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ポストコロナの一期一会

今日は七夕のカップルの出会いの日というわけではないですが、コロナ以降もしばらく続くと思われるリモートライフでの一期一会についてお話します。
 
もうかれこれ1年以上の自粛生活を余儀なくされていますが、不便であるといいつつも、これに慣れてしまって元に戻るのも嫌だ、という方も少なからずいるのではないでしょうか。
 
私も実はその一人で、人と会わないことには寂しさを感じつつも、朝夕の通勤とかクライアントのオフィス訪問など、できれば物理的移動に時間と労力をあまり使いたくないと正直思います。
 
おそらく今後10年か20年たつと、「そういえば昔、毎朝満員電車に乗って会社行っていたな。。。」とう時代も来そうです。
 
そういう状況で少し楽をしている人も多いのですが、ここで気を付けないといけないことの一つは、何もしないとネットワークがどんどん狭くなっていく、もしくは全然拡がらないとう問題です。
 
例えばオフラインのイベントに行けば、せっかく来たのですし知らない人とも多少は挨拶したり名刺交換したりするでしょう。(少なくとも自分はします)。
しかし現在のオンラインのセミナーやイベントで、いったいどれだけの人がスピーカー以外と知り合うことがあるでしょうか?
なんとなく画面上参加者として気になる人がいたとしても、まずその人に声をかけるということはしません。講演終了後に懇親会を開いたとしても、知らない人の間で会話することは、かなりまれなのではないでしょうか?
 
つまり”出会い”が少なくなるわけです。
 
これはあえて積極的に何かをしないとネットワーキングとしては、きわめてまずい状況です。
人と知り合って、その人と話をするということはビジネスのみならず、視野を広げたり、新しい知識を得るためにも非常に大切です。
時に自分とは全く関係ない人や、仕事上まったく関係のない人と出会うことで、違う世界を見つけたり、日常とは違う行動に結びついたり、一見無駄と思われるところに未来の新しい可能性がたくさんあります。
 
では具体的にどうするかといえば、SNSを積極的に活用したり、自分が主催者になってwebinarや勉強会を開いたり、clubhouseで定期的に会を作ったり、様々な活動をあえてやってみる積極性が必要です。
 
実際のところこれがかなりハードルが高いことと思います。これは人によりますと思いますが、少なくともこれまで主催者になったことがない人や、人の前で話すことのあまりない人には大変なことと思います。
しかし、大変だからこそやった人はそれだけのものを得られますし、やらないこととやることの差はどんどん大きくなっていきます。
 
ネットで失敗したらどうしようと悩むこともあるかもしれません。しかし最初はたぶんその心配よりも誰も来ないことや、何もしないで機会損失をすることのデメリットのほうがはるかに大きいのです。
 
まずは第一歩目を踏み出して、ダメもとでやってみてはいかがでしょうか?
はじめは実名のtwitterfacebook、linkedinあたりを作り、ネットでつながった人とはどんどん積極的にメッセージを交換するというところから始めていけばよいと思います。
 
。。。(2021/7/7)

複雑化する世界と政治・経済についてーグローバリゼーションの今後は?米中は今後どうなる?資本主義のシステムは機能する?ー

『複雑化する世界と政治・経済についてーグローバリゼーションの今後は?米中は今後どうなる?資本主義のシステムは機能する?ー』


グローバル化が進み世界のいたるところで貿易や製造が盛んになり、物質的にはどんどん豊かになる一方で、政治的もしくは社会的な問題点も次々に明らかになっている。
グローバル社会での国政のかじ取りの難しさはどんどん深まるばかりで、多くの国が複雑に絡みあう中、政治家は最適な意思決定をいかにすべきか方法を模索している。
物が豊かな先進国においては、政権獲得のためには経済対策が重要になる。おもしろいことに先進国で豊になればなるほど物の豊かさに対する国民の要望が強くなり、経済政策の成否で選挙が決まる傾向が強い。
このような状況では国防などの利害などを忘れがちになり、いつの間にか経済を優先している間に国際社会の中での自分の位置づけが悪い方向に進んでいることもありうる。
例えば米中貿易戦争なども典型的な例だ。米中は国防上は非常に微妙な関係があるが、経済面で見れば双方とも完全にパートナーの関係である。例えばアメリカ人が毎日のように使うアップル製品は多くが中国で作られるし、反対にアメリカで作られる映画も最も多くの人に見られるのは中国であり、14億人というアメリカの3倍以上の人数を持つ市場規模は、もはやアメリカの経済にとっては不可欠なものになっている。
(添付図1)

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それに中国はアメリカの借金である米国債を日本に次ぐ第二位の保有国である。アメリカの金融バブルの結果の2008年リーマンショックで資金提供したのは貿易黒字を積み上げた中国と、中東のオイルマネーであったことは記憶に新しい。
(添付図2)

