなる
・表情が見えない分不安も大きいので丁寧にやさしく語ることが大切
・しっかり言葉を発生することが大切。特に英語の場合ナマリがあったり聞く人が苦手だったりするので、ゆっくり、しっかりが大切
・PPTなどの図は上手に利用する
・zoomやMS Teamsなどのツールにしっかり慣れて使いこなす
・質疑応答の時間をたくさん取り、なるべく最初から質問させるようにする
・参加者の顔もビデオで映してもらうようにお願いすると反応がよくわかり話の調整がしやすい
・大きなディスプレーを用意しなるべく多くの参加者の表情が見えるようにする
・自分の顔に専用のライトで明るくすると顔色が良く見える
・自宅から配信する場合は背景に注意する。zoomだと仮想背景が自分で設定できるので良さそうな写真などを用意する
・解説中も定期的に質問を受け付けて双方向に進み参加者のコミットを多く感じるようにすすめる
 
 
実は私は大学院時代に予備校講師の経験があり、学生のアンケートだけで時給が決まる世界で働いていましたが、今年になりオンラインで講義を行うようになってから同じような厳しさに直面していることを感じます。
予備校などではもちろん教え方や先生独特の解き方みたいなものがあると差別化できますが、そのようなものはそれほど多く存在しません。そうなると話し方とか、ポイントの強調の仕方や俗人的な講師の面白さといったものが必要になり、それらがなく普通にたんたんと話しているだけでは生徒からそっぽむかれて他の先生のところに行ってしまいます。
 
これまで大学の先生は研究をしていれば教育面の分野ではそれほど気にしていなかった方もいるかもしれませんんが、これからはそういう先生は淘汰されやがていなくなる時代も来るかもしれません。
 
 
3)教わる側の工夫
 
教わる側は教える側ほど競争原理は働きません。しかし教える側から評価を受ける場合には、しっかりした態度で臨まないと、ほとんど
空気のような存在になり、実際の教室の時以上に印象のないまま悪い成績を付けられるということが起こりえます。
 
それを避けるには以下の方法が良いように思えます。
・ビデオをオンにして自分の名前を”漢字”で表示するようにする *漢字にする理由は一目見て読みやすく覚えやすいから
・肘をつかない、あくびをしない、寝ない。 *講義をするほうからは結構見えます
・よくわかった時にはうなずくなど、少し極端に動く
・普通の講義と同様にノートとペンは用意する *しっかりノートを取っている人は講師には分かる
・なるべく質問するにする
 
聞く側の集中力を保つのは簡単ではないと思います。私も聴講者としてネット上の様々なwebinarに参加しますが、ちゃんと正座して聞くくらいにしないと、すぐ違うことを考えるようになってしまうので注意しています。
 
 
4)運営方法の工夫
 
講師とは別の人が一人以上いたほうが講師がより話に集中できるので良いです。
・講演者と運営者は分けたほうがよい(使い方の問い合わせ、途中入退出の管理など)
・ツールについては目的に合ったものを選ぶ
・事後にアンケートなどしっかりとる設計にするとフィードバックがあり良い
・可能なら事前に参加者に実名の表示、ビデオをオンにすることなどをお願いする
・質問事項は専用アプリなどで集めれるようにすると良い
 
タイムキーピングも運営側の仕事の一つです。どうしても講師だけだと時間が延びがちなので別の立場から全体を見る人はやはりいたほうが良いと思います。
 
 
5)その他
 
講義などがオンラインになることで、これまであまり見えにくかった才能が一つ明らかになります。
それは『好奇心の強さ』です。
 
前向きな態度がなくともオフラインの教室では、人数も少ないし直接見えるのでそれなりにお互いに相手にしてもらっていましたが、オンラインで不特定多数の世界になると、自分から質問していくとか、テーマをもって話を聞くとか、態度の面での差が大変大きな差となって現れてきます。
 
こういう今まで隠れがちだった才能が見えるというのはオンライン教育のよい所で、またオフラインと異なり場所代もかからず、どこにいても受講できるというのは、さらにボーダーレスが進行することも意味します。そういう点では英語はより大切になり、トップクラスの情報はほぼ間違いなく英語になっていきます。
 
この新しいシステムに対してどのように適応していくかは、これからの生き方に大きな影響があると思います。
 
 
以上オンラインでの今後の教育についてまとめました。まだ試行錯誤の途中でもありますので随時アップデートしていこうと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

