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”バグプログラム”~コンピューター?人間?~

今回のテーマは『バグプログラム』についてです。

 

『バグのあるデータをもとに、バグのあるプログラムを走らせると誤った結果を導く!』

 

日頃PCやスマホで作業していると、こういうことってありますよね。

実は今回の話は私たち人間のことです。
以下のように読み替えるとどうでしょうか?

 

「バグのあるデータ」=誤った情報
「バグのあるプログラム」=誤った推論
「誤った結果」=誤った意思決定

 

つまり言い換えると、

「誤った情報をもとに、誤った推論をすると、誤った意思決定をする」

ということになります。

 

日頃我々は多くの情報に出会っていますが、フェイク情報や誤った解釈によるニュース、ウケを狙っただけの記事など、もうわけが分かんなくなっていますね。
情報の発行体にはバイアスが入ります。その人の知識や経験はもちろん、好みや利害など意図的に入ることも多々あります。マスメディアもご多分に漏れずにそれにあてはまり、多くはオーナーである株主にとって有利な情報のみを発信します。(大手メディアの株主見ると怖くなります!)


またそもそもですが「正しい情報」とは何でしょうか?「正しい」という形容詞には「基準」が存在します。その基準をもと「正しい/正しくない」と判断していますが、同じ事象についても「基準」がことなると「正しい/正しくない」は変わります。
これを客観的なものとして考え、物事には客観的に「正しい」ものがある、と解釈することは人間のバグです。さらに誰かが正しいものを知っていると思うこともバグです。

これが人間の持つ「バグのあるプログラム」です。

人間には推論時にバグがはいることは、この例だけでなく実は頻繁にあります。
例えば

 

「大人ならばこれは分かる。しかし彼は子供だから分からない。」

 

この推論は”論理的には”正しくないです。”命題論理”(数学用語)という観点で解釈すると、大人ならば例外なく分かるが、子供については分かるかもしれないし分からないかもしれない、となります。

もう一つ例をあげましょう。

 

「就職先は、”好き/嫌い”と”得意/不得意”のどちらで選べばよいですか?」

 

この聞き方は「AかBか、どちらか?」という聞き方をしています。しかし2つの選択肢があった時に答えは一つであると考えます。(このことを”排中律”と呼びます)

しかし内容的には「就職先は、”好き/嫌い”も”得意/不得意”も両方大切である」と考えることが自然ではないでしょうか。

このように論理的に考えているつもりが、どんどん誤った結論に至っているということは実は頻繁に存在します。

以上に対処するためにはすべきことは以下です。

 

(1)インプットとする情報を精査する
(2)論理について学習する

それぞれ参考になりそうな記事をブログに書いています。お時間のある時にでもご覧いただき参考になれば幸いです。


<Goodfindブログの織田の記事>

 

 

 

 

オンライン講師のヒント

コロナの自粛により、オンラインで講師をはじめて1年になりました。
最初は試行錯誤からのスタートでしたが、一年かけて学んだことを共有したいと思います。
これからオンラインで話をする方のご参考となれば幸いです。
 
最初にオンラインで行った時に、想定と異なっていたことを共有します。
 
・対面のオフラインと異なり相手の顔が見えない不安がある
・相手の反応が分からないのですごく話しにくい(そして、なんか寂しい)
・話す速度や内容の配分ペースが全くつかめない
・参加者の中での真剣に聞いている人と、ながらで聞いている人の差が大きい
・聞き手の集中力を途切れないようにすることがオフライン(対面)よりはるかに難しい
 
 
<オンライン講義のコツ>
 
(1)開始前後10分が大切!(第一印象が大切)
・参加者との距離を縮めるため最初に明るくフレンドリーにする
・カメラに映る範囲での容姿、服装を整える
・ZOOMやteamsの背景画像を工夫し、テーマや参加者、自分の服装に合わせたものを選ぶ
・口調は丁寧さmaxで、後から聞いても恥ずかしくないように
・参加者の情報を事前にチェックし、この人たちの参加の目的や興味について話の中で漏れないようにする(当然メモが必要)
・話す内容について最終チェックし、最低限話すべき内容をメモでまとめておく
・最初に上手にアイスブレイク チャットでこんにちは!など
・チャットを上手に使ってインタラクティブになるようにすると参加意識が高まりやすい
そのために最初に一言ずつ挨拶をしてもらうと2回目の書き込みがしやすくなる
 
(2)環境面での工夫
・別アカウントでログインし参加者の見ている画面を見えるようにしておく(スマホでも十分)
・ツールに慣れる(チャット、画面共有、共同ホスト、ミュート、、、)
・照明は大切なのでリングライトみたいなものを購入して使う *amazonで2000円程度でも問題ない
・マイクを工夫して声が良くなるものを使用する *いろいろ使ったけど普通のSONYスマホのヘッドホンが良かった
 
(3)運営上の工夫
・なるべく自分の顔を見せる(たぶん人の顔があったほうが対面に近い感覚になる)
・できれば話す人とは別に運営者がいるとスムーズ(自分は一人でやってるけど、、)
・適宜質疑応答の時間を設けるとインタラクティブな雰囲気ができる
・質疑応答は挙手にするとハードルが高くなるので、チャットでダイレクトメッセージにすると質問しやすくなる
・参加者にビデオをオンにしてもらうようにお願いできると反応が分かってやりやすい
・はっきりと話す。普段よりは緊張のため早口になりがちであるが、合間やゆっくり話すことで強調点がわかるようになる
・英語で話す場合はナマリや癖があったり、聞く人があまり上手でなかったりもあるので、はっきり区切って丁寧に
 
 
 
最後になりますが講師の視点からの感想をまとめてみます。
話すほうが慣れていると参加者の反応が非常によく見えます。(!注意!)
 
あくびすると、100%わかります!
肘をついているところが見えます!
youtubeなどを見ながらクスクス笑っている人、ばれています!
 
でも、あくびをしても肘をついて聞いていても、カメラをオフにして見えないより個人的には良いと思います。
このあたりは対面で授業や講義で登壇している時と同様で、たくさんいるから分からないからと思っている人は考えを改めてください。
 
まとめは以上です。
 
これを見ている方が話す側になる時に参考となれば幸いです。
 
 
 
 
 
 
 
 

情報の取り方と解釈のノウハウ

 ネットに無限に情報が氾濫する時代に我々はどのように対処するか?

今回はこれをテーマにお話したいと思います。

 

「どれが正しい情報?」

 

基本的には正しい情報はないと思ってください。そもそも「正しい」という言葉が正しくありません。屁理屈に聞こえるかもしれませんが、絶対的に正しい情報というものは存在しません。「正しい」という概念自体が主観的な判断基準によるものだからです。

 

主観的な判断基準による以上、同じ情報がある視点では正しく、別の視点では正しくないということが存在します。例えば宗教戦争などは仕掛けたほうとしては正しく、仕掛けられたほうとしては正しくないことが多いでしょう。そういう状況なので我々は判断に迷うわけです。

 

ここに対処するためには、まず判断基準を自分で持てるように基礎知識を付けることが大切です。基礎知識自体にも実はバイアスがあるのですが、まず世の中一般的である「常識」(注、これは常に正しいわけではない)が何であるかを理解し、それを批判的に解釈して、時には解釈も変えながら、判断していくほかないと思います。

 

あとは情報はなるべく発信者が特定できて第三者に加工されていない一次情報を重視してください。著者が実名であり一定の社会的立場にある人なら責任をもって発信しているはずなので、他の匿名の無責任な情報とは質が異なります。

 

気を付けないといけないのはニュースやマスメディアで、これらは大衆向けに関心があるように加工しています。例えばコロナや台風などについても常にネガティブな情報を中心に放送し視聴者の関心を高めようとしています。その方が人の関心を惹きつけて視聴率や視聴時間を上げられるからです。

 

あと書籍についても注意が必要です。大手の出版社から出ている分厚い本は、なんかカッコ良さそうで読むと賢くなりそうな気がします。しかし事実として10年経って残っている本は一部です。本も毎年膨大な数が出ており生き残るのは至難の技です。そのような中長く読まれているものは、やはりそれなりの内容があると言えるでしょう。

 

良くない本のパターンは今の時流になりすぎていたり、サブタイトルに「**流」とか、「欧米で流行った」とか、変な売り込みばかりが目立つものです。一瞬良いようにも見えますが、単にマーケティングがうまくいっただけのこともあるので内容をしっかり精査することが大切です。

 