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したがってニュースで多く流れるように国防的には微妙な二国関係であるが、それをデカップリング(分離)することは双方にとってもはや不可能なレベルに来ている。
一方別の視点で世界を見て、先進国と途上国の関係でとらえると、先進国である欧米で資金を調達して、コストが安く経済発展中の途上国にインフラや工場を投資し生産して、その製品や稼ぎを還流させる動きが相変わらず盛んである。
現在の経済システムは資本主義が進んだおかげで、資金調達が多様化し比較的どこからでもお金が手に入るようになった。また技術の進歩により製品の製造効率も上がり世界で最も安く良いものができる場所を探して物を作っている。
先進国は日本を含め資金的には豊かなものの少子高齢化と成熟経済のせいで上昇余地が少なく需要不足を海外の途上国の潜在購買力に期待している。
一方途上国では資金不足でインフラ整備も必要な中、旺盛な潜在需要をバックに先進国から技術と資金の提供を受け、代わりに廉価な労働力と市場開放を行う。
この構造をもとにそれぞれの先進国と途上国が国防上の利害などを絡めて交渉を進めているのが現状である。
この政治と経済の枠組みをより複雑にするのが、宗教や民族、そして過去の侵略の歴史である。ある意味経済的な合理性は金銭的なモチベーションで測りやすくシンプルであるため、それだけを考えれば最適解は見出しやすい。(とは言っても格差の問題などは複雑な部分ももちろんある)
一方、領土や民族、宗教の問題はより複雑である。特に領土の問題は非常にセンシティブであり、過去に殺しあった事件は人々の記憶から消し去るのは容易ではないし、それが世界大戦などを引き起こした歴史を見れば慎重に取り組むべき問題であることは明らかだろう。
ここからは楽観的で創造の域は越えない理想論であるが、もし仮に経済的に社会が”全般的に”が豊かになれば地域紛争や宗教の争いなども減ると考えている。より具体的には域内経済格差が一定以下であり、かつ最も貧しい人でも一定の生活を保障されている状態が望ましい。
このような状況下では、人々はわざわざ武器を持って暴れる必要などは基本的にはないからである。
地域紛争などもよく状況を観察してみれば、背景に経済的な理由があることがわかる。例えば原油が出る中東では欧州の国が定めて国境が紛争の原因となっているが、それが小さな紛争で終わらないのは産業の米である原油が世界経済に与える影響が多いため、政治などを使って取り合いをしているという構図がある。
天然資源の取り合いはアフリカでも多発し、先進国の一部の企業なり団体が資金提供して利権を取るために現地の一部のリーダーと手を取り独占して自分たちの利権を確保する一方、現地の他の人々にその恩恵を還元しないために格差が拡大し暴動などを誘発している。このようなケースでは先進国の傀儡政権が豊富な資金やネットワークで国を牛耳り、愚民政策をほどこし反抗する知識(教育)と豊かさを提供しないことが頻繁にみられる。さらに悪いことには、この地域の紛争に大国が裏で武器や資金の提供をしてより紛争の長期化、複雑化をさせている事情もある。
政治面はさておき、富の配分という純粋経済学的に考えるのであれば、地域のどの範囲で問題を解決するかということは結局はどの範囲までの人をどの程度豊かにするかという点で問題の枠組みが決まってくる。
それが国内の一部の利害関係者だけのためになればなるほど、格差は大きくなり社会問題として大きくなり、問題解決から遠のいていくことは現在見ている通りだ。
範囲が広く複数の国が絡むようになれば、利害はより複雑化し解決策もコンセンサス形成に時間と手間が要する。範囲が広くなれば最大公約数が小さくなるのは数学でなくとも自明な事実である。
上記の話を統合的に考えてみるとグローバリゼーションの問題の本質の一つは経済的な富の配分とその中でのルールなり仕組みを考える組織の問題であると解釈できる。
世界全体の枠組み、もしくは多国籍の地域の中での協力は難しい部分であるが、個の利害だけを考えるのではなく、時には少し我慢して隣に協力することで自分が豊かになるというシンプルな原則で物事をとらえてみれば原理的には解決の方法に向かうのではないかと結論づけることができる。

社会人1年目の方にしたお話(雑談程度)

本日4/29の祝日ではありましたが、Goodfind卒業された新社会人の方にセミナーでお話したのでまとめました。



織田が1993年に就職してから28年ほどたち、同世代の人達がどのような人生でどうご活躍されたかを身近なサンプルから考察しました。
成功した人(道は様々)は社会人1年目にどのような人たちだったでしょうか?

サンプルは実サンプル(N=400くらい)ではありますが、織田一個人の周囲の人々なので偏りがあり、世の中の一般論ではないことをお含みおきください。

なおこのサンプルは富山中部高校からアクセンチュア、ネットベンチャー電通Gなどで接した人々が対象です。特にこの中の一つの集団である1990年代のコンサル会社は変人の塊でした。私もご多分に漏れずその一人ですが(笑)、この変人集団は様々な成功者がでています。


<Common Factors of Those Succeeded Persons are,,,>

1. 個性的 ( Unique )
2. 開放的 ( Open Minded )
3. 自立 ( Independent )
4. 楽観的 ( Optimistic )
5. 動機 ( Motivated )
6. 健康 ( Healthy )


おもしろいことに、この観察には日系大手で保守的である日本のメガバンクもサンプルで考慮されています。これは大手銀行の60代の先輩からうかがった話なのですが、保守的なメガバンクでも年配になって出世した人には若いときに元気すぎる人が多かったと。彼が言うには若いときに何か他と違ったことをしているちょっと変わった人が結局出世したと。


個性はいつの時代でも武器です。日本や東南アジアの教育は儒教の思想があり礼儀正しい一方で、集団のスタンダードに合わせようとしすぎるあまり個性がなくなる弱点も持っています。
しかし本来これらは対立することではなく、集団としての規律を守りつつも、自分のアイデンティティは忘れずに守ることも大切だと思います。

 

さて社会人1年目ですが、ここは「基礎固め」が大切だと思います。


<基礎固めとは?>


ビジネスのイロハを覚える
約束を守る
コミュニケーションをしっかりする
失敗はする!対処が大切
言い訳をしない
「気が利く」はどこでも使える武器!
遠慮はしない
目立つこと、違うことを恐れない(日系大手でも)
社長になったつもりで仕事する


最初は少し習慣になるまでエネルギーを要するかもしれませんが、慣れると毎日の当たり前になります。


ここでいくつか質問にもあったテーマをピックアップすると、自立することと人に頼ることのバランスが難しいという意見がありました。
確かにその通りで自分でどこまでやり、どこから人に頼るのかは難しい所ですが、1年目で本日ここの来ている人の性質を考慮するなら、人に聞いたほうがよいです。
というのも自分でやっても知識や経験が足りない時はアウトプットは出ません。人に教えてもらわないとできないという状況が多いと思います。それを自分でやろうとして試行錯誤するよりは、分からないポイントを的確に周囲の人に聞いて教えてもらって先にすすめたほうが良いです。人にものを聞きすぎると迷惑ではないか?と思っている人はだいたい迷惑でないことが多いです(笑)。



それと最後にあげた「社長になったつもりで仕事する」という観点は新卒だろうが管理職だろうが全員がその志があれば周囲で起こるすべてのことが勉強になります。
いろいろな部署の人と仲よくなり、隣ではどんなことをやっているのか?ということは一緒に仕事をするときには大切な情報になります。そういう観点で見るなら研修でいろいろな部署を回る会社はその全貌を知る数少ない(多分唯一?)の機会なので、好奇心をもって研修を受ければ多くの情報を吸収できると思います。


後々に成功する人というのは、例えばこのような視座の高いモチベーションを持っている人です。同じ時間に同じことをやっていても吸収する量は全く異なるようになります。

 

<より具体的には>


仕事の早さ>仕事の完成度
相手の期待値を少しだけ上回る
手を挙げて仕事する!
数をこなす
礼儀や常識で減点されないように
メールのレスは世界一早く
「自分」のポジションを見つける
ニッチでも1番になる
万人に等しく接する

 