オンラインで仕事するヒント~コロナ禍から始まる世の中の変化~

在宅勤務が一般生活に浸透してきています。一部で言われていますが、今回のコロナ禍はIT化とデジタルトランスフォーメーションを偶然とはいえ画期的に活性化させました。これにより社会の変革が進みより企業や国家の強弱がはっきりしてくることが想像されます。
 
この状況で我々の行動様式も古いやり方からシフトする必要に迫れれています。自分自身も完全に慣れたわけではないのですが2か月余りほぼ連日オンラインでの会議やセミナー・講義を配信した経験から、こうなるとよいなという程度ですがまとめてみました。
 
 
<運営者や主催者、講演者の立場から>
・zoom、teamsなどのツールにはしっかり慣れておく
・できればスピーカー以外にオペレーション全体を見る人がいると良い(zoomなら共同ホスト)
・時間は短めに設定しセッション一つ一つを長くしない
・質疑応答を充実させるため雰囲気を明るくする
・QAセッションの時間を多めに取り双方向の時間を長めにとる
・自宅から配信する場合は背景画像を準備する
・参加者リストなどを手元に置き参加者の顔と名前を紐づける努力をする
・参加者の数よりも質にこだわったほうが目的にかなうことが多い
・PPTの画面共有は最小限にして自分の姿を出す
 
 
<一般参加者の立場から>
これまで以上に積極的な態度が求められます。なぜなら普段通りに参加しているとほとんど空気と同じ存在になり、下手すると居ることすら気づかれないこともあるからです。
 
・まずは最初に挨拶をしっかりする
・オンラインの自分の名前は”漢字”で書く(主催者から一目でわかるため)
・ビデオはオンにする
・表情をしっかりする *知性は顔に出る!?
・飲み物などは事前に近くに置いておく
・質問や発言は最低でも一度は必ずする *それをすると積極的にもなれる
・トイレには事前に行っておく
 
 
<(番外編)講演者の持ち物リスト>
・飲み物(自分の場合はお水とコーヒー)
・ハチミツ(たくさん話す時に必須)
・参加者リスト
・時計(アナログのほうが一目見てわかる)*時間厳守
・使う資料のプリントアウト(一覧性のあるもの)
・本日注意することを書いて画面に貼っておく付箋(例「ゆっくり喋る!」)
・すぐメモを取れる紙とペン
 
 
総じて言えることですが人間は生物的にオフラインのほうが安心して人に対しても関心を持てるように出来ているように思えます。それがない世界だからこそ、ちょっとした工夫をして適応する必要があり、少なくとも慣れるとそれがあたりまえの世界になるかもしれません。
 
 

知識がコモディティー化(陳腐化)する世界で生きる方法?

コロナウイルスが世界で問題になっており、外出や海外渡航が制限されています。しかしこのように人と直接出会う機会が制限された今こそ、ネットの利用や新しい働き方や学び方を考える良い機会であると思います。
 
近年のインターネット普及により、世界中のどこからでも等しく情報にアクセスできるようになりました。実際にIT社会が普及する中国ではコロナの発祥地でもあり患者が多いことから会社や学校に行くことが早期に禁止されネットでの生活をいち早く取り入れられています。例えば学校の授業は完全にネットに移行しましたし、コロナ情報のアップデートも速く、ネットでのオンライン診療や必要な医療施設へのアクセス方法などをすべてスマホから指示を受けるように対応しました。
 

このように現代はインターネットで情報を利用することでどんどん便利になり、検索すると相当量の情報にアクセスできます。そうなると誰でもどこからも同じ知識を得ることができるようになる中、個人はどのように差別化して生きていけばよいでしょうか?

受験の学習塾でも、これまでなら都会にいないと良い先生の授業を受けれなかったものが地方に住んでいてもオンラインで同様の講座を取ることができます。もちろんオンランとオフラインでは場の雰囲気とか先生のカリスマ性とか得られる情報には一定の差はありますが、それでも授業の内容という点では少なくとも同じ情報にアクセスできます。

情報アクセスコストがゼロであるということが、これまで学校や書籍といった物理的制約から人類を解放したとともに、誰でもが知識を得られる世の中であたらしい種類の競争が始まったと、見ることができます。

 
<現状について> 
・”知識”へのアクセスコストがゼロになる(”ネット”にアクセスするコストは実際には発生する)
 
