Goodfind講師ブログ

次代を創るビジネスリーダーのためのキャリアサイトGoodfind

起業家の価値が一番となる!?

起業家の価値が高まる理由
 
日本には起業家が少ない。なぜか?起業しなくとも仕事があるから。特に若い人は仕事の種類や内容はともかく、全体として需要(求人)に対して供給(働き手)は圧倒的に足りない。何も面倒な起業などしなくても毎日の生活はアルバイトでも、都会でそれなりの生活は過ごすことができる。
これが他の国に行くとまったく事情は異なる。例えば中国やインドは人口が多い割には、雇用枠が少なく、またよいポジションには人気が集中するためすごい倍率を潜り抜けないと入られない。そうなると必然的によいポジションにつけない人は他の国に行くか、自分で起業するしかない。そういう人たちがたくさん出てくれば、そこでの競争は激しくなり良いサービスやプロダクトを提供できるところだけが残り、イノベーションも進み社会は進展する。
 
ユニコーン企業の数を世界比較してみると現在以下のようになっている。
 
(CB Insight, As of July 2021)
 
(1)USA 378社(50.4%)
(2)China 155社(20.6%)
(3)India 34社(4.5%)
(4)UK 31社(4.1%)
(5)イスラエル 17社(2.3%)
 
(11)日本 6社(0.8%)
 
またユニコーン企業を個別に見ると以下のようになっている。
 
(CB Insight, As of June 2022)
 
(1)Bytedance(China)Entertainment 140B
(2)SpaceX(US)Space 125B
(3)SHEIN(China) EC 100B
(4)Stripe(US)FinTech 95B
(5)Klarna(SWE)FinTech 45B
(6)Canva(AUS) Software 40B
(7)Checkout.com(UK) FinTech 40B
 
<(参)日本のユニコーン企業>
Preferred Networks(JPN) AI 2B(2018/5)
SmartNews(JPN) News 1.6B(2021/6)
Opn(JPN) FinTech 1B(2022/5)
Spiber(JPN) Material 1.22B(2021/9)
Playco(JPN) Other 1B(2020/9)
 
CB Insightsより
 
 
この現状を見て「だから日本はダメなんだ」といか言いたいわけではなく、「だから俺達にはチャンスがある!」が私の主張である。
 
まず日本の事情についていえば、上記の通り起業するインセンティブは安定した社会ではあまり多くない。ということは起業家が少ないので競争が厳しくないということでもある。
 
次に日本はお金がたくさんある。国の借金自体は対GDP比でいうと世界最高であるが、実は日本の国としてのBS(バランスシート)を見た場合は債権も多く、それを無視した論調が多い(本当に困る。。)。
加えて日本の会社も銀行もVCもたくさんお金があり、むしろ投資先が絶対的に少ない。ここには大きなミスマッチがあって無理にでも起業してもらい投資しないと困っているところもある。
これはインドなど途上国ではなかなか見られない傾向である。(ちなみに先進国には日本と同じパターンは多い)
 
更に加えて人口減少だの市場の縮小などと言われているが、日本の市場規模は現在名目GDPでは世界第3位である。1.2億の比較的裕福で中間層の購買力が分厚い堅調な需要も存在する。中長期で見れば大きくならないため、外国人投資家はあまり積極的に投資はしないかもしれないが、それは無視できるほど国内の投資家もたくさん存在する。
 
あともう一つ日本は地理的に孤立しており、そのせいで言語も文化も独自のものを保っており、それが海外からの競合の進出の障壁になっている。特に日本語は漢字という非常に難しい形をして読み方も複雑な文字を持っているため習得に非常に時間がかかる。
 
私はよく日本を簡単に説明するときに、
 
「日本は非常に豊かなガラパゴス島のような国で、日本語という難しい言葉を話しサービスの品質に非常に厳しい勤勉な恐竜のような特殊な生物がすんでいる国です(笑)。」
 
と言っています。
 
 
上記を総合すると起業するということはもっとフォーカスされてもいいのではないか?
実際に今年の東大の総長の挨拶でも起業ということが強調された。中央官庁もいろいろな制度も予算も用意して起業を支援している。
例えば創業した時に取らなければならないリスクとして銀行などから借り入れをしたときの「個人保証」という制度があり、事業が失敗した時には個人で負債を弁済しなければならないというものがあるがこれをなくそうだとか、そもそも銀行借り入れをしなくともVCから直接投資を受ければ借金をする必要もなくなるため、ほぼリスクフリーで会社を運営出来て、もしもうまくいったときには社会貢献と富や名声がえられるのであれば、どうして挑戦しないの?と思ってしまう。
 
おそらくは「起業」という中身があまり見えていないので、知らないことも怖さがあるかと思うので、これからこういう話題には折を見て触れていきたいと思います。
 
まずは日本では起業は全然怖くないよ!というお話でした。