より具体的にピックアップしたのが上の項目です。ここで特に強調したいのは「『自分』のポジションを見つける」です。
人にはそれぞれ個性がありタイプがあります。野球で例えるとMLBの大谷選手みたいにピッチャーもやってホームランも打ってみたいなのは、本当に理想ですが全員がそうはなっていないです。そのような中で自分の特徴を把握し、どのポジションでやっていくかを決めることは大切です。
野球の世界は試合に出れる選手数が非常に少なく競争も激しい中、みんなが大谷選手みたいになろうとするのは現実的に難しいです。そのような中ワンポイントの左投げのリリーフ投手などが10年以上在籍するという例が多々あります。
「私はこの分野でやっていく!」、「ここではニッチだけど1番で誰にも負けない」。そういう特徴を見つけ武器にするために一生懸命やる人は強いのです。


 

<個人的なアドバイス


細部に神は宿る
凡事徹底、継続は力なり
「個性」という武器を忘れない
言い訳しない



情報も若干多めになったので、織田から最後に4つだけに絞りました。時にイノベーションとか大変革も必要ですが、決まった目標をこつこつやることは実は簡単で最も難しいことの一つです。小さなことの積み重ねは容易に逆転されない最もシンプルで強力な戦略です。

大きなことを成し遂げるには膨大な努力や時間がかかります。例えば英語の習得には2000時間程度必要とされますが、それは少しずつ毎日のように続ける以外の方法はありません。仕事もそういう要素があります。
(ついでに言うと若いうちに英語の勉強をしましょう!)

 

今回質疑応答でも分かったのですが、「失敗」をおそれて質問する方が多いように思えました。しかし失敗は必ずしますし、それはしょうがないことです。
私は自分の意思決定は3-4割にエラーがあると想定しています。10割にすることは原理上無理だし、あまり精度を上げようとしすぎても時間がかかりすぎます。なので3-4割の失敗を計算に入れて、それが起こった時に速く気づいて修正をする準備をしています。

 

最後に野球選手として監督として解説者としてご活躍された野村克也さんの著書から一言ご紹介しようと思います。



「失敗」と書いて「成長」と読む(野村克也


母子家庭のテスト生から三冠王、そして引退してからも名監督、名解説者とのなった「ノムさん」は著書も多く多くのメッセージを若者に残してくれています。
よかったらGWの間にも読んでみてください。


楽天ブックス
https://books.rakuten.co.jp/rb/16301162/

amazon
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%8A%E9%81%94%E3%81%AE%E6%8A%80%E6%B3%95-%E9%87%8E%E6%9D%91-%E5%85%8B%E4%B9%9F/dp/4534057881/ref=asc_df_4534057881/?tag=jpgo-22&linkCode=df0&hvadid=342357386046&hvpos=&hvnetw=g&hvrand=6454335455099969618&hvpone=&hvptwo=&hvqmt=&hvdev=c&hvdvcmdl=&hvlocint=&hvlocphy=1009461&hvtargid=pla-912213565650&psc=1&th=1&psc=1

 

PS
本題とは関係ありませんが、最初のお給料をもらったと思いますがお世話になった人に何かプレゼントを送ってもらってはいかがでしょうか?
男性ならお酒でもよいし、女性ならランチにお誘いするでもよいと思います。5月には花の日、6月には父の日があるので恥ずかしい時にはそういう機会をいかしてもよいかもしれません。
ぜひ忘れないようにカレンダーに入れておくと良いかなと思います。(Goodfindの卒業生はこういうことを忘れずに実践する人になってほしいです。)

”バグプログラム”~コンピューター?人間?~

今回のテーマは『バグプログラム』についてです。

 

『バグのあるデータをもとに、バグのあるプログラムを走らせると誤った結果を導く!』

 

日頃PCやスマホで作業していると、こういうことってありますよね。

実は今回の話は私たち人間のことです。
以下のように読み替えるとどうでしょうか?

 

「バグのあるデータ」=誤った情報
「バグのあるプログラム」=誤った推論
「誤った結果」=誤った意思決定

 

つまり言い換えると、

「誤った情報をもとに、誤った推論をすると、誤った意思決定をする」

ということになります。

 

日頃我々は多くの情報に出会っていますが、フェイク情報や誤った解釈によるニュース、ウケを狙っただけの記事など、もうわけが分かんなくなっていますね。
情報の発行体にはバイアスが入ります。その人の知識や経験はもちろん、好みや利害など意図的に入ることも多々あります。マスメディアもご多分に漏れずにそれにあてはまり、多くはオーナーである株主にとって有利な情報のみを発信します。(大手メディアの株主見ると怖くなります!)


またそもそもですが「正しい情報」とは何でしょうか?「正しい」という形容詞には「基準」が存在します。その基準をもと「正しい/正しくない」と判断していますが、同じ事象についても「基準」がことなると「正しい/正しくない」は変わります。
これを客観的なものとして考え、物事には客観的に「正しい」ものがある、と解釈することは人間のバグです。さらに誰かが正しいものを知っていると思うこともバグです。

これが人間の持つ「バグのあるプログラム」です。

人間には推論時にバグがはいることは、この例だけでなく実は頻繁にあります。
例えば

 

「大人ならばこれは分かる。しかし彼は子供だから分からない。」

 

この推論は”論理的には”正しくないです。”命題論理”(数学用語)という観点で解釈すると、大人ならば例外なく分かるが、子供については分かるかもしれないし分からないかもしれない、となります。

もう一つ例をあげましょう。

 

「就職先は、”好き/嫌い”と”得意/不得意”のどちらで選べばよいですか?」

 

この聞き方は「AかBか、どちらか?」という聞き方をしています。しかし2つの選択肢があった時に答えは一つであると考えます。(このことを”排中律”と呼びます)

しかし内容的には「就職先は、”好き/嫌い”も”得意/不得意”も両方大切である」と考えることが自然ではないでしょうか。

このように論理的に考えているつもりが、どんどん誤った結論に至っているということは実は頻繁に存在します。

以上に対処するためにはすべきことは以下です。

 

(1)インプットとする情報を精査する
(2)論理について学習する

それぞれ参考になりそうな記事をブログに書いています。お時間のある時にでもご覧いただき参考になれば幸いです。


<Goodfindブログの織田の記事>

 

 

 

 

オンライン講師のヒント

コロナの自粛により、オンラインで講師をはじめて1年になりました。
最初は試行錯誤からのスタートでしたが、一年かけて学んだことを共有したいと思います。
これからオンラインで話をする方のご参考となれば幸いです。
 
最初にオンラインで行った時に、想定と異なっていたことを共有します。
 
・対面のオフラインと異なり相手の顔が見えない不安がある
・相手の反応が分からないのですごく話しにくい(そして、なんか寂しい)
・話す速度や内容の配分ペースが全くつかめない
・参加者の中での真剣に聞いている人と、ながらで聞いている人の差が大きい
・聞き手の集中力を途切れないようにすることがオフライン(対面)よりはるかに難しい
 