それとニュースに関しては、なるべく複数の情報ソースを見ます。それも異なる立場の媒体をなるべく取得するようにすると、全体としてその情報がどういう位置付けでどう解釈されているか理解できます。

 

具体的には日本のニュースばかりではなく、中国サイドとかロシアサイドとか様々な角度からニュースを見れば偏りが少なくなるはずです。これに関しては欧米の大手のメディアばかりを見るのは良くないです。西側の情報はほぼ同じソースを使い同じような立場のポジショントークが多いので、中東とか共産圏とか異なった立場の情報を取得すると良いと思います。

 

海外のメディアには以下のようなものがあるのでご参考にして判断してみてはいかがでしょうか。

 

 

新華社通信(中国)*日本語

http://jp.xinhuanet.com/zhuanxian/sj.htm

 

DW News (ドイチェ・ヴェレ)
https://www.dw.com/en/top-stories/s-9097

DW News - YouTube

 

TRT World (トルコ)

https://www.trtworld.com

TRT World - YouTube

 

Press Trust of India(インド)

http://www.ptinews.com/

 

Apple Daily(香港)

https://hk.appledaily.com/engnews/hotpick/

 

 

sputniknews(ロシア)
https://sputniknews.com/

Sputnik - YouTube

 

 
 

NTDTVJP

NTDTVJP - YouTube

 

Al Jazeera English (アルジャジーラ)

Al Jazeera English - YouTube

 

CNA (アジア)

CNA - YouTube

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(参考)◆2021年 世界はどうなる?(新春の雑感) ーGoodfind講師ブログより

https://goodfind.hatenablog.com/entry/2021/01/15/142041

 

より詳しい地政学的な世界情勢については過去の動画等で見ることができますので

よかったら参考にしてください。

 

Youtube

◆『米中戦争、人工知能、格差、世界はどうなる?』-起業家で世界で教える教授の話

https://www.youtube.com/watch?v=RHN3fKXMUUE






外国人の日本におけるキャリアについて(“Foreigner’s career in Japan”) Japanese/English

*English follows after Japanese below

毎年多くの方々にお会いする中には外国人の方も沢山います。今回はその方々とキャリアについてお話していることを簡単ですがまとめてみました。

 

まず前提として今回は主に以下の方に対するアドバイスが中心になります。対象となる方は新卒と社会人の両方です。

・現在日本にいる、もしくは日本に来ることができる

・日本語がある程度できる(N1 程度)

・日本語は日常会話程度であるが専門性が高い(大学院生、研究者)

 

(目次)

日本の特殊な労働状況

外国人の日本でのキャリア(国籍と永住権など)

母国帰る選択肢をどう考えるか

 

◆日本の特殊な労働事情

 

日本にはいくつか他国にない労働習慣があります。

・新卒一括採用

・終身雇用

年功序列

・総合職("Sougou-Shoku")とジョブ・ローテーション

 

「新卒一括採用」とは大学又は大学院を卒業するときに同時に全員を採用するシステムです。このシステムの背景には「終身雇用」と「総合職」という考え方があります。「終身雇用」とは新卒で入った会社で一生のキャリアを終えることで、30-40年前の日本では大手企業を中心に普及していたシステムです。現在はあまり実施されていないのですが、なぜか根強い信仰のようなものがあり、会社というものは入った後は勤めつくすのが普通である、という風潮が残っています。 

 

このシステムについて外国の方によくメリットを聞かれることが多いのですが、一言でいうと「安定」です。多少不満もありやりたいことができないとか、転勤ばかりで子供が転校を頻繁にしないと分かっていても、昔は他の選択肢があまりなかったので一生そのスタイルを貫きました。その背景にあるのは「我慢していれば定年まで雇用が保証され、引退後は安定した国の年金があり、また会社によっては企業年金をもらえる」という絶対的な安定感でした。

 

給与の水準は同期とあまり差が出ることはなく、そこには不満も出ることが多いのですが、秀でた人とその他の人の割合を考えれば、秀でた人が少し我慢すれば会社全体としては極めて安定した大所帯となります。

その給与も突然上がったりしませんが、年齢と共に少しずつ確実に上がっていき、子供の教育費が沢山必要となる40代、50台でピークを迎える時にしっかり貰えることは合理的です。

大きな組織ではこの昇給の方法や、経験が上の人が組織でも上のほうになる「年功序列」のシステムは、硬直的という見方もできますが、当たり前のことをしっかり回していくという点ではこちらも合理的です。

 

そしてこのシステムを運営するときのもう一つのキーワードが「総合職とジョブ・ローテーション」です。

「総合職」とは英語に該当する単語がないため、ここでは「Generalist position」と訳します。これは、社内で様々なポジションに就く人たちのことで、新卒一括採用の日本では大学における専門を必ずしも考慮せずに採用して、入社後に適性に応じた部署を定期的に回遊(ローテーション)するキャリアパスをつくります。

 

社内では研修のみならず、現場におけるOJT(On The Job Training)がかなりウエイトを持ち、先輩が時間をかけて後輩を指導します。社員はいろいろな部署を回遊(ローテーション)することにより、社内のそれぞれの部署が何をしているかを理解することができ、それにより部署間の連携もやりやすくなります。

 

このように育成にものすごく手間とコストをかけるのですが、長い目で見ればやがて社内でも暗黙の共通ルールのもとにコンセンサスを作りやすくなり、「1を言って10を理解する」組織が一旦できあがれば長期的に効率的になります。

これを実現するためには社員が長い間在籍する必要があり、その結果が「終身雇用」という形態となります。こうして長い間同じ組織に所属する人たちの間で、ノウハウが先輩から後輩へと職人仕事の伝承のように浸透し全体として機能する組織ができあがります。

 

 

◆外国人の日本でのキャリア(国籍と永住権など)

 

最近は日本でも外国人の方が沢山来て勉強したり、仕事を持ったりすることが増えました。

日本で働くことのメリットとデメリットを以下にまとめました。

 

<日本で働くことのメリット>

・他国と比べると給与水準は平均的に高い(技能職の給与水準は高くない)

・新卒が就職しやすい(スキルや経験を問わない)

・転職も年齢が若いと比較的ポジションがたくさんある

・新人研修がある(新卒)

・福利厚生制度などが整っている

・技能を持っていると永住権がとりやすい

・一定期間日本で働くと転職しやすい

 

 

<日本で働くことのデメリット>

・専門性をつけにくい

・年齢が上になると転職しにくい

・部署や職場が選べないことが多い

・日本型のビジネスの習慣に慣れる必要がある

・日本語が必要になることが多い

・まだ外国人が少ないため日本型の社会である

・中途だと技能があっても入りにくい

・ハラル料理が少ない、教会が少ないなど宗教的に不便があることがある(特に地方)

 

まず外国人として日本国内で働くためには就業ビザが必要になります。しかし最近の制度の改正により、外国人も以前と比べて永住権を取ることが楽になってきました。特に日本の大学や大学院を出ると数年間働くことで永住権を取得することができ、そうなるとフリーランスとして働いたり、業務委託を複数の会社と結ぶなど労働形態が多様化します。

 

加えて日本国籍を取得する方もいて、私の周りでも申請の仕方は様々ですが日本国籍を取得して、日本の漢字名をつけて住んでいる方もいらっしゃります。国籍を取得する場合は、日本人とご結婚するケースが最も多く外国人で日本で働いている方の多くは配偶者が日本人というパターンが多いように見受けられます。

 

国籍は個人の問題ですのでここでは述べませんが、永住権は今後の職業の選択肢を広げるためには持っておいてよいと考えます。実際に例を見ていると永住権を取るまで日本の会社に数年間働き、その後独立していろいろな仕事をしている人が私の周りに存在して、ある方はフリーのコンサルタント、ある方はyoutuber、ある方は業務委託で専門性を生かしている、というサラリーマンではないスタイルで働いています。

 

転職に関しては、日本で数年間働くと職務履歴書に書ける内容ができて、それが充実してくると他の会社でもよいポジションにつけるようになります。

実はこの点が日本で就職することのメリットで一番大きなところであると私は考えています。というのも世界の他の国と比べて日本国内では若者の就職は楽です。新卒では全く専門性がなくとも採用してもらい、入社後には社会人として必要な研修を受けることになります。また一般に日本の会社は挨拶や習慣などに厳しいのですが、それはビジネスで活躍するためには必要なものですので、私も苦痛の部分もありましたがこれはやっておいて悪くないと思います。

 

 