・意欲があればどの地域にいても同じ情報にアクセスでき、場所がネックではなくなる
=>コストの低いところで仕事をしてもOK(価格低下圧力が強くなる)
=>企業は市場や競合などの情報をいち早く入手して、すぐにでも対抗策を練ることができる(競争の激化)
=>受験などのライバルの増加(塾などの都市部が圧倒的に有利だった状況からの変化)
 
・記憶することとは別に、情報検索する能力が大切になる(もちろんそこには語学力も含まれる)
 
・アクセスした情報に対してそれの内容を理解し判断する能力が必要になる(「情報リテラシー」が必要)
 
・知識差は情報アクセスへの容易さにより以前より簡単に埋まるようになり、情報自身は独占できないので発信したとたん価値は急激に下がり始める
 
・教育には特にインパクトがある。住んでいる場所が全く関係がなくなり、独学で多くのことを学ぶことができるようになるし、動画はテキストのみよりも簡単に理解できる(マニュアル系やノウハウ系のコンテンツはyoutubeに非常に多い)
 
・教師が提供する価値も変わってくる。同じ講義は録画しておいて生徒が自由にアクセスできるようになるため、極端な話一人の講師で十分であり他の教師が不要になる
=>学校や教師の役割の変化 
 
・教師の価値は情報をその場で発信することから以下のように変わってくる
ー相手に合わせてわかりやすく説明する。分からない人には分かりやすい言葉と例で説明し、できる人にはより高い次元の話をしたり不要な説明を省略しどんどん進む(個別化)
ーワークで内容を確認したり的確なフィードバックをする
ー参加者のコーディネートの役割が必要になる
・動画は教育だけでなく、料理やイベントのライブ配信など多岐に影響がおよぶ
 
 
良いことが多いですが、一方で限界や問題点も出ています。
 
 
<問題点>
・多くの国や地域ではインターネットへのアクセスやデバイスの普及に問題があり、その有無によりより格差が大きくなる(例、アフリカの国々ではインターネットのアクセス自体が高級品である地域もある)
 
・個人の意欲がないことに対してはあまり効果はない。人が直接会わないと実現しにくいことがある
ー動機付け(先生やライバル、同級生からの)
ーペースメーク(結局行く場所と時間が決まっているほうが持続しやすい)
ー権威や実証例がない場合は、情報の価値が分からないため無視されやすい
ー情報が均質化し判断しない人の間ではステレオタイプとなりやすい
ー意欲のある人とそうでない人の差がどんどん大きくなる
 
・既存の仕組みから適応できない組織やシステムまたは人々が淘汰される
 
・情報の価値を判断できない場合には、どれが適切なサービスか分からず結局マーケティングのコストをかけて宣伝したものを選んでしまう 
 
 
教育に関しては本当にインパクトが大きく学生のみならず社会人やビジネスパーソンにとっても非常に強力なツールです。

NPOのカーンアカデミーのような巨大な教育プラットフォームはほぼ全科目を無料でコンテンツを公開しています。こういうものを活用すれば自宅からでも最高レベルの教育をうけることができます。 
<カーン・アカデミー>
*私も個人的によく受講しています
 
 
また既存の大学もどんどんオンラインコースを増やしており、オンラインだけで卒業できる名門校も増えてきました。

ie Bisiness School MBA
https://www.ie.edu/business-school/programs/mba/international-mba/
*ヨーロッパの名門MBA。基本オンラインですが現地(マドリッド)の実習は必須参加

大学ではありませんがビジネスで必要なスキルを学ぶオンラインサイトもたくさんあります。

<Skillshare>
 
 
もちろん忘れてならないのはyoutubeの存在です。youtubeは動画の種類は問いませんので多くの情報が玉石混交のまま存在していますが、よいチャンネルをしっかり選ぶと大変良いものを見ることができます。(注、最近は広告が結構入ります)

そういうたくさんの情報からよいものを見つけて選んで活用できるようになると、本当に学校や習い事に行かなくても自己成長を実現することができるようになるので、大変重要なテーマだと思います。

このような世界で我々はどのように生きていけばよいでしょうか?