 
<オンライン講義のコツ>
 
(1)開始前後10分が大切!(第一印象が大切)
・参加者との距離を縮めるため最初に明るくフレンドリーにする
・カメラに映る範囲での容姿、服装を整える
・ZOOMやteamsの背景画像を工夫し、テーマや参加者、自分の服装に合わせたものを選ぶ
・口調は丁寧さmaxで、後から聞いても恥ずかしくないように
・参加者の情報を事前にチェックし、この人たちの参加の目的や興味について話の中で漏れないようにする(当然メモが必要)
・話す内容について最終チェックし、最低限話すべき内容をメモでまとめておく
・最初に上手にアイスブレイク チャットでこんにちは!など
・チャットを上手に使ってインタラクティブになるようにすると参加意識が高まりやすい
そのために最初に一言ずつ挨拶をしてもらうと2回目の書き込みがしやすくなる
 
(2)環境面での工夫
・別アカウントでログインし参加者の見ている画面を見えるようにしておく(スマホでも十分)
・ツールに慣れる(チャット、画面共有、共同ホスト、ミュート、、、)
・照明は大切なのでリングライトみたいなものを購入して使う *amazonで2000円程度でも問題ない
・マイクを工夫して声が良くなるものを使用する *いろいろ使ったけど普通のSONYスマホのヘッドホンが良かった
 
(3)運営上の工夫
・なるべく自分の顔を見せる(たぶん人の顔があったほうが対面に近い感覚になる)
・できれば話す人とは別に運営者がいるとスムーズ(自分は一人でやってるけど、、)
・適宜質疑応答の時間を設けるとインタラクティブな雰囲気ができる
・質疑応答は挙手にするとハードルが高くなるので、チャットでダイレクトメッセージにすると質問しやすくなる
・参加者にビデオをオンにしてもらうようにお願いできると反応が分かってやりやすい
・はっきりと話す。普段よりは緊張のため早口になりがちであるが、合間やゆっくり話すことで強調点がわかるようになる
・英語で話す場合はナマリや癖があったり、聞く人があまり上手でなかったりもあるので、はっきり区切って丁寧に
 
 
 
最後になりますが講師の視点からの感想をまとめてみます。
話すほうが慣れていると参加者の反応が非常によく見えます。(!注意!)
 
あくびすると、100%わかります!
肘をついているところが見えます!
youtubeなどを見ながらクスクス笑っている人、ばれています!
 
でも、あくびをしても肘をついて聞いていても、カメラをオフにして見えないより個人的には良いと思います。
このあたりは対面で授業や講義で登壇している時と同様で、たくさんいるから分からないからと思っている人は考えを改めてください。
 
まとめは以上です。
 
これを見ている方が話す側になる時に参考となれば幸いです。
 
 
 
 
 
 
 
 

情報の取り方と解釈のノウハウ

 ネットに無限に情報が氾濫する時代に我々はどのように対処するか?

今回はこれをテーマにお話したいと思います。

 

「どれが正しい情報?」

 

基本的には正しい情報はないと思ってください。そもそも「正しい」という言葉が正しくありません。屁理屈に聞こえるかもしれませんが、絶対的に正しい情報というものは存在しません。「正しい」という概念自体が主観的な判断基準によるものだからです。

 

主観的な判断基準による以上、同じ情報がある視点では正しく、別の視点では正しくないということが存在します。例えば宗教戦争などは仕掛けたほうとしては正しく、仕掛けられたほうとしては正しくないことが多いでしょう。そういう状況なので我々は判断に迷うわけです。

 

ここに対処するためには、まず判断基準を自分で持てるように基礎知識を付けることが大切です。基礎知識自体にも実はバイアスがあるのですが、まず世の中一般的である「常識」(注、これは常に正しいわけではない)が何であるかを理解し、それを批判的に解釈して、時には解釈も変えながら、判断していくほかないと思います。

 

あとは情報はなるべく発信者が特定できて第三者に加工されていない一次情報を重視してください。著者が実名であり一定の社会的立場にある人なら責任をもって発信しているはずなので、他の匿名の無責任な情報とは質が異なります。

 

気を付けないといけないのはニュースやマスメディアで、これらは大衆向けに関心があるように加工しています。例えばコロナや台風などについても常にネガティブな情報を中心に放送し視聴者の関心を高めようとしています。その方が人の関心を惹きつけて視聴率や視聴時間を上げられるからです。

 

あと書籍についても注意が必要です。大手の出版社から出ている分厚い本は、なんかカッコ良さそうで読むと賢くなりそうな気がします。しかし事実として10年経って残っている本は一部です。本も毎年膨大な数が出ており生き残るのは至難の技です。そのような中長く読まれているものは、やはりそれなりの内容があると言えるでしょう。

 

良くない本のパターンは今の時流になりすぎていたり、サブタイトルに「**流」とか、「欧米で流行った」とか、変な売り込みばかりが目立つものです。一瞬良いようにも見えますが、単にマーケティングがうまくいっただけのこともあるので内容をしっかり精査することが大切です。

 

それとニュースに関しては、なるべく複数の情報ソースを見ます。それも異なる立場の媒体をなるべく取得するようにすると、全体としてその情報がどういう位置付けでどう解釈されているか理解できます。

 

具体的には日本のニュースばかりではなく、中国サイドとかロシアサイドとか様々な角度からニュースを見れば偏りが少なくなるはずです。これに関しては欧米の大手のメディアばかりを見るのは良くないです。西側の情報はほぼ同じソースを使い同じような立場のポジショントークが多いので、中東とか共産圏とか異なった立場の情報を取得すると良いと思います。

 

海外のメディアには以下のようなものがあるのでご参考にして判断してみてはいかがでしょうか。

 

 

新華社通信(中国)*日本語

http://jp.xinhuanet.com/zhuanxian/sj.htm

 

DW News (ドイチェ・ヴェレ)
https://www.dw.com/en/top-stories/s-9097

DW News - YouTube

 

TRT World (トルコ)

https://www.trtworld.com

TRT World - YouTube

 

Press Trust of India(インド)

http://www.ptinews.com/

 

Apple Daily(香港)

https://hk.appledaily.com/engnews/hotpick/

 

 

sputniknews(ロシア)
https://sputniknews.com/

Sputnik - YouTube

 

 
 

NTDTVJP

NTDTVJP - YouTube

 

Al Jazeera English (アルジャジーラ)

Al Jazeera English - YouTube

 

CNA (アジア)

CNA - YouTube

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(参考)◆2021年 世界はどうなる?(新春の雑感) ーGoodfind講師ブログより

https://goodfind.hatenablog.com/entry/2021/01/15/142041

 