そしてこの時日本流をマスターすると、おそらく海外にでもある程度礼儀正しいビジネスパーソンになることができます。日本は顧客サービスという点では世界で最も厳しい国です。それは競合がたくさんあるレッドオーシャンの市場で限られた数の顧客をサービスで失うことをなんとでも避けたいという背景から来ています。

 

トータルで考えるなら外国人にとって、入社しやすく、研修があり、一人前のビジネスパーソンになる道が存在する日本での就職は、それほど悪くないと思います。実際にいくつかの国の大学生は就職のしやすさを魅力に感じて日本に留学する人が一定数存在します。

日本語は習得するのに大変時間がかかるやっかいな言語なのですが、中国系で漢字を使う人々にとっては、そのハードルはかなり下がります。そして日本に留学し、新卒で日本の企業に一定務めると履歴書に就業経験が書き込めるため、その後の職業選択にも役に立つという合理性がここにはあります。

 

 

次にデメリットについてもお話します。

 

最初にストレートに話をすると日本の企業は年功序列の文化と給与体系があるために、能力や実績の差が給与に反映しにくい傾向があります。そうなるとものすごく活躍している人はあまり給与が上がりません。一方でそれほど活躍していなくともそれなりに頂けるので社内の差が非常に小さくなります。

この事実だけをとらえるとだから日本は他国と比較して経済格差が小さくなるので社会全体としては平和になります。しかし能力がある人や実績のある人はそれに見合ったものが貰えないため、実力主義アメリカや他国に行くか、日本法人でも外資系のインセンティブ制度を持つ会社に転職するでしょう。

 

 

日本で就職した場合、職場の日本独特の習慣に慣れることが必要です。例えば日本の職場にはとても細かなルールがたくさんあり、マニュアルに書いてないものも多いです。文章の書き方や、会議での議事録の取り方、会議での発言の順番など、古い組織程年功序列の文化が残っており「暗黙のルール」を守らないとなんとなく組織の中で浮いてしまうこともあります。

 

また「総合職」という名前で採用され3-5年くらいのローテーションで部署を回る会社では、専門性が身につきにくくなります。ある程度同じような部署でローテーションする場合は、営業や技術者などの専門性がありますが、幅広く動く場合には勤続年数が長くなっても一つのことに従事していないため、特定分野での経験の絶対量が少なくなります。そのため転職の時などには「具体的な」専門分野や実績が書きにくくなるため、転職先の選定や新しい職場での給与などの条件面で折り合いがつきにくくなります。

 

総合職のローテーションはあくまでその会社の中での管理部門に行くためのキャリアパスであり、他の組織に行って専門性を発揮するということには必ずしも合いません。そのようなケースでは立派な名前の会社に勤めていた割には(勤めていたからこそ?)、次の職探しに苦労するということがありえます。

 

 

他には日本流のやり方しか受け入れない組織も存在します。「我々のやり方はこうだから全員が従うものだ」というプレッシャー(同調圧力)が日本の社会には一定存在すると思います。それができないと「やはり外国人には難しい」というレッテルが張られることもあり、それは大変悲しいことでもあります。

私は新卒時に外資系で海外で働いていたこともあるせいか、日本人ですが「同調圧力」が苦手です。これからは個性の時代だ!とか言われていますが根本は同じやり方にしないと村八分(のけものにすること)にする習慣はまだ残っていると思います。

例としては会議では若い人がなかなか率直な意見を言いにくい空気があったり、非常に長い時間を使って全員が空気を読んで同じ結論になることを待つ、みたいなところも存在します。

 

それ以外では日本の会社は家族のように公私をあまり分けないことがあります。よく言えば仲が良いということですが、それが時に失敗に対する甘えがあったり、問題を隠したまま表に出さなかったりすることは不祥事がたびたび出てくるところを見ると今でもあるように思えます。

 

悪名高い残業の長さについては近年ばかなり改善してきたと思います。一方で時間を短くしすぎて知識の共有や人との交流が少なくなっており、それが古き品質重視の文化や、新しいものを創ったりする時間まで奪っていて、結果として競争力がなくなっているようにも思います。

 

他の国の人達が長い時間と労力を使って競争する中で、国内の事情で時間や労力を削減した場合に結果がどうなってくるかは長期で見れば明らかです。NYでもSFでも大学の研究室でも世界の最先端は必死で戦っている中、どのようにバランスをとるかは日本の企業のこれからの課題とも言えます。また最近では中国国内でも同様の議論が活発になっており「996」と呼ばれる午前9時から午後9時までの12時間を週6日働かないと競争には勝てない、という古い世代と、ワークライフバランスを主張する若い世代にはギャップがあるようです。

 

 

◆母国帰る選択肢をどう考えるか?

 

日本にいるか、他国に行くか、母国に戻るか、という選択肢は仕事だけで決められるものでもなく人生の問題です。ですが、仕事はそれを決める大きな要因の一つです。

 

まずキャリア全体を考えることが必要で、今の職務内容、給与やポジションが将来にどのようになるか慎重に考えることから始まります。

キャリアの一般論として、どの国でも年齢が上がるほど違う分野への転職は難しくなります。また年功序列の社会では、年齢が上の人が高いポジションにつく習慣があり、また、上のポジションは数が少なくなり責任も重くなるため、そこにつくこと自体が難しくなります。

 

加えて日本の会社の場合、外国人がボードメンバーになることは現在の状況ではあまり多いと言えません。上場企業の役員の一覧を見てみれば外国人と女性が少ないことに気づきます。この状況は今後改善していくと思いますが急には難しいと予想せざるを得ません。

 

私の個人的な意見として大学生や大学院生が就職する場合は、日本を働く場所として選ぶのは悪くないことと思いますが、ずっと日本にいてよいかは別問題です。

 

ただし一つアドバイスをするなら、母国に帰るのはいつでもできるので最終手段くらいに考えたほうが良いと思います。

 

というのも一旦母国に帰ると、もう一度外国に行くには時間と手間がかかります。昔日本で働いていたからまたいつでも帰れると考えるのは慎重になったほうが良いです。専門性が高く市場価値が高い人はいつでも好きな場所を選べますが、もしも永住権がなくなった後だと再度就職する企業が就労ビザを発行し、日本によぶ手続きをしないといけません。それと母国に帰り数年すると年齢もそれだけ上になるため、ポジションや条件面での希望も高くなっているかもしれません。

 

現在の日本の仕事で将来が見えないとか、会社の仕組みややり方が自分と合わないということは、母国人である日本人でも非常によくあることです。ですので、なんとなく母国に戻れば解消されると楽観的になるのは論理の飛躍があると思います。

 

母国に戻る理由としては以下のようなものだと良い例となるのではないでしょうか。

 

1)社会の習慣や家族のことなどを考えると、やはり母国がよいと決めた(理由は様々)

2)母国でよいポジションがあり、新しい経験を積める(再び海外に出るチャンスが増える)

3)母国の経済成長の余地が日本より高いのでチャンスがある

4)日本である程度実績がついたので母国でより高いポジションにつける(ステップアップ)

5)一旦母国に帰って勉強して、留学、資格、なんらかのプロセスを経て再度海外に挑戦する

 

このように、少し前向きな理由があり、具体的な条件などが見えてきた場合は意志決定をしてもよいと思います。このあたりは個人の生活の問題なので仕事だけで決めるものではないと思いますが、一応参考までになれば幸いです。

 
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(English from here)

“Foreigner’s career in Japan”

I have been meeting many foreigners every year. I would like to share the stories about their careers briefly.

 

This is for someone who is as below:(both for students and business persons)

-Now living in Japan or can come to Japan to work

-Speaking Japanese fluently(N1 level or the same)

-Speaking daily conversation with some expertise(Post graduate/researcher)

 

 

(Index)

-Japan-specific working conditions

-Foreigners' careers in Japan (nationality and permanent residence, etc.)

-The option of returning to home country

 

<<Japan-specific working conditions>>

 

Japan has several unique working practices that are not found in other countries. 

-Employment of all new graduates

-Lifetime employment

-Seniority system

-"Sougou-Shoku"(=Generalist position) and job rotation

 

"Employment of all new graduates(“Shinsotsu-Ikkatsu-Saiyou” in Japanese)" is a system of hiring all new graduates at the same time as they graduate from universities or graduate schools. This system is based on the concept of "lifetime employment(“Shushin-Koyou” in Japanese)" and "Generalist position(“Sougou-Shoku)".