生き方は人それぞれの価値観によりますので、ここはビジネスパーソンとしてどうすると上手に適応するヒントを上げておきます。

1)ITツールを活用しよう!
リモートワークではGoogle ChatやSlackなどオンラインで活躍するツールの使い方になれましょう。

2)検索エンジンの上手な使い方を覚えましょう!
AND検索/OR検索などを使うと、必用な情報に早くたどり着けるようになるし、まずキーワードを探してそれをもとに検索すると信頼性の高い情報にたどりつけます。サイト内検索も有効で特定の機関が発行する信頼できる情報だけを入手することができます。

3)英語を使いましょう!
ネットの情報は当たり前ですが英語のほうが質、量ともに多いので英語で検索する習慣をつけましょう。

4)情報の価値を判断する力をつけましょう!
情報の発信者は誰か?その人のバックグランドや立場や利害はどういうものか?を考えて情報を判断しましょう。

5)オフラインで話を聞けるネットワークを持とう!
曖昧な情報を検索する場合は信頼できる人間に聞いたほうが早いことが良くあります。そこばかりに頼ることは非効率ですし相手にも迷惑ですが、そういう人を持っておくことは刺激を受けたりする面でも大変有意義です。

6)もっと、もっとGoogle検索をたくさん使いましょう!
よく「ぐぐれっ!」と会社で怒られることがありますが、検索して出てくる情報は大変多いので、多くのことはそこで解決するはずです。


以上、情報化社会で知識がすぐに陳腐化する世界で生きる方法を自分なりにまとめましたが、是非今から上手に適応していただけると幸いです。

科学オタクのウイルス対策

コロナウイルスの対処方法についてサイエンスオタク的にまとめてみました。
コロナウイルスに限った話ではなく一般的な対処法

1)手洗いとうがいを1時間ごとに
2)マスクをする
3)人込みを避ける
4)栄養のあるものを食べる
5)いつもより長めに寝る
6)体を冷やさないようにする
7)部屋の乾燥を防ぐ
8)ストレスを解消する


1)手洗いとうがいを1時間ごとに
病院のお医者さんがこまめに手洗いとうがいしています。こまめにというのは1時間くらいが良いと思います。特にうがいはすぐにしないと口内や喉の菌やウイルスはすぐに吸収され体内に入っていくので注意です。

2)マスクをする
効果はどれくらいあるの?という懸念もありますが、咳やくしゃみなどによる拡散は防げます。一定時間使った後はマスクも汚れているので、新しいものに変えましょう。

3)人込みを避ける
電車やバスなど狭い場所に多くの人がいるところにはウイルスがたくさんいます。時差通勤・通学や在宅勤務が良いと思います。地下鉄の銀座線とか本当に人が多いので個人的にはちょっと怖いと思ってしまいます。

4)栄養のあるものを食べる
すぐには効果がありませんが、しっかりと栄養のあるものを取ることが大切です。免疫力を高めるためには腸内細菌が活躍する必要がありますが、そのためには野菜などの繊維質と、納豆、ヨーグルト、こうじ味噌など発酵食品を取ると良いです。加えてしっかりたんぱく質を取ることが望ましくチーズなどの乳製品や脂肪の少なめの鶏肉などもよいです。たんぱく質を取ると言って焼肉ばかり食べることはマイナスです。それぞれの栄養素は他のものでは代用できないものが多いので、多くの種類を適量バランスよく食べましょう。

5)いつもより長めに寝る
免疫力にかなりの影響があるのが睡眠です。より深く、長めの睡眠がウイルスからの自衛能力を高めます。睡眠は長さだけでなく「深い睡眠」にはいる「質」の大切ですが、そのためには寝る前に6時間くらいはコーヒーや紅茶などのカフェインを避け、また就寝1時間前にはPCやスマホの画面をみないことがよいとされています。熱すぎるお風呂も体温が上がるため睡眠にはマイナスなので熱すぎないようにするか早めに入浴すると良いと思います。
睡眠の質と長さは睡眠アプリやAppleWatch、Fitbitなどで図ることができます。

6)体を冷やさないようにする
体が冷えると風邪をひきやすくなるのは経験的に知っていますが、他の病気も同様です。体内で菌やウイルスを殺すのは熱の力でやっつけるので体を冷やさないことは大切です。

7)部屋の乾燥を防ぐ
乾燥している場所では菌やウイルスが繁殖しやすくなります。特に寒い地域では暖房をつけるため室内が乾燥しがちなので加湿器を使うか、濡れたタオルを干しておくなどすると良いです。

8)ストレスを解消する
ストレスは免疫系に影響があることが分かっています。解消することが難しのがストレスですが、おおらかに気を張らずに対処できれば良いですね。

 

 

自分も普段講義や講演で人が多い場所にいることが多いので、気を付けようと思います。

 

以上、きわめて当たり前のことばかりですが身近にできることを実践しましょう。