より詳しい地政学的な世界情勢については過去の動画等で見ることができますので

よかったら参考にしてください。

 

Youtube

◆『米中戦争、人工知能、格差、世界はどうなる?』-起業家で世界で教える教授の話

https://www.youtube.com/watch?v=RHN3fKXMUUE






外国人の日本におけるキャリアについて(“Foreigner’s career in Japan”) Japanese/English

*English follows after Japanese below

毎年多くの方々にお会いする中には外国人の方も沢山います。今回はその方々とキャリアについてお話していることを簡単ですがまとめてみました。

 

まず前提として今回は主に以下の方に対するアドバイスが中心になります。対象となる方は新卒と社会人の両方です。

・現在日本にいる、もしくは日本に来ることができる

・日本語がある程度できる(N1 程度)

・日本語は日常会話程度であるが専門性が高い(大学院生、研究者)

 

(目次)

日本の特殊な労働状況

外国人の日本でのキャリア(国籍と永住権など)

母国帰る選択肢をどう考えるか

 

◆日本の特殊な労働事情

 

日本にはいくつか他国にない労働習慣があります。

・新卒一括採用

・終身雇用

年功序列

・総合職("Sougou-Shoku")とジョブ・ローテーション

 

「新卒一括採用」とは大学又は大学院を卒業するときに同時に全員を採用するシステムです。このシステムの背景には「終身雇用」と「総合職」という考え方があります。「終身雇用」とは新卒で入った会社で一生のキャリアを終えることで、30-40年前の日本では大手企業を中心に普及していたシステムです。現在はあまり実施されていないのですが、なぜか根強い信仰のようなものがあり、会社というものは入った後は勤めつくすのが普通である、という風潮が残っています。 

 

このシステムについて外国の方によくメリットを聞かれることが多いのですが、一言でいうと「安定」です。多少不満もありやりたいことができないとか、転勤ばかりで子供が転校を頻繁にしないと分かっていても、昔は他の選択肢があまりなかったので一生そのスタイルを貫きました。その背景にあるのは「我慢していれば定年まで雇用が保証され、引退後は安定した国の年金があり、また会社によっては企業年金をもらえる」という絶対的な安定感でした。

 

給与の水準は同期とあまり差が出ることはなく、そこには不満も出ることが多いのですが、秀でた人とその他の人の割合を考えれば、秀でた人が少し我慢すれば会社全体としては極めて安定した大所帯となります。

その給与も突然上がったりしませんが、年齢と共に少しずつ確実に上がっていき、子供の教育費が沢山必要となる40代、50台でピークを迎える時にしっかり貰えることは合理的です。

大きな組織ではこの昇給の方法や、経験が上の人が組織でも上のほうになる「年功序列」のシステムは、硬直的という見方もできますが、当たり前のことをしっかり回していくという点ではこちらも合理的です。

 

そしてこのシステムを運営するときのもう一つのキーワードが「総合職とジョブ・ローテーション」です。

「総合職」とは英語に該当する単語がないため、ここでは「Generalist position」と訳します。これは、社内で様々なポジションに就く人たちのことで、新卒一括採用の日本では大学における専門を必ずしも考慮せずに採用して、入社後に適性に応じた部署を定期的に回遊(ローテーション)するキャリアパスをつくります。

 

社内では研修のみならず、現場におけるOJT(On The Job Training)がかなりウエイトを持ち、先輩が時間をかけて後輩を指導します。社員はいろいろな部署を回遊(ローテーション)することにより、社内のそれぞれの部署が何をしているかを理解することができ、それにより部署間の連携もやりやすくなります。

 

このように育成にものすごく手間とコストをかけるのですが、長い目で見ればやがて社内でも暗黙の共通ルールのもとにコンセンサスを作りやすくなり、「1を言って10を理解する」組織が一旦できあがれば長期的に効率的になります。

これを実現するためには社員が長い間在籍する必要があり、その結果が「終身雇用」という形態となります。こうして長い間同じ組織に所属する人たちの間で、ノウハウが先輩から後輩へと職人仕事の伝承のように浸透し全体として機能する組織ができあがります。

 

 

◆外国人の日本でのキャリア(国籍と永住権など)

 

最近は日本でも外国人の方が沢山来て勉強したり、仕事を持ったりすることが増えました。

日本で働くことのメリットとデメリットを以下にまとめました。

 

<日本で働くことのメリット>

・他国と比べると給与水準は平均的に高い(技能職の給与水準は高くない)

・新卒が就職しやすい(スキルや経験を問わない)

・転職も年齢が若いと比較的ポジションがたくさんある

・新人研修がある(新卒)

・福利厚生制度などが整っている

・技能を持っていると永住権がとりやすい

・一定期間日本で働くと転職しやすい

 

 

<日本で働くことのデメリット>

・専門性をつけにくい

・年齢が上になると転職しにくい

・部署や職場が選べないことが多い

・日本型のビジネスの習慣に慣れる必要がある

・日本語が必要になることが多い

・まだ外国人が少ないため日本型の社会である

・中途だと技能があっても入りにくい

・ハラル料理が少ない、教会が少ないなど宗教的に不便があることがある(特に地方)

 

まず外国人として日本国内で働くためには就業ビザが必要になります。しかし最近の制度の改正により、外国人も以前と比べて永住権を取ることが楽になってきました。特に日本の大学や大学院を出ると数年間働くことで永住権を取得することができ、そうなるとフリーランスとして働いたり、業務委託を複数の会社と結ぶなど労働形態が多様化します。

 

加えて日本国籍を取得する方もいて、私の周りでも申請の仕方は様々ですが日本国籍を取得して、日本の漢字名をつけて住んでいる方もいらっしゃります。国籍を取得する場合は、日本人とご結婚するケースが最も多く外国人で日本で働いている方の多くは配偶者が日本人というパターンが多いように見受けられます。

 

国籍は個人の問題ですのでここでは述べませんが、永住権は今後の職業の選択肢を広げるためには持っておいてよいと考えます。実際に例を見ていると永住権を取るまで日本の会社に数年間働き、その後独立していろいろな仕事をしている人が私の周りに存在して、ある方はフリーのコンサルタント、ある方はyoutuber、ある方は業務委託で専門性を生かしている、というサラリーマンではないスタイルで働いています。

 

転職に関しては、日本で数年間働くと職務履歴書に書ける内容ができて、それが充実してくると他の会社でもよいポジションにつけるようになります。

実はこの点が日本で就職することのメリットで一番大きなところであると私は考えています。というのも世界の他の国と比べて日本国内では若者の就職は楽です。新卒では全く専門性がなくとも採用してもらい、入社後には社会人として必要な研修を受けることになります。また一般に日本の会社は挨拶や習慣などに厳しいのですが、それはビジネスで活躍するためには必要なものですので、私も苦痛の部分もありましたがこれはやっておいて悪くないと思います。