 

"Lifetime employment" refers to a lifelong career at one company since graduated and that system was widespread in Japan 30-40 years ago especially among major corporations. Although it is not widely practiced today, there is still a strong belief that it is normal to work for one company for all one's life.

 

I was often asked by foreign people about the advantages of this system and would say frankly that in a word, it is "stability". Even if persons are somewhat dissatisfied and cannot do what they want to do, or if they know that they have to transfer all the time and their children often change schools, in the past there were not many other options, so you stuck with that style for the rest of your life. The reason behind this was the absolute stability: "If I persevere, my employment is guaranteed until retirement, and after I retire, I will have a stable government pension and I may also receive a company pension.

 

The salary level is not quite different from that of her/his colleagues and there are sometimes complaints about that. But considering the ratio of excellent people to other people, the company as a whole will be a very stable and large group if the excellent people hold back a little.

The salary does not increase suddenly, but it increases steadily with age, and it is reasonable to get a good salary when she/he reaches the peak in 40's and 50's when she/he needs money for children's education.

In large organizations, this method of raising salaries and the "seniority system", where those with more experience are higher in the organization, can be seen as rigid, but it is also reasonable in terms of ensuring that operations are done as planned and scheduled.

 

Another key word in the operation of this system is "generalist position and job rotation".

Since there is no corresponding word in English for "Sougou-Shoku(総合職)", I will translate it here as "generalist position". In Japan where new graduates are hired en masse, they are hired without taking into account their university major, and after joining the company, companies create a career path that allows employees to periodically rotate between departments according to their aptitude.

 

In their career path, not only training but also on-the-job training (OJT) plays a significant role and senior employees spend a lot of time guiding their juniors.

By rotating through various departments, employees can understand what each department is doing, which makes it easier to collaborate with other departments.

 

Although it takes a great deal of time and money to train employees in this way, in the long run it will eventually become easier to build a consensus within the company based on unspoken common rules, and once an organization that "says 1 and understands 10" is established, it will become more efficient in the long run.

 

In order to achieve this, employees need to stay in the company for a long time, which results in a form of "lifetime employment". In this way, know-how can be passed down from senior to junior employees like the handing down of craftsmanship. And an organization functioning as a whole can be created.

 

<<Foreigners' careers in Japan (nationality and permanent residence, etc.)>>

 

Recently, many foreigners have been coming to Japan to study and hold jobs.

The advantages and disadvantages of working in Japan are summarized below.

 

<Advantages of working in Japan>

-Average salary level is high compared to other countries (Skilled worker's salary level is NOT high)

-Easy for new graduates to get a job (regardless of skills and experience).

-Many positions available if people are young

-Good training program is provided for new graduates

-Good benefits system for employees

-Easy to get a permanent residence for skilled persons

-Easy to change jobs after working in Japan for a certain period of time

 

<Disadvantages of working in Japan>

-Difficulty in developing specific expertise

-Difficult to change jobs when person is older

-No choice of a department or a workplace

-Hard to get used to Japanese business customs

-Japanese language skills often required

-The society itself is mostly Japanese-style

-Difficult for mid-career workers to enter even if they have skills

-There are some religious inconveniences such as few halal foods and few churches (especially in rural areas)

 

First of all, in order to work in Japan as a foreigner, a work visa is needed. However, due to recent changes in the system, it has become easier for foreigners to obtain a permanent residency than it used to be. In particular, after graduating from a Japanese university or graduate school, it is possible to obtain permanent residency by working for a few years, then it becomes possible to work as a freelancer or have flexible work for multiple companies.

 

In addition, there are people who acquire Japanese citizenship. Although the application process varies, there are people around me who have acquired Japanese citizenship and live in Japan with a Japanese Kanji name. The most common way to obtain citizenship is to marry a Japanese national and many foreigners working in Japan have Japanese spouses.

 

Nationality is a personal matter, so I do not discuss it here, but I think it is good to have a permanent residency to broaden career options in the future. In fact, there are people around me who worked for a Japanese company for a few years until they got their permanent residency and went independent to do various jobs as a freelance consultant, a youtubers or an outsourced professional.

 

As for changing jobs, if a person works in Japan for even a few years, she/he will be able to build up a resume that can be put on the job application, and once it is complete, the person will be able to get a better position in another company.

 

In fact, I think this is one of the biggest advantages of working in Japan. This is because, compared to other countries in the world, it is easier for young people to get a job in Japan. If the person is a new graduate with no specialization, she/he will be hired and receive the necessary training to become a member of the company. Also Japanese companies are generally strict about greetings and customs which are necessary to be successful in business, so I think it is not a bad idea to do this, even though it was painful at times(That's ME.)

 

And if someone masters the Japanese way at this time, she/he will probably be able to become a polite and well-mannered businessperson even in different countries. Japan is one of the toughest countries in the world in terms of customer service. This is due to the fact that they want to avoid at all costs losing a limited number of customers in a red ocean market with many competitors.

 

Thinking about a career in total, it is not so bad for foreigners to find a job in Japan where it is easy to enter, training is provided, and there is a way to become a independent businessperson. In fact, there are a certain number of university students from some countries who come to Japan to study because of the ease of finding a job after graduation.

Japanese is a tricky language that takes a lot of time to learn, but for people of Chinese descent who use Chinese characters, the hurdle is much lower. There is also a rationale here that if a person studies in Japan and works for a Japanese company as a new graduate for a certain period of time, then she/he will be able to write down some work experience on resume which will help to find the next step.

 

Next, I talk about the disadvantages.

 

Frankly speaking, Japanese companies tend to have a seniority-based culture and salary system that make it difficult for differences in ability and performance to be reflected in salary. In this case, people who are high performers will not get much of a salary increase at the same time, average performers can get a decent amount of money. As a result, the difference within the company becomes exceedingly small.

 

That is why Japan's economic disparity is smaller than other countries and that society is very peaceful and safe. However, people with abilities and achievements do not get enough and they will either go to the U.S. or other countries or transfer to a company in Japan with a foreign-type incentive system.

 

When a foreigner finds a job in Japan, she/he needs to get used to the unique Japanese customs of the workplace. For example, Japanese workplaces have a lot of detailed rules and many of them are not written in manuals.

The old organizations tend to have more seniority-based cultures. Unless a person does not follow the "unspoken rules" such as how to write minutes of the meetings and what order to speak at meetings, the person may not be a good member.

 

If a person is hired in a "generalist position" and rotated through departments for about 3-5 years, it is difficult to acquire expertise. If the rotation is within the same department, she/he can have specific expertise such as sales, marketing or engineering. But if a person works in a wide range of fields in the same company for a long time, she/he will not be engaged in one thing and her/his absolute amount of experience in a particular field is limited. As a result, when changing jobs, it is difficult to write down your "specific" areas of expertise and achievements and that makes it difficult to get a salary or what she/he wants for a new job.

 

The rotation of "generalist position" is a career path to go to the management division within that company and it does not always fit with going to other organizations to demonstrate the expertise. In such a case, the person may have a hard time finding another job despite (or because of?) the fact that she/he worked for a big-name company.

 

There are some organizations that only accept the Japanese styles. I think that there is a certain amount of pressure (peer pressure) in a Japanese society that claims "This is the way we do and everyone must follow it. In the case that the person is unable to do that, it may be said "it's difficult for foreigners". I am very sad to hear that.

Though I am a Japanese, I am not good at "peer pressure," probably because I worked overseas for a foreign company when I first graduated. Now this is the era of individuality. But I think that at the root of it all, there is still the habit of making people who do not do things the same way outsiders.

For example, in meetings, there is an atmosphere that makes it difficult for young people to express their opinions frankly, and there are places where people spend a very long time waiting for everyone to read the atmosphere and come to the same conclusion.

 

Other than that, Japanese companies are sometimes like a family and there is not separation between public and private. At best, they get along well with each other, but this sometimes leads to laxity in dealing with failures, hiding problems or not revealing them to the public, which still seems to be the case when we see the frequent scandals.

 

As for the infamous long hours of overtime work, I think it has improved a lot in recent years. On the other hand, the hours are too short to share knowledge and interact with people and that takes away from the old quality-oriented culture and the time to create new things. As a result, I think especially Japan is losing competitiveness in the world market.

 

While people in other countries spend a lot of time and effort to compete, the consequences of cutting time and effort due to domestic reasons are obvious in the long run. In NY, SF, or university laboratories in many countries, where the cutting edge of the world is struggling extremely hard, the work-life-balance is the big issue and a challenge for Japanese companies in the future. Also, the same scene can be seen in China where it exists a gap between the old generation who says that you cannot win the competition unless you work 12 hours a day, 6 days a week, from 9:00 a.m. to 9:00 p.m., which is called "996," and the young generation who insists on work-life-balance.