 

 

そしてこの時日本流をマスターすると、おそらく海外にでもある程度礼儀正しいビジネスパーソンになることができます。日本は顧客サービスという点では世界で最も厳しい国です。それは競合がたくさんあるレッドオーシャンの市場で限られた数の顧客をサービスで失うことをなんとでも避けたいという背景から来ています。

 

トータルで考えるなら外国人にとって、入社しやすく、研修があり、一人前のビジネスパーソンになる道が存在する日本での就職は、それほど悪くないと思います。実際にいくつかの国の大学生は就職のしやすさを魅力に感じて日本に留学する人が一定数存在します。

日本語は習得するのに大変時間がかかるやっかいな言語なのですが、中国系で漢字を使う人々にとっては、そのハードルはかなり下がります。そして日本に留学し、新卒で日本の企業に一定務めると履歴書に就業経験が書き込めるため、その後の職業選択にも役に立つという合理性がここにはあります。

 

 

次にデメリットについてもお話します。

 

最初にストレートに話をすると日本の企業は年功序列の文化と給与体系があるために、能力や実績の差が給与に反映しにくい傾向があります。そうなるとものすごく活躍している人はあまり給与が上がりません。一方でそれほど活躍していなくともそれなりに頂けるので社内の差が非常に小さくなります。

この事実だけをとらえるとだから日本は他国と比較して経済格差が小さくなるので社会全体としては平和になります。しかし能力がある人や実績のある人はそれに見合ったものが貰えないため、実力主義アメリカや他国に行くか、日本法人でも外資系のインセンティブ制度を持つ会社に転職するでしょう。

 

 

日本で就職した場合、職場の日本独特の習慣に慣れることが必要です。例えば日本の職場にはとても細かなルールがたくさんあり、マニュアルに書いてないものも多いです。文章の書き方や、会議での議事録の取り方、会議での発言の順番など、古い組織程年功序列の文化が残っており「暗黙のルール」を守らないとなんとなく組織の中で浮いてしまうこともあります。

 

また「総合職」という名前で採用され3-5年くらいのローテーションで部署を回る会社では、専門性が身につきにくくなります。ある程度同じような部署でローテーションする場合は、営業や技術者などの専門性がありますが、幅広く動く場合には勤続年数が長くなっても一つのことに従事していないため、特定分野での経験の絶対量が少なくなります。そのため転職の時などには「具体的な」専門分野や実績が書きにくくなるため、転職先の選定や新しい職場での給与などの条件面で折り合いがつきにくくなります。

 

総合職のローテーションはあくまでその会社の中での管理部門に行くためのキャリアパスであり、他の組織に行って専門性を発揮するということには必ずしも合いません。そのようなケースでは立派な名前の会社に勤めていた割には(勤めていたからこそ?)、次の職探しに苦労するということがありえます。

 

 

他には日本流のやり方しか受け入れない組織も存在します。「我々のやり方はこうだから全員が従うものだ」というプレッシャー(同調圧力)が日本の社会には一定存在すると思います。それができないと「やはり外国人には難しい」というレッテルが張られることもあり、それは大変悲しいことでもあります。

私は新卒時に外資系で海外で働いていたこともあるせいか、日本人ですが「同調圧力」が苦手です。これからは個性の時代だ!とか言われていますが根本は同じやり方にしないと村八分(のけものにすること)にする習慣はまだ残っていると思います。

例としては会議では若い人がなかなか率直な意見を言いにくい空気があったり、非常に長い時間を使って全員が空気を読んで同じ結論になることを待つ、みたいなところも存在します。

 

それ以外では日本の会社は家族のように公私をあまり分けないことがあります。よく言えば仲が良いということですが、それが時に失敗に対する甘えがあったり、問題を隠したまま表に出さなかったりすることは不祥事がたびたび出てくるところを見ると今でもあるように思えます。

 

悪名高い残業の長さについては近年ばかなり改善してきたと思います。一方で時間を短くしすぎて知識の共有や人との交流が少なくなっており、それが古き品質重視の文化や、新しいものを創ったりする時間まで奪っていて、結果として競争力がなくなっているようにも思います。

 

他の国の人達が長い時間と労力を使って競争する中で、国内の事情で時間や労力を削減した場合に結果がどうなってくるかは長期で見れば明らかです。NYでもSFでも大学の研究室でも世界の最先端は必死で戦っている中、どのようにバランスをとるかは日本の企業のこれからの課題とも言えます。また最近では中国国内でも同様の議論が活発になっており「996」と呼ばれる午前9時から午後9時までの12時間を週6日働かないと競争には勝てない、という古い世代と、ワークライフバランスを主張する若い世代にはギャップがあるようです。

 

 

◆母国帰る選択肢をどう考えるか?

 

日本にいるか、他国に行くか、母国に戻るか、という選択肢は仕事だけで決められるものでもなく人生の問題です。ですが、仕事はそれを決める大きな要因の一つです。

 

まずキャリア全体を考えることが必要で、今の職務内容、給与やポジションが将来にどのようになるか慎重に考えることから始まります。

キャリアの一般論として、どの国でも年齢が上がるほど違う分野への転職は難しくなります。また年功序列の社会では、年齢が上の人が高いポジションにつく習慣があり、また、上のポジションは数が少なくなり責任も重くなるため、そこにつくこと自体が難しくなります。

 

加えて日本の会社の場合、外国人がボードメンバーになることは現在の状況ではあまり多いと言えません。上場企業の役員の一覧を見てみれば外国人と女性が少ないことに気づきます。この状況は今後改善していくと思いますが急には難しいと予想せざるを得ません。

 

私の個人的な意見として大学生や大学院生が就職する場合は、日本を働く場所として選ぶのは悪くないことと思いますが、ずっと日本にいてよいかは別問題です。

 

ただし一つアドバイスをするなら、母国に帰るのはいつでもできるので最終手段くらいに考えたほうが良いと思います。

 

というのも一旦母国に帰ると、もう一度外国に行くには時間と手間がかかります。昔日本で働いていたからまたいつでも帰れると考えるのは慎重になったほうが良いです。専門性が高く市場価値が高い人はいつでも好きな場所を選べますが、もしも永住権がなくなった後だと再度就職する企業が就労ビザを発行し、日本によぶ手続きをしないといけません。それと母国に帰り数年すると年齢もそれだけ上になるため、ポジションや条件面での希望も高くなっているかもしれません。