 

<< The option of returning to home country>>

 

The choice whether to stay in Japan or return to home country is a matter of life and it should not be a decision only on work. However, work is one of the major factors that determine it.

 

The first step is to think about one's lifetime career as a whole and carefully consider what your current job, salary and position will be linked to in the future.

Generally, the older one gets, the more difficult it is to move to a different field in any country. Also in a seniority-based society, it is common for older people to be placed in higher positions. Since there are fewer positions at the top and the responsibilities are heavier, it becomes more difficult to move up.

 

In addition, in Japanese companies, it is not very common for foreigners to become board members under the current circumstances. If looking at the list of board members of listed companies, you will notice that there are few foreigners and women. I think this situation will improve in the future, but I predict that it will take some time to change it.

 

In my personal opinion, it is not a bad idea for university students and graduate students to choose Japan as a place to work, but whether they stay in Japan forever is another matter.

 

However, if I were to give someone one piece of advice, I would say that she/he should consider going back home as a last resort because it can be done anytime.

 

The reason is that once she/he goes back to home country, it will take a lot of time and effort to go out to a foreign country from home. It is better to be cautious about thinking that you used to work in Japan and can come back easily. If the person is highly specialized and highly reputed in the labor market, she/he can always choose where to work. But if she/he is no longer a permanent resident, the company has to issue a work visa and invite her/him back to Japan. Also please keep in mind that once back to home country for a few years, the age will be that much older and she/he may have higher expectations in terms of positions and conditions.

 

It is very common even for native Japanese to feel that they cannot see the future of their current job in Japan, or that the company's system or way of doing things does not suit them. Therefore, I think it is a leap of logic to be optimistic that the problem will be solved if you somehow return to your home country.

 

The following are good examples of reasons to return to your home country.

 

1) You have decided that your home country is the best place for you because of social customs, family, etc. (with various reasons)

2) There is a good position in your home country and you can gain new experiences (and more chances to go abroad)

3)There is more room for economic growth in your home country than in Japan, so there are more opportunities

4)You can get a higher position in your home country because you have achieved a certain level of success in Japan (step up).

(5) Go back to your home country to study, through studying abroad, getting certifications or going through some other process, and try again

 

As you can see, if you have some positive reasons and you see some specific conditions, you can make a decision. This is a matter of personal life and should not be decided solely by work. I strongly hope that this advice is helpful to your life.

 

 

23卒新卒採用の見通し(2/12/2021)

大学生の後期のテストも終わり、23卒の就活も少し活発になってきました。
例年この時期になると今年の就活の様子はどうなるのか?と学生からも企業からも聞かれるので、今回はそれについて簡単にまとめます。

 

コロナの影響は22卒の採用でも出ているものの、Goodfindの周りでは選考や面談がオンラインになったことをのぞいては大きな変化はありません。もちろん経済全体として2020年は日本のGDPがマイナス5%以上の状況なので、旅行業や飲食、小売などで大打撃を受けていることは明らかです。その一方で新しいサービスやプロフェッショナルなものについては全く影響ありません。

23年卒新卒については、現時点で企業の方もスケジュールを立てているところです。予想としては年々インターン開始など早期化する中で、動きの良い企業が早めに説明会やインターンを実施し、昨年と同様8月くらいから内定も出るのではないかと思います。

それ以外に予想されることとしては、例年以上に人気のある企業への応募が多くなり、倍率は上がると思います。具体的には外コン、外銀、商社、難関ベンチャーあたりに多くの学生が殺到するのではと予想します。このあたりは毎年偏りが大きくなり、正直ステレオタイプで動く学生の数の多さに危機感を持っています。あまりにも情報感度が低く、周囲の情報に流された結果がこれであり、それが波の共鳴のように強まっていることはほぼ確実です。


しかし新しいトレンドに敏感な人は大衆的な動きとは別に、時代に先駆けて新しい分野を目指す動きも増えています。実際に学生時代からインターンで戦力として活躍する人たちは、あえて就活せずにそのままインターン先のスタートアップに行ったり、スモールスタートアップに入る、もしくは自ら起業するという方も出てきています。


これから不確実性の増す時代では個人の力が重要になります。また成功方程式もどんどん崩れていくため、これまでのエリートコースのようなものにしがみ付く人は、明治維新の前に幕府側について一生懸命頑張る人のように見えます。

Goodfindでは手前味噌ではありますが、今後の世界を予想し、自らの道を見つけるために多くのセミナーやイベントをご用意しようと思います。
成功した人がどのようにしてそこに至ったか、などを沢山聞く機会を用意しますので、時間があれば積極的にご参加いただけると嬉しいです。

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(学生向けイベント)
『Shapers 新産業をつくる思考法~社会を変革してきた豪華ゲストが登壇~』
https://special-event.goodfind.jp/
2021/2/18(木) 13:15-17:30@オンライン(ZOOM)]
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(企業向けイベント) *織田登壇

 
『コロナ禍の長期インターン採用と新卒への展開』
~リモートによる地方採用+全国認知と自社へ回遊する「海亀」戦略~
2021/2/17(水)@17:00~18:30(ZOOM開催)

 

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2021年 世界はどうなる?(新春の雑感)

2021年 世界はどうなる?(新春の雑感)
 
毎年この時期に、これから迎える1年について雑感を書いています。主要なテーマに対して、いくつかのポイントでまとめてみました。
 
***”超”長文注意***(約10,000字)*ヒマなときにどうぞ!
*本文は信頼できる情報をもとに書いていますが、ほぼ記憶のみから作成しているので正確性や内容の判断はご自身でお願いいたします。
 
(参考、昨年の記事はこちらへ)

 
 
=目次=
(1)コロナに世界中が翻弄された2020年
(2)2020年の経済状況を俯瞰すると
(3)選挙でもめたアメリカと対峙する中国
(4)今後の世界は?
 
 
(1)コロナに世界中が翻弄された2020年
 
2020年を一言で振り返るなら、コロナとアメリカ大統領選挙に翻弄された一年でした。そのせいで米中戦争や地域紛争などはニュースとしては影が薄く、中東におけるUAEイスラエルの国交正常化のような話は気がつかないか忘れている人も多いのではないでしょうか。
また我々も少し忘れがちですが、東京オリンピックが本来なら開催されるはずでした。それが1年延期となり現在でも20201年に本当に開催できるのか疑問を持つ人も多いはずです。
 
そして今年2021年、コロナが終息し新しい回復期に入るかと思われた1月に東京をはじめ首都圏といくつかの地域で緊急事態宣言が再発令されました。
今後については、短期的にはコロナによる自粛活動がどれくらい続くかにより経済や社会の様子は変わります。現時点での予測としてはコロナウイルスRNA型の非常に変異しやすい性質を持っていることを考えれば、メディアがその不安なニュースをたくさん流すため人々も不安なままで状況は変わらないでしょう。
 
このような状況ですので我々は賢く行動することが求められます。ですから、ここではまずこの状況を冷静に科学的根拠を確認しながら考察する必要があります。
 
まずウイルスの蔓延をインフルエンザを例に考えてみるなら、我々はコロナを早急に撲滅することは難しく、今後もおそらく共存する状況が続きます。人類の歴史には天然痘のように種痘の接種で事実上危険から解放された事例はありますが、これはたった一つのよい例で、その他の全てのウイルスは現在も人類と共存しています。カゼやインフルエンザは毎年冬になると多くの人がかかります。特にインフルエンザは日本では毎年多くの人が予防接種をうっており、厚生労働省のHPによれば平成29年度で対象者の48.2%が受けていますが、この年度で約1458万人が罹っています。(数字は厚生労働省の資料より)
 
定期の予防接種実施者数(厚生労働省
インフルエンザ患者数など
 
この国では約1.2億強の人口の約1割にあたる1458万人がインフルエンザにかかっているのがファクト(事実)です。
一方でコロナの累計感染者数は264,733 人(1/9、13時時点)ですのでインフルエンザと比べるとけた違いに数字は小さくなっています。コロナがインフルエンザと同等の感染力があるとすると、現時点の累計約26万人はインフルエンザの1458万人と比べるとけた違いに小さな数字ですので、これは自粛により効果があったことが類推されます。それはこれだけ我々が外にも出ず人とも会わなければ当然と言えば当然です。実際2021年のインフルエンザの患者数も前年度期比で激減しています。これは外出制限、消毒、手洗いやうがいの徹底しているからで当たり前と言えば当たり前です。
このように2020年はコロナに始まりコロナで終わった状況でした。経済面での影響などについては次の章でお話したいと思います。
 
 
 
 
 
(2)2020年の経済状況を俯瞰すると
 
IMF国際通貨基金)の2020年のGDP予測は10月時点での速報値で-4.4%となっており、これはコロナの影響をもろに受けていて、特に航空産業、旅行、飲食などに大きな落ち込みが見られます。
 


 
人の動きがこれだけ制限されると消費行動にも影響が出るのはある意味当たり前のことで、我々も在宅勤務では交通機関を使うことも少なくなりますし、外で買い物をしたり食事をとったりする機会は激減します。
 
最近のあるニュースの記事で今年売れていないものに女性の口紅があると書いてありました。これは男性視点では全く気が付かなかったのですが、確かにマスクをしている時には不要になりますし、外で人と会う機会が減れば消費が激減するのは納得です。
 
産業ごとの経済インパクトのレポートはシンクタンクコンサルティング会社が分析しているものが沢山出ているので業界ごとの詳細な数字はそれらを参照してみると勉強になります。
 
(参考、三菱UFJリサーチ社の特設ページ)


 
現在ワクチンの生産を各メーカーは急ピッチで整えており、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ社などが世界に供給を始めました。最も予防接種が進むアメリカでは1月9日時点で既に300万人が接種済みで、他では中国やイスラエルが数百万単位で接種を既に完了しています。
全体で見るとまだまだですがイスラエルのような人口800万の国で国民の多くが予防接種を完了した後に、実際にその効果がどれくらいあるのか各国は注目しています。
 
 
世界的な需要不足は資源相場にも大きな影響を与えています。2020年3月あたりの原油価格は1バレル15ドル程度まで落ち込み、先物市場ではなんと大きなマイナスの価格も一時期ついていたくらいです。先物市場は原資産の需要予測からつく値段なので実際に原油がマイナスで買えるわけではありませんが、需要と共有のギャップがこれだけ大きくなったという点で一つの象徴的なトピックとなりました。
 
この状況では資源輸出に経済が依存する中東やアフリカの国々とロシアなどには大きなマイナスインパクトとなります。これら資源の輸出国は、世界の景気の良い時には資源価格高騰により黙っていても恩恵が大きくなります。反対に今回のコロナで世界の消費が落ち込み資源価格が下落する場合には打つ手もなく、良い時にコストカットや効率性を改善しなかった場合には、生産すればするほど赤字が増えますが、外貨を稼ぐために生産し続けるため、それが一層の価格下落を招いていくという負のスパイラルにはまりがちです。
 
この経済の負の面は、皮肉にも中東にこれまでには実現しなかった和平を一部にもたらしました。UAEイスラエルの国交正常化など、お互いのエゴや利害の不一致などからこれまでなかなかまとまらなかったものが、コロナによって連携が必要となり前に進んだという出来事もありました。(もちろん、これだけが理由ではありません)
 
世界全体で見れば自営業やローカルな産業など相対的に小規模で弱いセクターが打撃を受けています。日本やアメリカでは現金が全国民に配られ、ビジネスサイドにも十分とはいけませんが助成金補助金があります。しかし途上国にはそのようなことをする余力はなく、仮に施行した場合通貨の信用が落ちてたちまち病的なインフレになる懸念が出てきます。
かくしてコロナは弱い者にはより厳しい試練を与え、これがIT企業などより強くなるところとのコントラストを大きくしている地獄絵巻のような様相があります。
 
株や債券などの市況は元気でした。リーマンショックでの対処療法に覚えのある中央銀行が市場の不安を消すことには慣れていたので、行動も迅速でパニックは3月の最小限のもので済みました。
しかし本来ジャンクボンドのような低格付債権が政府や中央銀行に買い支えられるとか、GAFAが数年前の倍以上の株価になっているとか、相場自体は完全にバブル状態になっています。もしもネーミングをするなら「コロナバブル?」とでもいいましょうか。

企業の側も自社株買いをして株価を支えたり、デリバティブで運用したりとまるで1980年代に日本で起こった「財テクブーム」のようで、これは企業が本業そっちのけでマネーゲームで儲けることを表現した日本におけるバブル崩壊以前の様子を表した言葉です。
結局、1980年代の日本のバブルはその後崩壊して日本経済自体は長く暗いトンネルに入りました。今回はそのようにならないことを望みますが、金融経済と実体経済の大きな乖離はそれも許してもらえそうにはありません。
 
国政は相場の安定のみならず潰れそうな企業を援助するために様々な支援をしています。ANAJALなどはこのようのな状況下で、もはや企業努力という範囲を超えていますので、国からの支援はある意味当然ですが、それに乗じて本来はリストラしなければならない団体にも一部資金が流れていることが想像されます。このようなスキームでは、本来は淘汰されるゾンビ企業が政治側と癒着しながら残るのはどこの国でも見られることですが、その原資が限られた税金から使われていることを我々はもっと知っておくべきで、それには監視の目があることが健全です。
 
上記の施策から一旦は静観されている国際経済ですが、仮にコロナが終わった後に、これまで忘れかけていた別の問題がまた噴出することは間違いありません。
 

(3)選挙でもめたアメリカと対峙する中国
 
2020年の最も世界に影響があったイベントの一つが11/3に行われたアメリカ大統領選挙です。結果は民主党のバイデン氏が僅差で勝利しましたが、その結果を巡り現在でもトランプ陣営ならびに支持者たちは納得できないようで、先日も議事堂内に不法侵入して犠牲者が出ました。
 
今さらですが分断されて混乱しているアメリカ社会の姿が全世界に報道され、これは今後のアメリカのリーダーシップにも影響を与えるでしょう。
コロナの対策についても国内でいつくかの考えを持つ人々の間で争いがありました。これには選挙の思惑なども絡みマスクの有用性、個人の権利、そこに人種や宗派の違いなど、何が何だか分からないような、とにかくいろいろな矛盾が混在し、時には意味も分からずに対峙していたように見えました。
 
アメリカはもともと思想的に個人主義で、国は最小限のみ干渉するという立場です。ヨーロッパの階級社会から自由と平等の理想を求めてこの大陸に来たピルグリムファザーズらの思想が国全体として残っており、みんなに平等にチャンスを与え、成功したものを称賛するということが基本スタンスです。それがベンチャーなどの世界では機能しており、どんどん挑戦する、そして失敗してもまた挑戦するみたいなスピリットはアメリカの特徴と言えるかもしれません。
 
しかし最近ではこの実力主義の結果、社会的な地位や収入に大きな差が出るようになってきました。一部の成功者が大きな成功を収める一方で、圧倒的多数のそうでない人々があまり良くない生活を強いられるようになり、これが社会の分断となっています。
特にグローバル時代になると海外への市場のアクセスや、海外の人材の獲得、外国製品との価格や品質の過当競争など厳しい環境に置かれることが多くなり、一般的なアメリカ人は普通の生活を送ることも難しくなってきました。
 
それと現在のアメリカはものすごい学歴社会です。よい学校に行くためにはその前によい教育を受けないといけないのですが、経済格差によりこれの実現が難しくなっています。
資本主義が進みすぎたアメリカでは公立よりも私立の学校のほうが教育の質が高いとされています。一部の豊かな都市では公立教育でも水準は保てていますが、一般にはその差は大きく、地方に行くと公立高校のドロップアウト(中退)が社会問題となっています。このドロップアウトした人はその後もよい仕事につくことができず、アメリカンドリームは本当にただのドリームになりがちです。
 
トランプ前大統領の支持者は上記のような地方都市の中間層または下位層でした。彼の共和党は伝統的にこれらの工場などで働く白人層が多く、トランプ氏の少し極端なものの言い方は彼らに直接ささるように言葉や態度を選んで訴求していました。
 