 

現在の日本の仕事で将来が見えないとか、会社の仕組みややり方が自分と合わないということは、母国人である日本人でも非常によくあることです。ですので、なんとなく母国に戻れば解消されると楽観的になるのは論理の飛躍があると思います。

 

母国に戻る理由としては以下のようなものだと良い例となるのではないでしょうか。

 

1)社会の習慣や家族のことなどを考えると、やはり母国がよいと決めた(理由は様々)

2)母国でよいポジションがあり、新しい経験を積める(再び海外に出るチャンスが増える)

3)母国の経済成長の余地が日本より高いのでチャンスがある

4)日本である程度実績がついたので母国でより高いポジションにつける(ステップアップ)

5)一旦母国に帰って勉強して、留学、資格、なんらかのプロセスを経て再度海外に挑戦する

 

このように、少し前向きな理由があり、具体的な条件などが見えてきた場合は意志決定をしてもよいと思います。このあたりは個人の生活の問題なので仕事だけで決めるものではないと思いますが、一応参考までになれば幸いです。

 
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(English from here)

“Foreigner’s career in Japan”

I have been meeting many foreigners every year. I would like to share the stories about their careers briefly.

 

This is for someone who is as below:(both for students and business persons)

-Now living in Japan or can come to Japan to work

-Speaking Japanese fluently(N1 level or the same)

-Speaking daily conversation with some expertise(Post graduate/researcher)

 

 

(Index)

-Japan-specific working conditions

-Foreigners' careers in Japan (nationality and permanent residence, etc.)

-The option of returning to home country

 

<<Japan-specific working conditions>>

 

Japan has several unique working practices that are not found in other countries. 

-Employment of all new graduates

-Lifetime employment

-Seniority system

-"Sougou-Shoku"(=Generalist position) and job rotation

 

"Employment of all new graduates(“Shinsotsu-Ikkatsu-Saiyou” in Japanese)" is a system of hiring all new graduates at the same time as they graduate from universities or graduate schools. This system is based on the concept of "lifetime employment(“Shushin-Koyou” in Japanese)" and "Generalist position(“Sougou-Shoku)".

 

"Lifetime employment" refers to a lifelong career at one company since graduated and that system was widespread in Japan 30-40 years ago especially among major corporations. Although it is not widely practiced today, there is still a strong belief that it is normal to work for one company for all one's life.

 

I was often asked by foreign people about the advantages of this system and would say frankly that in a word, it is "stability". Even if persons are somewhat dissatisfied and cannot do what they want to do, or if they know that they have to transfer all the time and their children often change schools, in the past there were not many other options, so you stuck with that style for the rest of your life. The reason behind this was the absolute stability: "If I persevere, my employment is guaranteed until retirement, and after I retire, I will have a stable government pension and I may also receive a company pension.

 

The salary level is not quite different from that of her/his colleagues and there are sometimes complaints about that. But considering the ratio of excellent people to other people, the company as a whole will be a very stable and large group if the excellent people hold back a little.

The salary does not increase suddenly, but it increases steadily with age, and it is reasonable to get a good salary when she/he reaches the peak in 40's and 50's when she/he needs money for children's education.

In large organizations, this method of raising salaries and the "seniority system", where those with more experience are higher in the organization, can be seen as rigid, but it is also reasonable in terms of ensuring that operations are done as planned and scheduled.

 

Another key word in the operation of this system is "generalist position and job rotation".

Since there is no corresponding word in English for "Sougou-Shoku(総合職)", I will translate it here as "generalist position". In Japan where new graduates are hired en masse, they are hired without taking into account their university major, and after joining the company, companies create a career path that allows employees to periodically rotate between departments according to their aptitude.

 

In their career path, not only training but also on-the-job training (OJT) plays a significant role and senior employees spend a lot of time guiding their juniors.

By rotating through various departments, employees can understand what each department is doing, which makes it easier to collaborate with other departments.

 

Although it takes a great deal of time and money to train employees in this way, in the long run it will eventually become easier to build a consensus within the company based on unspoken common rules, and once an organization that "says 1 and understands 10" is established, it will become more efficient in the long run.

 

In order to achieve this, employees need to stay in the company for a long time, which results in a form of "lifetime employment". In this way, know-how can be passed down from senior to junior employees like the handing down of craftsmanship. And an organization functioning as a whole can be created.

 

<<Foreigners' careers in Japan (nationality and permanent residence, etc.)>>

 

Recently, many foreigners have been coming to Japan to study and hold jobs.

The advantages and disadvantages of working in Japan are summarized below.

 

<Advantages of working in Japan>

-Average salary level is high compared to other countries (Skilled worker's salary level is NOT high)

-Easy for new graduates to get a job (regardless of skills and experience).

-Many positions available if people are young

-Good training program is provided for new graduates

-Good benefits system for employees

-Easy to get a permanent residence for skilled persons

-Easy to change jobs after working in Japan for a certain period of time

 

<Disadvantages of working in Japan>

-Difficulty in developing specific expertise

-Difficult to change jobs when person is older

-No choice of a department or a workplace

-Hard to get used to Japanese business customs

-Japanese language skills often required

-The society itself is mostly Japanese-style

-Difficult for mid-career workers to enter even if they have skills

-There are some religious inconveniences such as few halal foods and few churches (especially in rural areas)

 

First of all, in order to work in Japan as a foreigner, a work visa is needed. However, due to recent changes in the system, it has become easier for foreigners to obtain a permanent residency than it used to be. In particular, after graduating from a Japanese university or graduate school, it is possible to obtain permanent residency by working for a few years, then it becomes possible to work as a freelancer or have flexible work for multiple companies.

 

In addition, there are people who acquire Japanese citizenship. Although the application process varies, there are people around me who have acquired Japanese citizenship and live in Japan with a Japanese Kanji name. The most common way to obtain citizenship is to marry a Japanese national and many foreigners working in Japan have Japanese spouses.

 

Nationality is a personal matter, so I do not discuss it here, but I think it is good to have a permanent residency to broaden career options in the future. In fact, there are people around me who worked for a Japanese company for a few years until they got their permanent residency and went independent to do various jobs as a freelance consultant, a youtubers or an outsourced professional.

 

As for changing jobs, if a person works in Japan for even a few years, she/he will be able to build up a resume that can be put on the job application, and once it is complete, the person will be able to get a better position in another company.

 

In fact, I think this is one of the biggest advantages of working in Japan. This is because, compared to other countries in the world, it is easier for young people to get a job in Japan. If the person is a new graduate with no specialization, she/he will be hired and receive the necessary training to become a member of the company. Also Japanese companies are generally strict about greetings and customs which are necessary to be successful in business, so I think it is not a bad idea to do this, even though it was painful at times(That's ME.)