一方で対立する民主党は私立の高校、有名大学を出た人に支持者をたくさん持っています。民主党は銀行やIT企業などの成功者たちから潤沢な資金でサポートされ、ビジネス重視の自由主義的グローバル経済をすすめる政策を強いられる立場にあります。
我々が利用しているインターネットサービスの多くの経営者がこの民主党を支持しており、ツィッター社がトランプ氏のコメントを削除したりアカウント自体を凍結したりすることも、このような政治的背景があると考えると少し合点がいきます。
多くのIT企業は、グローバリゼーションにより自社サービスが全世界に広がることで収益機会を広げる経済政策を望みます。つまりなるべく規制を緩和して他国にどんどんビジネスを展開し、そのシェアを背景にM&Aなども繰り返し巨大化して独占するシナリオです。これらを代表する企業群がGAFAGoogleAppleFacebookAmazon)で、最近は国家を超えた経済力や影響力を持つため独占禁止法などで糾弾され始めています。
 
巨大化する市場という点で無視できないのが中国という大国です。人口が14億人を超え、一人当たりのGDPが100万円を超えた水準を持つ同国の購買力はどの国にとっても貿易相手として魅力的です。特に日本をはじめとする先進国は少子高齢化による人口減少で需要の伸びが見込めない中、14憶人の消費力を持ちながら生活水準が先進国水準に満たない中国とどうやって貿易するかは本当に大きな経済問題です。
 
これらの背景があり欧米側は、防衛面では対立する中国と足並みそろって包囲網をつくりにくい状況でしたが、そこにストレートな対策を取ったのが共和党のトランプ前大統領でした。
 このような背景で始まった米中の貿易戦争ですが、2020年はコロナの話題のほうが大きく、双方とも国内対策や世論を気にするあまり、それほど大きな変化もなく話題もコロナに持っていかれた肩透かしの状態でした。この背景にはアメリカの大統領選挙があり外交上あまり時間をさけなかったという要素ももちろん含まれます。
 
 
一方の中国も2020年の一年間で世界における評価や立場が大きく変わりました。そもそもコロナが最初に見つかり拡散したところは中国の大都市のひとつである武漢というところでした。(と少なくとも言われています)
一応我々が耳にする情報では2019年の年末あたりから少しずつ感染が拡大し翌年1月に中国政府もその実態を分かりながら対応が遅れて中国全土に拡散した、などと言われていますが真実であるかどうかは分かりません。これらの情報は主に欧米や日本で聞かれる情報ですがもしかすると特定の一部のメディアが共産党政権のディブランディングのために作った情報かもしれません。

中国のトップがコロナの情報を知っていたかどうか、もしくはそれを隠蔽しようとしたかは分かりませんんが、少なくとも春節で大都市から田舎のほうに移動するこの時期にコロナがあったことは拡散を大きくすることにつながったのは間違いないと想像します。
 
これは中国国内のみならず中国人が多数訪れるイタリアでも年初から多くの感染者が見つかり、そういう意味では感染ルートはこの土地から増えていったことは事実を見ると間違いないように思えます。
 
中国国内では、トップダウンによるITを使ったコロナ封じ込み策は徹底していました。元々個人情報を犠牲にした情報一極集中システムでは人々の行動を把握することが容易であり、そういう意味ではITが普及したこの国の巨大な人口を、このシステムを使って管理しました。
学校のオンライン授業へのシフトもスムーズでした。日本などでは公立の学校でいろいろ問題があると言ってなかなか進まなかった教育のオンライン化を、一瞬にして中国全土で展開したことは他の国も学ぶべきところが多いのではないかと思います。
もっともこれにはきちんとした準備があり、国家的にITに対する投資がされており、そのインフラがあることは偶然ではありません。
感染者やクラスタの発見と追跡もITインフラをフル活用しており、どこかで感染者がでたらその人の行動履歴を過去データから追跡して、すぐに濃厚接触者を特定し中央から検査の指示をだしたり隔離を強制したりすることを行っています。
 
そういう点では日本のように個人情報にこだわるあまり、追跡アプリのインストールも自主性に任せる国とは徹底という意味ではけた違いです。もう一つ付け加えたいことは国民のルールを守る態度も欧米とは異なっていました。アメリカや一部のヨーロッパの国々では個人の自由が重んじられますが、そのためにマスクの強要などに限度があります。法律で罰金規則などを定められる国でも反対する活動があったり、ルールが形骸化して人が見ているところだけでマスクをしているふりをする人たちもおり、アメリカに至っては「マスクをする自由」を主張して集団のことより個人を優先する態度をとる人も少なからずいましたが中国では強制力が強いこともあり施策はほぼ徹底して実践されました。
(もちろん監視システムと、個人の点数による管理制度があることが法律以上の効力を持っています)
 
この結果、中国のコロナからの回復は台湾などの小さな国を除けば最も早く、工場や商業施設の復活も迅速でGDPベースで見た回復基調が最初に明らかになった国の一つです。
 
そのような状況で国内の復活は早かったのですが、一方でコロナの情報の開示が遅れて世界中をパンデミックに陥れたなどの批判を受け、中国の立場もこのコロナ前後でずいぶん変わってきました。
それと経済面では中国はものすごく輸出入とも貿易量が大きいため、自国の経済活動の復活だけではこの大きな経済を十分に回せません。トランプ前大統領の米中貿易の制限もだんだんきいてきており部品の輸入も思うようにできず、また外国の経済がコロナで痛んでおり中国からの輸入も伸びないようでは正直きつい状況が続いています。中国共産党はそれに対して欧米と同じく景気刺激の財政支出を行っていますが、これも半分死にかけているゾンビとなっている国営企業に流れるだけでは根本的な解決にはなりません。
今後の中国の経済を考えるのであれば、1980年代あたりに日本が行ったような貿易依存の経済から国内の需要を底上げすべく刺激して、内需拡大による経済成長を目指すことが考えられます。一方で、国内の機能しない国営企業をリストラし、新しい成長分野に投資し企業や産業の新陳代謝をすべきですが、これをやることが一党独裁縁故主義の要素が強く残る政権でどれだけできるかが見どころになるでしょう。
 
 
 
 
(4)今後の世界は?
 
コロナとの戦いですがこれを根絶することはかなり難しいと考えられ、我々は今後もずっとコロナと共存していくことになると思います(「withコロナ」)。ウイルスに対する集団免疫を得るには一定数の人達が一度感染するかワクチンを接種する必要があります。効果的なワクチンができれば感染や重篤化防ぐことができますがワクチンには有効期間があり現時点では一回の接種でどれくらい効果があるかは不明です。インフルエンザのワクチンともし同期間の効果があるであれば、我々は今後インフルエンザと同じように毎年予防接種を受けるということになります。
 
またコロナウイルスがインフルエンザと同じくRNAという遺伝子を持つタイプで非常に変異しやすく、どんどん違う種類が生まれるという性質を持っています。
昨年末からイギリスで新種の変異が見つかったというニュースが流れ、それによりフランスやドイツなどがイギリスからの渡航制限をかけましたが、実は変異は2020年の4月の段階でいくつも見つかっており元々武漢で存在したもの以外のタイプが現在は主流となっています。
 
(ロイター社の記事より)*現在はやっているコロナウイルスのタイプが4月とは異なることが分かる

 

そうなるとワクチンができたとしても変異したタイプに効くかどうかの保証はありません。これがもしかするとワーストシナリオで一旦集団免疫なりワクチン接種の普及で人々が対応したとしても次から次へと変異したものがでてきて永遠にロックダウンとウイルス対策に奔走するということが可能性としては存在します。このあたりは2020年の4月の段階で台湾を中心に議論されています。


少なくとも現在2021年1月の段階では、日本でも東京をはじめ緊急事態宣言が再度出され飲食店や娯楽施設などに公的に制限がかかりました。少し回復の兆しが出ている中の再度の行動制限は、外食産業などにとってはようやく光明が見え始めたところでの後退なだけに、非常に厳しいものであると思います。

 
2021年はこのような状況ですので一番大きな要因は間違いなくコロナがどうなっていくかが焦点になると思います。そういう意味では国々が米中戦争などに奔走するようなことは相対的には少なくなり、アメリカも大統領選挙が終わりこれからコロナによる経済停滞とどのように浮上させていくかというところに本格的に取り組んでいくでしょう。
 
 
総合的に考えて今年は以下のようなことが起こり得ると考えます。
 
・人々はコロナのニュースに飽き始め良くも悪くも鈍感になり、また鈍感になればなるほど経済回復は早くなる
・行動制限のあるリモート中心の生活が最低あと数年続き社会がそれに適応していく
・経済指標は2021年は前年(2020年)の落ち込みが大きいため数字の上では回復する。ただしそれは前年比較の話で、2019年の状態と比べれば仕事や店を失った人が多く決してコロナ前の状態には戻らない
・産業構造と人の働き方が大きく変わる。地方の小売や飲食などは激減しECやネットサービスがそれらを補填する役割をになう
・経済全体としては人々の不安心理からくる需要不足で景気が停滞し、政府は経済刺激の財政支出をするものの消費マインドは冷えたままで世界的に不景気またはデフレの傾向が強くなる
・経済状況の悪化により各国リーダーはナショナリズムや対外強硬策をとりがちになる
・一部の人々はメディアの情報をあまり信じなり、フェイクニュースにも対応を覚え情報リテラシーが高くなるが、相変わらず大衆情報に流される層は残る
・地域経済が落ち込み中央が助ける構造が強くなり国や自治体の財政状況が急激に悪化する
・昨年ジャブジャブに発行した過剰流動マネーが株価や債券を押し上げたものの、冷静になり始めてかえって実体経済との乖離の大きさに気づき暴落の危険性が増大する
アメリカは分断された社会がより深く対立し政権のかじ取りも難しくなる
・中国は一旦孤立状態になるものの今後の世界経済の復興目的で再び立場を強くする
・貧しい国では経済刺激策などを打つ余裕もないため、デモや体制破壊の危険が増す
・行動制限による教育現場に影響が出始め、オンラインやリモート教育が行き届かないところで教育機会や格差の問題が出始める
・場所に依存しない働き方が出現しスキルや経験のある人々には良い選択肢がある一方、多くの人は新しいシステムへの適応に苦労して社会が不安定になる
・在宅生活の長期化で世界中で健康が問題になり、特にメンタル面での不安を抱える人が多くなる
・デジタル社会が加速して実現し始め前倒して未来の世界が実現し始める
・途上国から先進国への頭脳と労働力の流出がいったん止まる。労働力の移動はないまま先進国の一部で労働力が不足するが景気低迷により大きな問題とはならない。一方頭脳や才能はバーチャルの世界を通じて大きく移動し、一部の国や企業による才能の寡占化が強くなる
・コロナ対応の長期化に伴い地政学的なパワーバランスも穏やかな状態に変化し、国内で大きなトラブルがない限り多くの国は対外的な紛争を避けようとする
・社会のルールや人の行動や考え方がコロナを通じて一部大きく変わる。それは働き方、経済の仕組みばかりではなく人生観、価値観や宗教観など人生の意味そのものも再考するようになる
 
 
以上長くなりましたが2021年新春の1年に向けた雑感でした。
 
最後までお読みいただいた方へ
長文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました!
本年もよろしくお願いいたします。


。。。(2021/1/13)
 
 
 
 
 
 
 

20年後の生活(勝手な妄想)

20年後の生活を勝手に妄想してみました。


●多くの人が在宅勤務になる。
 
IT企業はもちろん頭脳労働者の多くが自宅で勤務してネットで行われる。ただし全部がリモートになるわけでなくオフィスに行くことも毎日ではないが残り、そこで人と会って話すことはゼロにはならない。他の産業では旅行、飲食、小売など現在コロナで打撃を受けている分野ではリモートでできる分野は限られるが、飲食や小売りは宅配やECなどオンラインに適応したサービスにシフト部分もある。
 
在宅勤務が多くなることによりクロスボーダーの仕事が増え、特別なスキルや経験のある人の事業機会が増える。その結果、世界規模で才能の争奪戦が始まり場所に関係なく能力のある人が良いポジションを得られるようになる。(例えばITエンジニア)また人件費の安い途上国へのアウトソーシング業務も増え、貧しい国の人に仕事がたくさん入ってくるようになるものの、その分野は限られている。
 
物理的な場所が関係なくなるのでリゾート地などに住みながら働く人たちが多くはないが出てくる。現在「ワーケーション」という言葉があるがまさにそれを体現する人が世界に散在するようになる。
 
 
●会社への所属形態が多様化する
 
業務委託やプロフェッショナル契約みたいな正社員とは異なる形態が多くなる。会社に所属せずにプロジェクトごとに働く機会が多くなるためクラウドソーシングのマーケットが拡大する。
 
個人は自分でスキルや経験を磨く努力をする必要に迫られる。その結果オンラインスクールのニーズやオンラインでのMBAなどの高等教育がさかんになる。
個人のスキルを証明するための資格も多くなり、そこだけで大きな産業となり得る。
 
 
●健康上の新しい課題が現れてくる
 
在宅ワークやPCを使った仕事が増えることで新しい健康上の問題が明らかになってくる。目の疲れ、肩こり、運動不足、うつや体調不良などを訴えることが多くなり、これが新たなビジネスチャンスにもなりうる。(例、ブルーレイ眼鏡を使う人が増える)
 
物質的には今後より充実していくが、一方で精神面の安定や癒しを求める人が多くなる。ペットビジネスや瞑想、アロマ、宗教、などが次々に現れてはなくなる世の中になる。
 
 
●教育の一定量がオンラインに移行する
 
高等教育になるとオンラインのほうが効率的な場面が多くなる。教室というキャパがなくなることで良い先生が全世界に教えることが可能となる。そうなると大学の先生が今よりも少ない人数ですむようになる。特に大学1,2年生の教養課程の大講義室で行うような講義は大学別にコースを持つ必要はなくなる。
 
高校もどんどんオンライン化し現在の東進スクールのように有名な先生に日本全国から生徒が集まるようなことがあり得る。
 
AIの先生がでてきて家庭教師などのように教えることができるようになる。生徒の理解や進捗によりAI先生は適応し、できる子供はどんどん先に進むこともできる。
ただし対人のニーズも残り人間による個別指導がオンラインで行われるようになる。
大枠で見ればマス教育のオンラインによる大規模化と、AIや人間による個別指導がうまく共存するようになる。
 
 
●自動翻訳が完成する
 
世界中で主要な言語同士ではソフトウエアが同時通訳をしてくれるようになる。ただしその精度は習熟した人間のレベルにはおよばないのでトップクラスの通訳の人は仕事がなくならない。
 
公の場で多く使われる言語は英語と中国語だけになる。言語学習も全ての人が行う必要はなくなり旅行などでも困ることがなくなる。しかしビジネスや研究の最前線では英語が使われ、それができない人は取り残される。中国語は主にビジネスの場で使われるようになる。理由は中国の経済規模が世界一になるからである。
 
 
●新しい時代にあった才能が必要になってくる
 
働き方の変化によりこれまでとは少し異なったスキルや才能も必要になってくる。例えばリモートで一緒に働くときにはより人とうまくやっていく「ヒューマンスキル」が必要になり、また仕事や相手を探すためにはSNSなどを使いこなすリテラシーや自身のブランドやネットワーク力が大切になる。
 
あふれる情報を選別し正しく扱うリテラシーも必要となる。情報を覚えるよりも検索する能力や取ってきた情報を処理する能力が重要性を持つようになる。
 
新しいものを考える「創造力(Creativity)」も重宝される。情報社会では存在している情報の扱いが上手な人は多くなるが、その反面あたらしい情報を作り出す人、新しい事業を作り出す人は希少価値となる。そのためのデザイン思考などの分野のニーズが高くなり、高等教育でそれを教える機関が多くなる。
 
 
●世界中が高齢化社会になる
 
日本のように高齢者の割合が多い社会になる。特に先進国はもう間近に確実にくる。14億人いる中国でも日本と同じような少子高齢化が訪れ、少ない人数の若い世代が数の多いシニア世代をサポートしなければならなくなる。また年金や医療費の国の負担が大きくなり体力のない国はソブリンリスクが限りなく大きくなり困窮する。
国としての制度の見直しは必須であり、個人としても減額される年金でどのように充実したシニアライフを送るかという課題が大きくなる。
 
シニアの寿命は多くの国でやがて日本並みの水準となる。健康寿命も延びるため元気なシニアは働く機会を持つことが可能となるが全体的にみるとそのような人の割合は決して高くない。
 
健康寿命は若い時の生活習慣によって決まるので、日頃から食生活や生活習慣を気にする人と、そうでない人の差が加齢に伴って目立つようになる。自戒を込めてここに書くと、20-60歳までの間にちゃんとした生活を送っていない場合には、高齢者になった時に社会のお世話になることが多くなり若者、特に自分の子供達の負担を大きくする。
 
人口が増えるシニア向けのプロダクトやサービスが拡大する。具体的にはシニア向けスマホのような特化したIT機器や補聴器、介護ロボット、認知症の医薬品、シニア向けの保険など。
 
 
 
時々こんな未来の生活を想像してみて、ビジネスチャンスを見つけるのもありかと思いました。