 

And if someone masters the Japanese way at this time, she/he will probably be able to become a polite and well-mannered businessperson even in different countries. Japan is one of the toughest countries in the world in terms of customer service. This is due to the fact that they want to avoid at all costs losing a limited number of customers in a red ocean market with many competitors.

 

Thinking about a career in total, it is not so bad for foreigners to find a job in Japan where it is easy to enter, training is provided, and there is a way to become a independent businessperson. In fact, there are a certain number of university students from some countries who come to Japan to study because of the ease of finding a job after graduation.

Japanese is a tricky language that takes a lot of time to learn, but for people of Chinese descent who use Chinese characters, the hurdle is much lower. There is also a rationale here that if a person studies in Japan and works for a Japanese company as a new graduate for a certain period of time, then she/he will be able to write down some work experience on resume which will help to find the next step.

 

Next, I talk about the disadvantages.

 

Frankly speaking, Japanese companies tend to have a seniority-based culture and salary system that make it difficult for differences in ability and performance to be reflected in salary. In this case, people who are high performers will not get much of a salary increase at the same time, average performers can get a decent amount of money. As a result, the difference within the company becomes exceedingly small.

 

That is why Japan's economic disparity is smaller than other countries and that society is very peaceful and safe. However, people with abilities and achievements do not get enough and they will either go to the U.S. or other countries or transfer to a company in Japan with a foreign-type incentive system.

 

When a foreigner finds a job in Japan, she/he needs to get used to the unique Japanese customs of the workplace. For example, Japanese workplaces have a lot of detailed rules and many of them are not written in manuals.

The old organizations tend to have more seniority-based cultures. Unless a person does not follow the "unspoken rules" such as how to write minutes of the meetings and what order to speak at meetings, the person may not be a good member.

 

If a person is hired in a "generalist position" and rotated through departments for about 3-5 years, it is difficult to acquire expertise. If the rotation is within the same department, she/he can have specific expertise such as sales, marketing or engineering. But if a person works in a wide range of fields in the same company for a long time, she/he will not be engaged in one thing and her/his absolute amount of experience in a particular field is limited. As a result, when changing jobs, it is difficult to write down your "specific" areas of expertise and achievements and that makes it difficult to get a salary or what she/he wants for a new job.

 

The rotation of "generalist position" is a career path to go to the management division within that company and it does not always fit with going to other organizations to demonstrate the expertise. In such a case, the person may have a hard time finding another job despite (or because of?) the fact that she/he worked for a big-name company.

 

There are some organizations that only accept the Japanese styles. I think that there is a certain amount of pressure (peer pressure) in a Japanese society that claims "This is the way we do and everyone must follow it. In the case that the person is unable to do that, it may be said "it's difficult for foreigners". I am very sad to hear that.

Though I am a Japanese, I am not good at "peer pressure," probably because I worked overseas for a foreign company when I first graduated. Now this is the era of individuality. But I think that at the root of it all, there is still the habit of making people who do not do things the same way outsiders.

For example, in meetings, there is an atmosphere that makes it difficult for young people to express their opinions frankly, and there are places where people spend a very long time waiting for everyone to read the atmosphere and come to the same conclusion.

 

Other than that, Japanese companies are sometimes like a family and there is not separation between public and private. At best, they get along well with each other, but this sometimes leads to laxity in dealing with failures, hiding problems or not revealing them to the public, which still seems to be the case when we see the frequent scandals.

 

As for the infamous long hours of overtime work, I think it has improved a lot in recent years. On the other hand, the hours are too short to share knowledge and interact with people and that takes away from the old quality-oriented culture and the time to create new things. As a result, I think especially Japan is losing competitiveness in the world market.

 

While people in other countries spend a lot of time and effort to compete, the consequences of cutting time and effort due to domestic reasons are obvious in the long run. In NY, SF, or university laboratories in many countries, where the cutting edge of the world is struggling extremely hard, the work-life-balance is the big issue and a challenge for Japanese companies in the future. Also, the same scene can be seen in China where it exists a gap between the old generation who says that you cannot win the competition unless you work 12 hours a day, 6 days a week, from 9:00 a.m. to 9:00 p.m., which is called "996," and the young generation who insists on work-life-balance.

 

<< The option of returning to home country>>

 

The choice whether to stay in Japan or return to home country is a matter of life and it should not be a decision only on work. However, work is one of the major factors that determine it.

 

The first step is to think about one's lifetime career as a whole and carefully consider what your current job, salary and position will be linked to in the future.

Generally, the older one gets, the more difficult it is to move to a different field in any country. Also in a seniority-based society, it is common for older people to be placed in higher positions. Since there are fewer positions at the top and the responsibilities are heavier, it becomes more difficult to move up.

 

In addition, in Japanese companies, it is not very common for foreigners to become board members under the current circumstances. If looking at the list of board members of listed companies, you will notice that there are few foreigners and women. I think this situation will improve in the future, but I predict that it will take some time to change it.

 

In my personal opinion, it is not a bad idea for university students and graduate students to choose Japan as a place to work, but whether they stay in Japan forever is another matter.

 

However, if I were to give someone one piece of advice, I would say that she/he should consider going back home as a last resort because it can be done anytime.

 

The reason is that once she/he goes back to home country, it will take a lot of time and effort to go out to a foreign country from home. It is better to be cautious about thinking that you used to work in Japan and can come back easily. If the person is highly specialized and highly reputed in the labor market, she/he can always choose where to work. But if she/he is no longer a permanent resident, the company has to issue a work visa and invite her/him back to Japan. Also please keep in mind that once back to home country for a few years, the age will be that much older and she/he may have higher expectations in terms of positions and conditions.

 

It is very common even for native Japanese to feel that they cannot see the future of their current job in Japan, or that the company's system or way of doing things does not suit them. Therefore, I think it is a leap of logic to be optimistic that the problem will be solved if you somehow return to your home country.

 

The following are good examples of reasons to return to your home country.

 

1) You have decided that your home country is the best place for you because of social customs, family, etc. (with various reasons)

2) There is a good position in your home country and you can gain new experiences (and more chances to go abroad)

3)There is more room for economic growth in your home country than in Japan, so there are more opportunities

4)You can get a higher position in your home country because you have achieved a certain level of success in Japan (step up).

(5) Go back to your home country to study, through studying abroad, getting certifications or going through some other process, and try again

 

As you can see, if you have some positive reasons and you see some specific conditions, you can make a decision. This is a matter of personal life and should not be decided solely by work. I strongly hope that this advice is helpful to your life.